作曲に役立つ循環コード集

このページではコード進行から曲を作る方法のときに使えるコード進行を集めたページです。
なおFL Studioにはテキストからコード入力できるツールが用意されているので、そのツールのここで紹介したコード進行をそのまま貼り付けることで、そのままコード進行を作ることができます。(2つ目のコードはディグリーネームなのでキー[Tonic Code] を変えて使うことができます)

なお、テキストからコードを入力するツールのインストール方法と使い方についてはテキストからコード進行を入力する方法に記載しています。


定番進行

定番進行1 (C, Am7, Dm7, G7)

C, Am7, Dm7, G7
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I, vi7, ii7, V7
1625(イチロクニーゴー)と呼ばれる王道進行。

定番進行2 (C, A7, Dm7, G7)

C, A7, Dm7, G7
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I, VI7, ii7, V7
1625の6をセカンダリードミナントのA7にしたパターン。より複雑な響きを試したいときに使えます。

定番進行3 (Am, F, Bm7(b5), E7)

Am, F, Bm7, E7
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vi, IV, vii7, III7
王道進行1をマイナーにしたもの。Bm7の5度はフラットするので半音下げます。Bm7(b5)のハーフディミニッシュがはかない響きになるのが大きな特徴です。

定番進行4 (C, E7, Am7, Dm7, G7)

C, E7, Am7, Dm7, G7
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I, III7, vi7, ii7, V7
王道進行にセカンダリードミナントの "E7" を挟み込んだパターン。ゆったりとした曲にもテンポの速い曲にも合います。
なお | C | E7 | Am7 | Dm7 G7 | という配分となります。

王道進行 (J-Pop進行, 4536進行)

基本形 (F, G, Em Am)

F, G, Em Am
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IV, V, iii, vi
J-Pop、アニソン、ボカロといった日本の楽曲で頻繁に使われるコード進行。
印象的でキャッチーなフレーズに向いていることからサビの部分で使われることが多いですが、イントロでもAメロBメロでも使えます。
FからGの明るく力強い進行からCに進むと思わせて、マイナーコードのEmからAmになることで柔らかい・暗い印象を与えるという複雑な側面を持つコード進行です。
バラードでは泣かせる曲、テンポが良い曲では哀愁が漂いつつも心躍るような印象を与えることができます。

アレンジ1 (F, G, E7, Am): セカンダリードミナント

F, G, E7, Am
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IV, V, III7, vi
J-Pop進行のEmを セカンダリードミナントのE7にしたことでハッとさせられるドラマチックな展開(曲に対するクライマックス感)を作れるようにしたものです。

アレンジ2 (F, G, Em, A): ピカルディ終止

F, G, Em, A
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IV, V, iii, VI
本来はマイナーのトニック(Am)で解決する部分をメジャー(A)に置き換えるパターンです。これを「ピカルディ終止(ピカルディの3度)」と呼びます。これにより「力強さと儚さ」の印象を与えることができます。

王道進行ではないですが、ピカルディ終止の前にはドミナントの代わりに sus4 をおけるという情報もあったので、以下の進行にすることもできそうです。
F, G, G/A, Asus4, A

アレンジ3 (F, G/F, Em, Am): 分数コードによる順次進行

F, G/F, Em, Am
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IV, V, iii, vi
(※)ディグリーネームには分数コードが入れられないので省略しています
2つ目のコードを分数コードにすることで、ベースを順次進行にしたもの。
躍動感を抑えることで落ち着いた印象を与え、よりメロディを際立たせる効果があります。

アレンジ4 (F, G, G#dim, Am): 分数コードによる順次進行+テンション

F, G, G#dim, Am
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IV, V, #V, vi
(※)ディグリーネームにはdimがつけられないようなので省略しています
G#dimは E7 に近い構成音だけれども、ベース音がG#となること順次進行でゆるやかに繋げつつも、スケール外の音であるため「緊張感」を与えることもできます。

アレンジ5 (F, G, Em, Am, Em/G): 分数コードによる順次進行 (勢いを止めない)

F, G, Em, Am, Em/G
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IV, V, iii, vi, iii
(※)ディグリーネームには分数コードが入れられないので省略しています
最後に Em/G を入れることでベースを順次進行にしたもの。次のFへのつなぎであり、また最後のコード進行だけ短くなることで、勢いが生まれます。

最後の Em/G を G に置き換え "F, G, Em, Am, G" というパターンにすることもできます。
F, G, Em, Am, G
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IV, V, iii, vi, V

カノン進行 (C, G/B, Am, Em/G, F, C/E, Dm7/F, G)

C, G/B, Am, Em/G, F, C/E, Dm7/F, G
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I, V, vi, iii, IV, I, ii7, V
(※ディグリーネームの場合は分数コードは入力できないようです)

ベッヘルベルのカノンで使われたパターンで、昔のJ-Popで使われていたことから、古き良きJ-Pop感があるコード進行。
コードの転回型によりトップノートとベースが順次進行で下降する美しいパターンです。

また「5度上」と「2度上」を繰り返していると考えるとスムーズに和音を繋いでいると言えます。

4度の下降を交互に繰り返していると考えると「落下するような悲しみ」を表現しているとも言えます(4度上は力強い進行)。
  • 使用されている楽曲: さくら(森山直太朗), 明日への扉(I wish), さくらんぼ(大塚愛), キセキ(Greeeen), マリーゴールド(あいみょん)

小室進行

基本形 (Am, F, G, C)

Am, F, G, C
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vi, IV, V, I
マイナーコード(Am)から始まるため、切なくて哀愁漂う印象を与えることができます。
また、小室哲哉氏が90年代に活躍していたことから、90年代の印象を与えることもできます。
  • 使用されている楽曲
    • Get Wild (TM NETWORK)
    • Summer(久石譲)
    • 千本桜(黒うさP)
    • モザイクロール(DECO*27)
    • 炉心融解(iroha)
    • 残酷な天使のテーゼ(高橋洋子)
    • only my railgun(fripSide)

アレンジ1 (Am, F, G, C, G/B)

Am, F, G, C, G/B
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vi, IV, V, I, V
(※)ダイアトニックコードには分数コードを指定できないため、Vとしています。
最後に分数コードを入れることで、ベースを順次進行にして流れをスムーズにするアレンジ。

また最後のコード進行だけ短くなることで、勢いが生まれます。

アレンジ2 (Am7, FM7, G7, C)

Am7, FM7, G7, C
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vi7, IVM7, V7, I
7thコードによりおしゃれで都会的なイメージにアレンジしたもの。

ポップパンク進行 (pop-punk progression)

世界で最も使われているコード進行で、キャッチーなメロディによく合うコード進行。
始まりの部分をローテーションするだけでパターンを変化させられる。

ポップパンク進行1 (C, G, Am, F)

C, G, Am, F
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I, V, vi, IV
"Let it be" で使われていることから Let it be進行とも呼ばれる。
  • 使用されている楽曲:Let it be (The Beatles), チェリー(スピッツ)

ポップパンク進行2 (F, C, G, Am)

F, C, G, Am
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IV, I, V, vi
  • 使用されている楽曲:Lemon (米津玄師)

ポップパンク進行3 (Am, F, C, G)

Am, F, C, G
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vi, IV, I, V
Amから始まることで、キーをAマイナーにチューニングする効果があります。
  • 使用楽曲
    • One of Us (Joan Osborne)
    • 前前前世 (RADWIMPS)
    • 弱虫モンブラン (DECO*27)

ポップパンク進行4 (G, Am, F, C)

G, Am, F, C
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V, vi, IV, I

ポップパンク進行5 (C, G, Bb, F)

C, G, Bb, F
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I, V, bVII, IV
C, G, Am, F のバリエーション。

Just The Two Of Us進行 (丸サ・丸の内進行) (FM7, E7, Am7, Gm7, C7)

FM7, E7, Am7, Gm7, C7
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IVM7, III7, vi7, v7, I7
そのまま入力すると5小節になりますが、実際の音符の配分は、前半のFM7, E7, Am7が2分音符、Gm7, C7 が4分音符になります。
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丸の内サディスティックという楽曲で使用されたことから「丸サ進行」とも呼ばれ、最近のJ-Popのヒット曲に使われやすい傾向があります。

特徴としては、前半のメジャーコードで "E7"、後半のマイナーコードの中に "C7" というセカンダリードミナントコードが使われているため独特のエモさが生まれます。またセカンダリードミナントからマイナー・メジャーへの進行に切り替わるためマイナー・メジャーの境界が曖昧になり、おしゃれな印象を与えます。
  • FM7 → E7 (セカンダリードミナント) → Am (マイナーへの進行)
  • Gm7 → C (セカンダリードミナント) → F△7 (メジャーへの進行)

  • 使用楽曲
    • 丸の内サディスティック (椎名林檎)
    • 夜に駆ける (YOASOBI)
    • うっせえわ (Ado)
    • 春を告げる (yama)
    • 愛を伝えたいだとか (あいみょん)
    • キラーボール (ゲスの極み乙女)

その他のコード進行

ユーロビート進行 (F, G, Am, Am)

F, G, Am, Am
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IV, V, vi, vi
ユーロビートのイントロやサビの部分でよく使われるアゲアゲなコード進行。

以下は「哀愁ユーロ」というメロディアスで切ない雰囲気の曲でよく使われるコード進行ですが、これはJ-Popでもよく使われる王道のコード進行です。
FM7, G, Em7, Am
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IVM7, V, iii7, vi
日本では依然としてユーロビートが人気ジャンルですが、このコード進行を使っているのが理由の1つであるのかもしれません。

Let it Be進行 (C, G, Am, F)

C, G, Am, F
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I, V, vi, IV
ビートルズの "Let it Be" で使われているコード進行で、ポップパンク進行の1つ。
独特の切なさと爽やかさ、感動を与えるコード。
  • 使用楽曲
    • Let it Be (ビートルズ)
    • チェリー (スピッツ)
    • Let it Go (アナと雪の女王)

Fly Me to the Moon進行 [6251進行] (Am, Dm, G, C)

Am, Dm, G, C
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vi, ii, V, I
7thバージョン。
Am, Dm7, G7, C
Am7, Dm7, G, C7
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vi, ii7, V7, I
vi7, ii7, V, I7
最後にセカンダリードミナントを加えるパターン。Amへのドミナントモーションになります。
Am, Dm7, G7, C, E7
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vi, ii7, V7, I, III7
マイナーで始まりつつもツーファイブによるアンニュイな進行で、"Fly Me to the Moon" などジャズでもよく使われるどことなくお洒落なコード進行です。
なんとなく雨に打たれながら歌っているような印象を与えます。
J-Popではサビの4小節だけ使用するケースもあります。

  • 使用楽曲
    • Fly Me to the Moon (Frank Sinatra)
    • Isn't She Lovely (Stevie Wonder)
    • ノーダウト (Official髭男dism)
    • ブルーメン (ヨルシカ)
    • 感電 (米津玄師): サビ "vi7, ii7, V, I7"
    • MAD HEAD LOVE (米津玄師)

スパニッシュ進行 (Am, G, F, E)

Am, G, F, E
E, F, G, F
E, F, Gm, F
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vi, V, IV, III
III, IV, V, IV
III, IV, v, IV
フラメンコで使われるコード進行です。独特の高揚感を得られます。

マイナーキー定番のコード進行

Am G F G
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Im bVII bVI bVII

(アレンジ・Fから始める)
F G Am G
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bVI bVI( Im bVII

(アレンジ・AmからFに進む)
Am F G F
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Im bVI bVII bVI

Am F C E7
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Im bVI bIII V7

(アレンジ・E7をGにしてAmへの結びつきを弱くする)
Am F C G7
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Im bVI bIII bVII7

Dm Am E7 Am
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IVm Im V7 Im

(アレンジ・E7をEm7にすることでAmへの結びつきを弱くする)
Dm Am Em7 Am
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IVm Im Vm7 Im

Bm7-5 E7 Am
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Iim7-5 V7 Im

(アレンジ・Bm7-5をBm7にしてメジャー的な明るさを出す)
Bm7 E7 Am
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IIm7 V7 Im

参考

最終更新:2024年08月24日 20:20