交通法規4

最終更新日:2019.9.15 ●並進可の標識が消滅の危機?、●過労などの状態での運転禁止、●「横断歩道」「車間距離」
 〃 ●[熊本]タンデム自転車解禁への動きと事故未確認?、●交通ルールはどこで学ぶ
9.8 ●【車道】複数車線がある場合と片側一車線の場合の違い
 〃 ●歩行者優先は「横断歩道/路側帯/歩道」だけではない、●[愛知]警察官をひき逃げ=救護(報告)義務違反で逮捕
8.25 ●[福岡]高校生のひき逃げ事故、●[兵庫]高齢者のひき逃げ事故
8.11 ▼改めて「自転車への検挙・指導数とその傾向」[警察庁発表データより]

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●一時停止と交差点の軽視

一時停止について「止まるのは当たり前なんだからイチイチ言われるまでもない」
交差点について「少々左右確認しなくたって事故なんて起こりゃしない」
という人達は、実際問題として交差点で事故が多いということをどう捉えているのだろうか。
一時停止の標識標示を無視し続けても「自分だけは絶対に事故は起きない」という自信は一体どこから来るのか。

そして、見通しの悪い交差点の場合、標識がなければ「一時停止(道交法43条)」が必要なかったとしても、
今度は道交法42条に罰則ありの「徐行」義務もあるため疎かにはできない。

※実際には「罰則や条文の有無」「指導や取り締まりの有無」という原則どうこうより、「事故統計でも最多」として
怪我や事故を防ぐために、単純に「身を守る手段」として、最も重要という意味で守るべき内容。
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●並進可の標識が消滅の危機?

trafficnews.jp/post/89413
「人知れず設置されている場所がある」か、
例外的な並進可に関する部分が存在する以上は
「今後設置される可能性もある」というところか。

むしろ逆に、これを好機として新たに設置することで、
全国的に貴重な「自転車で堂々と並進ができる場所」として
家族・カップル・友人での訪問から
「地域振興に一役買う」方法の1つとして使えるのではないだろうか。

そして、本来の
「自転車での並進は(この標識がある場所を除き)禁止されている」
という「並進禁止の認知度アップ」にも貢献できると考えれば一石二鳥。

●過労などの状態での運転禁止

第六十六条
何人も、前条第一項に規定する場合のほか、
過労、病気、薬物の影響その他の理由により、
正常な運転ができないおそれがある状態で車両等を運転してはならない。
(罰則 117条2項3→ [薬物・毒物関連のみ]5年以下の懲役又は100万円以下の罰金、
    117条の2の2の7→ 3年以下の懲役又は50万円以下の罰金)

●「横断歩道」「車間距離」

kuruma-news.jp/post/173313
(「ランプの球切れ」については「軽車両を除く」だが、夜間の灯火は52条にて規定)

自転車でも「横断歩道を渡ろうとしている歩行者がいれば停止する必要がある」
自転車でも「車間距離を詰めての走行は禁止」

当然、競技用自転車での公道練習中には守る必要がないなどという
「都合の良い例外規定は存在しない」。

●[熊本]タンデム自転車解禁への動きと事故未確認?

kumanichi.com/news/1184542/
ようやく熊本が解禁へ年度内ということなので、2020年3月までに制定されるようだ。
全国で解禁の動きが広がっており、6月末時点で福岡、鹿児島など24府県で解禁済み。
blog-tclc.cycling.jp/
九州では残り長崎県を残すのみだが、
坂だらけという地形的にタンデム走行に適していないので解禁されない可能性が高い。
それにしても、いい加減日本横断の障壁となっている地域
(鳥取/岡山、岐阜、石川/福井/三重、秋田、青森)は他地域の状況を観察すべきだろうに。
あとは北海道。広い土地を活かして観光に利用できると思うのに何故解禁しない・・・?
(香川/愛媛・和歌山/奈良・埼玉東京神奈川・岩手宮城あたりは解禁したところで特に何も)

県警交通企画課によると、公道走行が可能な24府県で事故は確認できていない。
https://w.atwiki.jp/longmemo2/pages/88.html#id_bf31e2de
公道走行自体は可能な静岡の「レンタルサイクリング施設」では事故が起きているが
「公道ではないので管轄外」ということだろうか。

「事故は起きていない」ではなく、
「事故は起きたが、
●「事前説明の時間を増やした」
●「ドレスガードやフットレストを取り付けた」
●「(認識力に乏しい)若年層への乗車制限を設けた」という
"対策を講じているのかどうか"を審査する必要があるのでは・・・?

イジメのように「なかった」で済ませるような姿勢は如何なものかと。


●交通ルールはどこで学ぶ

www.tomin-anzen.metro.tokyo.jp/kotsu/kakusyutaisaku/jitensha/seisaku-jyourei/jitensha-jourei/jitensha-joureiqa/index.html
3.自転車の交通ルール・マナーは、どうやって学べばいいですか?
3.都では、交通ルール・マナー等をまとめた自転車安全利用指針を作成し、
交通安全課ホームページに公表していますので、ご活用ください。
また、都、区市町村、警察署では、交通ルール等をまとめたリーフレットの配布、
自転車安全利用教室の開催などをしています。そうした資料や機会を積極的に活用しましょう。
自転車が歩道を通行できる条件の変更など、交通ルールは、
法令の改正によって変わることがあるので、常に最新のリーフレット等を利用して、定期的に学ぶようにしましょう。
独学で車両に関する条文を全て抽出し理解していれば「自転車店での講座」というのも考えられるが、
謎解釈を持ち出して公演で稼ぐような方向を更に広めることにもなるので現実的ではないかもしれない。

「交通教育を通年単位として義務化」が最も意味があると考えるが、
「自転車でそこまで気にするようなことでもない」として、本気で考えるような議員もいないのだろう。

もっと有効的な方法としては、
「警察[特に交通関連]のOBの人材を活用」でも、やはり理解度が足りない可能性があるとすれば

暇そうな弁護士を活用するほうがマシかもしれないといいたいが、
弁護士ですらまともに条文を把握できていないケースもあるので難しい。

それに違反だけを強調すればいいわけでもなく、
規定のない「予測運転」を実行できるようにするためには
マナーやルールだけの問題はないことは、
各種の誤った解釈の記事を見るたびに思う。

●【車道】複数車線がある場合と片側一車線の場合の違い

kuruma-news.jp/post/174142
複数車線がある場合
「その車線内の中央を走っても問題なく」「後続車に道を譲る必要もない」と
どれだけ原則としてはそうなっていても、「知らない」ということを理由に納得せず、
「(一般車/スポーツ自転車など見境なく)チャリンコごときが堂々と車道を走るな」として
煽り運転を仕掛けてきたりするのも当然問題だが、
抑止力として「ドライブレコーダー作動中」のようなゼッケン等で自衛する必要があるように思う。
(夜間であれば「過剰に反射材と電飾」で存在を見逃されないようにするなど)

ちなみに・・・道交法の条文だけ見ると分かりにくいが
「片側一車線=車両通行帯が"ない"道路」なので、
【道交法27条】の規定により、
後方から来る自動車やオートバイなどが「余裕で通りこせない」場合は
「できる限り道路の左側端に寄って」道を譲らなければならない。
2 車両(乗合自動車及びトロリーバスを除く。)は、
車両通行帯の設けられた道路を通行する場合を除き、
最高速度が高い車両に追いつかれ、
かつ、道路の中央(当該道路が一方通行となつているときは、当該道路の右側端。以下この項において同じ。)との間に
その追いついた車両が通行するのに十分な余地がない場合においては、第十八条第一項の規定にかかわらず、
できる限り道路の左側端に寄つてこれに進路を譲らなければならない。
最高速度が同じであるか又は低い車両に追いつかれ、
かつ、道路の中央との間にその追いついた車両が通行するのに十分な余地がない場合において、
その追いついた車両の速度よりもおそい速度で引き続き進行しようとするときも、同様とする。
(罰則:120条1項2号 → 5万円以下の罰金)
罰則そのものは非常に軽いが「譲れなかったことで命を失う」ということも十分あるので気を付けたい。

しかし・・・「極狭な車道」で
大型トラックが減速もせず横を強引に通り抜けようとするケースを想定すると、
やはり「そういう酷い道を絶対に通らない」のが一番で、
次に「歩道があれば素直に歩道に上がる」のが命を守るためには大切。

「車道を走行することに命を掛けているから死んでも何も惜しくない」という
無謀な挑戦をしているつもりかもしれないが・・・それでいいのだろうか。

●歩行者優先は「横断歩道/路側帯/歩道」だけではない

【道交法18条】(歩道と車道の区別がないような細い道などでは)「安全な間隔を保つか徐行」の義務
歩道と車道の区別のない道路を通行する場合その他の場合において、
歩行者の側方を通過するときは、これとの間に安全な間隔を保ち、又は徐行しなければならない。
(罰則 119条1項2の2 → 3か月以下の懲役または5万円以下の罰金)

一方で歩行者には交通弱者だからといって(罰則がない規定もあるが)全て許されるわけでもない

▼歩行者への罰則ありの規定

★【道交法7条】信号の遵守

道路を通行する歩行者又は車両等は、信号機の表示する信号又は警察官等の手信号等(略)に従わなければならない。
(罰則 119条1項1の2 → 3か月以下の懲役または5万円以下の罰金)

★【道交法8条】歩行者通行禁止の遵守

歩行者又は車両等は、道路標識等によりその通行を禁止されている道路又はその部分を通行してはならない。
(罰則 119条1項1の2 → 3か月以下の懲役または5万円以下の罰金)

■【道交法11条】(実質)デモ行進などで車道を歩く場合は右側通行

ai-iro-jp.blue/2016/10/05/doro-kotsu-ho-dai-11-jo/
(罰則 121条1項2号 121条1項3号)


●[愛知]警察官をひき逃げ=救護(報告)義務違反で逮捕

news.goo.ne.jp/article/tokaitv/nation/tokaitv-20190905-1542-96535.html
相手は出勤途中の警察官だった…自転車同士の衝突事故で相手の顔に大ケガさせ逃走 67歳男逮捕
8月25日、名古屋市東区筒井1丁目を自転車で走行中、
同じく自転車に乗っていた愛知県警の警察官の男性(26)と衝突し、
顔に大ケガをさせたにもかかわらず、そのまま逃げた疑いが持たれています。
最近の傾向として記事として挙がるのは
「自転車側が被害者」としては、様々なケースでほぼ毎日のように記事があるが、
「自転車側が加害者」としては「自転車のひき逃げ」が増えてきているように思う。

各種交通安全教室では救護義務について触れているのだろうか。

www.fnn.jp/posts/7429THK
それにしても、動画で加害者側の押収物の自転車の様子を見ると
いわゆる自動車メーカー名入りの典型的安物自転車であることはともかく、
「左手側のブレーキレバーが欠落している」(整備不良)違法車両としては問題視しないのだろうか。

●[福岡]高校生のひき逃げ事故

news.goo.ne.jp/article/kyodo_nor/nation/kyodo_nor-2019082301001659.html
news.goo.ne.jp/article/asahi/nation/ASM8R413NM8RTIPE00D.html
news.goo.ne.jp/article/tvnc/region/tvnc-04924.html
福岡市で7月、小学1年の男の子(7)を自転車でひき逃げした疑いで、高校1年の男子生徒(15)が書類送検されました。
この事故で、男の子はすねの骨を折る全治2カ月の重傷を負いました。
現場は見通しの悪い曲がり角でした。

これだけでは「若年層だけが問題」という印象を持たれかねないのでこちらも紹介。

●[兵庫]高齢者のひき逃げ事故

news.goo.ne.jp/article/kobe/nation/kobe-20190822017.html
自転車で歩行者に衝突し重傷を負わせたのに救護せず立ち去ったとして、
兵庫県警明石署は22日、道路交通法違反(ひき逃げ)の疑いで、明石市の大工の男(76)を逮捕した。

逮捕容疑は5日午前9時ごろ、同市樽屋町で自転車を運転中、
マンションから歩いて出てきた無職女性(75)と衝突。
女性は側溝(深さ36センチ、幅30センチ)に落ちたが、男はそのまま走り去った疑い。

同署によると、男は一度は駆け寄り、助けようとしたが、
女性が「腕が痛い。骨折した」と訴え、動けなかったため、そのまま放置したという。
女性は通行人に発見されて病院に搬送され、右手首、右脚の骨を折る2カ月の重傷。

【道交法72条:救護義務・報告義務】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
第七十二条 交通事故があったときは、当該交通事故に係る車両等の運転者(略)は、
直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、
道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。
この場合において、当該車両等の運転者(略)は、警察官が現場にいるときは当該警察官に、
警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署(派出所又は駐在所を含む)の
警察官に当該交通事故が【発生した日時及び場所】
当該交通事故における【死傷者の数】
及び【負傷者の負傷の程度】並びに【損壊した物及びその損壊の程度】
当該交通事故に係る【車両等の積載物】
並びに当該交通事故について【講じた措置】を報告しなければならない。
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■(自転車側が加害者の場合と仮定して)ポイントは
【発生した日時及び場所】・・・「何時に」「何処で」
【死傷者の数】・・・「(自転車の場合は複数は考えにくいので)有/無」
【負傷者の負傷の程度】・・・「擦り傷・かすり傷~打撲や骨折」など
【損壊した物及びその損壊の程度】・・・「対人であれば自転車やその人の衣服や所有物」など
【車両等の積載物】・・・「可燃性の高いのものが含まれているかどうか」など
【講じた措置】・・・「(単に買い物袋などであれば)一時的に散乱したものを隅に寄せて安全な場所に退避している」など

信号無視や一時停止は街頭で指導できても、救護義務(事故報告も含む)はなかなか難しい。

「自転車でも事故があれば警察に報告する必要がある」ということが全く浸透していないのが現状だろう。

スポーツ振興も結構だが、まずこういう「本来優先すべき内容」を周知しようという方向からも
考えるべきではないだろうか。

▼改めて「自転車への検挙・指導数とその傾向」[警察庁発表データより]

www.npa.go.jp/bureau/traffic/bicycle/info.html
自転車の交通指導取締り状況
www.npa.go.jp/bureau/traffic/bicycle/pdf/bicycle4.pdf
◆「指導警告票交付件数」
(「指導警告票」とは、違反を現認した際に検挙はしないが、注意を喚起するために交付する書面)
(平成30年)[降順に並び替え]
その他・・・約56万件
 ●無灯火・・・・約47万件
 ●歩道通行者に危険を及ぼす違反・・・約29万件
(歩道を通行するに当たって並進する行為や歩道において徐行等をせずに進行する行為等)
 ●一時不停止・・約11万件
 ●二人乗り・・・約8万件
 ●信号無視・・・約7万件

その他分類が多すぎるという欠陥データではあるが・・・、

1●無灯火への指導が多いわりに
的外れな指導(赤色灯を前に取り付けるような愚行の広島県のような)地域もあるので
走行抵抗感の軽いブロックダイナモの周知など夢のまた夢か。

2●歩道では「歩行者様が絶対優先」の精神がまだまだ足りない。

3●一時不停止は11万件と警告では信号無視の2倍近い数値

4●(タンデムや子乗せではない)2人乗り
省庁が管轄する映画のポスターで堂々と2人乗りするような有様を放置していることからして
「2人乗りが違法」という情報が知れ渡るのも無理な話か。

5●信号無視での警告は少ない。 ↓圧倒的に検挙(赤切符発行)が多い。

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◆「検挙件数」(交通違反"赤切符"の発行数)
(平成30年)[降順に並び替え]
 ●信号無視・・・・・・・9,316
 ●しゃ断踏切立入・・・・4,711
 ●一時不停止・・・・・・1,034
 ●運転者の遵守事項違反・・685
(傘さし運転等都道府県公安委員会が定めた禁止事項に違反する行為)
※傘以外は・・・■携帯(スマホ)・■(完全)遮音・■警音器(ベル)装着[※青森/宮城/静岡/佐賀県を除く]
 ●制動装置不良自転車運転・475
 ●乗車・積載違反・・・・・240
(都道府県公安委員会が定めた乗車人員又は積載重量等の制限に違反する行為)
 ●酒酔い運転・・・・・・・110
 ●通行禁止違反・・・・・・86
 ●無灯火・・・・・・・・・28

●その他・・・・・・・・・883

◆圧倒的な「信号無視」の検挙数
次いで「しゃ断踏切立入」も目立つ。
「自転車・違反・赤切符」のリスクを伝えたいのであれば
とにかくこの2点に尽きる。

◆忘れてはいけない「一時不停止」
基本中の基本なのになぜか優先度を低く甘く見られがちという
「異常事態」がまかり通っている現状。
どうやら「事故に直結するという認識があまりにも乏しい」ようなので
もっと赤切符発行数は多くてもいいのではないだろうか

◆運転者の遵守事項違反
警音器は装備義務が存在しない地域もあることから
「傘・携帯・(完全)遮音」の3つに絞っても各230ほど。

実際には完全遮音は「一時停止の1/5ほどしか危険視していない」という
何よりの証拠になるが、一時停止よりも非イヤホン走行のほうが重要と
本気で信じているような人達からすれば、この数値は信じたくない事実に違いない。

◆制動装置不良自転車運転
ブレーキ不良。ノーブレーキピストやノーブレーキBMXだけでなく
一般車ママチャリでも「後輪ブレーキは使わないから壊れているけど放置している」
という人は「赤切符発行対象」ということをお忘れなく。

◆乗車・積載違反
個人的には作品表現の稚拙さと危険行為として問題視しているが
死亡事故も少ないようなので後回しになるのもやむを得ないのだろう。

◆酒酔い運転
深夜の飲み屋街を回ればいくらでも検挙できそうだが
速度が出しにくくなるためか、事故例も少ないためか、
さほど重視していないようだ。

◆通行禁止違反
高速道路への侵入のケースがたまにニュースになっているが
この中に含まれるのだろう。

◆無灯火
指導の多さに比べて赤切符は少ない。
これも事故の直接要因としては考えにくい(暗いのである程度警戒する)からか、
主に赤切符発行よりも指導に止める傾向にあるようだ。