山川俊宏

概説

山川俊宏(やまかわ としひろ、1941年11月21日-)は、日本の精神世界、スピリチュアル系の翻訳、著作家、講演家、スピリットダンス主催者で、ペンネームは山川紘矢(やまかわ こうや)。静岡県引佐郡引佐町金指(現在の浜松市北区)において7人兄弟の6番目として生まれ、静岡県立掛川西高等学校から一浪の末、東京大学文科Ⅰ類に入学、東京大学法学部第1類(私法コース)卒業。大蔵省(現在の財務省)に入省し、マレーシア、アメリカ等の勤務を経て1987年7月に退官し、ニューエイジ、精神世界、スピリチュアル関係の翻訳家になった。妻は山川綏子(やまかわ やすこ、ペンネームは山川亜希子〈やまかわ あきこ〉、1943年1月29日-)であり、翻訳は妻と共に行っている。共訳にパウロ・コエーリョ『アルケミスト』(角川文庫 1997年)ジェームズ・レッドフィールド『聖なる予言』ブライアン・L・ワイス『前世療法 米国精神科医が体験した輪廻転生の神秘』(PHP文庫 1996年)等がある。 なお、大蔵省を退官した後、東京都港区赤坂のマンションから東京都町田市成瀬台に引っ越ししている。

輪廻転生に対する態度

ワシントンDCに住んでいた際、ハリウッドの有名女優シャーリー・マクレーンが前世を探求した書『アウト・オン・ア・リム』を読んで、「これは真実が書いてある本かもしれない」と感じたという。また、1985年、『アウト・オン・ア・リム』の翻訳を終え、東京に戻り、大蔵省・関税局の課長をしていてアメリカ大使館の近くを歩いていた時、「人は死なない。輪廻転生を繰り返す永遠の存在だ。」と人に伝える事が自分の使命であると直感したと言い、まさに天からの直撃のようだったという*1*2。山川は元々、輪廻転生があるとは心から信じてはいなかったというが、マクレーンが「精霊と会話を重ねるにつれて、輪廻転生があるのではないかという思いが強くなっていった」と言っているのを「真実かもしれない」と感じていたが、天啓のような直感を経て確信に変わったという。

また、2009年を起点として20年以上前にアメリカのワシントンDCに住んでいた時、車で小旅行をしたという。ある時(その頃は、前世を全く信じていなかったというが)、バージニア州とウエストバージニア州の境目だったと思われる大きな川を訪れた際、「その戦いの場に自分がいたに違いない」と確信したと言い、自分の感覚が普通ではなく、普段の自分ではいられない、体の奥底にある魂が揺さぶられたような気がしたという。そして、奴隷たちを北部に逃がす仲間の一人で、この地で殺されたと、ありありと感じたという。*3

さらに、山川は、リア・バイヤーズというチャネラーを通して、多くの過去生を教えられたという。カリフォルニアのエサレンでたまたま出会ったボビーという20歳のアメリカ人の青年を預かる事になった際、子どもをもったようにわくわくしたというが、精霊を通してボビーとの過去生での関係を聞いてみるとカリフォルニアに住んでいたエサレン族というインディアンだったころ、山川はボビーの父親であったという*4。また、山川は冬の寒さが嫌いというが、リア・バイヤーズによると、ロシア人であった過去生において革命を起こすために工作したものの、失敗して牢獄に繋がれたと言い、そのことも実感をもって納得できるという。*5

「前世があるという確信」について、それは「死んでみなければ分からない」という姿勢であるが、実際に自分の身に起こったことから推察すると、「死はすべての終わり」という考え方より、「死」は肉体という衣を脱ぎ捨てて、「向こう側の世界」に戻っていくだけと考えるほうが理にかなっているような気がすると指摘している。*6
死んでからはエネルギーに戻ると言い、この世の全ては芝居かゲームだと気が付くと生きやすくなるという。また、魂の大元はひとつで、大いなる宇宙そのものだという。また、輪廻転生については大いなる宇宙に還っても、魂の個別性は保たれると思うといい、何度も生まれ変わる中で多くの経験を積み、カルマや癖のようなものを受け継ぎながら固有の魂が磨かれていくような気がすると述べている。*7

精霊との出会い

『アウト・オン・ア・リム』の翻訳をしていたころ、精霊と初めて出会ったといい、リア・バイヤーズという女性を通して、セント・ジャーメイン(サンジェルマン伯爵)と呼ばれる精霊からメッセージを受け取ったようである*8*9。そして、リアに山川を紹介したサムという青年もリアも『アウト・オン・ア・リム』を翻訳したことなど知らなかったにも関わらず、精霊は全て知っていたのだといい、マクレーンが『アウト・オン・ア・リム』を書いた事も山川夫妻が翻訳した事も全ては精霊たちの計画であったと聞かされたという。そして、山川は前世で中国、ロシア、アメリカなどにいたことを聞かされ、その後イギリス人やアメリカインディアンだった事などを納得できるエピソードとともに知ったという。*10
さらに、山川は精霊から「いずれはあなたがた(山川俊宏と山川綏子)も、私たちと直接、交信できるようになる」と言われたという。そして、リアが来日した際、山川綏子がペンをもつと“You are my voice.”というサン・ジェルマン伯爵からのメッセージが現れ、山川俊宏もその後、不意に手が動き始めて「夜はもう遅いから寝なさい」というメッセージが英語でスラスラと出てきたという*11。そして、サン・ジェルマン伯爵から自動書記を通じて教育を受けたと言い、ある日、「私の教えることはすべて教え終わりました。これで私はさよならします。次の人があなたがたを指導します。私を必要とするときはいつでも呼んでください」というメッセージが伝えられたという。そして、山川たちを指導する精霊はサン・ジェルマン伯爵から聖フランチェスコに代わり、その後イエスに代わったという。*12

また、神についても40年以上、「神様なんて絶対にいない」と思っていたというが「自分とは何者だろう」と探究していくと、自分は神の分身であり、大いなる宇宙の一員であると感得したといい、宇宙にあるものはすべて神が顕現したものであると指摘している。*13

  • 参考文献
  • 参考サイト
最終更新:2024年05月01日 13:10

*1 山川 2009 p.21

*2 山川・阿部 2015 p.15

*3 山川 2009 p.4-5

*4 山川 2009 p.141-142

*5 山川 2009 p.143-144

*6 山川 2009 p.6

*7 山川・阿部 2015 p.24

*8 山川 2009 p.76-77

*9 山川・阿部 2015 p.58

*10 山川 2009 p.79, p.141

*11 山川 2009 p.130

*12 山川 2009 p.204

*13 山川・阿部 2015 p.208