FL Studioとは?

FL Studioとは、ベルギーの Image-Line Softwareによって開発された DAW (Digital Audio Workstation)。
2023.10.18現在、Windows版と macOS版が存在します。


脳に直結するほどの素早いワークフロー

FL Studioの売り文句に「The fastest way from your brain to your speakers. (脳とスピーカーを直結させるための最短経路)」とあり、DAWを立ち上げてから音が出せるようになるためのワークフローがとても素早く行えるのが特徴です。

実際に FL Studio を起動 (まず起動が速い) すると、ドラムを打ち込むためのステップシーケンサーが表示され、すぐにドラムトラックを作ることができます。そしてピアノロールの操作性が良くフレーズを素早く打ち込み、直感的なオートメーションでフレーズに変化を加えることも容易です。

得意とするジャンル

どんなジャンルでも作れますが、特に打ち込みで繰り返しのフレーズが多い EDM系のコンポーザーに使用されることが多いです。実際に FL Studioはフレーズのパターンを再利用することが前提となる曲構成が作りやすいです。
具体的なジャンルとしては Trap, Hiphop, House, Techno, Trance など。

それに対して、生楽器のバンド系 や複雑なコード進行や構成が中心となる J-Pop, アニソン などとはあまり相性が良くないとされます。ただ、ここ数年のFL Studio傾向として、一般的な DAW に近づけようという試みもされているので無理というほどではありません。FLでボーカロイドを使ってJ-Popを作っている方も一定数見かけます。

ステップシーケンサーが中心となるワークフロー

一般的な DAW と異なり、FL Studio を起動して表示されるのはステップシーケンサーであり、このステップシーケンサーが中心となってドラムパターンを組んだり、作成したフレーズを管理して曲作りを行います。

この独自のワークフローが唯一無二で、逆に言うと他の DAW を使っているユーザーに受け入れられにくい敷居の高い部分でもあります。

付属シンセ・エフェクターがEDM系向き

FL Studioには独特なサウンドを生み出す純正プラグインが多く、EDM向けのど派手な音を出せるシンセが数多く付属しています。
そしてエフェクターも発表当時の流行であったStutter/Trance Gateとして使える Gross Beat や、近年のJUNOの再評価に合わせたのか、JUNO-6™シンセサイザーを再現した Kepler など、EDMの流行を取り入れたプラグインが次々取り入られるのも特徴です。

よく指摘される欠点として、生楽器系(ストリングスやギター)が少ないと長年言われ続けてきましたが、サンプルベースの強力なシンセFLEXにギターやベース音源が含まれたことで、付属音源でもバンドサウンドをそれなりのクオリティで作れるようになりました。

なお「生楽器系が少ない・物足りない」のはどのDAWでも似たようなものなので、生楽器系が必要であれば外部プラグインの導入を検討した方が良いです。最近は無料音源でも「Sample Tank」「KOMPLETE START」「SPITFIRE AUDIO LAB」などは有料音源の一部を無料で使えるようになっています。
無料のギター音源であれば「AMPLE GUITAR」「Session Guitarist」といった無料で使えるものを利用する、といった選択もあります。(正確には有料音源の一部が無料となっているプラグイン)

FL Studioのメリットとデメリット

作曲初心者向けに FL Studio のメリットとデメリットをまとめてみました。
FL Studioのメリットとデメリット

エディションごとの違い

FL Studioの購入を考えている人向けに、FL Studioの各エディションの違いについてまとめてみました。
エディションごとの違い

他のDAWとの比較

最終更新:2024年07月07日 07:36