仁義なきハナマルカツサンド
伝説のパン
夏休みも終わりに近づいたある日。
5人は学食横丁に伝説の名パン屋「ポポフ」が期間限定で復活するというニュースを見る。
【キャスター】「……オープニングイベントでは、一食限定であの伝説のハナマルカツサンドが提供されます。ハナマルカツサンドは、80年代の学園で一世を風靡した伝説のカツサンドで、その美味しさは今でも語り草になっており……」
そのおいしさゆえに、将棋倒しの事故を起こしたため発禁となった事件や、【ハナマルカツサンド】のチケットを使えば、海洋冒険部の原潜すら意のままにできると言われた、伝説のパンである。
チケットの行方
そのプラチナチケットが、コック長から臨時生徒会長に渡されようとした瞬間。一陣の風が吹きチケットが女性の手から空に飛び立っていく!周りの生徒が取り合いする中・・・。
【キャスター】「このチケットを三日月ヶ丘の駅に持ってきた生徒に、1000万ドルを出すとのことです!」
チケットを手にしたラグビー部は手に持っていたボールにチケットをねじ込み、それを打破するアメフト部。学食横町は大混乱だ。
中継を見ていた5人は?
★徹志は、弟の為にハナマルカツサンドを。
★影人は、会長の下へチケットを戻す為。
★すみれ、は公安委員会の上司から状況を掌握するように。
★加賀は、チケットを得る課程を修行と考えて。
★銃士隊の用事で横丁にやってきたフレイヤは・・・え?足下にあのラグビーボールが!
大混乱の学食横町
足下にきたボールをひょいと拾い上げるフレイヤ。それを追いかける4人&学園生徒。そこに突如現れる元剣道部員・元巡回班士の【後家平斬四郎】。交渉しあうフレイヤと斬四郎にすみれの鋼製ネットが!それを打ち破る斬四郎。
【中尾影人】「(ぼそっと)燃やしませんか?会長閣下にはコピーでも渡して回収されたと公表してしまえば、混乱は収まります」
【一條すみれ】「・・・最悪それね。」
ボールはバトミントン部が強奪。それを夜間写真部が。矢が飛び、銃弾の雨が降り、ロケットが飛び交う学食横町。再びボールはフレイヤの元へ。チケットを取り出そうとすると何故か指が入らない。何か見えない障壁のようなものがある様だ。
さらに楽しくしてあげよう
突然、全員のスマホが動きだし狐面の男の顔が。
【退屈翁】「そのボールの中のチケットには、不破の術をかけておいた。ポポフか三日月ヶ丘のどちらかにつくまでは、その中から取り出すことはおろか、燃やしたり、ちぎったり、濡らしたりできなくしておいた。せいぜいがんばりたまえ生徒諸君」
一同は仕方なくポポフへ向かおうとするが、フィッシング部、謎の殿中組、複葉機研、仏教研、お料理研、鉄道管理委員会、ヨット部、海洋冒険部、奇術部、カーリング部、スイカ割り研にことごとく邪魔される。
またおまえか
【護家平斬四郎】「決着をつけよう」
徹志と一騎打ちの状況になるが、相手は日本刀。竹刀での決闘に応じない。
【
伴藤内徹志】「と言うことで、皆さん護家平君も言ってるけど、勝てばいいそうなので多勢に無勢でOKだそうです」
大人気ない戦いが今始まる…!
とはいえ礼には礼の徹志。武士道で一対一を貫き、謎の破壊光線で斬四郎を撃破する。
ハナマルカツサンド
一同は周囲の生徒たちからの羨望と殺意のこもった視線を浴びながら、学食横丁の中にあるポポフに到着する。コック長からバスケットを渡されると、カツサンドが5つ。それに付け合わせのポテトとチキンのから揚げが入っている。
【コック長】「生徒会? 私はチケットを持ってきた生徒に渡すとしか考えていなかったわ」
生徒会へ渡すつもりだった、すみれ。影人。
主人(エステル)に持って帰ろうとしていたフレイヤ。
弟に食べさせる為に頑張った徹志。
影人の口に入れようと思っていた加賀。
【一條すみれ】「み、みんなで一口ずつは食べてみないか?(汗」
全員一斉に手を伸ばし、カツサンドを手に取ってしまう。
伝説の味
食べてしまった5人。
一口目は、まるで天にも昇るような感覚にとらわれ……二口目で幸福感におそわれ、三口目には目から熱い涙が。昔々の夏休みの思い出がブワッと脳裏をかすめていく・・・・。
気が付くとバスケットは空になっていた・・・。
最終更新:2022年10月19日 00:17