タイヤの交換時期

最終更新日:2021.6.6 ●交換時期の目安(パナレーサー解説)
2021.4.18 ●タイヤが経年劣化でひび割れ

2020.10.4 ◆単に溝が減ってきたら交換すればいいというわけでもない理由
2019.7.21 ●接地面のひびわれ
1.20 ●自重と風化でタイヤサイドのひび割れ
2018.12.9 ●下地が見えている要交換状態のタイヤ
11.25 ★タイヤ解説より単独ページとして重複掲載
2018.7.29 ●「まだ使える」は「もう使えない」

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●交換時期の目安(パナレーサー解説)

twitter.com/PanaracerJ/status/1400005460128763908
Q.距離や年数以外でタイヤ交換時期の見極め方法はありますか?
A.トレッドが平滑になった、ケーシングが一部露出したなどの場合は
走行に危険を及ぼすおそれがあるため交換推奨です。
外傷、耐パンク性能や走行性能の低下を感じたときも総合的に判断ください。
ハブに問題がなく、段差でもないのにタイヤがガタガタするような違和感を覚えたら、
外側から見て問題がなさそうに見えても、実際にパンクする前に交換しておけばトラブル防止になる。


●タイヤが経年劣化でひび割れ

twitter.com/CM1TD9fPYEf1rJH/status/1381838460491755521
ゴム製品は、紫外線や熱、油の付着などで経年劣化していきます。
タイヤにおいても表面のトレッドは減っていなくても画像のようにヒビが入ってしまったり、
ゴム自体が硬化している場合には交換が必要です。
ひび割れていても乗れるから問題ないという人もいるかもしれないが、
「砂消しに近いようなカチカチ消しゴム」と「通常の新しい消しゴム」を同じノートに使ってみると
どちらが滑りにくいか考えれば分かる。

別の表現で言えば、特に冬季の手肌が「荒れ放題であれば、触れるだけで痛い」
「しっかり保湿されていると何ともない」の差で考えてもらえば、
実感されやすいだろうか。

しかし「油分のないガサガサタイヤはそのぶんダメージも受けやすい」としても、
自転車のタイヤに自動車タイヤの艶出し剤や、テキトーなオイル等を付着させるような
付け焼刃な対策は厳禁。

チェーンが錆びている場合と同様で【素直に交換しましょう】
(チェーンの場合は状態が酷ければ前後のギア歯自体の交換も必要な場合あり)

◆単に溝が減ってきたら交換すればいいというわけでもない理由

star.ap.teacup.com/flatout/2696.html
こうしたスリックタイヤ状態になる前に交換しておきたいが・・・、

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「(標準300kpaで)毎月1回以上空気を充填」
「米式(チューブやACA-2)化などで「適正な空気圧を維持していること」が
出来ていなければ無意味なので、まずこの2点をクリアしていることが条件の上での話。
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懸念としては、
(1)「安物タイヤ」または「滞留在庫品」の場合
「早期にひび割れや剥がれ」などが起こるリスクが考えられる。

(2)減りが早い後ろタイヤ1本だけ早めに交換するのもありだが
 [1](一般車の)良タイヤは比較的2本セットで販売していることがあるという問題
 [2]前輪タイヤの溝が減ってなくてもタイヤのゴム質自体が紫外線や熱や摩耗によって「硬化や劣化」
 進んでいるため、特に操舵の要である前輪が制御できないと問題になることから
 「結局、後ろが減ってきたら、ケチらずに前後とも交換したほうがいいのでは?」ということになる。

つまり「安全性重視」の観点では、
「前輪だけ交換を遅らせるようなことはせず、
前後とも各メーカー中級品以上のタイヤに交換してください」と言う。

但し、注意点としては、(一般車の日常的な走行距離は往復でも10km前後くらいを想定するため)
毎日何十kmも走り、更には体重80kg超えで、重い荷物も乗せるような"特殊な用途"では異なる。
この場合は「前タイヤの自然劣化が進む前に」前後とも中級品以上に交換するとなると、
コスト的に微妙な気もするため、
「安物タイヤを含む"1本単位"」で交換するほうが理にかなっているとも言える。
(自分でタイヤ交換できるなら尚更)

そして、摩耗限界までの距離は「タイヤ径が大きいほど減りにくい」ので、その反対に位置する小径車では確実に損をする。
(※子供乗せ車種のような小径であることに必然性があれば話は別だが、
その場合でも子供を乗せて毎日何十kmも走行することは現実的に考えにくい。)
基本は身長がクリアできるなら、630(27インチ)や種類の多さでは622(700C)を選択しておきたい。

やはり自転車の購入時の車種や装備選択と同じで、
タイヤも「用途(保管・路面状態・使用環境も含む)によって最適な選択をする」必要がある。


交換時期の目安になる具体例

●接地面のひびわれ

star.ap.teacup.com/flatout/2387.html
パッと見、まだ溝もしっかりあってよさげなんですけどね。
でもサイドウォールを押してみると
全周にわたってもう亀裂が入っています。
こうなるとリムとの接触部分、ビード周辺も亀裂が入ってきます。放っておくと裂けてしまいますね。取替時のサインです。
乗っていなくても劣化は進みますよ。

●自重と風化でタイヤサイドのひび割れ

star.ap.teacup.com/flatout/2238.html
表面の部分はまだまだ溝もあり綺麗なもんです。
でも外に放っておいてしまうとこんな風にゴムは劣化してしまいます。
空気が入っていないと、自重でつぶれて余計に割れてしまいます。
タイヤを保管する場合はゴムに重さがかからないように、吊るして保管するといいでしょう。
「直射日光を避ける」「高音多湿を避ける」ことでも
劣化速度を減少させることができると思われる。

●下地が見えている要交換状態のタイヤ

prestigebike.hamazo.tv/e8272284.html
カラータイヤかどうかではなく、
「このままではこのタイヤ状態が原因でパンクして立ち往生するリスクがある」と
どれだけ説明しても絶対に今ケチりたい人は放置するかもしれないが、
このような下地が見えている状態になっていれば「即時交換」が妥当。

●タイヤ内部まで亀裂が達している場合、その亀裂もチューブを削る

yama105011.exblog.jp/13168961/
空気圧不足のまま走り続け、タイヤ内部に亀裂が入るまで破壊してしまった例。
一度タイヤがこういう状態になってしまうと
チューブを交換したところでタイヤ内部の壁によって再び削られてやがてまたパンクすることになる。
結局のところ空気圧を確認・判断するという「習慣づけ」が身に付くかどうかが一番のパンク対策。

●チューブがはみ出ている

star.ap.teacup.com/flatout/1572.html
逆によくこの状態でパンクしなかったと思えるある意味奇跡的な状態。
スーパーチューブやストロングチューブや同等のダウンヒルチューブといった厚みのあるチューブであれば
こういった芸当も再現不可能ではないのかもしれないが、
そもそもタイヤがとっくに限界なので、こうなる前に交換するのが常識。

●「溝が薄い、”接地面の”ひび割れ」がタイヤの交換時期

star.ap.teacup.com/flatout/1474.html
一般車のような溝ありタイヤであれば溝が薄くなった段階で交換。
完全溝なしのスリックタイヤであればひび割れで交換。
カーカスと呼ばれる繊維質が見えた段階でも交換。
たまに製造不良で早期にカーカスが表面に出てくることもあるようなので
その場合は店で買っていれば店を通じ、通販等で買っていれば店や自己交渉で対応してもらう。
「製造ロットの問題でもなく仕様」という場合は少なくとも数年は同じタイヤは購入しないほうが賢明か。

●分かりやすいタイヤ限界(サイド割け)

prestigebike.hamazo.tv/e6911065.html
これでも中には「まだ乗れるから大丈夫」と言ってしまう人もいるかもしれないが、
数千円のお金が本当に払えないような人が多いとは思えない。
そんなに自転車にお金を使うという感覚に拒絶感があるのだろうか。
「意味がない、効果が低い、違いが分からない」と思い込んでいるといった理由もその裏にあるとして、
余程毎日の生活の刺激の無さにうんざりしていてしょうがない人なんだろうかと思える。
安全で快適に乗れるということよりも、パンクするかもしれない危機感を常に持ちたいという感覚?

●タイヤの状態チェック

ameblo.jp/cycle-plus/entry-12153879511.html
溝が残っていれば必ず使えるというものでもない。

▼タイヤの交換時期

溝がなくなり繊維質が見えてきた頃、タイヤに穴が開いている、黒とカラーサイドのつなぎ目が割れているなどの状態。
また、異常がない場合でも経年劣化でゴムが硬化傾向にあると不具合がおきやすくなるので
基本的には走行距離が短く屋内ガレージ保管でも3年くらいで交換を推奨。
※走行距離で見ればタイヤのJIS K6302規定では(26,27インチ)×1-3/8タイヤで5000kmが目安。
20インチ(406,451)では3000kが目安なのでタイヤを長持ちさせたいのであれば小径は避ける。

●交換時期を過ぎたタイヤ

ameblo.jp/cycle-plus/entry-12147418577.html
star.ap.teacup.com/flatout/1314.html
走行面から繊維質が多く見えているというのは限界を超えすぎているタイヤ。
使用方法として空気圧管理ができていて、溝がなくなってきた時点で交換すべきもの。
または走行距離が少なくてもグリップ力の低下を防ぐために2年程度で交換。
下手にケチって店がない場所で立ち往生してしまっても構わないのであれば放っておいても良いだろう。

●タイヤ寿命の目安

star.ap.teacup.com/flatout/1182.html
走行面のゴムが硬化し「ひび割れ」が出来て小石などを挟みやすくなってしまっている状態。
(問題がない使える状態のタイヤであれば溝に小石が挟まってもタイヤ内部にまで入り込まない)

■タイヤの寿命

zitensyaya.cocolog-nifty.com/blog/2014/07/post-1e24.html
下地が見えた頃。

●タイヤの限界

star.ap.teacup.com/flatout/1692.html
star.ap.teacup.com/flatout/1693.html
 ・摩耗=「タイヤがすり減ってゴムの厚さがなくなったもの」
 ・劣化=「直射日光など自然な経年劣化、元々のゴムの質が低い、556のようなものがタイヤに付着した」
(英式(虫ゴム)で適正空気圧が判断できず、常に過剰空気圧で早期にひびわれるという可能性も)
 ・破損=「刺さりもので大穴が開いた」など

タイヤが限界に来ていても交換するもしないも自由。
パンク修理を繰り返し、遂には短期間の修理を繰り返し、タイヤを交換するよりも高い修理費用になったとしても、
どうしてもそのタイヤに愛着があるという稀有な人が全く居ないこともないのだろう。

一方で、道交法的にも無視させるわけにはいかない安全性に直結する
「ブレーキ周り」や「ライト」等に問題があれば(程度にもよるが)基本的には後で構わないとは思わない。
それに比べると、走行時に当然チューブが破裂することで転倒などが全く起きないというわけでもないが、
タイヤの優先度は低くなるのも分からなくもない。
(溝なしタイヤで雨天時滑りやすいというのは誤認。
速度の速いロードバイクでスリックタイヤが珍しいものでもなく、自転車の速度でハイドロプレーニング現象は考慮しない)

多い歩道でも無闇にスピードを出しすぎるような性格であれば、
慎重であればむしろ速度を出し辛くなるぶん安全かもしれない。
(さすがに居るとは思わないが、完全にタイヤが破れてリムまで覆ってブレーキまで効かないような状態や、
車輪に巻き付くほどの状態であればさすがに交換か買い替えるしかないはずだが・・・)

●タイヤ交換の目安「走行面の溝のひび割れ」

star.ap.teacup.com/flatout/1798.html
パンクしたときに限らず、
(壁で覆われていない状態のガレージを含む)屋外保管であれば半年おき、
屋内保管でも1年おきくらいに空気を抜いてひび割れの有無を確認するとパンクリスクを減らすことができる。

●タイヤの溝が残っていても内部損傷していれば交換推奨

star.ap.teacup.com/flatout/1870.html
この状態で使い続ければチューブがダメージを受けやすい。
「パンクが頻発しても構わない」という考え方であれば放置する人もいるかもしれない。

●「まだ使える」は「もう使えない」

使うのは自由でも、走行途中にパンクして、
そこから店まで押して歩かなければならなくなったときに
ちょうど店まで近い位置でパンクするとも限らない。

贔屓にしている店は定休日かもしれない。
量販店は近くにあったとしても、その店で適正な整備がされるという保証もない。
(バック拡げを使われたり、ネジ締めが不十分か過剰、パーツの欠落や順番間違いなどの可能性)

換えられるときには換えておいたほうが結局後々のトラブルを予防することができると考えて欲しい。
「損して得とれ」という言葉を贈りたい。

タイヤ・チューブ・リムテープ、ブレーキシュー、ブレーキワイヤーは
特に消耗品として早め早めの交換が快適な自転車走行の肝。

●接地面のひびわれはタイヤの限界

star.ap.teacup.com/flatout/2125.html
接地面が擦り切れて布地が見えていなくても、
接地面がひび割れていれば「パンクしたくないなら」交換が必要。
「まだ使えるから」とケチれば後で立ち往生して困ることになる。

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最終更新:2021年06月06日 09:39