Fruity Parametric EQ 2

Fruity Parametric EQ 2は高度な7バンドパラメトリックイコライザープラグインで、従来のFFTフィルタでは通常不可能な高速パラメータ変更が可能です。


概要

Fruity Parametric EQ 2は7つのバンド(帯域)をマウス操作でお手軽に EQの調整を行えるエフェクターです。

EQとは何か

EQとは Equalizer(イコライザー) の略語で、音の帯域(高い・低い)のバランスを取るためのものです。

リンク


基本的な使い方

用語の整理

バンドを表す丸い番号を「バンドトークン」と呼びます。

パラメータをすべて初期設定に戻したい

左上のプリセットをクリックして "Default" を選ぶと設定したパラメータが初期値に戻ります。

バンドトークンの位置を初期化したい

バンドトークンを右クリックして「Reset」を選ぶと、トークンの位置が初期位置に戻ります。

Typeパラメータ

バンドトークンを右クリックのポップアップメニューから "Type" を設定できます。

"Type" はそのバンドトークンにおけるカーブの作られ方を指定するもので、説明は以下のとおりです。
Type 説明
Disable バンドトークンを無効にします
(トークンが消えます)
Low Pass カットオフの周りから始まる高周波数をフィルタリングします
Band Pass 狭いバンドがカットオフの両側を通過することができます
High Pass カットオフから始まる低周波をフィルタリングします
Band Stop Notch(ノッチ)。カットオフの周りの周波数をカット
Low Shelf ベースEQに似ています
Peaking カットオフ周辺の周波数にのみ影響します
(デフォルト)
High Shelf 高音EQのように

無効にしたトークンを有効にしたい
"Type > Disable" を選ぶとトークンが消えるのですが、これを復活させる方法です。
非常にわかりにくいのですが、ここの部分にマウスをもっていって(正確にはアイコンの上の方)左ドラッグすると "Type" が変化するので、再び表示させることができます。

LowPass/HighPassを素早く設定したい

バンドトークンを右クリックして「Type > High pass」を選びます。

そうすると右クリックした番号を基準としたハイパスのEQが設定されます。

Orderパラメータ

"Order" パラメータの説明は以下のとおりです。
カテゴリ Order 説明
ドラッグダウン Steep 8 -48dB / Oct
Steep 6 -36dB / Oct
Steep 4 -24dB / Oct
センター 2
(デフォルト)
-12 dB / Oct
ドラッグアップ Gentle 4 -24dB / Oct
Gentle 6 -36dB / Oct
Gentle 8 -48dB / Oct


バンドの幅 (カーブを急にしたい) を変更したい
例えばこのバンド幅を狭めたいとします。

狭めたいバンドトークンを右クリックして「Type > Steep 4」を選びます。

するとカーブが少し急になりました。

番号表示を消したい

番号の表示を一時的に消したい場合は、このあたりをクリックしてチェックを外すと消えます。

※再び表示したい場合は同じ場所をクリックします。

ヒートマップの表示のON/OFF

FL Studio21のEQ2では、ヒストグラム表示がデフォルトとなっていますが、以前のEQ2で採用されていたヒートマップに戻したい場合は、▶ボタンを左クリックして "Heatmap > Enable" と "Heatmap > Enable frequency" に右クリックでチェックをつけます。

するとこのようにヒートマップ表示で音量を確認することができます。

おすすめプリセット

Mastering > 40Hz+18kHz cut (ハイカット+ローカット)

ハイカットとローカットが同時にできるプリセット。

Freqの紫の部分を回すとローカットで、青い部分を回すとハイカットできます。

Mastering > 40Hz (ハイカットのみ)

ハイカットを簡単にできるプリセットです。
紫のアイコンの "FREQ" を回すとカットする帯域を移動できます。




逆引き

ばっさりローカットの作り方

このような「ばっさりローカット」のカーブを作る方法についてです。

ローカットしたい周波数帯域にトークンを移動させて、右クリック「Type > High pass」選択します (右クリックで連続で選べます)。

ただこれだとカーブが緩やかなので「Order > Steep 8」を選択 ("Steep" は「急な」という意味)。

するとこのような「ばっさりローカット」を作ることができます。

真・ばっさりローカットの作り方

"Type" に "High pass / Low pass" を指定し、"Order" に "Steep 8" を指定するだけだと、カットする付近のカーブが山なりになってしまってキレイにカットできません。

これを解消するには、Fruity Parametric EQ 2の右下にあるここの "BW" からバンド幅の値を変更します。

この値を小さくすることで、High pass / Low pass の適用範囲を減らしてカーブを小さくできるようです。
この例ではトークン①とトークン⑦はデフォルト値が "69%" だったのを "56%" あたりまで減らしたら、以下のようにカーブの膨らみが小さくなりました。

"30Hz + 290Hz" でカットするこのカーブは、Mid Bassの EQ などを作る場合に使えるパラメータだと思いますので、プリセットを配布しておきます。
SubBass 30Hz + 294Hz cut.fst

続・ばっさりローカットの作り方

さらに別のローカット方法がありました。
まずトークンを右クリックして "Type > High pass" を選びます。

そして右上にあるマークを下方向にドラッグするとばっさりローカットとなります。



メモ:EQの基礎知識

  • EQを設定する前に、まずは「音量」を適正な値に設定する
  • EQはブースト(増やす)よりも、「カットする(減らす)」方が正しく処理できるケースが多い
  • EQは広めの範囲で行う。急斜面にすると音質が悪くなる
  • EQは「コンプレッサーの後」で行う方が良い
  • 6dB以上変化させると音質が悪くなる
  • Solo (その音単体)で判断しない。常に「曲全体のバランス」で判断する
  • 自分の耳だけで判断せず、リファレンストラック(目標とするアーティストやジャンル曲のプレイリスト)を使って判断する

メモ:Electro Musicのための10のリファレンスミックス

公式の解説動画

最終更新:2024年05月26日 08:57