はじめてのせいきょーいくver左門 by輝剣
その日の夕食の時間、エステルは不機嫌だった。
上流階級の人間として、そのような感情を他者から読み取られない振る舞いをしつけられているにも関わらず、誰にでもわかるほど不機嫌であった。
そして、その原因もまた明白であった。
夕食中、会話をするでもなしに左門の方にチラチラと視線を向け、その度にびくびくしている某生徒会長を見れば誰でもわかる。
家主である香織がそんな二人に口を挟まないので、皆あえて見て見ぬふりをしていたが、宮里家の家人たちの心は一つだった。
(今度は何をやらかしたーっ、左門⦅バカ⦆!)と
夕食を終え、香織が自室に戻るとフレイヤが左門に声をかける。
どうやらエステルから左門について相談を受けたらしい。
「左門、今夜私のところへ来なさい」
「あ、はい。わかりました、フレイヤさん」
左門も先程の夕食の気まずさがよほど堪えたのか、一も二もなくうなづく。
フレイヤの言葉の裏を考えようともしていない。
エステルはそんな二人にちらと目を向けたが何も言わずに自室へと戻った。
左門はその夜フレイヤの部屋のドアをノックし、声をかけた。
「フレイヤさーん、左門です。お約束通り来ましたけど、入っていいですか」
「……お入りなさい」
左門の入室を認めるフレイヤの声が硬い。
「相馬、入りまーす」
だが、左門はそのことに全く気付かずにドアを開け、入室した。
室内は予備灯がつくのみでほの暗く、ベッドの上にフレイヤが薄衣一枚で座っている。
うなじを強調しているかのようなデザインの服である。(
注・1)
(今日のフレイヤさん、えらく薄着だなー。あとうなじを強調されてるけどやっぱり根に持たれてるかねー。まーしゃーないか)
真っ当な男性ならばいろいろと目に毒で、釘付けになるかそらすかいずれかの反応を示すのだろうが、左門はここでの生活でマヒしているのか全くの無頓着である。
「なんか、部屋が暗いですね」
フレイヤは眼前の男のデリカシーの無さに(やはり馬鹿だ、此奴)との思いを強くするがエステルのために自分を奮い立たせる。
「……お前は、明るいところでするのが好きなのか?」
「は、へ?何をすんです?」
「ナニって閨の指導です!」
「……は?」
「は、じゃありません。エスティから相談されたのです、閨でお前とうまくいってないと。そこで、私が、正妻として、閨房の責任者として、妾のお前に、閨での作法を教えてやろうというのです! だから、今すぐ私を抱きなさい!!」
「あのーーーーーもしもしぃ?」
「下手なら、下手なりにエスティを愉しませる義務がお前にはあるのです。だからこそ、正妻の義務として、正妻の!義務として!!お前に抱かれて、男として鍛えてやろうというのです!感謝なさいな!!」
「あー、本気?」
「本気ですとも! わかりましたか?わかりましたね!では、来い。最初はまぁ、天井を見てシミでも数えているから、手っ取り早く終わらせなさい!! 」
「え……いやー掃除行き届いているからシミなんて見つからないんじゃあ……」
「ええい、往生際の悪い!私だって好き好んでお前なんかを誘っているんじゃありません。正妻の義務として、エスティのパートナーとして閨を仕切るのが義務であり権利、そしてすべてはエスティの為なのです。だから、さっさと服を脱げ!そして抱け、このおバカーーーーー!」
左門は見た。
露になったフレイヤの肉体に鳥肌が立っているのを。
そして、悟らざるを得なかった。
フレイヤは本気だ、と。
フレイヤは本気でエステルのために左門に抱かれようとしている。
身体が拒絶しているにもかかわらず。
その覚悟、その献身、そのエステルへの愛には正直感服する。
だが、そのことと自分がフレイヤと閨を共にするのは話が別だ。
いや、百歩譲って閨房に同席させられ、見せつけられるのはまぁいい。
それは3年前に飛ばされたときに慣れた。
だが、自分が肌を重ねるのは話が別だった。
左門にも譲れない一線というものはある。
「お断りします!」
「そこまで私が嫌か貴様ーっ!」
相手を恋愛対象とみなしていないのはお互い様ではあるが、こうも拒絶されるとフレイヤとしてもプライドが傷つく。
そもそも、これを機に左門を閨から排除しようとして果たせず、それでもエステルの為にと決断し、左門をその気にさせるための手管として、うなじを露にして待っていたのだから尚の事である。
「フレイヤさんが嫌とかそういうのでなくてですねー。あるでしょー、互いの意思確認というか、段取りというか、あるでしょー合意形成に至る道筋がー」
「今、意思確認をしているでしょう!段取りはここまで私がお膳立てしてるじゃない! それを嫌とか言うまいな!!」
「い 、 や 、 で、 すーーーーーー!!! 」
「……エスティに操立てのつもりですか?」
「あー、いやー、そういうのではなくてですね、ねー、あるでしょう、そこに至る雰囲気とか、お互いのコミュニケーションとか、あー(さすがに恥ずかしそうに)お互いの心と心がつなぎ合うというかー、その、ねー?」
「……心をつなぐ? 私が、お前と? それはない。私は男が嫌いだ。お前のことは同僚としては認めよう。嫌だけれど、エスティが望むのなら妾として認めもしよう。だが、お前を愛することはない。それは……ない」
そう告げたのはフレイヤの左門に対する最大限の誠意であったが、それをくみ取れるほど左門は大人ではなかった。否、子供でありすぎた。
「だから、そういうのが嫌なんだ。俺も貴女のことを尊敬はできても愛することはできない。そして、こんなことをされると尊敬もできなくなる。だから、やめてくれ、フレイヤさん、こんなことは」
「おう、ふざけるなよ、貴様。お前はエスティのモノなんだろう?だったらその身を捧げるぐらいはやって見せろ!」
フレイヤが本気で殺気立ってきたので左門も呼応して本気になる。
「だから、それが気に食わないんだ、俺は人身御供を抱く気も、人に言われて人身御供になる気もない。 それ以上俺と、貴女自身を侮辱するというのなら……俺は抜きますよ」
左門は自分とフレイヤの認識の齟齬に気づかず、鼬斬りを呼び寄せる。
無手であったはずの左門の手にいつの間にか鼬斬りが握られている。
あの過去と並行世界での冒険行(
注・2)で鼬斬りもまた意思を持つようになっていた。
「お前、それをどこから取り出した?」
ベッドからライフルと銃剣を取り出しつつ尋ねる。
「四次元スカートの人に言われたくないです」
薙ぐように振るわれる鞘付きの刀をライフルでいなしたフレイヤは戦闘姿勢をとる。
すると声と物音を聞きつけたか、フレイヤの部屋のドアの外から声がかけられる。
「フレイヤお嬢様、どうなさいました」
宮里家の家人だ。
フレイヤは左門に抵抗を諦めさせるために、ドアの外に声をかける。
「お入りなさい。そして、左門を捕らえるのよ」
「あ、ずっりー職権乱用だぞ、フレイヤさん」
この家におけるフレイヤの立場は准一門というべきものであり、香織不在時には留守を任されている。
つまり、使用人の皆さんに対して「左門を捕縛するよう」業務命令を出せる立場にあり、フレイヤの指揮下にないのはエステルと香織の二人のみである。
左門も一門に準じているが、使用人に対する指揮監督権を行使したことはない上人望でも雲泥の差があり、加えて左門自身が閨に関してはフレイヤの下であると公言しているので、フレイヤは閨においては左門に対しても指揮監督権を有しているとも言える。
「ふ……これも人望の差というものです。普段の行いがこういう時にモノを言うのよ。左門、諦めて刀を置きなさい。今ならまだエスティには黙っておいてあげる」
左門も戦闘要員ではない家人には手を出せないと踏んだフレイヤは降伏を勧告するが、あいにくと左門は往生際が悪かった。
「竜! フレイヤさんを抑えろ!ただし、モノは壊すな、ケガもさせるな! んじゃあ、フレイヤさん、そういうことでー!」
応石獣の竜を召喚し、フレイヤに嗾けると左門は脱兎のごとく部屋を脱出し駆け出した。
元より人間離れした速さと健脚を誇る左門は家人たちの包囲を軽々とかわし、むしろフレイヤのライフルの射線を避ける障害物として活用しながら走り去っていく。
エステルのためだから、ごねても最終的にはいうことを聞くだろうと、ある意味左門を信頼していたフレイヤはその後ろ姿を呆気にとられながら見送った。
色々と察している竜が気の毒そうに見ながら声をかける。
「あースマンな。うちのバカ、実は箱入りなんだ」
「……巡回班で飲む・打つ・買うの三拍子そろった不良班士だったんでしょう?」
「あー奴は専ら呑む専門でな。打つのはそもそも自分のツキを信じられん奴じゃし種銭まで飲んでたんで付き合い程度じゃった。買うは……今見ての通りそれこそ初心なねんねじゃ」
「ねんねなんてそんなかわいらしいものであるものですか! あれはもっとおぞましいナニカよ!! あんの、拗らせDTーーーーーー!」
竜は、左門が逃げる時間稼ぎとなによりフレイヤの行き所の無い憤懣を受け止める八つ当たりのスパーリング相手として周囲の環境に配慮しながら戦いを繰り広げた。
一方で逃げだしたバカはというと、駆けていた。
この屋敷で唯一フレイヤの追撃を逃れられる場所、即ち、お師匠こと、この屋敷の女主人・香織の元へ。
ドンドンドン!ドンドンドン!
夜更けにもかかわらず、左門は香織の部屋のドアを叩き続ける。
色々と無作法で非常識であると自覚してはいるが、左門には他に身を守る術がなかった。
先程の件からもわかるように、家人たちはフレイヤの指揮下にある。
自室に籠城しようにも、左門の滞在している離れの管理はフレイヤが行っており、地の利は彼女の側にある。
そして、エステルであるがこの件で彼女を頼っても「二人が仲良くして何より」という態度になると予想される。(
注・3)
フレイヤを敵に回した時点で逃げ込む先は香織の元以外にないのである。
そのことを聞いたエステルがどのような反応を示すか、三年前を経験したことで二人の間の微妙な感情を思うと怖くはあったが、今はそれ以上に先程煽ったばかりのフレイヤの怒りが怖かった。
「左門君、どうしたの、こんな夜更けに」
香織も不審そうだ。それはそうだろう。こんな時刻に異性が部屋を訪ねてくれば警戒されて当たり前である。
何も考えずにフレイヤの元へホイホイ訪れた左門が不用心すぎるのだ。
とはいえ、香織も左門の野生的な外見とは裏腹に草食性な性格を知っているので本気で警戒してはいない。
エステルかフレイヤと揉めたので仲裁を頼みに来たのだろうと当たりをつけていた。
なので
「お師匠、フレイヤさんに本気で追われてるんです。匿ってください!」
「……は?」
縋り付かんばかりの左門の姿に、香織も目が点になった。
「まぁ、これでも飲んで落ち着きなさいな」
左門を室内に入れ、適当にあやしながら、レモンティーを入れて落ち着かせようとする香織。
彼女の室内着は左門が居候していることもあり、きちんとしたものだ。
彼女も当然、娘が時折自分と左門に向ける視線の存在に気付いている。
それはそれとして薄衣一枚のフレイヤの元から逃れてきた左門にとっては、そんな彼女の姿も安心感を与えていた。
左門は香織に懐いていたが、それは師としてであり、女性としてではなかった。
とはいえ、左門には多分にマザコンの気があるので、無意識に母性を求めてしまっている面があるのもまた事実ではある。
今回の逃避行もあれこれ理屈をつけているが、怖いものから逃げる為に母に縋り付く幼子の行動と大差がない。
香織もその点には気づいていたが、左門のマザコン克服は後の課題として、何が起こったのか事件のあらましを聞き出していった。
左門の話は要領を得なかった。
フレイヤさんは悪くない、むしろエステルへの愛と献身はスゴイ、自分が悪いのだろうけど、受け入れられないといった内容を時系列飛び飛びで話すのだから、訳が分からない。
香織がそれでも事のあらましを理解できたのは3人のことを(三年前のエステルと左門の出会いやフレイヤの過去など三人が共有していないことも含めて)知悉していたからである。
それでも頭がくらくらしてくる。
このトライアングルほどセクシャルな面で見た目と中身が食い違うカップルもそういないだろう。
清廉な外見と振る舞いとは裏腹にそれなりにただれた過去(魔王エステル=黒歴史)を持つエステル(
注・4)
硬質な外見と凛とした振る舞いとは裏腹に凄惨な過去と一途な気質のフレイヤ
裏にも通じた強面の外見と百戦錬磨の如き所作とは裏腹に箱入息子の左門
致命的なのは性的なことや恋愛に対しての互いの認識に齟齬が生じていることであろう。
エステルは、フレイヤの過去や考えについてある程度察して尊重しているが、過去はともかく考えまでは全てを受け入れてはおらず(なのでフレイヤだけでなく左門も手に入れたい)、左門に対しては三年前のことがあるからか過大評価している。
フレイヤはエステルに対して一途だがそれ故に偶像視している面もあり、左門に対しては人並みの性知識と経験を有していると想定して今回の事態を招いた。
左門は二人に対する態度以前に性的なことに対して疎すぎる。知識がないわけではないが観念が先に立ち現実での対処能力は中学生以下である。
香織は先ほどからフレイヤに対する憤懣と賞賛、そして自己の不甲斐なさへの嫌悪と後悔の吐露をループするだけとなっていた左門を制止し、事態解決に動き出す。
「なるほど、わかりました。これは3人の問題ですね。エステルを呼んで話をしましょうか。もちろん、フレイヤさんも」
「……はい」
ようやく落ち着いた左門も大事にしてしまったばつの悪さを隠しきれずにうなずいた。
深夜の談話室
エステル、フレイヤ、左門のトライアングルに香織を加えた関係者一同が集っていた。
エステルは事情が呑み込めず怪訝とした表情で、フレイヤはさすがに殺気こそ向けていないものの左門を睨みつけ、左門はかろうじて平静を保っているがやや香織に距離が近い。
香織はそんな3人を見ながら超然としてお茶を飲んでいた。
犬も食わない痴話喧嘩に巻き込まれた彼女が一番の被害者であろう。
それはそれとして頼られたこともあってか彼女は調停者として、三人にことの次第を説明する。
正直なところ、一番悪いのは(自力で解決できず香織を頼ったことも含めて)左門なのだが、頼られた経緯もあるしこれを奇貨として3人の認識のずれを調整することにした。
「さてと、今回の件に関して言いたいことはあるけれど、まずは根本原因の修正から始めましょう」
「あなたたちはお互いの性に関する意識にかんしてそれぞれに誤解があるようだから、そこをすり合わせていきましょうか」
エステルはプライベートの最たる領域に口出しされることに不満を抱き、フレイヤはそれもバカのせいと左門を睨み、そして左門は気恥ずかしげに頭をかいている。
若者たちの反応をあえて無視して香織は続ける。
「まずはフレイヤさん、あなたは左門君の性経験をどれくらいと踏んでいたの?」
「はい、この男は巡回班でも札付きの不良班士でしたので、いわゆる飲む・打つ・買うは一通り経験していると判断していました」
「ただ、普段の振舞いから自分から口説いたことのない、いわゆる素人DTと呼ばれる見掛け倒しの甲斐性なしであると評価を下方修正していたのですが……まさか、女と付き合ったことすらない筋金入りのヘタ……もとい拗らせたDT……いえその、人見知りとは思いもせず……」
「え、そうなの、左門。でも、あの時は……」
「エステル、左門君への追及はひとまず後にして、それであなたは左門君の性経験についてどう認識していたのかしら」
「あ、はい。三年前のあの時に私やパンデモニウムのメンバーのやることに眉をひそめることはあっても動じることはなかったのでそれなりに経験はあるものとばかり」
「あれ? パンデモニウムは左門君の逆鱗に触れて壊滅したのよね」
「ええ。ドラッグについて私に諭した際にもそのようなことを言ってました。ドラッグだけは見過ごせないとカッコよく啖呵を切っていたのは覚えています。 それに巡回班には男色の噂もありましたし、その……左門が陰間茶屋に通っていたと友人から聞きおよんでいましたし……」
「さもくん?」
「(友人?忍の奴だなぁー余計なことをエステルに吹き込みやがって)いや、あのー陰間茶屋云々についでですが、以前エステルから男色を勧められた時にも言いましたが、私に男色の趣味はありません。そりゃ、内偵や調査でそういう店に行ったことはありますが」(
注・5)
「うん、男色の件については疑ってないわよ。それで、頑張って話をそらしたところ残念だけど、その手のお店に行った経験は?」
「違法営業や人身売買の摘発で週1ぐらいの間隔で……」
「つまり、客として行ったのは3年前にエステルに連れられて行った時だけなのね?」
「……はい」
「え、えー!?左門、3年前に僕が肌を合わせた時はあんなに余裕ぶっていたのに、僕たち以前に付き合ったこともなければ、そういうい店に行ったこともなかったの?」
「あーその件につきましてはさすがに中学生に手を出すわけにはいかなかったと申しますか、男として見栄があったと申しますか……」
「あの、エスティ、それはどういう……」
「えーーー僕、男の人とは肌を合わせるの初めてでいろいろ思い詰めて行動したのにそんな理由で袖にされたのか!」
「左門、Go to h……」
「そこまで!!」
瞬時にフレイヤからライフルを奪い、三人を一喝する香織。
「追及はひとまず置いていて、確認させてもらうけど……さもくん、私が紹介したお店は?」
「あ、はい。おかげで母の話を聞くことができました。お気遣いいただきありがとうございました」
「……筆おろしは?」
「は? ……え?あれ、そういうことだったんですか?」
「さーもーくーんー」
さすがの香織も脱力した。
「え、いや、でも、そういうのはちゃんとお互いのことを知った相手というか、その、えーね、ありますでしょ、その、ええ」
赤面しつつ、あれこれと言い募る左門を見て、女性陣は思った。
「「「……乙女か……(呆れ)」」」
「(私が愚かだった……この馬鹿、拗らせたDTどころではない、もっと恥ずかしいナニカだ。いっそのこと本気で始末するか)」
「(つまり、左門はロマンチックなのが好みかぁ。……左門にはリードしてもらいたかったけどこれじゃあ僕がリードするしかないよね)」
「(あのご両親からどうすればこんな夢見がちな子が生まれたのかしら……いえ、あの二人も結局愛に生きたんだったわね)」
とはいえ、左門の性知識と認識をこのままにしておくわけにもいかない。
「この件は私が預かります。 左門君には性教育を受けてもらいますが、エステルに任せると色々とこじれそうだし、フレイヤさんに任せようにも左門君が怖がっているし、他にあてがうにしても、今は政治的なこともあるし、私がよく吟味したうえで実施します。よろしいですね、3人とも」
香織は三人を部屋に返すと、この顛末を夫に伝えるべく端末を手に取った。
最終更新:2022年10月19日 00:23