セカンダリードミナントの使い方

ここではセカンダリードミナントを使ったコード進行の組み立て方と、それにより表現できるものについて説明をします。



セカンダリードミナントとは?

セカンダリードミナントとは、本来トニックではないダイアトニックコードを一時的なトニックとみなしたときのドミナントのことです。
例えばCメジャーキーの "Am7" は本来トニックではありませんが、これをトニックとみなすと "E7" からドミナントモーションが成立します。
例)
F - G - Em7 - Am7
↓ "Em7" を セカンダリードミナントの "E7" に置き換える
F - G - E7 - Am7

基本的な使い方

  1. 小節の途中で部分的に「悲しげ」「寂しげ」な印象を表現したい時に使う
  2. ルートの同じダイアトニックコードを使用して緩やかな印象を与える
  3. パートの切り替わりで使用すると「流れが変わったな」感を出すことができる

1. 小節の途中で、部分的に「悲しげ」「寂しげ」な印象、「複雑な感情」を表現したい時に使う

例えば "C - Em7 - Am7 - G7" というコード進行を "C - E7 - Am7 - G7" とすると、"E7"の部分が寂しげな印象を出す響きとなります。
また "E7" には G# というスケール外の音を含むので、メロディにスケール外の音を含めたいときにも使うことができます。

2. ルートの同じダイアトニックコードを使用して「緩やか」な印象を与える

例えば、"CM7 - C7 - FM7 - G6(9) - CM7" の "C7 - FM7" はドミナント・モーションですが、調性がぼやかされることで通常のドミナントモーションよりも緩やかな印象となります。
この手法はモード・ジャズやボサノバなど、コード進行・調性の曖昧な音楽ジャンルに適しています。

3. パートの切り替わりで使用すると「流れが変わったな」感を出すことができる

例えばAメロからBメロに変わる時、Bメロからサビへ展開する時に、4小節目にセカンダリードミナントを使うことで、次の1小節目のコードへの変化をわかりやすく表現できます。(以下は "E7" を使用してAマイナーに転調する例)
セカンダリードミナント Aメロの終わり (Cメジャー) Bメロの始まり (Aマイナー)
なし C - Am - G - C Am - G - F - E7
あり C - Am - G - C - E7 Am - G - F - E7

参考

最終更新:2023年12月19日 13:34