影使い

登録日:2019/10/23 Wed 21:01:25
更新日:2025/04/22 Tue 18:37:50
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「影使い」とは、ファンタジー系の作品で時々登場する能力者であり、読んで字の如く影を操る戦闘を得意とするキャラクターたちのことを指す。
便宜上「影使い」という項目名にはしているが、作中では特に能力を呼ばれていなかったり、別の名称で呼ばれていることも多い。


概要

「影」とはそもそも物体や人などが光の進行を遮る結果、壁や地面にできる暗い領域であり、その形は元となる物体や人の輪郭の相似形となる。
言ってみれば単なる映像にすぎないこの「影」が、フィクションにおいては戦法の一つとして用いられることが多々ある。

「影」そのもののイメージに加えて
「本来は主人と同じ動きをする筈の影に、全く違う動きをさせる」
「意識も無ければ質量もないものを実体化させる」
といったオカルト系で変幻自在、 魔術 というより 妖術 染みた能力故か、全体的な傾向として闇属性/暗黒属性幽霊・妖怪・忍者などのキャラクターが多く
性格や振る舞いも悪そのものだったり、清廉とは少々言い難いことが多い。


主な戦法

  • 影の実体化
基本的に自分の影を利用する戦法であり、影が質量をもって地面から出現する。
自分の影をそのまま実体化させる、或いは別の生物に変化させ共に戦ったり、影を刃物と化して敵を攻撃する戦法。

  • 影の固定
こちらは自分ではなく他人の影を利用する。
対象の影を踏みつけたり、針で突き刺すことで対象自身の動きを封じる。
影は本体と同じ動きをするもの。故に、影が動けない状況であれば本体も動けない という逆転の発想から生まれたものだろう。
いわゆる忍者の「影縫いの術」だが、あちらの原理は催眠術などで暗示を掛けるものなので特殊能力とはまた異なる。
漫画『BLUE DRAGON ラルΩグラド』では闇の世界の生物・カゲという怪物が出現するが、カゲが光の世界に出ると自身の影まで実体化してしまうため、
影に銛を刺されると動けなくなってしまうという解釈がなされていた。

  • 影に潜り込む
上記2つと異なり、影でさえあれば自分か他人かを問わない。なんなら人間の影である必要すらない。
影という映像の中…すなわち「別の次元に逃げ込む技」ということから、影に潜っている間は無敵であることが多い。

中にはこれ以外の戦法をとることができるキャラクターもいるが、多くの影使いはこの3種類の中の1つ、もしくは複数を駆使することができる。
いずれのパターンにおいても詠唱等はあまり必要なく、「発動しよう」と思ったその瞬間から発動可能なことが多い(「影の固定」の場合は武器が必要な場合もある)。

弱点

  • 光を当てる
媒体となるのはあくまで影であり、光があると影は消えてしまう。
閃光弾や発火物、光源で囲まれると操ったり実体化した影が消え、固定した場合でも効果がなくなる。
もっとも光源があれば影ができるため、影使いが光源を利用するパターンも多い。

  • 光源を消す
上記と反対だが、影ができるのは光源がある場合なので、光源が潰れると影もできなくなり、操る事ができなくなる。
明るすぎても暗すぎても本領を発揮できないデリケートな能力である。

  • 影ができる物体を消す
平地では影ができないため、影に潜んだり、操ったりできる影がないため、戦力は大きく削がれる。
ただ、影使い本人の影や相手の影が存在するため、能力によっては使える事もある。

  • 空を飛んでいる相手
空を飛んでいる相手の場合、影とそれを作る実体が離れている。
そのため、「影を実体化する」または「影に潜む」場合、空を飛んでいる相手だと実体が届かなかったり潜んでも攻撃できない。


主な影使い達

忍者キャラ

上記の「影縫いの術」をはじめ、何かしら影に関する忍術を使うキャラが多い。
2010年代だと現代忍法を使うこの人とか。
「影縫いの術」以外に特徴的な影の使い方をするものを挙げると、

メインキャラである奈良シカマルやその父シカク、息子のシカダイなどが影を用いた陰陽遁を使用。
相手の影を固定する「影縛り」や、相手の体に影を纏わりつかせて捕まえる「影首縛り」などを使える。
自分の影は伸ばせる範囲が決まっている(朝や夕方であれば大きく、南中していたら小さい)が、自然発生した影を飛び地として使用できる。

あかね組の忍たまの一人。
相手の影を固定する「影踏み」(アニメでは「影縛り」)を使えるが、奈良一族のような自分の影を伸ばすことができるかどうか不明。

影に潜り込む術や、自分の影を実体化させて敵にぶつけたり、共に敵に斬りかかる技を操る。

「佐助とは同郷」という設定と、元々コンパチキャラだったという都合上、佐助同様の影を操る技を使用する。
光属性故か、佐助の真っ黒な影と異なり虹色に輝く影を操る。どんな影だよ

ザイバツ・シャドーギルドのアデプト(見習い)ニンジャ。ハデス・ニンジャ憑依者。
影にクナイを刺して、相手を動けなくする「シャドウピン・ジツ」を使う。
クナイ・ダートの生成ができないためたすき掛けのベルトに実弾を保持している。なお、自分の影にうっかり刺してしまうと自分も動けなくなる。
作中で成長し、憑依直後の暴走状態で使っていたがすぐに使えなくなった影の実体化も再び可能になり、
影由来のさらなるジツを使えるようになってゆく。

カラス・ニンジャ憑依者。
影からカラスを生み出し、愛用の二丁拳銃に弾代わりに装填して発射できる。
銃弾としての威力は実弾には及ばないようだがそれでもニンジャを撃ち殺せるほどで、彼が修めている武術「ピストルカラテ」の推進力としても充分使える。
欠点は自分の影からしかカラスを生み出す事ができない(自分の影が他の影に飲まれていたり暗闇の中では無理)という点。

火影忍軍のくノ一
魔道具・影界玉『影』を持ち、遠隔視と影越しの瞬間移動が可能。

忍びの山では一番オーソドックスな衣装の細身の忍者。
自分が影から影に瞬間移動する「影渡り」と、
影に触れているものを10米以内に瞬間移動させる「影送り」の術を使う。
消耗は大きくなるが、着弾点に影を作ることで砲火を反射することもできる。

  • 楊セン(殷周伝説)
黒子のような恰好をした仙人。
影の中に潜む「影の術」を使用する。
彼独自の術であり、似たように地面に潜む敵が現れたと聞いたときには少なからず動揺している。

砂漠の国ナバールに住む盗賊団であり、ホークアイは本作の6人の主人公の1人でもある。
敵の影に潜り込んだ後現れ、大打撃を与える必殺技「影潜り」が印象的。
特に、ボスキャラクターとして戦うビル&ベンが使うそれがその威力もあって記憶に残る。
一般雑魚の忍者モンスターは影の状態になって隠れており、近づくと姿を現して戦闘に突入する。


忍者キャラ以外

恐らくジャンプ漫画における元祖影使い。
その名の通り頭部のブラックホールから相手を異次元空間に吸い込む能力の他、影の中に潜ったり影から分身を生み出す能力を持つ。
影に潜っている間は入口が開きっぱなしになっているのか、相手からの影の中への攻撃は食らってしまう。
また気配は遮断できても匂いまでは消えないらしく、犬並の優れた嗅覚があればどこの影にいるのか見破れるようだ。

厄介な能力だけに対戦相手からは真っ先に封じる手段を講じられるが、単純に格闘技者としての技量も高いためむしろ能力を封じられてからが本番である。


蝙蝠や吸血鬼を彷彿させる異形な見た目(ついでに692cmという超高身長)をしているが、現状特殊な種族であるということは示唆されていない。
超人系悪魔の実「カゲカゲの実」を食べたことで自分や他人の影を操る能力を手にしており、影使いの中でも一際多彩な能力を駆使する。
光の消失で自身の影が使えなくなる、といった弱点はない様子。
その詳細は当該項目を参照。


魔界の扉編に登場した蟲寄市の中学三年生。
他者の影を踏むことによって動きを封じる「(シャドー)」の能力に目覚める。
城戸が本気で殺す気であれば間違いなく幽助は殺害されており、パワーだけでは勝てない「領域(テリトリー)」の恐ろしさを感じさせた。
病院においては神谷の正体を伝えるために「自分の影 だけ を動かす」という限界を超えた技を使ったために衰弱し、仙水一味壊滅まで入院することになる。


DIOに雇われたスタンド使い。子供をいじめるのが大好きな変態。
スタンド「セト神」は、本体の影として現れるスタンドであり、この影に交わった者を急速に若返らせて幼化するのが能力。
スタンドそのものも、本体の装備(劇中では銃、斧)を持ったまま立ち上がり攻撃してくる。
大して身体能力は高くないが、幼くなった相手を甚振り殺すのが前提のため、相手からすれば十分脅威。


ギャング組織「パッショーネ」の幹部で、入団希望者のテスト係。刑務所を別荘化して何不自由ない生活を送っている。
スタンドは、影に潜り込む能力を持つ遠隔自動操縦型「ブラック・サバス」
一定の条件(作中では「ライターが再点火された瞬間を見る」)を満たすと影から現れて襲いかかり、凄まじい膂力で標的を抑え込んだ後に、口中の特殊な『』を伸ばして刺そうとしてくる。
日光の下では活動できず、光に晒され続けると消滅するが、撃退してもポルポには特にダメージはなく、条件を満たせば何度でも襲ってくる。


主人公出久のクラスメイトであるカラスのような頭をしたヒーロー科の生徒。
「黒影(ダークシャドウ)」という個性を持ち、鳥の形をした影のモンスターを宿している。
伸縮自在で万能な性能を持ち、攻撃力も射程距離も優秀。
一方で日光や強い光を弱点とする。闇が深いほど能力も上がるが、暴走しやすくもなってしまう。
ちなみに黒影には自我があり、会話もする。


本拠地の『見えざる帝国』が瀞霊廷のありとあらゆる「影」の中に作られた空間である。
そのため瀞霊廷で戦う限り全員が影の中に潜む能力を持っているに等しい。


闇ギルド「鉄の森」所属の魔導士。自分の影を立体化させて相手を襲ったり、体を平面化させて狭い所に入れる。
外見が上記シカマルに似ているのは気のせい。


  • ローグ・チェーニ(FAIRY TAIL)
影の滅竜魔導士。影を食べる(!!)ことで闇を纏い様々な攻撃が行える。
カゲヤマと同じく自らの影に入ることが出来、平面化することで感覚が鋭敏になる。
相方の光の滅竜魔導士スティングも、ローグの作り出した影を食うことで光と影を両方使う「白影竜」モードに変身できる。


第4部デッド・ムーン編(アニメにおけるセーラームーンSupers)の敵組織。
原作では特に影に関する能力は持たないのだが、アニメでは幹部にあたるアマゾン・トリオとアマゾネス・カルテットが
自分の影をレムレス(配下である雑魚敵の総称)に変化させる能力をもっている。
また、アマゾン・トリオの一人タイガース・アイは、同じくアニメ限定の技としてで相手の影を縛り付けることで動きを封じる技も持つ。
その性質上、木や柱などの鞭を巻きつけることができるものに相手の影が映っていないと使えないのが難点。


「かげ」「シャドー」と名のつく技がいくつか存在し、そのうち「かげぶんしん」を除くすべてがゴーストタイプの技である。
まあゴーストタイプじゃなくても使える技も多いが。


ゴーストタイプの中でもポケモンずかんにおいて影に関する記述が多い。
ポケットモンスターSPECIALにおいてはキクコのゲンガーが相手を選ばず影に入り込む能力後のゴーストダイブ?を駆使してグリーンキョウを苦しめたが、
影から引きずり出された後、ゴルバットがグリーンの真上からフラッシュを放ち影を極端に小さくすることで能力を封じられて手詰まりとなった。


ポケモンに登場する特性のひとつ。 相手ポケモンの逃走・交代を防ぐ という効果。所有者はソーナンス系統、ゴチルゼル系統(隠れ特性)、そして上述のゲンガーがメガシンカしたメガゲンガー。2匹がエスパータイプで、最後の1匹だけがゴーストタイプ。シャンデラは犠牲となったのだ…古くから続くバランス調整…その犠牲にな。
ただし、ゴーストタイプのポケモンは「実体をもたないお化けは縛りつけられない」という考え故か、その特性を無効化できる。*1
また「影使いに影を操る能力は通用しない」という考え故か、「かげふみ」のポケモンも相手の「かげふみ」を無効化できる。*2


髪を針にする技「赤き閃光」で敵の影を突き刺すことで動きを封じる技「シャドウブレイク」を使う。
影に関係する技をもつキャラクターとしては珍しく、完全な善人キャラではあるが見た目が不気味なのは確か
コロッケやリゾットが一度この技を受けた際には、「光源である月が雲に隠れて自分の影が消えた」ことで技が解除されて難を逃れた。
また、目や口の動き、技の発動までは止めることができないので、動けないまま影を縫いつけられた地面を吹き飛ばすという荒業でも対処可能。


裏バンカーサバイバル編、3階戦で初登場。
他人の影に入り込む能力を持っており、この能力によって他のバンカーの目を切り抜けて3階戦をクリアした。
4階戦では本当はルッコラと闘おうとしていたコロッケと対決。
これまた影に入り込む能力を駆使してコロッケを追い詰めるも、影と離れた空中戦にもちこまれて能力を封じられて敗北した。
影使いの例に漏れない怪しい雰囲気*3を醸し出しており、レモネードやリゾットからは裏バンカーサバイバルの主催者と疑われたが*4
実際のところは4階戦でコロッケに負ける要員として登場しただけの単なる一般(?)バンカーだった。


  • ナイトシェイド(アメコミ)
ゴールデン・エイジのヒーローの一人。超マイナー。
1941年の作品なのでこのページの中ではかなりの古株。


ダブルクロスの世界におけるシンドローム(能力の形態)のひとつ。「影」を操る能力を持つ。
影を操り武器にしたり、スタンドじみたことも可能だが、その真髄はコピー能力に加えて吸収無効化まで内包したとんでもないもの。

新人類帝国のデスパーロボ。
二次元化や影縛り、影により相手を包み込み連れ去る「影包み」、更には相手の影を食べることで魂を奪うなどの術を使用する。

未来科学研究所のコンピューターから選抜された彼も、持ち前の頭脳と影の技を使い暗黒科学帝国デスダークと戦った。
額のエメラルドからエネルギーを受けて影に溶け込み奇襲をかける「ブラックシャドー」をはじめ、闇に溶け込みマダラマンをなぎ倒す「ブラック闇走り」、自身の影からブラックジュニアという小さな分身を生み出す「ブラック分身」といった技を繰り出すが、当の本人はキレのいい徒手空拳が中心なので影の技を使うのはごく稀だったりする。


  • カゲスター&ベルスター(ザ・カゲスター)
風村コンツェルンの令嬢・鈴子とその秘書である姿 影夫が高圧電流を受けた際、両者の影に悪を憎む心が宿り誕生したヒーローコンビ。
「影よ、行けーっ!」の号令とともに影夫の影がカゲスター、鈴子の影がベルスターとして実体化。
星のマントを翻しながら「カゲ車輪」、「カゲハンマー」、「影しばり」などの影の技や分身である「カゲロベエ」を駆使して悪を追い詰めていく。


山根青鬼原作のギャグ漫画の主人公も影使い。
初代カゲマンことどぎつい便底メガネがトレードマークな影万太郎は、窮地に陥っても少しも慌てず愛用の懐中電灯「カゲマン電池」を取り出して「シャドーマン」を呼び出すのがお決まりだった。
弟の影万次郎も「シャドーペン」を使いシャドーマンを呼び出している。
2001年に放送されたアニメ版では、怪盗デ・アールの「シャドー光線」のせいで漫画版カゲマンの孫の影と融合してしまった宇宙人がシャドーマンになったが、
過去編にて初代カゲマンが偶然孫の持っていた「シャドーライト」を使った際、影から漫画版に近いシャドーマンが誕生している。


先述した通り、異次元獣「カゲ」が自らの影に寄生した者。
寄生しただけの「ファースト」や5つの「特殊融合」の者は、自らの意思でカゲを出し入れして戦うことが出来る*5
そのため完全な暗室ではカゲは全く使えない(薄い影の中であれば本影が出てくるため使用可能)。
更にカゲが宿主を食い殺した「セカンド」、セカンドが他のカゲや生物を喰らった「サード」は暗室でも活動可能で、
サードの影の中にファーストを寄生させることも可能。これにより無害なファーストを装い人間を襲う卑劣なカゲもいた。


主人公植木耕助が最初に出会ったロベルト十団のメンバー。
「影を粘土人形(クレイマン)に変える能力」を持ち、巨大なクレイマンを作って戦闘をさせたり出来る。
一方で影分身よろしく自分を模したクレイマンを作り翻弄させたり、
はたまた他の人物そっくりのクレイマンを作る事が出来るなどかなり万能。
限定条件として自分がクレイマンに触れると影に戻ってしまう。


同じくロベルト十団のメンバーである、もう一人の影使い。
「影を鉄人形(ロボット)に変える能力」でロボットを作り出して戦わせる。


  • 巻緒 慎也(結界師)
異能者集団『裏会』の実行部隊が一つ『夜行』戦闘班主任の男。
呪現化能力者で、自分の影からいくつかの触手を出して敵を縛ったり木を投げ飛ばしたりできる。
その能力で中距離から敵に攻撃を加えながら、近距離で戦う戦闘班メンバーに指示を出す。


呪文によって影を実体化させ攻撃する魔物の子。
発動プロセスが他の影使いと比べ特殊で、自身の手や頭部にある目を光らせ、その光で作った影を操るという手順を踏んでいる。
ちなみに、手のリングが変形して影の形を作っている。


聖槍十三騎士団・黒円卓第八位にして250年余りを生きる真正の魔女。
食人影(ナハツェーラー)』という、自身の影に他者の魂を吹き込んだ使い魔を使役する他、彼女の創造『拷問城の食人影(チェイテ・ハンガリア・ナハツェーラー)』は自身の影と食人影に触れた者の動きを強制的に停止させる。
食人影の規模は一個大隊や大病院を呑み込んで潰せるくらい。
シンプルで応用も効くのだが、効果が及ぶのが『自身の影』に限られるため、完全な暗闇の中だと全く効果を発揮できないという欠点が存在する。
足引きBBA「ちょっ、これ――どうすんのよォ!」


  • ルートヴィヒ・ヴァン・ローゼンクランツ(Dies irae ~Interview with Kaziklu Bey~)
バチカンの特殊工作員を自称する人物。その正体は水銀ニート コズミック変質者 この世界の法則を流出した者の神秘から派生した『闇』そのもの。擬人化した夜。
ただ移動するだけで『光の当たらない場所から影が消える=虚無、すなわち消滅』(全球一周すれば地球が滅びる。)
地球総ての闇そのものであるがゆえに『自分の影に攻撃を吸い込み相手の影から吐き出す』、作中では核兵器を凌駕して一国が灰燼と化す威力のビームを跳ね返している。
一撃必殺の拳を封じるために『1400年分、50万にも及ぶ夜を層状に重ねた球体で牢獄を形成
数えているだけでも3万年分の夜の集合体である『自分の夜の時を高速で回し周囲を数千年単位で経年劣化させる
そもそも「闇は忌まわしく、おぞましい存在」と人々が何万年も定義してきた結果『影を牙にして貪り食らうなど、精神的物理的を問わず人を貪り殺す手段は無数自在
と、正直「『影使い』に収まるのこれ?」と言いたくなるほどのやりたい放題を尽くした。
ちなみに、これだけのことをやっておいてその目的は『伴侶を手に入れて世界の終りまで共に過ごす』ことである。
水銀ニート(父)「この未成年略取誘拐の犯罪者めが」
暗黒ストーカー(子)「寝取られ放置プレイ好きの輩にとやかく言われる覚えはない」


恋人の篝火と共に壬無月斬紅郎に殺され、その怨みにより甦った青年。
既に人外の存在と化している為かトリッキーな技を多く持ち、その中でも「影に潜り込む」技は彼を象徴するものとなっている。
相手を自分の影の中に引きずり込み武器で打ち上げる投げ技「友引」や、自分の影に潜り込んだ後、相手の足元から出現して斬り上げる「影出」などが代表的。


麻帆良学園聖ウルスラ女子高等学校に在校の女生徒。
判明してる中でも指折りの実力を持つ魔法生徒。
若輩にして高位の「操影術」使いであり、曰く近接戦闘最強奥義らしい「黒衣の夜想曲」を使役して戦う。
……らしい、というのは魔法世界編で登場したカゲタロウ氏の操影術が規格外なほど強力だったので若干疑問が残るあたりの事情。
油断体質&彼女が戦う相手が悪かったせいで戦績はよろしくないが、魔法生徒としては優秀そのものであり、遠近両方に隙がない。なにげに詠唱も必要ない技術である。
「影の鎧」をまとうことで防御力3倍、肌にピッチリ密着させることで防御力は7倍にもなる……が。
思い出してほしい、この漫画はお色気で主人公は武装解除をよく使うことを。
ついたあだ名は「ウルスラの脱げ女」。本人も若干トラウマになりかけるほど脱衣全裸の星の下に生きている。なまじ正義感が強いばっかりに……。
お供の二人が戦場であっても装着を嫌がったのもむべなるかな。


本編の主人公。フリーの悪魔持ち(オーナー)。
悪魔を呼び出すドラッグ「カプセル」を服用することで、自身の影から騎士を召喚する。
騎士とは書いたが、実際は漆黒の鎧を纏った巨大な化け物で、戦闘でもその鋭い爪で相手を引き裂くなど、その内面は狂暴の一言に尽きる。
そのため当初は制御し切れていなかったが、前日譚で騎士を暴走の暴走を止めるため、悪魔召喚の能力を応用して影のワイヤーを生み出す。以降では制御が安定し、現在では騎士の拘束具兼隠し技にしている。
影の特性を活かして、立体と平面を行き来して相手を翻弄したり、光源をコントロールして騎士の位置を変えるなど、戦闘ではウィザードの名前に相応しい変幻自在の戦法をとる。
作中でもトップクラスの強さを誇る悪魔だが、召喚には光源が必ず必要となるため、対策をとられると脆い一面がある。
作中ではウィザードの正体は秘密であり、またその正体を巡って情報戦が繰り広げられている。


影が本体

「影を実体化する」どころか「そもそも影が本体」というかなり珍しい例。

世間的には「仮の体」で行動している(詳細は当該項目を参照)が、その本体は地下に掘られた巨大なトンネルの中に存在している無数の鋭い目と口をもった不定形の影である。
「仮の体」で行動する際にも、戦闘時に用いるのはその本体である影であり
ほんの少しでも影があれば、そこを媒介としていくらでも影を伸ばすことが可能で、影による切断や拘束を多用する。
また、相手を捕食して能力を吸収することも可能で、作中終盤ではグラトニーを捕食することで彼の嗅覚を身に着けた(食欲が増したという表現の為か、歯も鋭く尖った牙となっている)。
ただし「仮の体」での戦闘時は、影を封じられると外見相当の低い戦闘能力に落ちぶれてしまう(ただし賢者の石による再生能力と頑丈さは凄まじい)。


一見すると笑顔の仮面とマントを纏った大柄なピエロだが、その本体は足元の影の方*6である。
また、攻撃方法の一つに「DEVIL」という影の手を伸ばしてきて掴みかかってくる技があり、この手を爆発に巻き込めばゴールドカードを1枚取得できる。


一見、黒と白のまだら模様の巨大な球体だが、実は地面に映った「影」こそが使徒本体であり、実体と思われる球体が「影」である。
本体である「影」は直径680m、厚さ3nmの極薄空間を内向きのA.T.フィールドで支え、内部は「ディラックの海」と呼ばれる虚数空間へと通じている、言わば「生きている底なし沼」である。
作中ではエヴァンゲリオン初号機を取り込み、しまいには第三新東京市のビル群をも飲み込む大惨事を引き起こした。
物理的攻撃が通用しないため、赤木リツコ博士は992個のN2爆雷と残るエヴァのA.T.フィールドで破壊、初号機を強制回収する作戦を立案。
しかし、作戦開始直前になって暴走した初号機が、本当の「影」であったはずの球体を内部から引き裂いて脱出。本体である地面の影部分も崩壊し、殲滅された。

蠱毒によって造られた怪物で、三次元に実体を持たず、二次元の存在である「影」の体を持つ怪魚。
獲物の影を食い千切ると、影の持ち主本体も同様に食い千切られる(消失する)。
元ネタは島根県に伝わる妖怪で、凪いだ海に現れては海上(船上)にいる人間の影を食う。影を食われた人間は死んでしまうという*7
まんが日本昔ばなし』では「影ワニ」の題でアニメ化され、こちらも影を介して獲物を攻撃するという性質を持っていた。

  • 影(サマータイムレンダ)
主人公の故郷である日都ヶ島(ひとがしま)にある伝承的な存在。自分と瓜二つであり、それを見た者は死ぬとされる。
生きている人間の精神・肉体をコピーした存在であるが、彼らが生きながらえるにはオリジナルの人間を殺さなければならなず、その生態は人間とは大きく異なる。
身体能力はオリジナルのそれを遥かに凌駕し、また肉体がどれだけ損傷しても決して死ぬことはない怪物である。
だが、その名の通り本体である”影”の部分を攻撃するとダメージが生身の肉体にもフィードバックし、その場合の傷が致命傷であった場合は”影”も死滅する。
ちなみにタイトルにあるレンダリングとは「三次元空間の物体を二次元の画像にする」ことであり、”影”とは正に三次元の体を持つ人間が二次元として打ち直された存在だと言える。

視力と引き換えの禁呪によって影を操る能力を得た男。
その力でアサシン組織のトップに登りつめるが、影の正体は「禁獣」という自立した生体兵器であり、その力を使いすぎたザトーは以降その禁獣エディに体を乗っ取られてしまう。
途中でザトーは衰弱死してしまい、エディは次の宿主を探す羽目になったが、色々あって蘇生された。詳しくは項目参照。
最新作「STRIVE」では輪郭がぼやけてさらに影に近づいたグラフィックになっており不気味さを増した。
ゲーム中の性能面では、本体と分身の二人同時攻撃が特徴。分身を使った固めや崩しや連続技、一部作品ではガード不能連携さえ持っているなど攻撃面が苛烈だが、守勢に回ると脆い。トリッキーで二人同時に操作するので操作難易度が高く上級者向けのテクニカルキャラ。
一応本体は影ではなくザトーなのだが影が独立した思考を持っているのでここに入れた。

魔術・忍術・呪術

黒魔術。
術者の影に、精神世界の低級魔獣を召喚する。
影の竜が相手の影をかみ砕くと、それと同じ部分がかみ砕かれる。
他にも、作中では影縛り(シャドウ・スナップ)という相手の影を短剣で地に縫い付けることで、体の動きを封じる魔術も登場する。

サラマンダーを犠牲にすることで習得できる冥の術法の一つ。
自分の影法師を出現させ連続攻撃などを仕掛けることができるという、クセの強いものが多い冥術の中では際立って強力な術。
ただし物理攻撃を受けると影法師は消えてしまう。
ロマサガ3では冥術ではなく月術であり、これといった犠牲も払うことなく利用できる。

  • 十種影法術(とくさのかげほうじゅつ)呪術廻戦
呪術界御三家である禪院家相伝の術式。メインキャラの伏黒恵が使用する。
影を媒介として十種の式神を召喚する呪術で、手で動物を模した影絵を作ることで、その動物に応じた式神が現れる。
さらに奥義である領域展開嵌合暗翳庭(かんごうあんえいてい)」は地面一帯が影の海で覆われた空間を作り出すというもの。
その中で影の形状を縦横無尽に変化させ、影で相手を拘束したり、影で自分の分身を作ったり、影に潜り込んだりすることも可能になる。

  • 幽玄真影流・灘神影流(TOUGH
タフシリーズに登場する、主人公宮沢熹一らの使う架空の武術。
ともに『かげ』を冠する通り、「心の"陰"を捉え、掌握すること」を到達点とする。

……これだけなら武術の心構え的な話なのだが、なんと実際にこの技術を用いる技が存在しており、例えば幽玄の当主日下部覚吾は「相手の"陰"を捉え、己と相手の魂を繋いでダメージを共有する」という陰陽互根の術を使用し、「これほどの"陰使い"だったとは」と評された。本当に格闘漫画っスかこれ
この技を乗り越えるには同じく"陰"を認識し、自身の迷いや闇を取り払い、"陰"を消して攻撃するほかない。



追記修正は影に入り込みながらお願いします。

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最終更新:2025年04月22日 18:37

*1 第6世代より。同時にゴーストタイプは全ての交代封じを無効化するようになった。

*2 第4世代より。ゲームバランス的に言うと、能動的な攻撃手段を持たないソーナンス同士が対面してしまったときのため。

*3 特に苦戦した様子も無しに4階戦まで勝ち進みながら、それまで全く目立っていなかった・余裕ありげで他人を見下したように敬語で喋るなど

*4 主催者のロボットが彼を攻撃しようとしたレモネードを「ルール違反だから」妨害したことも彼を疑わさせた。結果的には本当に「ルール違反だから妨害しただけ」だったが。

*5 ただし「クリアヒューマン」闇女王ビラは宿主を完全に洗脳してしまうため宿主は寄生と同時に傀儡となり、「ブラックライノセラス」は最早理性すらない

*6 攻撃時や消滅時などに時折その姿を覗かせるので、見抜くのは容易

*7 似た様な伝承を持つ妖怪に牛鬼がいる。奇しくも両者とも海の妖怪である。