作曲で無駄な時間を使わないようにする方法
ここでは作曲する時に「無断に悩んでしまう問題」とその「解決法」をまとめてみました。
音源・プラグイン
問題:目的のないプリセット探しをしてしまう
FL Studioは標準プラグインに大量のプリセットが存在します。
ブラウザからプリセットを探すこともできますし、公式フォーラムでも大量のプリセットが公開されています。
ですが特に出したい音がなく、単に「良いプリセットが欲しい」といった漠然とした目的で探すと、意味もなく時間を浪費してしまいます。
- 解決策
- プリセット探しは「明確な目的・目標」を設定して行います。
- 例えば、
- Future Bass でよく使われるコードサウンド(Gate エフェクトをかかったもの)を再現するプリセット
- Tranceでよく使われる SuperSaw のプリセット
- Lo-fiに合うピアノサウンド
- などできるだけ目的を明確にします。
問題:◯◯というシンセの音を再現するプリセットを、相性の悪いプラグインで探す
ある有料シンセの音を再現する無料のプリセットを探す、ということは悪いことではありません。ただシンセの特性上、出しやすい音・出しにくい音が存在します。
例えば、Sytrusで
Sylenth1のような音を出すことは難易度が高いため、目的となるプリセットを見つけられる確率はかなり低いです。
Sylenth1 に近いシンセは、どちらかといえば
Harmless や Harmor なので、 こちらのプリセットを探したり音作りをした方が良いでしょう。もしくは
FLEXから SuperSaw で検索してみると少しだけ見つかります。
ただ、80点以上の再現度を目指す場合は、
Sylenth1 (または Serum) を買ってしまった方がやはり早いです。
- 解決策
- 適材適所:その音を再現しやすいシンセを使う
- お金で解決:どうしても再現できないなら有料シンセや有料プリセットの購入を検討する
- 妥協・譲歩:高い再現度を目指さない
問題:SpliceやLoopcloudのサンプル選びに時間をかけてしまう
SpliceやLoopcloudを使っていて、素材を購入する際「クレジットを消費するべきかどうか」に悩む時間が多くなってしまう問題。
悩んだ末、クレジット消費がもったいなくて結局クレジットを使わずに時間を浪費してしまう、など。
- 解決策
- SpliceやLoopcloudを解約して、FL Cloudに切り替えます。
- FL Cloudを使用する大きなメリットは以下の2つです。
1 |
悩む時間の短縮 |
FL Cloudであれば「クレジット制限なし」で素材をダウンロードできるので、 「残りクレジット数」を気にして「ダウンロードを躊躇する時間」を減らせます |
2 |
ストレス・フリー |
あまり使わないような素材をダウンロードしても クレジットがなくなったりしないので、 「不要な素材を買ってしまって失敗した…」という 「精神的ストレス」から解放されます |
- SpliceやLoopcloudでしか入手できない素材もあるので、部分的に併用するのも1つの方法です。
作曲全般
問題:チュートリアル動画に時間をかけすぎてしまう
チュートリアル動画の内容をしっかりと理解しようとして時間をかけすぎてしまう。
- 解決策
- 欲しい知識に絞って学習します。
- 例えば、シンセの音作りを知りたいのであればその部分だけを見て、それ以外は軽く流します。
- 機会損失を恐れない:「何かを見逃したことで損しているのかも…」と考え始めて細かくチェックすると、長い時間を取られてしまう可能性があります。「自分が欲しい情報・知識は何か」を考えた上で、優先度をつけて学習を行います
問題:完璧を目指して時間をかけすぎる
創作全般に言えることですが、完璧を目指すと時間がかかりすぎてモチベーションを大きく低下させる危険性があります。例えば、リファレンス(参考となる曲)で使っている音の再現を目指しすぎると、なかなか完成できなくなってしまいます。
- 解決策
- これを回避するには、現在行っている作業に対して点数をつけて客観的に評価する視点を持つことです。
- 例えば音作りの評価を点数化してみます。
点数 |
評価 |
説明 |
100点 |
完璧 |
もとの音を完全に再現できている |
80点 |
合格点 |
細かいニュアンスはともかく、音の役割や雰囲気をほぼ再現できている。 通常はここまで持ってこれればOK |
70点 |
及第点 (ギリギリ合格) |
はっきりと違う音とわかるが、 音の役割のズレは少なく、印象が似た雰囲気を持っている。 もとの音ほどのアタック感はないものの部分的には再現できているなど |
60点 |
補欠合格 (場合によっては合格) |
合っているとも言えるし、そうでないとも言える微妙なライン |
50点 |
ほぼ不合格ライン |
明らかに違う音になっている。 もとの音と役割が変わってしまったり、 使用しているエフェクターの種類を間違えているなど |
30点 |
確実に不合格 |
パッド系なのにアタック感が強いとかReleaseの値が間違っているとか、 基本的なことができていないレベル |
- より高い点数を目指すほど、経験(スキル)や時間が必要となります。
- 例えば50点を60点にするのはさほど難しくないですが、70点を80点にするにはより高度なスキルが要求されたり時間が必要とすることもあります。
- 作曲のスキルによって、実現可能な点数は異なります。そのため自身のスキルを客観的に評価して「どのあたりのラインまで持っていけるか」を考えた上で目標設定をするのが良いです。
- ちなみにリファレンス曲のプリセットが配布されていたり、それに近い音が販売されているのであれば、それを使用することで100点に近づけることができます。そしてさらにパラメータを目コピして、どのパラメータをどれだけの値にすれば再現できるのかを理解すると、次に似たような音を作るときにより高い点数を目指せるようになります。
最終更新:2023年11月12日 09:53