月光洞の冒険と開拓(マスタリングファイル)


 月光洞開拓域の冒険と開拓については次の事柄にまとめられる。

1.人口密度は疎であり、開拓域内にも無数の新天地が存在する

  すなわち、自由に色んな集団が活動できる余地がある。

2.開拓域内には恐るべき自然や生命はありうるが、概ね現地文化は理解できる

  すなわち、本格的な異界的文化に触れるには月光洞開拓域外に出る必要がある。

3.月光洞開拓域では生産と文化の紹介は、戦闘とアクションシーンと同じぐらい大切である

  本当の未踏破地域と違い開拓域は、ある程度調査された地域である。そのため現地との交流や生産、異郷での
  ドタバタが焦点になりえる。そのため非戦闘キャラでも活動可能である。

4.それでも月光洞の不思議な物理法則には影響される

  開拓域だからといって月光洞である。時間は60倍だし、気圧は高いし水の沸騰温度は変わる。
  永遠の月夜といわれる夕方の空は神秘的な雰囲気を加えるだろう。

5.開拓のブレイクスルーはみんなのセッション結果が反映される

  PLの行動が世界を変える! テーブルネット構想以来の夢であります。

6.色々遊んでみよう。世界は柔軟に

  みんなが行うシナリオやキャラの設定に応じて柔軟に対応すればいいと思うよ!


月光洞開拓域の環境

月光洞の明度

月光洞の明度は比較的暗く、90年の探検隊の中には永遠の月夜と言われていたほどである。但し、特殊環境委員会の調査によると、ルクス的には夕方程度で農作物の育成と視界の確保には問題がないとされる。また夜がないため、月光洞の建築物にはかならずカーテンに類するものがある。

光量不足と燃料不足が問題になる屋内で最近はやりなのが、交易人が持ち込んだ灯花である。赤から緑の光を発し、優しい燃えない照明として木造家屋の多い開拓域では大変な人気となっている。また木炭照明も調理ができるという利点から学園生徒、現地住民の双方に普及している。

月光洞開拓域の人々

入植民系

学園生徒(緑衣人)

探検や開拓やそのほか色んな活動のために来洞した学園生徒はやく1万人と推定される。
この推定については学園生徒が2~3日月光洞探検で週末移動したとしても現地では半年が経過しており
一時滞在なのか入植なのか判断が難しいことも生活委員会の悩みの種となっている。
スマホ応石は月光洞においても機能することが判明した。(12話参照)また、入植より現地時間で約70年が経過し現地人との混血生徒や現地人側の希望で入学を希望する生徒などが続々と現れており、少なくとも数万人が現地出生生徒だと思われる。生活委員会及び学園労働委員会、外務委員会は60年代の私生児多発の先例や90年憲章の精神に基づく難民保護などの考え方を準用し夢野姓の付与による日本人生徒としての入学や留学生扱いとしての入学などを推進している。

機械化類似体(マシーネンアナローグ)

実は学園内に多数紛れ込んでいた人間とほぼ見分けがつかない労働者たち。豆縞系労働者の数割が実はこれらしい。
今ほぼ無人の豆縞特区で蛍女史の元独自の開発がされている他、数千人程度がSG開拓域にも密かに加わり各種部活の傘下で活動に勤しんでいるらしい。
自由意志のあるマシーネンも案外いると噂されているが…。

元帝国獣人系難民

元々は月光洞時間半世紀前の帝国での殖事件の混乱により難民となった元奴隷の末裔。
色々あって探検部が保護したこともありSG開拓域中心に氏族化して住み着いたり、SGシティやグーテラオネタウンに定住して事業や労働者になるものも多い。
最近は馬人が学園騎士を名乗ってアンネマリー騎士団に参入するなど新しい動きも見せている。

殖クローン生徒

露子・グーテラオネ女史が自分を殖の如意片でコピーしたのをはじめとするクローン生徒。先日52話にて窓枠女史より報告を受けた生徒会はとりあえず準生徒として学籍と人権を認めた。グーテラオネタウン中心に働いているが案外仲良くやっているらしい。
人口は露子系や他系列合わせて約2万人。

原住民系

ハリン

元々の南極盆地に住んでいた狩猟採取系のライフスタイルを持つ月光洞人。家畜一種の共生関係にあり外部人には放牧スタイルに見えることもある。
物語や情報を交換の題材に好むことが多い。
氏族単位で動く。学園生徒とは一定の交流を持ち、本格幻想文学研や演劇部などで組織する吟遊詩人隊や落語同好会などで行う移動寄席などが活躍している。ハリンの跳ねっ返りが開拓域に定住することも。
開拓域の北西部には自治協定を結んだハリンの管轄域が存在している。幾つかの氏族は多彩なアニメなどの文化にハマり臨時講師の位を得て氏族ごと教室を名乗ることもあるようだ。(馬術部の一部面子とかが交友している)

交易人

物々交換などを主体に各地で交易をしていた小人の種族。
開拓域にも結構来ている。
学園生徒の珍しい産物や技術をネタに交易することが多い。
弱い如意片をたくさん持っているのも特徴。
数家族がSGベースシティにも定住している。

StarGate(スターゲイト)

2020年7月に地球科学部部長土御門氏の理論により、相馬左門及びエステルとSS残党との交戦中に旧島北部捨村跡地で発見された月光洞への転移ゲート。(12話)
1990年にあった転移ゲートとは同じとも異なるとも言われる。

現在はSG協定(発見した各部活と生徒会執行部、蓬莱学園事務局による協定)の傘下にあるSG管理協議会により通行管理や交通整理が行われている。(49話)
顧問は水勝田薬人先生、協議会会長は土御門氏が兼任する。

SGは宇津帆島時間で15秒に1回起動している。原理は不明。(月光洞時間30分に1回起動)
起動時にお互いの場所にあるものが交換されるので、宇津帆島側のSGは15秒で動かねばならずいつも大騒ぎである。

  • 一度の転移では7m×7m×7mのものまで転移可能
  • 一度で運べた重量記録は約11t

基本的に混雑のため利用は予約制だが、一部SG協定関係者用の優先枠があるとの噂がある。

月光洞開拓域の地誌

概略

概ね南極盆地の北部にSG出口が存在している。月光洞内時間約70年の開拓を経て、SGベースタウンから周辺300km程度(南には450km程度)の勢力圏が存在する。
未だ生徒会及びSG管理協議会は開拓域周辺で大南帝国系勢力とは直接遭遇していない。

人口を把握することは現状では困難だが、学園関係者及び家族及び同化した現地人でおよそ20万人。その他友好関係を結んだ現地人が30万人の50万人規模ではないかとコンピュータ研と生活委員会の合同調査隊が結論を出しているようだ。(ちなみに日本の1/3の面積に50万人しかいないと思えば過疎ぶりがわかるだろう)

気候は盆地特有の温帯気候で北部には熱帯性低地の密林があり、北部には山岳性の高地低温な高山気候が存在する。
最近豆縞開発の発表によると南端で上弦の海と過去言われていた淡水海を再発見した。

SGベースシティ


人口4万7千人

SGベースシティはSG出口の近くのオアシスを中心に発展したベースタウンである。

学園各種部活の出店が一斉に揃い、化学部の試験プラントやお料理研のハ味鍋3号店といったメジャーところから、本格幻想文学研の吟遊詩人酒場「アレフガルド」や蓬莱堂の出店に至るまであらゆるものが進出している。

また交易人の露店やハリン氏族たちによる交流広場、アンネマリー騎士団支部(掘立て小屋が一つあって時々ヘルゲ氏が来る程度だが)まで多種多彩な建物が存在する。


わからせ音頭発祥の地『エーテル亭』

月光洞時間で数年前、美しいエルフのような生徒ラクアフルが伝えたと言われる(52話)月光洞開拓域独自の舞踊である。
音節は日本の盆踊りでありながら、掛け声と動きには人類文化にはないパァぁという声としなりが多用される。
エーテル研と現地獣人が出資したエーテル亭が発祥の地とされ、わからせ教室などで普及活動が続けられている。

外務委員会特別支所

外務委員がなし崩しに設立した特別支所。主に月光洞現地人の入学審査や宇津帆島来訪の管理をしている。
どうしても利権が溢れて腐敗気味だが49話で監査官有海により状況は改善された。

多目的文化ホール『あさくさキッド』

月光洞現地人への学園文化紹介及び現地交流をメインとして設立された文化ホール。
実態はあらゆる文化系クラブが凌ぎを削る修羅場である。最近はここでの戦いに敗れたグループが辺境に出て直接活動を紹介しているという(これを俗語で笑点という)


グーテラオネタウン


 人口1万5千人

露子・グーテラオネ氏が14話での熾烈な大南帝国残党との戦いの中聖都で見つけた如意片「殖」を見つけて開拓を始めた園芸部とお料理研と始原の友が合同した農場を中心とした田園都市。

SGベースタウンからはおよそ西へ約100kmの距離があり、周辺30km四方は露子クローンによる農場が展開され、開拓域の食料供給の多くを担っている。(52話)

また装甲屋台が連なる露子だらけストリートは色んな珍味の宝庫と一部学園生徒に注目されつつある。

最近は機械化類自体の進出に伴い、後輩の李花さんの手によるスイカゴーレムの新労働戦力投入があったとか。


特殊環境委員会業務委託自主開発地域(通称豆縞特区)


学園開拓域の南西にあるおよそ半径100kmの地域。
豆縞開発(株)と超心理学研、地球科学部が合同で開発しており、実際はほぼ開発の指揮は超心理学研の副部長兼豆縞グループの実質的経営者である豆縞蛍女史が掌握している。

同地区では特殊環境委員会の委託により、ほぼ南極盆地の中でもハリン族などがいないこの区域のほぼ全ての権限が豆縞開発に委託されている。

時々会計監査局や学園労働委員会が監査に行くものの機械化類似体を中心とする労働者の団結力と実行力に今のところ舌を巻くばかりである。

グーテラオネタウンとの間に
輸送用の豆縞開発鉄道を敷設している他、メイン拠点であるマメジマタウンでは、次々と豆縞系列の工場が建設されている。

マメジマタウン

 人口1万2千人
豆縞開発の本社が置かれている特区の中心地。
月光洞ほぼ唯一の工場団地があり、また機械化類似体による農場や採掘場が存在する。
一部破産した生徒や帝国高原からの難民を使役した秘密労働施設「マメペリカ」や超心理学研の秘密研究所があるとも噂されるが定かではない。

マシンヴィレッジ

 人口2千人?
機械化類似体による名目上は自治都市。何らかの実験が行われており、密やかにと党や開拓域外部からの捕虜が出入りしているというのだが。
一説には最後に残った「夢見」ドリンクの凍結されたプラントが同地にあると言う。
村の許可ない人物の入構は禁止されている。


アンネマリー騎士団領

アンネマリー氏率いる学生騎士団の反主流派が見事現地馬賊を討伐して、拠点になっていた謎の崑崙文明の岩窟城塞遺跡を改装し、新たな騎士団領の居城としたものである。

現地の馬獣人や一部帝国高原からの逃亡奴隷を受け入れ、新規勧誘生徒を集めつつ、なんとなく即席の騎士団領が出来上がりつつある。

なお、数百人の露子クローンが自主的に城周辺に住み着いて、あれこれ探索や農耕牧畜を始めている。

学園事務局の名目上はドイツ騎士団体験実習Ⅰ講座の練習場扱い。

馬人の集落

遊牧民である馬獣人の会合場所。アンネマリー団長の乗騎であり、学園生徒になった「彼」が長になっている。
まさに人馬一体である彼らは学園騎士団の大きな力になっている。

蓬莱馬賊団

49話で登場した元学園生徒や密林に落ち延びた二級生徒の末裔を元にした馬賊団。
秋葉原以南が学園により掃討されつつある今、新天地として月光洞を選んだ模様。
綿毛人の集落などを遅い勢力を拡大しつつある。

綿毛人の集落

たんぽぽが人型になった脅威の生命体綿毛人の集落。月光洞全体の中でも珍しく、開拓域南部にしかいない。
最近は馬賊団からアンネマリー騎士団が守ってくれるようになったため、SGベースシティや学園にまで好奇心旺盛な彼らは進出しつつある。

月光洞開拓域の政治

政治体制

月光洞開拓域の政治体制は学園の制度の皮を被った、緩やかな封建社会とアメリカ西部開拓地の混合体というのが実態(国際政治学研某氏の弁)といえよう。

名目上、月光洞には蓬莱学園高等学校月光洞キャンパスが設立された。しかしその範囲は設定されておらず、理念上全ての月光洞はキャンパスである。

また学園事務局の代わりとしてキャンパス教頭として黒井先生(1年丙寅組担任/生物・海洋生物学担当)が任命されたが月光洞に赴任していないため名目上のものである。

教頭の下で生徒会の委託を受けているのが月光洞生徒自治会であり、事実上の役所となっている。(49話52話他)

自治会長は3名制となっており、4ヶ月毎(地上時間2日毎)で輪番となっている。

現在の会長はリヒャルト・アーレンベルグ(1年)、九鬼 双葉(2年)、麗久(1年)の3名。

各評議会について

SG協議会

本来はSG(スターゲイト)の管理のための機関だが、事実上生徒会の委託を受けて、様々な物資管理や入構管理を行っている。

現地講座制度

生徒会及び学園事務局の協力により密林教室などを参考に、月光洞の部族や独自集団、アンネマリー騎士団などを現地講座として長を寄付講座の臨時講師、成員を臨時生徒とみなす新制度。これにより影響域は大きく拡大した。

学籍市民権制度

90年憲章の精神に従い、外務委員会、学園労働委員会、特殊環境委員会は積極的に現地2世生徒や望む現地住人に日本語教育や学園常識の伝授、そして学籍の付与を行なっている。

しかし付与人数に制約があるため事務が混雑し、しばしば学籍付与が利権化しつつあると指摘されているけ。

月光洞自治会代表会議

月光洞の学園に聴講(朝貢)している諸部族の代表や地方で独自に活動している学園諸勢力(グーデラオネタウンやアンネマリー騎士団領、吟遊詩人キャラバンのリーダーなど)が学園本土の生徒会使節と一堂に会する協議会。

主に自治会の布告と各代表側の陳情と生徒会との折衝がメインである。一応月光洞内の生徒規則はこの場で追認をうける。(最終的には学園本土のクラス代表会議で一括承認を受けるが、月光洞時間で数か月~数年遅れとなり多分に名目的である)

議長はリヒャルト・アーレンベルグ氏兼任で、副議長として月光洞出身者であるリゼル(1年)が就任している。

月光洞クラブ活動連絡会

月光洞内でのクラブ活動(特に探検及び現地住民への接触、そして経済活動)の調整と月光洞規則の布告を行うクラブ連合団体である。実際には葉車グループや豆縞グループ、野々宮財団に裸人教団からマフディー党残党、ローゼンクロイツ教会の宣教団にいたるまでの多彩な学内外の集団の利害調整の場である。

自治会代表会議と並び、少人数しかいない自治会の事務運営に欠かせない存在となっている。会頭は佐藤桃李(2年/佐藤・アンゼリカ氏の妹。男装女子)とヨハン・アンデルセン氏(3年)、豆縞蛍(2年)の3人制。

開拓巡回士制度

月光洞開拓域は今や日本本土の1/3程度の面積を占める広大な地域であるが、その人口はわずか数十万人に過ぎない。この疎な空間に多数の不良生徒や特異な現地住民、そして驚異の自然環境が待ち受けており、学園内のような安全を保つことは大変難しい。

そこで生徒会は通常の風紀委員や公安委員による治安維持をSGベースシティ以外では放棄し、主に学園騎士や巡回班及び学園銃士隊の希望者による巡回士に治安維持及び仲裁、予審判事としての権限を委託した。彼ら巡回士は月光洞自治会の任命により、自治会の指揮命令下にあるが実際には大幅な自由が許されている。

一罰百戒的な監査人として、会計監査局などから選抜された調査官が極秘に動いているとの噂も。(とある悪徳巡回士の弁:窓に、窓にあるみが、アルミがっ!)

月光洞開拓域の経済

概略

月光洞開拓域の経済は地上時間のまさに日進月歩で進んでいる。これは60倍の時間が進んでいることによることが大きい。

しかしSGゲートの大きさは地上-月光洞開拓域間の物資の輸出入を大きく制約しており、主に人員と高度な技術を要する生産設備、情報商材(娯楽や技術資料含む)や鉄道を動かす石炭が輸入され、希少な月光洞独自の物品や生体サンプル、探検レポートを含む貴重な成果などが輸出されている。

運輸事情

月光洞開拓域の運輸は、主に化石燃料及び電気がほぼ入手困難であるという問題が付きまとっている。そのため馬術部が多数持ちこんだ馬、現地住民が使役・共生する縞牛(有角の巨大牛で体長7~12mある)による騎乗や馬車、牛車が多く使用されている。
その上で野々宮財団が設立したSGベースシティ-グーテラオネタウン間を結ぶ野々宮月光洞鉄道とグーテラオネタウン-マメジマタウン間を結ぶ豆縞開発鉄道。SGベースシティ-ハグルマコンビナート-アンネマリー騎士団領を結ぶ葉車バネ式鉄道などの路線が開発されている。
近年着目されているのが開拓域でも大量に生産入手できる木材及び木炭を利用した木炭自動車及び木炭ボイラーである。鉄道の推進力は足りないものの自動車の運航には十分な出力が得られるため、土木研による主要道路の整備と自動車部による路線バスや木炭トラックの運営などが注目れている。
一方で始原の友や探検部有志による月光洞現地住民との交流の結果、バンパーヘッド(現地に存在する巨大大型六脚竜で概ね草食でおとなしい)の使役をハリンや交易人から会得し主に辺境地域での運輸に活用されている。

通貨事情

月光洞開拓域においては、特に現地住民や遠隔地においては十分に貨幣経済が浸透されていない状況にある。

しかし、主に学園生徒が持ち込んだ学札制度やハリンにて行われる贈与経済、交易人が行う物々交換や騎士団領での現地人からの貢納など幾つかの経済が並走している環境ではある。

生徒会としては、将来的に経済を統合するために各種文化イベント(演劇、詩吟、活動写真、落語、TRPG、ゲームetc)のチケットを文化ホールやキャラバン中心に把握し、それらの開催チケットを基にした交換券を自治会札として流通させ始めている。(既に株式研では学札相場に組み込まれている)この自治会札は様々な文化資本とともに自治会は積極的に現地の遊牧王や氏族リーダー他に下賜しており、財源としては各学園団体から月光洞キャンパス使用料を徴収している他、アーレンベルグ氏の実家から多額の現金が寄付されているという噂もある。 

また日本銀行券もある程度流通しており、株式研を中心として金融説明会が月光洞の各地を訪問して説明しているが道は遠そうである。

今のところSGベースシティには学札取引市場支所が設置されており、両替所の役割も果たしているようだ。

月光洞開拓域の産業

月光洞開拓域の産業としては第一にグーテラオネタウン周辺に広がる農業である。殖の如意片で増えた露子クローンの共同による農場や園芸部の試験農場(52話)、お料理研のハーブ園(30話)や馬術部の牧場や始原の友による縞牛の試験育成場など多彩な農業&牧畜業が推進されている。

またSGベースシティの近隣には淡水湖があるため(49話の背景画像より)、フィッシング研による魚類の養殖や現地生物の可食実験なども行われており、また帝国難民系獣人の指導による現地農産物の試験農場なども多数自治会により設立されている。

主に大規模農法はグーテラオネタウンで遂行され、SGベースシティ周辺では数々の中小部活による実験プラントが製作されている。

一方遠方を見ると、マメジマタウン周辺では工業及び低質な木炭の製造がおこなわれている他、一部焼き畑農法が活用されており、緑茶党などの反対を招いている。また葉車グループと古典からくり研、人力飛行部の共同によるSGベースシティ南方50kmにあるハグルマコンビナートでは、奇麗な水と南極盆地では例外的な安定した気流を使った風力により、数々のからくり工房や人力飛行機の制作・運用や一部発電が行われている。今や同地の人口は500人に達しており、注目のスポットとなっている。

現地住民の多くは主に情報伝達による交易や文化を重んじる傾向にあり、物質的には自給自足を基本としている。特に縞牛やワタミミ(小型の偶蹄目で羊とは別の高品質の毛や美味な白身の肉が取れる)を中心とする共生的牧畜や狩猟採集がメインである。

生徒会肝煎りの吟遊詩人キャラバン結成により、探検と情報収集、そして文化交流が行われている間に、現地物資も多数収集し、一部緑茶党員の他古生物研や始原の友が月光洞独自の品物を紹介している。

また初期に各種医療系団体の独自行動の結果、ハリンや交易人から文句が来たこともあり、自治会の要請のとして、90年代に設立されたが休眠状態にあった合同機関として「医療技術研究所」が再稼働され、一応の秩序をもった研究が遂行されている。

現在問題なのは、生徒会の直接的管轄下にない研究部の施設が増えていることで、有名ところとしては椿月光洞研究所や黒井先生の水生生物研究所などがある。

月光洞開拓域のエネルギー事情

乏しいエネルギー事情

月光洞開拓域のエネルギー状況はかなり絶望的である。その理由が月光洞内の太陽は永遠の月夜と言われるほど発熱量が少なく(農産物の育成には耐えるが発電には向かない)太陽光発電に不向きであり、化石燃料がほぼなく、今の開拓域では大規模河川がない上に、風力発電に向いた安定した風力の土地がハグルマコンビナートを除くとほぼない状況である。

主なエネルギー源と環境対策

主にエネルギーは人力、動物力、そして木炭によるバイオマスによるものに頼る形になっている。(63話)特に木炭の可能性は大きく、日本本土でのとある理由による炭焼きブームもあり、様々な団体が古典的なものからドラム缶式の簡易なものまで炭焼きに励んでいる。

環境保護の観点から民俗学研と園芸部、生態学研の共同プロジェクトにより、現地種であるテーブルツリー(20mにもなるテーブル型の枝葉を持つ急成長する樹木、水分を蓄える他、木材としても使える)やフォークウッド(これも数年で大きくなる巨大樹木。巨大なフォーク型をしていて50m以上の高さになる)の植林栽培に成功した。(この成功には交易人経由で収集した東方の帆走人の知識によるところが大きい。なお代価はわからせ音頭とアニメ紙芝居であった)

『雷樹』…電気エネルギーの実用化に向けて

最近山岳部と探検部が現地種の雷樹を再発見し、その電力を利用しようと化学部及び地球科学部、研究部物理学館が共同で研究しているが今のところ産業化はできていない。しかし、たたら炉研究会が雷樹の根元に鉄が集まることを利用し、民俗学研との合同で早期栽培に挑んでおり、木炭によるたたら炉製鉄への道を開こうとしている。

その他

豆縞特区では現地植物からのバイオエタノール精製研究を始めたとの噂もあるが定かではない。

月光洞開拓域の建築

主流の建築資材

月光洞開拓域においては特徴として、鉄材の不足、巨木の入手の容易さ、繊維材の豊富さが挙げられる。
南極盆地の地質としては土木研や地球科学部と特殊環境委員会の協力により採石が可能であるため、いくつかの石切り場を整備しており、街道は主に石畳、建築物は木造と時々漆喰や石造となっている。

建築様式

現地住民や仮設住居としては木を支柱に利用したテントがよく利用されており、モンゴル系留学生によるパオ式やハリン式天幕、交易人式穴倉住居など様式は多彩である。
ハグルマコンビナートやSGベースシティの試験プラントの多くは木造であるため、各地に消防団が組織されたが内部に恋愛消防団が入り込んだとの噂は絶えない。

新しい建築資材

またセメントの代用品として北部山岳地域の礫を利用したローマンコンクリート制作が研究部歴史学館と一部土木研部員、本格幻想文学研により提唱されているが実用化されていない。

月光洞開拓域の文化と教育

概略

月光洞開拓域において文化は極めて重要である。これは学園生徒の娯楽だけではなく、ハリンや交易人をはじめとした現地住民との間で情報や物語が重きを占めるからでもある。

そのため自治会は文化ホールの設立や吟遊詩人キャラバンの開設、またアニメ研や児童文学研とカラクリ研によるアニメの自動カラクリ式紙芝居の現地への普及など多数の施策を実施している。これらの内幾つかは順調に人気を博しているようだ。動力が限られる環境からテレビの運営が難しく、情報通信委員会が幾つかの基地局を設置してネット対応をしているが、時たま辺境では電磁嵐の影響で基地局が壊れたりしている模様。

今のところ、落語や漫才、演劇や紙芝居、アナログゲーム(TRPGとかモノポリーとか)、小説、漫画などが制作・流入し、逆に現地人たちの詩や歌、舞踊、伝承などが日々学園の研究系部活を沸き立たせている。

また恋愛思考の学園生徒の中にはさっそく現地住民との恋愛を育んだり、本土の目のない開拓域で愛を育む駆け落ち生徒なども多数存在する見通しだ。民俗学研の有志の中にはこれら世界際カップルの調査を求める声もある。

その他、いまだ学園文化の流入と変化は未開発であり、勇敢な生徒の挑戦が求められる。

音楽

月光洞の音楽事情はもともとの現地住民の多彩な歌の他、フォーク研とハードロック研が新天地を求めて早くも移住してきた影響が多く、アグレッシブな音楽事情となっている。一方でアゼルファンクラブ(11話に出てきた月光洞出身の魔法使い美少女のファンクラブ)を中心に、アイドル研などでは新しい原石を発掘しようという動きもあるようだ。また学術系部活では地道に伝承の採取や超古代文明研による独自調査が続けられている。

オカルトと応石

月光洞発見以降、新天地での研究を求めて魔導書研、錬金術研、超心理学研、特殊図書館整頓隊、博物学研などが一斉に月光洞にて研究を始めた。幾つかの問題発覚と旧図書館奥地から月光洞の入り口が発見された(53話※場所的に実用は難しい)ことにより、図書委員会の提唱により月光洞超自然調査会が結成されゼノビア・エリアコス講師(60代・女性)が主任を務めてる。

また応石や如意片の調査、オカルト事情の把握を含めて特殊環境委員会が管轄しており、特に力の弱い行石や画数の小さい如意片が多数あることが判明し、慎重に調査を進めている。

超古代文明の関連や90年の頃の調査記録の確認も含めて、と党や超古代文明研、各種団体が狙っており注意が引き続き必要だろう。

教育

月光洞開拓域は理論上は蓬莱学園高等学校のキャンパスの一部である。そのため大変教育は重視されており、さらに既に2世代目の生徒が多発しているため、高校入学までの教育を施行することが必須となった。

500人以上の学園生徒系住人がいる拠点にはすべて宇津帆小学校・中学校の分校が設立され自治会及び図書委員会の分校管理局と児童文学研、手話研が運営している。なお、分校のため名目上は卒業すると中学卒業資格が得られて蓬莱学園高等学校の入学資格が得られる構造である。このカラクリには宮里家の尽力があった模様。

また独自にローゼンクロイツ教会の日曜学校やイスラム研やマフディー党移住者によるジャーミィの設立、研究部教育学館の実験学校、密林教室の自主分教室、アンネマリー騎士団領の騎士学校などの数々の私立学校が独自の
カリキュラムにより運営されている。結果として文化浸透の一員を担っていることは間違いない。

郷土研や緑茶党などは文化の押し付けであると反対している者もいるが、現地住民で興味を持って入学するものを拒否することは困難ではある。

月光洞開拓域の軍事及び治安維持事情

概略

月光洞開拓域の軍事力は主に南方に存在するといわれる大南帝国系勢力を睨んで配置されている。しかし月光洞時間で既に70年近くが経つがいまだに遭遇はしていない。一方で自然環境の脅威や蓬莱馬賊団や各地の現地住民とのいさかいなど、小規模な紛争は多発しており勇敢な生徒の解決をまっている。

基地、部署名

SGベースシティ基地

生徒会直轄の基地として運営されている軍事研・航空部共同の基地。90年の月光洞探索の記述を確認する軍事研による無人域探索隊などのベースキャンプでもある。(49話

月光洞内では気圧が高いため、ジェット機運用が高高度(高度60km)近くを飛ばないと安定運用が難しいためジェット機はほぼ軍用のみとなっている。また探検部や地球科学部がデータを援用している無人偵察機グローバルホークの運用拠点も同基地である。また戦車道部の戦車など地上戦力も豊富でSGベースシティ周辺を武力で制圧するのは困難な情勢である。基地の司令は一條あかね(2年/一條すみれの妹)

上弦海基地

近年ついに上弦の海に進出した開拓域において設立された海洋冒険部の小さな基地。航空部のグローバルホーク及びドローン操作隊と小規模な軍事研の警備隊も駐屯している。機械工学研の協力を得たホバークラフトと小型ボートが海洋冒険部の艦船として使われており、現在周辺の警備と調査にあたっている。

また生徒会は独自の奥地探索も遂行しているようだ。(62話

銃士隊と巡回班

相馬生徒会の基盤でもあるこの両団体は、当然開拓域においても自治会の巡回士への人材供給を行うほか治安維持を行っている。SGベースシティ及びグーテラオネタウン、ハグルマコンビナートには彼らの支所があり、周辺のもめ事の解決にあたる。その他、銃士隊員中心に遠方へ探検と栄光の旅へでることもあるようだ。

治安団体の連絡会議チーフとしては生徒会から派遣された渡辺チーフ(2年)が派遣されている。

一応生徒会の委託により指揮命令権は自治会に存在している。

学園騎士団とヘヴィファイト同好会

一方新規武装勢力として学園騎士団とヘヴィファイト同好会がある。生徒会副会長は6月に両団体に対し、月光洞開拓域に限定した治安団体代行権限を付与した。しかし治安団体の代行であるためあくまで巡回班や風紀委員の指示が優先される。52話にもあったようにアンネマリー派が月光洞における学生騎士の主流を占めているため馬賊団との闘いなどで活躍しているようだ。(52話
 またヘヴィファイト同好会は鍛錬も兼ねて傭兵団として開拓域で活動している。

公安委員、風紀委員とSGベースシティ分署(通称666分署)

公安委員会と風紀委員会は外務委員会や予算委員会、飛行委員会に比べても全く月光洞開拓域に進出していない。これは学園規則が適用しにくい現状と、生徒会と両委員会の関係性が微妙なためである。但し例外としてSGベースシティには分署が設置され、理論上は開拓域全土を管轄している。

しかし委員会内部では島流しや浦島行と揶揄され、すっかり左遷先である。

現地講座訓練集会

年2度程度及び大規模なスタンピード発生時に召集される各地の現地の遊牧王やアンネマリー騎士団、ヘヴィファイト傭兵団、各種生徒有志、元帝国難民獣人義勇兵などを集めた訓練という名の軍事行動。

実は実用というよりは現地交流と訓練そのものが主目的である。事務局はSGベース基地と自治会により編成される。現地人の多くは祭典や王の召集としか思っていない。ただ、ある種の狩猟技術の交流による向上や騎士や傭兵の新しい活動先として人気があるようだ。

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最終更新:2021年09月03日 01:33