モンスターハンター
病室にて
指輪騒動の翌朝。月光洞から帰還して1日がたっている。
リンと譲は寮の自室、その他は病院にいた。
紅美は指輪をつけた途端しゃんとなる。
異様な生命力を放っている。
【椿敦也】
「紅美さん。それ、はめたままじゃ危ないよね?」
【紅美】
「外したら盗られる可能性が高くなるから、このままで行くわ」
聞かない紅美。
一方、月光洞から来た姉妹【アゼルとリゼル】は敦也と左門に、特有の言語を覚えさせる為、二人の頭に物凄い量の単語を流す。
その負荷により、敦也と左門は半日は行動不能である。
二人をベッドに寝かせた露子は烏丸ネレディ(鬼娘)に会いに行く。
そこで今噂の南郷公武について聞いてみる。
頼りになる先輩
【烏丸ネレディ】
「うーん。ウチ一人ではどうしようもないけど……伝手をたよってみようか。土木研の鳴神を紹介しよう。その手の厄介ごとにはうってつけの人物や」
ネレディから鳴神先輩を紹介してもらった露子は、大量のおにぎりと味噌汁を作り、烏丸ネレディからもらった紹介状を差し出し、事情を説明する。
【鳴神徹】
「……烏丸か。ようするに、俺の腕が借りたいわけだな。南豪の話は聞いてる。武装SSの連中がそれに合わせて面出してきているしな」
【
露子・グーテラオネ】
「見つけ出すとこは私らでやるんで、ぶちのめすときに同席して欲しい感じです」
鳴神はスマホで呼んでくれたらすぐ駆けつけると請け負い、露子と連絡交換をする。
百目紅美の諸事情
夕方になり、リンは露子の出す装甲屋台で情報を聞き、譲は病室へお見舞いに行く。
病室に辿り着くまで物凄い数の公安委員に調べられる譲。
敦也と左門がダウンしてるのを見て一瞬困惑する。
寝ている左門と敦也とは違って、紅美は上半身を起こして、らんらんと目を輝かしてる。
そして、その左手の人差し指には金の指輪がはめられているのに気づく。
【鱒渕譲】
「お、おい、なんか様子がおかしいけど……大丈夫なんか?」
【百目紅美】
「私は大丈夫よ──すぐにここから出て、指輪を見つけに行かないと」
【椿敦也】
「その前に……紅美さん、君、ほんとは百目じゃなくて都々目っていうの?」
話を聞くと紅美の父親は武装SSの幹部隊員だったらしい。
南豪の死の直後に南豪からその左手ごと指輪を奪取した人物である。
自分もSS扱いされているが、それは違う。
指輪を破壊する為にすぐにでも残りの指輪を探しに行きたいと言う。
指輪をつける敦也も彼女と同じ気持ちだった……。
残る指輪の場所
【百目紅美】
「……残る力の指輪は7つ。うち二つはこの宇津帆島にある。一つはここ。もう一つは島の南部の森の中。島の指輪を捜し出してしまえば、南豪やその一派に渡らずにすむわ」
【椿敦也】
「全部支配の指輪に吸収させて、その上で月光洞で支配の指輪を捨てなきゃならない」
作戦会議
病院組は学食横領の露子達と合流し、もう日が沈んでしまったので明日出発という事になる。
「中華料理だったらなんでも」という譲のリクエストに応え、【満漢全席作】を食べながら作戦会議となる。
流行りとしては、船か飛行機で、海岸側からのアプローチが主流らしい。
学園側から行くより日程や難易度が大幅に軽減できるとの事。
海岸にベースキャンプを設置して、往復5日+予備日2日ほどを計画に入れる。
探検部のリンが海洋研に一報を入れ、船を調達する形をとる事が決まる。
作戦が決まったということで、解散しようとする一同。
【
露子・グーテラオネ】
「皆この皿の上の料理を片付けるまで、今日は帰れないって、わかってるよね?」にっこり。
青ざめる一同。
翌朝
翌朝、満漢全席を完食してゲッソリした一行と麗久は、海洋研の出発の便に乗り込む。
昼過ぎには御槌岳が見える海岸線の沖につき、ボートでアプローチ。
砂浜に着くとベースキャンプを設置する。
キャンプなどの設置でその日は暮れ、見張りを立てると夜中にスピノサウルスが魚を捕るのを見る事が出来る。
露子は後鳴神先輩に、アタック開始と目的地到着予定時間を告げると、メールで【了解】と返答が来た。
いざ南部密林の中へ
【相馬左門】
「ジュラシックパークかよ……」
それぞれ荷物を背負って出発する一行。
斜面には一応道らしいものあるが、上の方は霧がかかっていて見えない。
敦也のレーダーは大は15m、小はネズミ大の生命体を感知する。
【椿敦也】「ああっ、あれは幻の生物ソレカラドシタノだ!」
斜面を登りきると平地になり、そこにはB29の残骸があったり、謎の石像群があったりする。
敦也のレーダーに、【人】の反応が捉えられ、警戒する一行。
人の反応は約100人。小屋の周辺にバラバラにいるのがわかる。
「朋遠方より来たるあり……義を見てせざるは勇無きなり……」
謎の民族
民俗学研の露子にはその会話が分かった。
彼らは古宇津帆島語で喋っている。
譲は報道カメラレンズを望遠に替えて確認する。
カメラで見てみると、小さな村のようなものがあり、村の中央の広場では、小さい子供たちが並んで座り大きな人から何かを聞いては答えている。
その横では黒板に何やらを書き込みつつ議論する大人の姿が。
彼らは白いシャツぽい服と、緑色のズボンやスカートを履いている。
【?】
「ソコデトマーレ!ナゼ、セイトガココニイル? イマハシケンチュウダゾ」
露子とリンはにはわかる。
彼女は南部密林に住む部族【文房族】だということを。
そして彼女は片言だが日本語を喋れるらしい。
奥へ行く条件
【百目紅美】
「指輪はここじゃない。もっと奥よ。谷間の奥」
【?】
「……タニマノオク! ソコニハイッテハイケナイ!」
【鱒渕譲】
「指輪はそこにあるかもしれんのに『はいそうですか』と引き下がるわけにもいかんしな…」
木の上で腕を組んでる。
文房族は校長に話してもいいが条件があると言う。
【授業を教えていけ!】
授業開始
というわけで一行は村に導かれ、それぞれ授業をするように言われる。
文房族には、先ほどの少女の他に日本語を理解する者がおり、それが通訳について授業が行われることになる。
【
露子・グーテラオネ】
「まず、わたしがお手本の料理を作ります。それを真似して、わたしが納得する料理を作ってみなさい。この満漢全席を!」
露子が究極の満漢全席(お料理研究会で出目、1,2,3)を並べたところ、頭上に影がかかり出す。
そこには巨大な赤い竜が!竜は前脚で露子をひっつかむと、再び空に舞い上がる。
指輪の持ち主
【椿敦也】
「うわわ、おしかけ花火発射!」※どこまでも追いかける花火
【百目紅美】
「あ、今のあれが!指輪の持ち主よっ!」
花火をお供にして、竜は密林の奥に消えていく。
竜と露子
谷間の奥の洞窟。途中で露子を地面に投げ出し、竜は着地。
【竜】
「よし、小娘。オレのために料理を作ってもらおうか。食材はその辺に転がっている恐竜だがな!オレの舌に合うような料理を作らなかったら、その時はお前が晩飯だ」
露子を追って
村から奥に入ると、人跡未踏というところだけあって、なかなか前に進めない。
文房族の彼女の誘導で皆は木に登り木の枝が複雑にからみあった部分を伝っていく道を進む。
露子のいる洞窟に辿り着く。
露子はヤマタノオロチが倒れた【ヤシオリ】を完成させる。
竜に飲ませると大きないびきをかいて寝てしまう。そこへ一行が合流する。
指輪は、竜の左前脚の真ん中の指に挟まっている。
竜との戦い
誰が指輪を取りに行くか話し合い、左門が指輪に手をかけると竜が眼を開ける。
【竜】
「……おう。小さいの? 何の真似だ?」
【相馬左門】
「うむ。力の指輪を奪いに来た!」(やけである)
竜は首を持ち上げ、鼻から息を吐きだす。
敦也の強力なアッパーカット(花火)がドラゴンを襲いそれを喰らった竜がのけぞり、天井にむけてブレスを吐く。
その勢いで体についていた花火すべてが焼け落ちてしまう。
左門がはなった一撃が、竜の手首に食い込む。
竜が左門に向けたブレスは譲の応石【邪】で防がれる。
リンは戦車で120㎜砲弾を竜の口に命中させる。
洞窟の中を転がる竜。まだ戦える竜に突然、巨大なハンマーが命中する。
【鳴神徹】
「待たせたな!」
応石獣
【竜】
「指輪は渡す。とどめだけはささないでくれ」
竜の命乞いを了解し、指輪は敦也にあっけなく抜かれる。
竜の姿は掻き消えていく……。
紅美は指輪を受け取ると、竜が持っていた指輪は支配の指輪の中に溶けるように吸い込まれていく。
敦也は白骨の中に、何か光るものがあるのに気づき「竜」の文字が浮かび上がった石を見つける。
竜は【名前だけはつけないように】と言い残す。
洞窟に迎えに来た文房族の少女に案内され、一同は無事学園に帰ることが出来た。
最終更新:2022年10月19日 00:17