作曲全般・その他のよくある質問



作曲全般

作曲できるようになるためには何をしたら良いのでしょうか

一般的には以下の方法が考えられます。(重要度の高いものに★をつけています)
  • ★FL Studioの使い方を覚える
  • ★チュートリアル動画を参考に曲の作り方を学ぶ
  • ★好きな曲を耳コピする
  • ☆スケールやコード進行などの音楽理論を学ぶ
  • 楽器演奏の練習をする
  • 音作りの方法を身につける
  • ミキシング、マスタリングの知識を身につける
まず「FL Studioの使い方」を身につける必要があります。FL Studioには便利なショートカットやツールが数多く用意されており、それらを知ることで楽曲をより良いものにしたり作業を効率化できます。理解できているかどうかは、チュートリアル動画のお手本に近い曲が操作方法に悩まず作れるかどうかを試してみると良いかもしれません。

曲作りのネックとなるのがメロディ作りやアレンジですが、それを身につけるために「耳コピ」はとても重要です。「耳コピ」することでそのフレーズやリズム、コード進行やアレンジの技術を学ぶことができます。詳しくは以下のリンプに耳コピのメリットや耳コピする方法を書いています。
耳コピが難しい場合は、市販の楽譜(ぷりんと楽譜などで楽譜が買えます。"バンドスコア" で検索)を購入して、楽譜をそのままFL Studioに打ち込んでみるのも勉強になります(なお市販の楽譜でも音を間違えて拾っていることもあるので、違和感がある場合は別の音に変えてしまうのも良いと思います)。

コード進行などの「音楽理論」を勉強するのも良いです。作曲を学べる本や講座をみると多くが「コード進行」にメロディを乗せていく、といった作曲法から始まっています。コード進行から曲を作るメリットは全体の構成を先に作れるというメリットがあるからです。
そのほか、ドミナントやサブドミナント、sus4やクリシェ、セカンダリードミナントや裏コードなどの音楽理論はアレンジや転調などをする際に「こうするとこういう雰囲気の曲にしたり、違和感が少なくなるよ」というガイドラインを教えてくれます。音楽理論のすべてが正しいわけではありせんが、セオリーを知っておくことで不自然な楽曲になることを防ぐことができます。
ただしこういった細かい「音楽理論の勉強」の優先度はかなり低めで良いと思います。実際に手を動かしたほうが学べることが多いためです(勉強は必要になったタイミングで良いです。例えば「このコード進行をなんとなく使っているけど、どういう意味なんだろう?」と疑問に思ったタイミング)。

かなり時間が取られる方法ですが「楽器演奏」もおすすめです。楽器演奏ができるようになると「打ち込みが速くなる」「音感が良くなる(耳コピしやすくなる)」「スケールやコード進行の知識が身につけられる」「フレーズのストックが増やせる」など様々なメリットがあります。例えばピアノの練習であれば、37鍵盤以上のMIDIキーボードを持っていればある程度の楽曲の練習ができるので、演奏できるようになってみたいと思うのであれば挑戦する価値はあります。(個人的にはピアノマーベルが音ゲー感覚で学べておすすめです)

  • 49鍵盤あれば、初心者のピアノ練習には全然困りません
なおプロでも「曲は作れるけど楽器は弾けない」という方も多く存在しますので、楽器演奏が楽しめないなら無理に学ぶ必要はありません。

「音作り」の知識も大事です。ゼロから音作りをする必要はありませんが、最低限の知識として ADSRエンベロープカットオフなどの基本的なパラメータを知っておくだけでも、プリセットを調整して好みの音に仕上げることができます。

「ミキシング・マスタリング」を学ぶことで、全体の音のバランスを整えることができます。覚えることは多いですが、そこで得た知識は、音作りや楽曲のアレンジなどに活かすことができます。

ただ、これらの知識はあくまで「作曲の補助輪」でしかないので、作曲を続けながら自分に足りないと思った知識を並行して身につけていく、というやり方が良いと思います。

オリジナル曲を作りたいのですがメロディが何も浮かばす手が止まってしまいます

作曲はメロディから始めるイメージが強いですが、必ずしもそうではなく様々な手順があります。
曲の作り始め方 具体例
ドラムから作る ・FL付属のドラムのループ素材に伴奏やメロディを乗せていく
FPCのドラムパターンを使う
・Drumaxxのリズムパターンを使う
・既存の曲のメロディのリズムだけを真似する
・Addictive Drumなど有料のドラム音源を使う(大量のMIDIループが付属している)
スケール・コード進行から作る ・王道のコード進行にメロディを乗せていく
テキストコード入力を使う
コードスタンプやスケールスタンプを使う
音色から作る FLEXSytrusなどのプリセット音からインスピレーションを得る
言葉の響きからメロディを作る ・日常会話でよく聞く言葉やフレーズにメロディを乗せてみる
・小節や詩集のフレーズをメロディにしてみる
既存の曲のイントロの続きを作ってみる ・Youtubeなどでジャンル名で検索して
知らない曲のイントロだけ聞き、その続きを勝手に作ってみる

FL Studioを使いこなすにはすべての機能を覚えないといけないのでしょうか

FLには数多く機能があり、それらをすべて理解するのは難しいです。
そのため「よく使う機能に絞って覚える」のが良いです。例えば、ある機能の使い方を知ったとき、それを「今後も使う」と思うものは積極的に繰り返し使って、無意識にそれを使えるようにします。
逆に実際に使ってみたけれど思うほど役に立たなかった場合は、忘れてしまってOKです。

個人的に覚えるべき機能と考えるのは、ピアノロールのショートカットです。
このページに記載しているショートカットはどれも覚えることで作業効率が上がるので、是非覚えることをおすすめします。

ただ、役に立たないと思った機能であれば、無理に覚える必要はありません。
個人的にスケールハイライトやコードスタンプは使わないのですが、人によっては「すごく役立つ!」という意見もあり、役に立つかどうかはその人次第です。

FL標準プラグインだけでもチュートリアル動画で学ぶことができますか?

FL公式のものやFL標準プラグインのみ使用しているチュートリアルであれば、不自由なく学べると思います。
またチュートリアルで使用しているサンプルを無料で配布しているものもあり、たいていメール登録が必要になるのですが、無料で学べます。(中には有料のサンプルやプリセット、シンセを販売するための広告動画がありますが、作りたい曲に近いのであれば買ってしまうのもありです)。

ただ多くの動画が Serum や Nexusといった有料のシンセ、各種の有料のエフェクターを使っているので、そういった動画では標準のプラグインに置き換えなければなりません。
(ただ再現にこだわりすぎると手が止まってしまうので割り切りも大切です)

またプロジェクトファイル(FLP)を配布されている動画でも FLP ファイルを開いたときに、以下のダイアログが表示されて「このVSTがないよ!」となることも多いです。

上記のエラーであればエフェクターのみなので標準エフェクトに置き換えれば良いのですが、シンセだと代用が難しいものもあるので、どうしても出したい音がある場合は該当のシンセを購入するのもありかもしれません。

FL Studioには自動コード作成機能やジャンル別のコード生成機能はありますか

残念ながらありません。ただコード入力(スケール入力)を支援する機能はいくつかあります。

ジャンルごとの自動生成が必要であれば、有料VSTですが「SCALER 2」はジャンルごとのコード生成、「MELODY SAUCE 2」はジャンルごとのメロディ生成を自動で行うことができます。

そして別のDAWとなりますが、CubaseやStudio Oneではコードトラックという機能があり、コードを指定するだけでコード弾きができたり、コードアシスタントで違和感の少ないコードを選びやすくする機能が用意されています。

FL付属のプラグインで音作り、マスタリングはやりやすいですか? 色々買い足すより、ある程度付属のプラグインを使いこなせるようになった方が良いのかと考えています

付属のプラグインでもかなりの音を作れます。ただ音作りに慣れていない初心者のうちは SerumやNexus、Sylenth1など広く使われている市販のものや無料のVitalを使った方がわかりやすいかもしれません。マスタリングも同様で、標準のものより広く使われている無料・有料プラグインの方がわかりやすいケースがあります。特に外部の方がGUIがわかりやすく使いやすいものは多いので、「時短」のために外部プラグインを使っている方は多いです。
ただ、FL標準のエフェクトは結構使いやすいので、慣れるとFLのもので十分マスタリングできると思います。

他には「外部プラグインで作成した楽曲をFL Studioの付属プラグインで再現できるか」を検証されている方の動画が参考になるかもしれません。
この方の感想としては「標準プラグインでも十分再現できるけど、色々なエフェクターを立ち上げる必要があるので外部プラグインで制作するよりも少し余計に時間がかかってしまう」とのことです。

Sytrusは色んな音出せる凄いシンセだと思うのですが、使ってる人をあまりみかけないのは使い難いからでしょうか

Sytrusは以下の理由で使い勝手に問題があります。
  • タブ切り替えしないとパラメータがすべてみれない
  • パラメータ変化の視認性が良くない (現代的なシンセと比べて)
それに加えて、プロになるとプリセットを調整して使うことが多いため、プリセットが優秀なシンセが使われやすいです。さらにDAWを限定せず使えるシンセに情報が集まりやすいということもあります。

以上のことから、DAW付属のシンセはどちらかというと、サブ的な用途で使われやすい印象です。

FL標準シンセのSytrusと有料のSylenth1の違いはなんでしょうか? Sylenth1の方が良い音に聞こえますがSytrusでも同じ音が出せるのでしょうか

Sytrusでも頑張れば出せますが、その音がどうしても欲しい場合は買ってしまった方が早いです。
なお Sylenth1に近い音を出したい場合は、Sytrusよりも Harmlessの方が扱いやすく近い音も出しやすいと思います。

また無料で使えるVitalはSylenth1のような今どきの音が出せて、無料プリセットやチュートリアルも多いのでおすすめです。

なおSylenth1はサブスクで購入できるので、まとまったお金がなくても使う方法が用意されています。

FL StudioとVitalだけで Alan Walker のような音は出せるでしょうか。やぱりNexusやSylenth1を買った方がよいのでしょうか

Vitalでも、使いこなせばSylenthやNexusのような音は出せます。ただ「音作りに時間をかける」のが本当にやりたいことなのかは、よく考えたほうが良いかもしれません。
もし音作りに興味が持てないようであれば、NexusやSylenth1を使ったAlan Walker風の曲を作るチュートリアル動画がいくつかあるので、NexusやSylenth1を買ってしまって、その動画を真似て作るのが早いので時短になりますし、パラメータの説明も同じシンセだと理解しやすいなど、モチベーションも維持できて良いと思います。

なお Sylenth1 は分割払い(サブスク)に対応しているので、まとまったお金を用意できないのであれば、分割払いで購入してみても良いかもしれません。

FLを始めたての頃はどうやって学んでいくのでしょうか? 音楽理論とかコードとかもよく分からないです

以下の方法が考えられます。
  • 音楽理論がわからない: 「初心者」「作曲」といったキーワードでGoogle検索する。Kindle Unlimited で作曲の本を読みまくる(一度も使ったことがなければ無料で一ヶ月読み放題になるかも)。Youtubeの作曲講座で学ぶ
  • FLの操作がわからない: FL初心者向けの動画を真似する。やりたいことの方法がわからないときに、それに関連する機能の名前でGoogle検索して詳しいブログや記事を探す。FLは意外と日本語情報があります
  • 作りたいジャンルがある: そのジャンルのチュートリアル動画があればそれを真似してみる。もしそのジャンルの日本語情報見つからない場合は、英語の動画も調べてみましょう。自動翻訳もできますし、英語の意味がわからなくても動画の手順を見たまま真似ればなんとかなります。
  • 作りたい音源か見つからない: Cymaticsの無料サンプルやVitalなどの無料プラグインでなんとかなることが多いので探してみましょう
チュートリアル動画を見ていると、初心者では所持していないプラグインがよく使われますが、似た音が出せれば良いのである程度割り切りましょう。ただ、自分の出したい音が手持ちのシンセで全然出せない…という場合は有料プラグインや有料サンプルを無理のない範囲で買ってみてもいいと思います。

FLの基本的な使い方やEDMの作り方はどこで学ぶのが良いでしょうか

以下の方法が考えられます。
  • デュアルディスプレイを使って、Youtubeでチュートリアルを見ながらその操作を真似する
  • FLの基本的な使い方を解説しているブログを色々調べて学ぶ
  • 「EDMの作り方」で調べまくる。その場合は操作はFLに限定されないので、DAWの種類を気にせずに情報を集める

FL Studioや作曲を学べる動画のリンクは以下にまとめています。

プラグインの情報はどうやって集めるのでしょうか

「プラグイン」「セール」で検索すると、プラグインのセール情報を発信しているサイトが数多く見つかります。
またDTM系Youtuberの方々がおすすめのプラグインやセール情報を発信していることもあるので、どんな音が出せるかを動画で確認したい人は、それらを見てみるのも良いかもしれません。

プラグインやサンプル音源を買えるサイトについては以下のページにまとめています。

生楽器系の音源が使いたいです

FLEXにはピアノやギター、ストリングス、管楽器などがあります。初心者のうちはこれらで足りると思います。
もしこれらで足りないようなら、無料のプラグインを探したり、探すのが面倒な場合は生楽器がたくさん入っているKOMPLETE STANDARDなどの購入を検討しても良いでしょう。

ミックスダウンとEQ処理の参考になる動画はないでしょうか

Youtubeにはエンジニアの人が詳しく解説してくれてるものが大量にあります。その多くが英語のものですが、英語がわからなくても自動翻訳したり手順を真似すると理解できるはずです。

ミックスで覚えることは多いですが、最初は、違いが分かりやすく絶対外せない処理だけに絞れば難しくないと思います。

例えば、多くの場合のミックスの優先度は以下の通りです。
  1. 音量バランスを調整する→音量
  2. 音量のばらつきを整える→コンプ
  3. 重なっている帯域が多い→EQ
まずは、このあたりから始めてみると良いと思います。

なお FL標準プラグインの Fruity Parametric EQ 2については、以下のページに基本的な使い方をまとめています。

その他


ZGameEditor Visualizerで日本語の文字を出したいです

日本語フォントを指定すれば表示できます。
ただフォントの設定や文字の表示位置の調整方法を調べるよりも、画像を用意したほうが楽に表示できると思います。

FL Studioで作られたJ-Popのヒット曲はあるでしょうか

FL Studioが EDM向きで、FL Studioの日本のシェアは低いことから「ほとんどない」と考えて良いと思います。
一時期ボカロPの間でFLが流行ったことがありましたが、今ではボカロとの連携が強いCubaseやStudio Oneに移行しているようです。
なおFL Studioの日本人ユーザーは「FL Studioユーザー(日本)」にまとめています。近年の日本人ユーザーの傾向として、FL Studioを使っている海外アーティストに憧れて使い始めた、またはJ-CORE界隈 (主に音ゲー曲を数多く提供しているHARDCORE TANO*Cメンバーの間)で多く使われている印象です。



モバイル版のFLの使い勝手は良いでしょうか

一般的なDAWに寄せているという感じで使い勝手は良いと思います。
ただPC版のようなピアノロールの打ち込みやすさはないので、Bluetooth対応のMIDIキーボードで打ち込むなど工夫が必要です。それと外部VSTの読み込みは対応していないようです。
おそらくモバイル版はスケッチとして作り、その後PC版のFL Studio Mobileでインポートする、といった使い分けが良さそうです。

FL Studio mobileはPC版を持っている人は無料で手に入ったり割引が受けられるなどあるのでしょうか

別売りのため割引はありません。
ただPC版からFL Studio mobileをVSTとして起動できるので、mobile版で作成した曲をインポートすることができます。

FL Studio mobileは複数端末で使えるでしょうか?

同一アカウントであれば使えます。

プロジェクトを複数起動する方法はあるでしょうか。2mix書き出す前に戻るなどをしたいです

Windowsならタスクバーにピン留めして、ミドルクリックで複数起動できます。

FL Cloudというサブスクが始まりましたがImage-Lineは経営難なのでしょうか

ILの内部の資金繰りについてはわからないですが、おそらくサンプル音源を販売しているILの子会社である「W.A.Production」「Producer Loops」の資源を有効活用するための企業戦略であり、経営難の可能性は低いと思います。
そもそも経営難であれば、FL Cloudのような新しいサービスを立ち上げるという手間のかかることはせずに、ライフタイムフリーアップデートを廃止してバージョンアップ料金を徴収したり、大幅な値引きセールを繰り返すなどの方がお手軽にキャッシュフローを増やせます。
今のところ、そういった場当たり的なことはしていない (CEOのScott氏によると「ライフタイムアッデートはILの企業理念」とまで言い切っています) ので、それなりにうまくいってそうな気がします。

FL StudioはARAにいつ対応しますか?

ARAとは"Audio Random Access"の略で、ARA対応がDAWでされているとMelodyneやVOCALOID、Synthesizer Vとシームレスな連携ができるようになります。
2024.3.10現在のARA対応しているDAWは、Studio One・LogicとReaper・Cubase、Ability Proなど。
ARAの規格は一般的なDAWを前提としているため、ループ音楽特化型のFL StudioやAbleton Liveは対応が難しいとされています。
公式フォーラムでの回答としては、対応するためにはプレイリストミキサーに関する大きな問題を対処した後の作業項目という位置づけとなっているようです。
そのためすぐに対応される感じでもないので、どうしてもARAを使用したい場合は、別のDAWと併用するのがおすすめす。
最終更新:2024年05月05日 20:35