Chopper使いこなし術
このページでは意外に多機能なChopperの使いこなし術を紹介します。
基本的な使い方
Chopperツールの起動法
"ALT+U" で起動します。
細かく切り刻む
おそらく最もよく使うのがノートを細かく切り刻む用途です。
"Pattern" を "Default" にして、"Time mul" のつまみを回すことでノートを切り刻みます。
この方法で多くのことが実現できます。
- Trapでよく使われるハイハットロールを作る
- Stutter効果をエフェクトを使わずに自作する
- 1分音符を16分音符に切り刻む
などなど…。
Patternの説明
個人的にChopperの真価は "Pattern" にあるかなと思っています。
ここの▶矢印をクリックするといくつかのパターンが選べるので、デフォルトで入っているパターンの説明をします。
なおフォルダアイコンからは自作のパターンが選べます。
332パターン (664パターン)
個人的に "332" パターンと呼んでいるリズムの Pattern がいくつかあります。
332というのは、16分音符が「3つ・3つ・2つ」で構成されているリズムのことで、とてもベーシックなリズムパターンです。
Pattern名 |
分割例 |
説明 |
6 notes 1 |
|
8分音符で332を分割したもの |
6 notes 2 |
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最後の部分が16分音符になったもの |
6 notes 3 |
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332を16分音符で分割したもの |
Dream |
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真ん中の部分が付点8分音符でそれ以外が16分音符 |
なお、それぞれのパターンは "Time mul" の値を大きくすることで、"664" パターンに変形できます。(これもよく使われるパターンで、ゆったりとしたパートで使われます)
333331パターン
"Half step" を3時より少し下の方向にすると、"333331" パターンになります。
2小節に拡張して使うと最後が "2" になるのでおすすめです。
オフビート
ダンスミュージックおなじみのオフビートですがパターンは少なめです。オクターブベースのパターンはなさそうなので自作した方が良さそう…?
Pattern名 |
分割例 |
説明 |
Off beat 1 |
|
ベーシックなオフビートパターン |
Off beat 2 |
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裏拍を16分音符で強調したパターン |
Techno / Trance / House系フレーズ
Techno / Trance / House系は少し多いです。
カテゴリ |
Pattern名 |
説明 |
|
Trance 1〜6 |
Tranceゲート的なフレーズ |
Leads |
gospel trance 1〜3 |
Trance用コード弾きフレーズ |
miniml 1〜7 |
Minimal Technoのフレーズ。Tranceでも使えます |
opaque 1〜7 |
minimlより少し動きの多いフレーズ |
pyro 1〜7 |
Houseで使えそうなフレーズ |
Melodies |
chemichloe, short fuse, space grinder |
Tranceに使えそうなフレーズが多数あります |
アルペジオでSFXを作成する
アルペジオ系のパターンを使うとピッチが上がっていくSFXを簡単に作れます。
ここでは "Scales > minor Pentatonic" を使うことにします。
まずはノートをスケール(またはコード)の構成音の数に対応する長さにします。
マイナーペンタトニックスケールは5つなので,16分音符5つぶんの長さです。そしてそれぞれを1オクターブずつ開けます。
"Pattern"は "Scales > minor Pentatonic"を選びます。
後は範囲選択してお好みのサイズに変更すればピッチの上がるSFXとして使用できます。音色はSquare系を使うと可愛らしい音になります。
Patternを自作する方法
ChopperのPatternを自作するには以下の2つのことを理解する必要があります。
- 1. Patternが保存される場所
- 2. Patternで扱われる "Score" データのフォーマット
1. Patternが保存される場所
Patternが保存される場所を知るには▶ボタンから "File > Browse scores" を選びます。
ブラウザに表示される "Scores" フォルダの中にある "Chopping" が Chopperツールで使用されるPatternが存在するフォルダとなります。
ここで注意点として、"Scores" フォルダと "Chopping" フォルダは「
ブラウザ上は親子関係」になっていますが、実データ上は親子関係になっていないことです。
例えば、両方のフォルダを "Open" で開くとそれがわかります。
Scores フォルダは "Documents"、Choppingフォルダは FL Studioのインストールフォルダに存在します。
例えば私の環境 (macOS) では以下のようになっています。
- Scores: 書類フォルダ以下に存在
- Chopping: アプリケーションフォルダ以下に存在
これを理解しないと、PatternとなるScoreデータを作成してもChopperから選べないので注意です。
厳密に説明すると、FL Studioはアプリケーションフォルダと書類フォルダの内容をマージして、
[[ブラウザ]]に表示する…という仕様になっています。
といったことから、作成したPatternを "Score save as" で保存する場合に初期フォルダは "書類フォルダ" となってしまうため、"Chopping" フォルダを登録しておくと楽に保存できるようになります。
2. Scoreデータのフォーマット
Scoreデータを作る上で留意することは以下のとおりです。
- Chopperツールで扱うScoreデータは、 "C5" を基準とした音程となります
- ChopperツールはScoreデータのノートの終端を自動で繰り返すように処理されます
- そのため、最後のノートがグリッドに収まらない場合は不自然に連続したノートが作られます
例えば最後のノートが以下のようにグリッドに収まっていないとします。
このPatternを使って Choppingすると、このように繰り返しポイントで不自然な前のめりが発生してしまいます。
この前のめりを回避するには、13番のオレンジ色のノートを選びます。
そしてオレンジ色のノートを最後まで延ばしておくと終端が正しく判定されるようになります。
それと演奏して確認するときに黄色のノートの音が邪魔になる場合は、右ダブルクリック長押しでミュート設定にしておくと良いです。
作成例
Psytrance用Chopperパターン
- PsyBass: ベースパターン x 11
- PsyLead: リードパターン x 28
リズムパターン
最終更新:2024年04月28日 21:02