(最低限の用語)

○探索者
 クトゥルフ神話TRPGにおける、プレイヤーの操作するキャラクターの事。
○ダメージ・ボーナス
 筋力と体格によって相手に与えるダメージの増減の事。
○キーパー
 クトゥルフ神話TRPGにおけるGMの呼び名。
○魔術
 この世界の魔術はゲームによくある便利なものではなく、自身の身を危険に晒さざるをえない物が多い。
 位置付けとしては「最後の手段」。
 普通は習得する事はないので、存在することだけ知っていればOK。
○マジック・ポイント
 いわゆるMPの事。POWと同じ値。


STR(Strength, 筋力)

 STRは探究者の筋力を表すものである。
 探究者がどのくらい重い物を持ち上げたり、押したり、引っ張ってみたりできるか、どれくらいしっかりと物にしがみついていられるか等を表している。この能力は探究者が近接戦で相手にどのくらいのダメージを与えることができるかを決める場合に重要になってくる。
 STRがゼロになった探究者は、ベッドから起き上がれない状態である。


CON(Consititution, 体力)

 この能力は健康状態、活気、バイタリティを表している。
 また、探索者が溺れたり首を絞められたりしたときに、どのくらい抵抗できるかを示す。毒や病気は、探索者のCONが抵抗の基準となる。CON値の高い探索者は、普通は耐久力も高いので、負傷や攻撃に対する抵抗力も強いことになる。
 肉体的な損傷あるいは魔術的な攻撃によって、CONの値が下がってしまう事がある。
 CONがゼロになった探索者は、死亡する。


SIZ(Size, 体格)

 SIZ(という能力値は、キャラクターの背の高さと体重を一緒にして一つの数字で表したものである。
 なにか障害物の向こうにあるものを見るとか、茂った草の上から誰の頭が飛び出しているかを判断するにもSIZ値が使われる。SIZによって耐久力とダメージ・ボーナスが決まる。手足をひどく失ったような場合には、それを表すためにSIZ値を下げることもあるが、そのような場合にはDEX値を下げるほうが普通である。
 探索者のSIZがゼロになったとしたら、それは姿が消えたということになるだろう。どこへ消えたかって?神のみぞ知るだ。


INT(Intelligence, 知性)

 INTは探索者がいかに良く物を学べるか、ちゃんと覚えているか、物事をちゃんと分析できるかなどをあわらしている。
 また身の回りのことをいかに良く認識しているかということもINTが表している。
 キーパーは異常な状況を説明するときに、探索者のINTを何倍かして、D100でその数字以下の結果が出せるかどうか探索者にロールさせる。[INT×5]のロールは<アイデア>ロールと呼ばれ、非常に一般的なロールである。このロールについてはあとでさらに詳しく説明する。難しい概念や困難な計画、霊感的な推測などが生まれるのは、単純なアイデアが生まれる場合よりはチャンスが少ないはずである。したがってそれらを生み出すためのロールは、INTに掛ける数字が低くなる。低いときは[INT×2]や、[INT×1]になることもある。このようなロールによって、探索者に推理が出来るか、情報と情報を結びつけることができるかなどが決まる。このようなロールがあることによって、例えばプレイヤーが火山を見て世界の中心が溶けている証拠だと思うなどという問題は起こらなくなる。
 新しく探索者を想像する際に、個人的興味の技能へ配分される技能ポイント数は、INT値によって決まる。また探索者がクトゥルフ神話の呪文をどのくらい素早く学べるかということも、INT値によって決まる。
 探索者のINT値が後でロールするEDU値と矛盾するような場合、それはそれでまたロールプレイのチャンスとなる。例えばEDUが高いのにINTが低い探索者がいたとすれば、それはたぶん物知りぶった説教人間、あるいは枝葉のことばかりにこだわる雑学人間だということになる。事実は沢山知っているが、その意味を知らないのだ。それと反対にINTが高くてEDUが低い場合は、無知な人間――例えば都会へでてきたばかりの農家の息子とか、貧しい移民など――かもしれない。が、世間を生きぬいていく知恵を十分に持った気の利いた人間に違いない。
 そしてINT値がゼロの探索者は、ヨダレをたらしながら意味のない言葉をつぶやいているということになる。


POW(Power, パワー,精神力)

 POWは意志の力を表している。POWが高いほど魔術を使う能力は高くなる。
 POWが高くてもリーダーシップに優れているとは言えない。リーダーシップはロールプレイの問題であって、POWの高低の問題ではないのだ。POWの値、あるいはマジック・ポイントの値(マジック・ポイントの値はPOW値から決められる)によって、魔術的な攻撃とか催眠術的な攻撃に対して抵抗する力が決まる。POWを失った場合、決して回復することはない。そうではない場合はその旨、特に記述されている。
 [POW×5]のロールを<幸運>ロールという。<幸運>ロールについては、後に詳しい説明がある。[POW×5]の筋は、そのキャラクターの初期SAN値とも同じ数字である。マジック・ポイントはPOWと違って消費してしまったり再生させたりすることが出来るものであるが、普通のキャラクターのPOWはめったに変化することはない。
 しかしクトゥルフ神話の魔術に長けた者なら、自分のPOW値をじょうしょうさせることができるかもしれない。
 POW値がゼロの探索者は、ゾンビのような人間であり、魔術を使うことは出来ない。


DEX(Dexterity, 敏捷性)

 DEXの値が高いものほど動作が素早く機敏で、自分の肉体を自在に使いこなす能力が優れている。
 キーパーが<DEX>ロールを要求するのは、例えば高いところから落ちかかったときに反射的に何かに捕まることが出来るかどうか、強風の中や氷の上でちゃんと立っていられるかどうか、繊細な仕事が出来るかどうか、人に知られずに何かを取ることが出来るかどうかなどを見るときである。他の能力値の場合と同じように、<DEX>ロールの難しさの度合いもDEX値に掛ける数字によって決まる。能力値にどんな数字を掛けるかは、キーパーが決める。
 戦場の場においては、DEX値の最も高いものがまず最初に攻撃あるいは射撃を行う。したがって、敵が攻撃する前に相手の武器を取り上げたり無抵抗状態にすることも出来るわけである。
 [DEX×2]の値は、探索者の初期の<回避>技能の値となる。
 DEX値がゼロの探索者がいるとすれば、それは体のコントロールが上手く働かず、<幸運>ロールに成功でもしないかぎり肉体的な仕事は全然できない人物ということになるだろう。


APP(Appearance, 外見)

 APP値はその人物の要望や好感度を表す値である。
 APPの何倍かの値のロールに成功することによって、有力者との出会いを成功させるのに役に立つかも知れない。また異性に良い第一印象を与えたい場合などには、<言いくるめ>あるいは<値切り>ロールと組み合わせて使えば大いに有効だろう。ただし、APPは表面的な能力に過ぎない。第一印象が良くても、それがその後ずっと続くとは限らないのだ。APPが表すのは鏡に写る姿と同じものであって、それだけではリーダーシップやカリスマ性につながるものではない。
 APPがゼロの探索者は、目を覆いたくなるような醜い人物で、どこへ行ってもそのことでなにか言われるだろうし、周りにショックを与えることだろう。


EDU(Education, 教育)

 EDU値はそのキャラクターが学校教育で得たはずの知識及び実際上の知識を表し、それらを学ぶためにかかった年数をも表している。
 EDUは情報を持っているかどうかを計る物であって、その情報を知的に使いこなせるかどうかを計るものではない。またEDU値によって、探索者が技能ポイントをどのくらい持っているかも違ってくる([EDU×20]ポイントを職業技能に加算できるからである)。
 [EDU×5]のロールは<知識>ロールと呼ばれている。<知識>ロールについては、あとで詳しく説明する。また同じく[EDU×5]のロールは探索者の<母国語>の技能の初期値も表している。
 EDUの値が12なら、高校を卒業した人間ということになる。それより高い場合には、カレッジのようなところへ行ったということだろう。EDUが16以上ある場合には、大学卒業あるいはそれと同等の教育を受け、学位を持っているような人物だろう。EDUの値の高い人物が必ずしも高等教育の学歴があるとは限らないが、勉強好きで観察力の優れた人間であることは確かだろう。
 EDUがゼロの探索者は、う7まれたばかりの赤ん坊のような人物か、あるいは健忘症にかかって世の中のことが全く分からなくなっている人間だろう。


SAN(Sanity, 正気度) ※通称、SAN値

 SANはそのプレイヤーの正気の度合いであり、狂気に対する心の強さを表す数値である。
 SANは[POW×5]の値である。このようにSANはほかの能力値(POW)から作り出さた物であるが、探索者にとって非常に重要なものであり、このゲームのアイデアの中心となるものだ。
 探索者の最大正気度ポイント(最大SAN値)は99ポイントを超えることはない。正気度ポイント(SAN値)が99であるということは、意志の力が最大限に強い人物だということを表している。非常に大きな感情的ショックにも耐えられ、ショックを弱めたりよそへ反らせたりする事ができる人物である。それに比べて正気度ポイント(SAN値)が30ポイントの人物は、意志の力が弱く、一時的狂気や永久的狂気に陥るかも知れない人物ということになる。クトゥルフ神話のモンスターに遭遇すると、殆どの場合、正気度ポイント(SAN値)を失うことになる。自然の出来事であっても、遭遇したことによって正気度ポイント(SAN値)を失わせるものもある。またクトゥルフ神話の呪文は、学ぶためにもかけるためにも正気度ポイント(SAN値)の消費を伴う。
 探索者の正気度ポイント(SAN値)は、[99-「その人物の現在の<クトゥルフ神話>のパーセント」]よりも大きいということは決して無い。そのポイントを上限として、失った正気度ポイント(SAN値)を取り戻したり、あるいは初期の正気度ポイント(SAN値)よりも高いポイントになることもある。ただし、それには時間がかかる。
 SANがゼロの探索者は、長期入院が必要になり、おそらくプレイに戻ってくることはないだろう。
 サブページのSANについての説明も参照すると増減に関する説明が手に入る。


<アイデア>ロール:[INT×5]

 <アイデア>ロールは直感力、あるいはモノを見てそれを解釈する能力を表す。技能ロールの中に適当な物がないときには、この<アイデア>ロールが何かの概念を理解したり差し迫った知的な問題点を解決するのに役に立つだろう。<アイデア>ロールは何かを知っているかどうかを見る場合に大変便利なロールである。例えば、探索者が目に入ったものをちゃんと見ていて理解したかどうか、ある集会や場所に特殊な雰囲気があることに普通の人が気がついているかどうか、あの丘の上に場違いなものがないかどうか、などである。
 <目星>技能は特定の手がかりやすぐには分かりにくい品物などの場合に使うべきである。人間の個人に関することの場合には<心理学>ロールを使う。


<幸運>ロール:[POW×5]

 探索者はあの装備品をたまたま持ってきているだろうか?空鬼に狙いをつけられたのはどの探索者か?探索者はよりによって壊れている床板やギーッと音のする床板に足をのっけてしまったか?これらのことにすぐ答えを出してくれるのが<幸運>ロールである。
 幸運というのは、適切なときに適切なばにいるという能力である。このロールは緊急の事態にキーパーが探索者により高いチャンスを与えたいと思うときにさせることが多い。例えば<跳躍>ロールとか<回避>ロールなどで得られる結果よりも、高い確率の結果を得たいような場合である。


<知識>ロール:[EDU×5]

 すべての人々は色んな事柄に関して、断片的な情報を沢山知っているものだ。<知識>ロールは頭脳の中にどんな情報が入っているかを表す。どのくらいの情報が頭の中にあるかということを、探索者の受けた教育程度に応じた確率としてパーセントで表したものである。
 ある探索者は水の中に硫酸を入れたら(あるいは硫酸の中に水を入れたら)どうなるか、<科学>を勉強したことがなくても知っているかも知れない。また<ナビゲート>ロールに成功しなくても、たまたまチベットの地形を知っているかも知れない。<生物学>のポイントを1ポイントしか持っていなくても、蜘蛛には足が何本あるかを知っているかも知れない。
 現在の地球上で使われている言語を識別することなどは、<知識>ロールの最も適切な使い方の一つである。
 全てのことを全部知っている人間などは居ないので、<知識>ロールはどんなことがあっても99ポイントを越えることはない。たとえ探索者のEDUが21以上であっても、<知識>ロールは99止まりとなる。



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最終更新:2023年01月07日 19:03