アストロボット
【あすとろぼっと】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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プレイステーション5
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発売元
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ソニー・インタラクティブエンタテインメント
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開発元
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Team ASOBI
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発売日
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2024年9月6日
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定価
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【通常版】7,980円(税込) 【デジタルデラックス版】8,980円(税込)
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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備考
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「The Game Awards 2024」Game of the Year受賞
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プレイ人数
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1人
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判定
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良作
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PlayStation Studios作品
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概要
PSVR専用ソフト『ASTRO BOT:RESCUE MISSION』、PS5にプリインストールされているゲーム『ASTRO's PLAYROOM』に続く、ASTRO BOTシリーズの第3弾。
特徴
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ステージクリア式の3Dのプラットフォームアクションゲーム
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プレイヤーは主人公の「アストロ」を操作して、ボットを救出しながら、ステージを攻略していく。PSVRの『ASTRO BOT:RESCUE MISSION』とほぼ同じシステムである。
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アストロの操作方法も、『RESCUE MISSION』と『PLAYROOM』と同様。
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本作ではチャージパンチの溜め時間軽減など、前作から地味な改善が施されている。
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ステージごとに、アストロのアクションを増やすことができる装備の入った箱があり、それを利用してステージを攻略する場面もある。
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銀河系ごとにステージとなる惑星が存在し、ボスステージに挑むには一定数以上の救出したボットが必要となる。
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ステージ道中にはパズルピースが落ちていることがあり、それを集めることで、施設が開放されるようになる。
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豊富なアストロたちのリアクション
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前作『PLAYROOM』からアストロや他ボットたちの表情が豊かになり、特に台詞が大幅に増加した。
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声が甲高くて聞き取りづらいが、よく耳を澄ますと「クルクルクル~」「ヨイショ!」といった日本語のオノマトペを喋っているのが分かる。
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特に遭難したボットの「タスケテ~!」という声はかなり切実。早く助けてあげよう。
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なお、ボスを含めた日本語(?)ボイスはミニオン語的な扱いなのか、全言語で共通のようだ。
評価点
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3Dプラットフォームアクションとしての完成度の高さ
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まず、銀河を舞台としているだけあって、ステージとなる惑星はバリエーション豊か。様々な風景や雰囲気のステージを攻略できる楽しみがある。
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前述したステージ道中で手に入るアストロの装備も、小さく縮むことができる、時間をゆっくりにする、ジェット噴射で飛んでいける、など種類が豊富。
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また、時間をゆっくりにする装備に関しては、使用している間はアストロがPSVRのゴーグルを被るといった、ちょっとした小ネタも。
何故かPSVR2ではないが気にしてはいけない。
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PS5への徹底的な最適化、及びPS5の特徴を活かした演出・ギミック
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とりわけ、ハプティックフィードバックとコントローラーのスピーカーが多用されており、臨場感のあるゲームプレイが楽しめる。
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前述したアストロの装備の殆どがDualSenseのアダプティブトリガーに対応している。
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PS5の性能を誇示するためなのか、大量のオブジェクトが登場する場面も少なくない。もちろん処理落ちなどは全く起こらない。
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SSDが搭載されたPS5なので、当然ロード時間は非常に短い。快適にプレイすることができる。
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銀河系ごとにある特別ステージ
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レベルとなる銀河系ごとにボスが存在し、ボスステージをクリアすると特定のゲーム作品をテーマとしたステージをプレイすることができる。
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とりわけ日本人からの評価が高いのは、『サルゲッチュ』と『LocoRoco』を題材にしたステージ。
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特にサルゲッチュステージは、原作通りレーダーと網を使ってピポサルの姿をしたボットを捕まえるというステージであり、サルゲッチュシリーズの新作がしばらく出ていないということもあってか、サルゲッチュに思い入れのあるプレイヤーたちの間で話題となった。
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LocoRocoステージも、DualSenseのジャイロセンサーを使用し、コントローラーそのものを傾けて操作するという、今までありそうでなかったギミックを使っている。
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様々なゲームキャラのコスプレをしたボットたち
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救出対象のボットの中には、ゲームキャラのコスプレをしたものも混ざっており、ボット救出のモチベーションの一つになっている。
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プレステで発売されたことのあるシリーズであれば対象になっているらしく、自社キャラ・他社キャラ問わず、数多くのゲームキャラのコスプレをしたボットが登場する。
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他社キャラでは有名どころだと、カプコンのリュウとケン、コナミのスネーク、悪魔城ドラキュラ、セガの桐生一馬、アトラスのジョーカーやクマなど、非常に豪華なラインナップ。
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さらにインディーゲーム枠として、『オクトダッド』『Stray』『Kena: Bridge of Spirits』『フォールガイズ』のキャラクターのコスプレをしたボットも登場する。
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挙句の果てに、救出対象のボットの中の一人として、あのポリゴンマンまでもが混ざっている。『プレイステーション オールスター・バトルロイヤル』から実に11年ぶりの再登場である。
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その他、プレイステーションはおろかゲームキャラですらないAIBO(しかも新旧2種類)も登場する。確かに同じソニー製品ではあるが……。
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12月13日の無料アップデートで、スペシャルステージ「わくわくスノータウン」が追加。そこではレイマン、ゲックス、クロックといった知る人ぞ知るキャラクターも登場するようになった。
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驚くべきことに厳密にはゲームキャラではないスパイダーマンまでもが追加されている。
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良好なユーザビリティー
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助け出したボットや取得したパズルピースは、ステージを途中で抜けても入手したことが残るため、取りこぼしを回収するために再度ステージを攻略する場合も、わざわざゴールまでクリアする必要がない。
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一度クリアしたステージなら、コインを支払うことによって、ボットやピースの場所を知らせてくれるお助け機能もある。
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上級プレイヤーにも対応した高難度ステージ
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基本的にクリアに必須なステージの難易度は全体的に低めであるが、特定条件で出現する試練・チャレンジ系のステージの難易度はシビアで、やりごたえがある。
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さらに無料アップデートで、タイムアタックステージも追加された。
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ラスボス戦では…?(ネタバレ)
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ラスボス戦においては、歴代プレイステーションの本体や周辺機器が機体となったシューティングゲームとなる。
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しかも、この際に流れるBGMがセガのシューティングゲーム『サンダーフォースV』の「Rising Blue Lightning」が流れるという熱い演出となっている。
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問題点
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あくまで小ネタ止まりのボットのコスプレ
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『ASTRO's PLAYROOM』と同様、ゲームキャラネタが小ネタ止まりとなっており、原作ゲームの出典が書かれていない。ゲームに詳しくないプレイヤーからすると、折角助け出したボットの元ネタがわからないという事態に陥りがち。
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評価点に記したことの裏返しとなってしまうが、昔のゲームやマイナーなゲーム、海外専売のゲームなどのキャラクターのコスプレも少なくないため、元ネタを知らないプレイヤーにとっては、せっかく特殊なボットを救出しても、「こいつは何のゲームのキャラだ?」となりやすい。
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前述したポリゴンマン然り、『メディーバル 甦ったガロメアの勇者』『Shake it Bravoes!』『inFAMOUS』シリーズなどは、一発で元ネタがわかる人は中々いないだろう。
総評
PS5の性能と特徴を存分に活かし、オーソドックスな3Dアクションゲームでありながら、新鮮な感覚を与えてくれる良作。
様々なゲームキャラのコスプレをしたボットなど、プレイステーションマニアにはたまらない小ネタの多さも魅力的。
豊富過ぎるが故に、よほどのゲームマニアでないとわかりづらい小ネタもあるものの、それを差し引いても良質な完成度である。
PS5では珍しい万人向けのゲームでもあるため、PS5を所持しているなら是非とも購入を検討してもらいたい。
余談
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「The Game Awards 2024」において、「Game of the Year」「Best Game Direction」「Best Action/Adventure Game」「Best Family Game」の4つを受賞した。
最終更新:2025年01月13日 15:07