コード進行生成ツール (CPT)

このページは v24 で実装された「コード進行生成ツール (Chord Progression Tool)」の使い方を解説します。


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コード進行生成ツールを使用するメリット

FL Studioにはコードスタンプ機能やテキストからコード進行を作るなどのツールが存在しますが、それらに比べて「コード進行生成ツール」は以下の点で優れた機能があります。
メリット 説明
適切なコード進行の生成 完全なランダムではなくコード理論に沿った進行が生成されます。また転回形が自動で適用されて、基本的にはコードが滑らかに接続します。
そして複雑なコード (テンションコードを多用するなど) を生成したい場合にはパラメータで調整が可能です
作成を素早くできる コード進行の入れ替え、リズムの調整、キーやスケールの変更が容易にできます。
また、自動生成に頼らず手動でコードを入力することも可能です
音楽理論が不要 コードの入れ替えを行うときは、適切なコードの候補の中から選ぶことができるので、知識がなくても素早くコード進行の作成ができます
プリセット管理が可能 コード進行をプリセットから選んだり、オリジナルのプリセットを自由に作成できます
音楽理論の知識がなくても適切なコード進行が作りやすいのが最大のメリットです。
もちろん音楽理論の知識があれば、このツールをより有効に使えます。

ツールの呼び出し方法

ツールを呼び出すには、ピアノロールのスパナアイコンから "Generate chord progression" を選びます。(ショートカットキーは「ALT+P」です)

初回起動時にはウェルカムウィンドウが表示されます。"Start creating" をクリックすると、コード進行生成ツールが表示されます。

基本的な使い方

再生と停止
▶ボタン(またはSPACEキー)で再生と停止ができます。隣の "Solo" が ON だと他のパートがミュートされます。
コードを自動生成する方法
上部中央にある "Generate" ボタンを押すたびにコード進行が自動生成されます。

右上の鍵アイコンをクリックして「コードを暗くする」と、そのコードは自動生成しない(ロックされる)ようになります。

特定のコードだけを入れ替えたい場合には、コードの左下にある「グルグルアイコン」をクリックします。

コード進行の複雑さを調整する方法
Generateボタンの下にあるスライドバーで生成されるコードの「複雑さ」を指定できます。

このスライダーを左にするほどシンプルなコードとなり、右側にするほどテンションコード多めの複雑なコード進行になります。
キー・スケールを変更する方法
キーやスケールを変更するにはコードの上にある「キー・スケール」を右クリックして "Edit" から変更したいキーを選びます。このとき各項目は「右クリック」で選ぶとまとめて変更できるので右クリックで選ぶのがおすすめです。

生成されたコードをピアノロールで編集する方法
生成されたコードはグループ化で結合されてしまうので、構成音をピアノロールで動かせない状態になっています。

これを解除するには、「対象のノートを選択した状態」でピアノロール右上の▼ボタンから「Group > Ungroup」を選びます。(もしくは "ALT+G")

ディグリーネーム表記に変更する
音階をディグリーネーム表記にしたい場合は "Names" のトグルスイッチを "abs" (absolute=絶対値) から "rel" (relative=相対値) にするとディグリーネーム表記になります。

ディグリーネームにすると、どのスケールであってもコードの印象がわかりやすくなっておすすめです。
表記 (ディグリーネーム) 役割
I, III, VI 明るい、安心
II, IV 少し悲しい
V, VII 深刻、悲しい、緊張

コードを手動で変更する

候補となるコードから手動選択
コードを手動で決めたい場合は、▼ボタンまたはダブルクリックでコードの候補を表示できます。候補が気に入らない場合は更新ボタンが用意されています。

なお、候補のコードの上で「右クリック」するとそのコードの音を確認できます。
コード名を直接指定して変更する
候補を使わずに直接コードを指定したい場合は、"Type a progression" にコードネームを指定してチェックマークをクリックする (またはEnterキーを押す) と、直接コードを変更することができます。
  • "Type a progression" からコードネームを指定する方法は、現在選択しているコードから連続して指定ができます
  • 例えば、"Am G F E7" という文字を指定すると、選択しているコードからそれぞれのコードが連続して設定されます
左側にあるボタンをクリックすると現在のコード進行をテキストに変換できます。

または右クリックして "Type in chord name" で指定することも可能です。

"Type a progression" で使用可能な記号
記号 説明 結果
= (イコール) 現在のコードを維持する C,=,F,G C, [現在のコードを変更しない], F,G
. (ピリオド) テキスト内の前のコードを繰り返す) F,G,Am,. F,G,Am,Am
|(バーティカルバー)
- (ハイフン)
, (カンマ)
半角スペース
区切り文字

MIDIキーボードからコードを入力する
変更したいコードを選択して、"Learn from MIDI Input" の左にあるアイコンをクリックすると、コードの枠が赤くなります。

この状態でMIDIキーボードで和音を弾くと、コードが自動で設定されます。

プリセットからコード進行を選ぶ
決まったコード進行にしたい場合は "Preset > Progression" からいくつかプリセットが用意されているのでそこから選びます。

なおここの指定はディグリーネームとなります。

ベース音をなくす
ベース音を消したい場合は、右下のヘ音記号のアイコンをクリックすると消えます。

もしくはスパナアイコンから "Bass" のチェックを外すと、すべてのコードからベースが消えます。

コード転回型を動かす
コードの右上にある数字をマウスホイールを回すなどして動かすと転回型が変化します。

ボイシングの指定(コードの密度)
コード右クリックして "Voicing" からコードの音の広がりを設定できます。

この操作に限りませんが「CTRL+A」で全選択してから変更すると、すべてのコードに適用されます。
ボイシングの種類 block open octave stacked
説明 コードをそのまま
重ねたもの
3度を
1オクターブ上に移動
ルートを
1オクターブ上に重ねる
ルートと3度を
1オクターブ上に重ねる
音域 狭い 広い 普通 広い
密度 普通 低い 高い かなり高い

パッシングコードを追加する
パッシングコードとは、コードの前後のつながりを滑らかにするためのコードです。
たとえば以下のコード進行の「A」から「G/D」の間にパッシングコードを追加してみます。

「A」を右クリックして "Add passing chord" を選びます。(または "SHIFT+左ダブルクリック")
この項目はコードを「複数選択」している場合には表示されないことに注意します

すると "F#m/A" が追加されてコード進行が滑らかに接続されました。

ノートの長さを変更する

全体のノートの長さを変更する
右上にある "Length" から生成するノートの長さを決めることができます。

単位は以下のとおりです。
設定 ノートの長さ
Beat 1拍
2Beats 2拍
Bar 1小節 (4拍)
2 Bars 2小節 (8拍)

なおこの単位は若干わかりにくい挙動をしていて「この単位を変更した後 "Count" を増やしたときにその単位で作れられる」という仕様のようです。
おそらくリズムを決めた後で、コードを再生成してもリズムを変えないようにするための仕様と推測されます。

この仕様から想定するコード生成の手順としては、以下の手順が良いと思われます。
  1. "Rescale" を有効にする
  2. "Length" でノートの長さを決める
  3. "Count" を一度 "1" に戻して、目的の値まで増やす

「”Rescale" を有効にする」とはここの↔を青色に点灯させることです。

例えば2拍単位でコードチェンジしたい場合は、"Rescale" を有効にしておき "Length" を "2Beats" に変更、"Count" を目的の数にする、といったフローです。
リズムのプリセットを選択する
リズムのプリセットは "Presets > Rhythm" から選ぶことができます。

個人的なおすすめとしては "Push pull" と "Push drag" です。

リズムを手動で変更する
リズムを変更したい場合は、コードの「右側」をドラッグして長さを変更できます。

このとき "SHIFT" を押しながらドラッグすると前後の長さを同時に変更することができます。

コードの長さを細かく調整する
コードの音の長さを調整したい場合は "Snap" からスナップする単位を設定します。

細かくコードチェンジしたい場合は "1/2 beat" や "beat" あたりを指定します。

Performanceでコードにリズムをつける

アルペジオ
ツールの下の方にある "Performance" タブをクリックすると、コードの演奏方法を変更できます。
例えば "Arp" を選ぶと、アルペジオモードとなります。

Patternに例えば "SuperSaw 1" を指定すると、SuperSawで使えそうなアルペジオとなります。

Chopでコードを刻む
アルペジオではなく、リズムを細かく刻みたい場合は "Chop" を使います。
例えば、"6notes 1" を選ぶと、「332 332」のパターンでリズムが刻まれます。


右クリックメニューからの変更
まずはコードを "CTRL+左クリック" で複数選択します。

右クリックして、"Performance > Arp" のところからアルペジオのパターンを選びます。

このとき右クリックすると色々なリズムパターンを視聴しやすいです。

"Performance > Chop" にするとコードをリズムに分割できます。

"3notes" と "6notes1" がおすすめです。

コード進行のプリセット

コード進行にはプリセットがあって「Presets > Progression」からコード進行を選ぶことができます。

コード進行プリセットを自作する方法

Factoryにも良さげなプリセットはありますが、洋楽中心なのでJ-POP向けのコード進行は自作する必要があります。
コード進行プリセットの作成方法
プリセットを自作するには、まずMajor/Minorのスケールを決めます。

そうしたらコード進行を作成します。
ひとまずJ-POPでおなじみの王道進行を入力しました。

そうしたらツールの下の方にある「Presets」から "Progression" のところにあるフロッピーディスクのアイコンをクリックします。

保存ダイアログが表示されるのでプリセット名を入力してEnterキーを押します。

追加されたプリセットを確認するにはここのドロップダウンをクリック。

追加したプリセットが選べるようになりました。
コード進行の自作プリセットを編集する方法
作成済みのプリセットをFL Studioから編集する方法は用意されておらず、直接テキストエディタで編集する必要があります。
またプラウザからも直接開けないので、マイドキュメントなどから「Image-Line > FL Studio > Presets > Chord progressions」の中にある "presets_user.txt" をテキストエディタで開きます。

するとプリセットを編集できます。

おそらくフォーマットは以下のルールと推測されます。
  • 行頭からディグリーネームでコードを指定する(コードの区切りは "-" ハイフン)
  • コメントは ":" (コロン) から開始
  • コメントには日本語も入力できる
テキストを編集してコメントを日本語に変更できました。

ただプリセットが更新されるのは「プリセットを追加した」「FL Studioを再起動した」の2つのタイミングのみのようです。

またプリセットのテキストファイルは「presets_user.txt」のみのようで、例えばJ-POP用に別のファイルを読み込ませることはできないようです。
J-POP用のコード進行プリセットのダウンロード
J-POP向きのコード進行のプリセットを作成したので添付しておきます。
presets_jpop4.zip

このプリセットに含まれるコードの一覧は以下のとおりです。
  • Block: コードブロック数
コード進行 Block 概要 説明
IV-V-iii-vi 4 王道進行1 (4-5-3-6) J-POPで最頻出となる王道進行です
IV-V-III7-vi 4 王道進行2 (セカンダリードミナント) 王道進行にセカンダリードミナントの III7 を混ぜたもの。
ドキッとさせる展開が作りたいときに良いです
IV-V-iii-VI 4 王道進行3 (ピカルディ終止) 終止形を平行調の VI に置き換えることで、
次の展開への期待や希望を持たせることができます
ii-V/IV-iii-vi 4 王道進行4 (代理コード+分数コード) サブドミナントを代理コードの ii に置き換えたもの
IV-V-iii7-vi7-ii7-III7-vi-v7-I7 9 YOASOBI進行 [9] |IV|V|iii7|vi7|ii7|III7|vi|v7|v7・I7|
IV-III-vi-vi 4 丸サ進行1 (4-3-6-6) 7thを使わずに4番目のセカンダリードミナントをviに置き換えたパターン
IV-III-vi-II 4 丸サ進行2 (4-3-6-2) 7thを使わずに4番目のセカンダリードミナントをIIに置き換えたパターン
IVM7-III7-vi7-I7 4 丸サ進行3 (4-3-6-1) J-POP (主にボカロ) では2024年現在一番人気のコード進行。
セカンダリードミナントによる緊張と緩和を交互に繰り返すパターンです
IVM7-iii7-vi7-II7 4 丸サ進行4 (YOASOBI-アイドル)
IVM7-III7-vi7-v7-I7 5 丸サ進行5 (v7-I7で1小節) [5] |VM7|III7|vi7|v7・I7|
IVM7-III7-vi7-v7-I7-IVM7-III7-vi7-#v7-v7-I7 11 丸サ進行6 [11] Future Bass用に拡張 (後半が定番の半音進行)
|IVM7|III7|vi7|v7 I7|IVM7|III7 vi7|#v7 v7|I7|
I-V-vi-IV 4 ポップパンク進行1 (1-5-6-4) "Let it be" 世界で人気のコード進行です
IV-I-V-vi 4 ポップパンク進行2 (4-1-5-6) "Lemon" J-POPでよく使われるポップパンク進行です
vi-IV-I-V 4 ポップパンク進行3 (6-4-1-5) "前前前世"
V-vi-IV-I 4 ポップパンク進行4 (5-6-4-1)
I-V/VII-vi-iii/V-IV-I/III-IV-V 8 カノン進行1 [8] 分数コードにすることで、ベースラインが順次進行で
降下するようにしたもの
I-V/VII-vi-iii/V-IV-I/III-ii/IV-V 8 カノン進行2 [8] 最後が2-5になったもの
I-vii7b5-III7-vi7-v7-I7 6 コンファメ進行1 (2/4小節は2つ) [6] 元々はジャズ曲の「Confirmation」に由来。
カノン進行にセカンダリードミナントを使えたものと解釈できます。
またアニソンで多用されることからアニソン進行とも呼ばれます
I-vii7b5-III7-vi7-v7-I7-IVM7-iii-VI-II-V 11 コンファメ進行2 [11] 8小節版
|I|vii7b5・III7|vi|v7・I7|IVM7|iii・VI|II|V|
vi-IV-V-I 4 小室進行1 (6-4-5-1) 90年代J-POPを牽引したコード進行。登場回数は減りましたが、
今でもよく使われる人気のコード進行です
vi-IV-V-I-V/VII 5 小室進行2 (I-Vで1小節) [5] |vi|IV|V|I・V/VII|
vi7-IVsus2-Vsus4-I 4 小室進行3 (sus2-sus4) sus2/sus4で柔らかい動きにしたもの
vi7-IVM7-V7-I 4 小室進行4 (7th)
vi7-IVsus2-IV-Vsus4-I-V/VII 6 小室進行5 (F-F, I-Vは1小節) [6] |vi7|IVsus2・IV|Vsus4|I・V/VII|
IV-V-vi-vi 4 ユーロビート進行1 (4-5-6-6) 80〜90年代に流行したユーロビートでよく使われたコード進行です。
今でもJ-POPでよく使われます
IV-V-vi-I 4 ユーロビート進行2 (4-5-6-1)
IV-V-vi-iii 4 ユーロビート進行3 (4-5-6-3)
IVsus2-Vsus4-vi7-vi7 4 ユーロビート進行4 (7th)
IV9-V9-vi11-vi11 4 ユーロビート進行5 (11th)
IVadd9-Vsus4-vi7-vi7 4 ユーロビート進行6 (サビ)
IVM713-V6add9-viadd11-vi7 4 ユーロビート進行7 (間奏)
IVM7-V-iii7-vi 4 哀愁ユーロ進行 (4-5-3-6) =王道進行 ユーロビートの一部で使われた哀愁漂うコード進行。
ここから王道進行が生まれたとの説もあります
I-vi-ii-V 4 定番進行1 (1-6-2-5)
I-vi7-ii7-V7 4 定番進行2 (7th)
I-VI7-ii7-V7 4 定番進行3 (セカンダリードミナント)
iii-IV-V-vi 4 泣ける進行1 (3-4-5-6)
I/III-IVsus2-Vsus4-vi7 4 泣ける進行2 (sus2-sus4)
Isus2/III-I/IV-Vsus4-vi7 4 泣ける進行3 (sus2-sus4)
I-ii-iii-IV 4 爽やか進行1 (1-2-3-4)
I-ii-iii7-IV 4 爽やか進行2 (1-2-3-4)
I-I-viib5-iii 4 1-1-7-3進行

コード進行のFactoryプリセット一覧

コード進行生成ツールに含まれるFactoryプリセットをまとめてみました。
メジャーキー
喜怒哀楽 プリセット名 コード進行 説明
喜び I-V-vi-IV Hopeful
(希望に満ちた)
1 5 6 4 ポップパンク進行。
この進行は、心の中で静かに燃える情熱や、未来への希望を象徴しているようです。
多くの人に共感を呼び起こす力を持っており、感情的なクライマックスを作り出すのに最適です。
代表曲は、アナと雪の女王「Let It Go」のサビで使われています
I-V-vi-V Yearning
(憧れ)
1 5 2 4 この進行は「安定的なトニック→不安定なドミナント→暗いサブドミナント→再びドミナント」という流れを持ち、
感情の起伏を巧みに表現しています。
この進行は、感情の高まりと落ち着きを交互に感じさせるため、聴く人の心を引きつける力があります
哀しみ I-V-ii-IV Nostalgic
(懐かしさ)
1 5 2 4 I(トニック)から始まり、V(ドミナント)に進み、ii(サブドミナントのマイナー)を経て、
IV(サブドミナント)に戻るこの進行は、安定感と変化をバランスよく提供します。
特に、iiのマイナーコードが一瞬の切なさを加え、その後のIVコードで解放感をもたらします。
この感情の流れが、ノスタルジックな印象を強めます。
例えばBen E. Kingの「Stand By Me」のメインのコード進行としてI-V-ii-IVが使われており、
温かみと安心感を与えています
楽しい I-vi-IV-V Optimistic
(未来への期待)
1 6 4 5 Iから始まることで安定感を与え、viのマイナーコードが一瞬の感傷を加えますが、
すぐにIVとVのメジャーコードで明るく前向きな感情に戻ります。
この流れが、未来への期待感を生み出します。
V(ドミナント)コードは、次にI(トニック)に戻ることを強く期待させるコードです。
この進行は多くのポップソングで使われており、特に明るく前向きな曲に多く見られます。
例えば Britney Spearsの「Lucky は表面的には成功を収めているスターの内面の孤独や苦悩を描いた曲です
I-IV-V-IV Cheerful
(明るく元気)
1 4 5 4 この進行はすべてメジャーコードで構成されています。
メジャーコードは一般的に明るく、ポジティブな感情を引き起こすため、全体的に楽しい雰囲気を作り出します。
この進行は多くのポップソングやロックソングで使われており、私たちの耳に非常に馴染み深いものです。
正確には "I-IV-V"ですが、Green Dayの「Church on Sunday」は、
関係を修復しようとするカップルを中心としたキャッチーでポップな曲です
悲しみ I-IV-vi-V Reflective
(内省的)
1 4 6 5 IとIVのメジャーコードが明るく安定した感情を提供する一方で、
viのマイナーコードが一瞬の感傷や内省的な感情を引き起こします。
このコントラストが、深い思索や内省を促します。
そして viからVへの進行は、感情の高まりと解決を同時に感じさせます。
喜び I-vi-ii-V Smooth
(よどみない心地よさ)
1 6 2 5 この進行は、強進行(6-2-5-1)で自然な流れを作り出します。
1-6-2-5のコード進行が使用されている楽曲の例として、
例えば槇原敬之の「世界に一つだけの花」のサビの部分。
1-6-2-5の進行は循環的な性質を持っており、これは曲の核心的なメッセージの1つ
「そうさ 僕らは 世界に一つだけの花 一人一人違う種を持つ」
という人々の多様性と個性が永続的に存在することを表現しています。
I-vi-IV-V Confident
(堂々とした安定感)
1 6 4 5 I-vi-IV-Vの進行は「安定的なトニック→感情的なマイナー→期待感のあるサブドミナント→力強いドミナント」
という流れで力強さを表現しています。
1-6-4-5の代表曲は「おどるポンポコリン
IV-I-V-V Triumphant
(勝利や成功の喜び)
4 1 5 5 IVからIへの解決感に続き、VとVの連続使用により力強さと前進感が生まれます。
特にVを2回繰り返すことで、緊張感が持続し高揚感が高まります
IV-I-V-vi Satisfying
(満足感や充足感)
4 1 5 6 J-POPでよく使われる進行の1つ。
IVの緊張から開始し、I-Vで解決、viで柔らかい終止感が得られます。
最後のviによる柔らかい終止が独特の心地よさを与えます。
米津玄師の「Lemon」ではサビで使われています。
怒り I-VI-I-V Dramatic
(劇的な変化)
1 6 1 5 この進行は、Iコード(トニック)から始まり、クロマティックコードのVI(メジャー)へ移動することで、
一時的に調性の中心から離れます。これにより、聴き手に緊張感や期待感を与えます。
(※注釈:VIはiiのセカンダリードミナントなので、I-VI-ii-Vにすると滑らかなコード進行になります)
vi-V-IV-V Longing
(切望、未練)
6 5 4 5 viのマイナーコードで始まることで、やや物悲しい雰囲気が醸成されます。
そしてV (強い緊張) → IV (軽い緊張 [部分的な解放]) →V (強い緊張)となります。
この緊張と部分的な解放の繰り返しが、何かを求め続けるような印象を生み出します
このコード進行をマイナーキーにおける「i-♭VII-♭VI-♭VII」と解釈すると、Radioheadの「Creep」で使われており、
"I'm a creep, I'm a weirdo" という自己否定的な歌詞と、この物悲しいコード進行が組み合わさることで、
自己受容と他者からの承認を切望する感情がより強調されています。
その他、Alan Walker「Faded」など
喜び I-♭VI-V-V Surprising
(驚き)
1 6 5 5 Iから♭VIへの進行はクロマティック・ミディアントと呼ばれ、強い緊張感を与えます。
詳しくはこの動画を参照
I-II-V/vi-vi Serene 1 2 5/6 6 美しい景色、静かで落ち着いた状態。穏やかな感情
哀しみ IV-iv-I-I Bittersweet
(喜びと悲しみ)
4 4 1 1 サブドミナント・マイナーを使う最もポピュラーな進行。
ここでのivはマイナーコードにも関わらず、優しく柔らかな響きを持っています。
例は倉木麻衣「Stay by my side」の冒頭Aメロ「[D]いつから [Dm]心 息づいているの? [A]」の部分です
IV-♭VII-I-I Warm
(暖かい)
4 7 1 1 暖かい心。他人に対する思いやり親しみ
楽しい IV-ii/♭VII-I-I Comforting
(心地よい)
4 2/7 1 1 心地よい。癒やされる
I-ii7-I-IV Gentle
(穏やか)
1 2 1 4 柔らかい。穏やかな
喜び I-vi-IV-iv/♭vi Dreamy
(夢見心地)
1 6 4 4/6 夢のような。幻想的な。うっとりする。魅惑的な
哀しみ I-vi-IV-Vsus4 Contemplative
(瞑想的)
1 6 4 5 物思いに耽る。瞑想的
怒り I-iii7-vi-IV Bold
(大胆)
1 3 6 4 大胆で力強い。厚かましい。生意気
♭VII-ii-Isus4-I Dynamic
(活動的)
7 2 1 1 活動的でエネルギーに溢れている。変化して進化する力強さ
喜び I-II-iii-V Joyful
(喜びに満ちた)
1 2 3 5 コード進行は、まるで新しい冒険の始まりを予感させるような印象を与えます。
・I: 安定感と安心感をもたらし、物語の始まりを感じさせます
・II: 少しの緊張感と期待感が生まれ、次の展開への興味を引き立てます
・iii: 新しい感情や発見が現れ、心が高揚します
・V: 解決への期待感が高まり、次の展開への希望を感じさせます
この進行は、心の中で静かに燃える情熱や、未来への希望を象徴しているようです
I-I-♭II/♭VI-♭VII Lush
(豪華)
1 1 2/6 7 自然の豊かさ、豪華な満足感。リラックスする心地よさ。
※♭IIはモーダルインターチェンジと呼ばれ、
異国情緒や神秘的な雰囲気を出すことができます
IV-IVsus2-I-I Sweet
(甘い)
4 4 1 1 甘い、優しい、愛らしい
I△-I△-ii-V Romantic
(ロマンティック)
1 1 2 5 まるで穏やかな夕暮れの中で心が解き放たれるような感覚を与えます。
最初のI△は、安定感と安心感をもたらし、次のI△がその感覚をさらに強調します。
iiに移ると、少しの緊張感が生まれ、心が期待と不安で揺れ動きます。
そして最後のVが、解決への期待感を高め、次の展開への希望を感じさせます。
この進行は、心の中で静かに燃える情熱や、未来への希望を象徴しているようです。
哀しみ ii7-V7-I△-I△ Warm
(暖かい)
2 5 1 1 温かい心。他人に対する思いやり親しみ
ii9-V13-I△-I△ Longing
(切望)
2 5 1 1 手に入らないものに対する強い欲求や願望、未練
喜び・
怒り
I7-IV7-I7-V Soulful
(情熱的)
1 4 1 5 この進行はブルースやロックンロールの基本的なコード進行であるため、
情熱的な印象を与えます。
またドミナント7thコードの連続使用により、解決を求める緊張感が生まれます。
特にI7は通常の長三和音よりも不安定で、前に進もうとする推進力を感じさせます。
そしてこのシンプルな進行はリズミカルな演奏と相性が良く、
特にアップテンポな曲でリズムの躍動感と和声の動きが相まって、情熱的な印象を強化します。
例えばThe Troggsの「Wild Thing」では、この I7-IV7-I7-V 進行が曲全体を通して繰り返し使用されています。
この進行は非常にシンプルで直接的なので曲全体が素朴で率直な印象を与え、
歌詞の直接的なメッセージを強調しています
I7-vi7-V-viadd9 Complex
(複雑)
1 6 5 6 深く入り組んだ感情。混乱した状況
喜び I7-#V9-IV7-Vadd11 Enchanting
(魅了される)
1 5 4 5 魅了される。うっとりする
I7-vi-IV7-Vsus4 Hopeful
(希望に満ちた)
1 6 4 5 希望に満ちた
非日常 I△-VII7-iii-V Grand
(壮大)
1 7 3 5 壮大、荘厳、豪華
I△9-VII7-iii9-V△ Rich
(贅沢)
1 7 3 5 豊かさ、贅沢さ、多様性
I-Isus2△-II-vii/ii Ethereal
(神秘的な美しさ)
1 1 2 7/2 神秘的な美しさと繊細さ
Iadd9-vi-IVadd9-Vadd9 Mystical
(超自然的)
1 6 4 5 超自然的な神秘性。霊的な空間。古代遺跡
喜び I9-iv11/I-I9-iv11/I Yearning
(憧れ)
1 4/1 1 4 憧れ。深い願望
怒り I 7-I 7-viiᵒ 7-ii 7♯11 Restless
(不安)
1 1 7 2 不安、退屈、落ち着かない
哀しみ I-iv /i-v /♭vii-♭VII add6sus2 Bittersweet
(喜びと悲しみ)
1 4/1 5/7 7 「喜びと悲しみ」「懐かしさと切なさ」「達成感と別れ」
といったポジティブな感情とネガティブな感情が共存する状態
I 7sus2-iv 9-♭VII add6sus2-♭III ∆ Distant
(冷淡)
1 4 7 3 冷淡。距離を感じる関係。遠い昔の話
楽しい V add4-V add9-II ∆9sus4-iii 7 Playful
(遊び心のある)
5 5 2 3 遊び心のある。軽やかで陽気な雰囲気
マイナーキー
喜怒哀楽 プリセット名 コード進行 説明
哀しみ i-v-♭VI-IV Melancholic
(終わらない悲しみ)
1 5 6 4 この和音進行は単純な悲しみだけでなく、複雑で深い感情を表現するのに適しています。
明るさと暗さ、期待と不完全さのバランスがメランコリックな印象を効果的に生み出しています。
まず、iからvへ進行しているもののvでは完全には解決せず次の♭VIにより調性を曖昧にしています。
最後のIVはサブドミナントであり不安定さを感じさせます
I-v-♭VI-v Tense
(緊迫)
1 5 6 5 最初のコード以外は動きが少なく緊張した雰囲気を表現します。
またvは不完全なドミナントであるため解決しません。
映画「Requiem for a Dream」では "i - V - ♭VI - iv" という似た進行が使われており、
「強い緊張感と不安感」「反復による催眠的な効果」「解決されない感情的な高まり」
を表現しています
i-iv-v-iv Sad
(悲しい)
1 4 5 4 ベースラインが下降することで悲しみや落胆を表現しています。
vは不完全な解決であり、終止のivは不安定感があり物悲しさが残ります
i-iv-♭VI-v Dramatic
(ドラマティック)
1 4 6 5 マイナーキーに♭VIが加わることで劇的な印象が生まれます
悲しみ i-♭VI-iiᵒ-v Anxious
(不安や焦燥感)
1 6 2 5 iiᵒは減三和音で不協和な響きを持ちます。
このコード進行は不穏な雰囲気や疎外感、緊張感を高める表現に向いています
i-♭VI-iv-v Emotional
(心を揺さぶる)
1 6 4 5 この進行は、切ない雰囲気やドラマチックな展開を求める楽曲に向いています。
構造としては、i(トニック)→♭VI(サブメディアント)→iv(サブドミナント)→v(ドミナント)の典型的なT-S-D-Tです。
メジャーコードの♭VIによる変化やアクセントはありますが、全体のトーンは暗く哀愁を漂わせています
iv-i-v-v Somber
(陰鬱な)
4 1 5 5 マイナーコードのみの進行であるため、内省的で暗い印象を与えます。
またvは強い解決感が得られません
i-♭VI-i-v Tragic
(痛ましい悲劇)
1 6 1 5
♭VI-v-iv-v Epic
(壮大な)
6 5 4 5 ♭VI→v→iv→vと、根音が順次的に下がっていくことで、緊張感が徐々に高まり壮大さや荘厳さを演出します。
またv、iv、vと3つのマイナーコードが連続することで、暗さや重厚感が生まれます
i-v-IVsus4-IV Brooding 1 5 4 4
i-iv-♭III-V /II Ominous 1 4 3 5/2
楽しい i-♭VI-♭III-♭VII Expansive
(広大)
1 6 3 7 トニック以外はメジャーコードのため深みはありつつも明るい印象のコード進行です。
安室奈美恵「Don't wanna cry」のイントロ「la la la...」のコーラス部分で使われています
i-♭III-v-IV Atmospheric
(環境)
1 3 5 4 ♭IIIとvのコードが、通常の進行に比べて感情的な深みを加えます。
またvの弱い解決感が浮遊感や無力感を表現できます
i-v-♭III add6-iiᵒ Enigmatic
(不思議な)
1 5 3 2
i 11-♭viᵒ add♭6-♭VI 7-♭III 7 Exotic
(異国風)
1 6 5 3
i 11-♭VII ∆9-i 11-♭VII ∆9 Listful
(注意深い)
1 7 I 7
i-♭VII-♭VI ∆-Vaug 7 Hypnotic
(催眠状態)
1 7 6 5
i 7-iv 7-♭VII-i 7 Sorrowful
(非常に悲しい)
1 4 7 1
i 7-v add9-iiᵒ-♭VIsus4 Complex
(複雑)
1 5 2 6
i 7-v-♭VI-i 7 Poignant
(痛ましい)
1 5 6 1
i 7-♭VI 7-♭III-i 7 Introspective
(内省的)
1 6 3 1
i 9-ii 7-i 7-IV 7 Seductive
(誘惑的)
1 2 1 4
i 11-iv 11/i-i 11-v 7♭13 Dark
(暗い)
1 4/1 1 5
i 9-V 9-i 11-v 7 Pensive
(考え込む)
1 5 1 5
i-i-iiᵒ-V Anticipatory
(期待を持つ)
11 1 2 5
i-♭VII /II-♭III add9-IV Wistful
(切ない)
1 7/2 3 4
i-♭VII-ii /iv-Vsus4 Hopeful
(希望に満ちた)
1 7 2/4 5
i-Isus2-♭VI-♭VIIsus4 Celestial
(天体・天上)
1 1 6 7
i-Vsus4-♭VI-IVsus2 Floating
(漂う)
1 5 6 4
i-Isus2-♭VI-Vsus4 Serene
(穏やかで平和)
1 1 6 5
i-♭VIIsus4-♭VI ∆-V Regal
(荘厳)
1 7 6 5
i-♭III-iv-viiᵒ add♭6 Evocative
(呼び起こす)
1 3 4 7
i-♭III-IVsus2-IV Nostalgic
(懐かしさ)
1 3 4 4
i-♭VI add9-♭III-♭VII Velvety
(柔らかく滑らか)
1 6 3 7
i-♭VI ∆-v 7-i 7 Foreboding
(不吉な予兆)
1 6 5 1
i add9-♭VI-♭III-♭VII add9 Alluring
(非常に魅力的)
1 6 3 7
i-v /♭vii-IV /VI-IV /II adventurous
(冒険心)
1 5/7 4/6 4
i-i /♭iii-♭VI-♭VI sus2/♭VII Transcendent
(卓越した)
1 1/3 6 6/7
喜び i-♭VII 9/I-♭VI ∆/I-I 7sus2 Intense
(強く鮮やか)
1 7/i 6/1 1 最初のコード以外がメジャーであることから、明るいトーンのコード進行です。
そしてベースがiのペダルポイントとなっているため力強さがあります。
ただ修正がsus2であることから調性が曖昧で次の展開に期待させる印象を与えます。
2つめの♭VII 9/I は音が濁りやすいので転回形をうまく使ったり、
場合によっては構成音の一部を抜いても良いと思います
怒り i-♭VII-♭VI ∆-Vaug 7 Passionate
(強い信念)
1 7 6 5 最初のコード以外はメジャーであり、終止がドミナント(V)であることから
揺るぎない信念の力強さを感じます。
ただそれと同時にマイナーキーであることから、後には引けない悲壮感が影を落としています
喜び i 7-♭III ∆-v 9-♭VII ∆/IV Sophisticated
(洗練された)
1 3 5 7/4 このコード進行は厳かな美しさを持っています。
7thや9thなどテンションコードが多くマイナーとメジャーを繰り返すなど複雑性を持っています。
ただコードの共通音が多いため安定感があり、複雑性と安定感が同居する洗練された印象を受けます。
i7-♭III ∆の進行は明るさを加え、マイナードミナントのv9へ進行し最後にメジャーの♭VIIで終わります。
最後のコードは VII ∆/IV となっており独特の浮遊感を持った終着となっています
悲しい i add9-iv 9-♭VI ∆7♯11-V 7♭9 Colourful
(カラフル)
1 4 6 5 多彩な音があるためカラフルですが、どちらかといえば多彩な音が複雑に絡み合った悲しさを感じる進行です。
最初と次のコードはT-SDというベーシックな構造です。
ですが、3つめの ♭VI ∆7♯11 は予想外の展開をもたらします。
それはメジャー7thの明るさと♯11のテンションが独特の色彩を加えているためです。
そして最後はV(ドミナント)によって強い解決感を生み出しています
マイナースケールでの各コードの役割
コード 役割 機能 説明
i トニック 調性の確立 マイナー・キーの基準点となり、曲の調性を確立して安定感を提供します
解決感 V (ドミナント) から進行することで強い解決感が得られます。
ⅳ (サブドミナント) からの進行の場合は穏やかな解決となります
サブドミナント
(代理)
弱い解決 トニックへ進行することで弱い解決感を得られます
ツーファイブ進行 Vへの強進行が可能です
Ⅱ7 (セカンダリードミナント) セカンダリードミナンである Ⅱ7 を使うことにより、V7への進行が強調されます
ii° スーパートニック 不安定な響き ディミニッシュコード特有の不安定な響きにより、曲に緊張感や不安定さを加えます
サブドミナント ii° はサブドミナントの機能を持つため Vへの進行を強く促します。
なお、スーパートニックとは「トニックの2度上の音」という意味であって、トニックの機能は有しません
セカンダリードミナント
への準備音
ii°は単なるサブドミナント機能だけでなく、セカンダリードミナント(V7)の準備和音として使用できます
♭Ⅲ トニック
(代理)
柔らかい終止感 トニックと比べて開放感があり、次の展開への期待を生み出す効果があります
メジャーのトニック ♭Ⅲはトニックに似た「安定性」を提供しつつもメジャーコードの明るさを加えることで、
温かみや柔らかい雰囲気を作り出せます
モーダルな印象 ルートが短三度であるためフリジアンモードやドリアンモードのような響きがあります
メディアント 曖昧な調性 IIIはメジャーキーのトニックであるため、過度の使用は避けます
モーダルな進行 Ⅲはしばしばハーモニックマイナーやメロディックマイナーのスケールで使われます。
ジャズやモーダル音楽に効果的です
第一転回形(III6) IIIコードの第3音を最低音とした転回形を使うとVに近くなるためトニック(i)への解決を促します。
ただし調性はさらに曖昧になります
サブドミナント トニックの補佐 トニックの次に使うことでマイナーキーの雰囲気を明確にします
弱い解決感 トニック(i)に進行することで弱い解決感を生み出します
柔らかい雰囲気 ivはマイナーキーの中でも特に柔らかく、哀愁を帯びた響きを持ちます
ドミナント(V)への橋渡し iv-V-iという進行で、Vへの準備和音として機能します
ドミナントマイナー 不完全な解決感 ⅴはトライトーン (増4度/減5度) が欠如しているため不安定さや緊張感を生み出すには不十分です。
それによりトニックに向かう力が弱くなります
調性の確立 vはナチュラルマイナーで使われることが多いため、調性を明確にできます
V ドミナント 強力な終止感 Ⅴは緊張感が生まれ、トニックに向かうことで強い解決感が得られます
調性の確立 調性的にはハーモニックマイナーまたはメロディックマイナーの響きとなります
違和感の対処法 Vの前に適切な準備和音(例:ⅳやII°)を置くことで、より自然な流れを作ることができます
V7 (より強い解決感) V7を使うことで豊かで複雑な響きが得られ、より高い緊張感が生まれ、
トニックへの解決を強く促します
セカンダリードミナント Vをセカンダリードミナントに見立てると Ⅲ, ⅳ, ii°, Ⅶ に解決できます。
さらに分数コードにすると調性が変化し、強力な進行にできます (例: Ⅴ/ⅳ→ⅳ)
♭Ⅵ サブメディアント TとSDの中間 ♭Ⅵはトニック(i)とサブドミナント(iv)の中間に位置し、両者の特性を併せ持ちます
調性にゆらぎを持たせる メジャーコードであるため、暗い雰囲気に明るさを差し込む効果があります
ドラマティックな展開 トニックから♭VIへの移行は、色彩の変化を生み出して劇的な転換点を作り出します
♭Ⅶ サブドミナント
(代理)
弱い解決感 トニック(i)に進行することで弱い解決感を生み出します
ドミナント(V)への橋渡し ⅳほどは使われませんが、ドミナントへの橋渡しとして使えます
調性の確立 ♭Ⅶはナチュラルマイナーの特徴を強調できます

"Type a progression" で指定可能なコード

テキストからコード進行を指定する" Type a progression" に指定可能な文字をまとめておきました。

英語表記

コード 記法1 2 3 説明 構成音(半音) 作成例
メジャー(major) 指定なし M maj 長三和音 [0, 4, 7] C C
マイナー(minor) m min 短三和音 [0, 3, 7] Cm Cm
オーギュメント
(aug)
aug 長三和音の5度を半音上げた和音。
J-Popで "C - Caug - C6 - C7" といった
クリシェの経過音として使うのが
鉄板のコード進行
[0, 4, 8] Caug Caug
ディミニッシュ
(diminish)
dim o 長三和音の5度を半音下げた和音。
メジャーキーにおける Ⅶ の
マイナーフラットファイブ(m-5)と同じ
[0, 3, 6] Co Cdim
ディミニッシュadd5 dim5 dimadd5 ディミニッシュに完全5度を加えたコード [0, 3, 6, 7] Cdim5 Cdim add5
add9 (add2) add9 2 5 長三和音に長9度の音を加えた和音 [0, 4, 7, 14] C2 C add9
add4 4 add4 [0, 4, 5, 7] C4 C add4
add#4 add#4 [0, 4, 6, 7] Cadd#4 C add#4
add6 6 add6 長三和音に長6度の音を加えた和音 [0, 4, 7, 9] C6 C add6
マイナーadd9 madd9 madd2 短三和音に長9度の音を加えた和音 [0, 3, 7, 14] Cmadd9 Cm add9
オーギュメントadd9 augadd9 augadd2 [0, 4, 8, 14]] Caugadd9 Caug add9
ディミニッシュadd9 dimadd9 dimadd2 [0, 3, 6, 14] Cdimadd9 Cdim add9
suspended 4th sus4 長三和音の3度を4度に移動したもの。
メジャーコードの前に置いて
解決を引き伸ばすのが
よく使われるパターン
[0, 5, 7] Csus4 Csus4
suspended 4th
add6
6sus4 [0, 5, 7, 9 C6sus4 Csus4 add6
ドミナント7th
suspended 4th
7sus4 sus4のドミナント7th版。
トニックの前に置いて
ドミナントの代わりに使えます
[0, 5, 7, 10] C7sus4 Csus4 7
ドミナント7th 7 長三和音に短七度を加えたコード [0, 4, 7, 10] C7 C 7
メジャー7th maj7 M7 0 長三和音に長七度を加えたコード [0, 4, 7, 11] C0 C Δ
マイナーメジャー7th minmaj7 mM7 短三和音に長七度を加えたコード [0, 3, 7, 11] CmM7 Cm Δ
マイナー7th m7 短三和音に短七度を加えたコード [0, 3, 7, 10] Cm7 Cm 7
オーギュメント
メジャー7th
augM7 augmaj7 [0, 4, 8, 11] CaugM7 Caug Δ
オーギュメント7th aug7 [0, 4, 8, 10] Caug7 Caug 7
ディミニッシュ7th dim7 tri o7 ディミニッシュに短七度を加えたコードで、
構成音はすべて短三度の堆積となる。
パッシングディミニッシュとして、
よく使われる
[0, 3, 6, 9] Co7 Cdim 7
ドミナント9th 9 ドミナント7thに9thを加えたコード [0, 4, 7, 10, 14] C9 C 9
ドミナント#9th 7#9 [0, 4, 7, 10, 15] C7#9 C 7♯9
メジャー9th M9 Maj9 maj9 メジャー7thに9thを加えたコード [0, 4, 7, 11, 14] CM9 C Δ9
マイナー9th m9 min9 [0, 3, 7, 10, 14] Cm9 Cm 9
マイナーメジャー9th minmaj9 minMaj9 mM9 [0, 3, 7, 11, 14] CmM9 Cm Δ9
オーギュメント9th aug9 [0, 4, 8, 10, 14] Caug9 Caug 9
ドミナント7th+11th 11 [0, 4, 7, 10, 14, 17] C11 C 7,11
マイナー7th+11th m11 min11 [0, 3, 7, 10, 14, 17] Cm11 Cm 7,11
マイナーメジャー7th+11th minmaj11 minMaj11 mM11 [0, 3, 7, 11, 14, 17] CmM11 Cm Δ7, 11
オーギュメント7th+11th aug11 [0, 4, 8, 10, 14, 17] Caug11 Caug 7,11
オーギュメント
メジャー7th+11
augmaj11 augMaj11 augM11 [0, 4, 8, 11, 14, 17] CaugM11 Caug Δ7,11th
ドミナント13th 13 C13 C 7,13
マイナー13th min13 m13 Cm13 Cm 7,13
ドミナント7th
♭13th
7#5 C7#5 C 7♭13

ディグリーネーム(ローマ数字表記)

ディグリーネーム指定でコードを入力することもできて、メジャーコードは "I, II, III, IV, V, VI, VII"、マイナーコードは "i, ii, iii, iv, v, vi, vii" で指定します。
(マイナーコードについては、Im といった記述も可能です)

以下の一覧では "I" を基準にした記述の例を紹介します。
(※基本的に英語表記で指定可能なコードがそのまま使えるので一部を抜粋)
コード 記法1 2 3 説明 構成音(半音) 作成例
メジャー(Major) 指定なし M Maj 長三和音 [0, 4, 7] I I
マイナー(Minor) 指定なし m min 短三和音 [0, 3, 7] i i
ドミナント7th 7 [0, 4, 7, 10] I7 I 7
メジャー7th Maj7 maj7 M7 [0, 4, 7, 11] IM7 I Δ
♭メジャー b 先頭に "b" をつけることで半音下がります [-1, 3, 6] bI VII
♯マイナー # 先頭に "#" をつけることで半音上がります [1, 4, 7] #i ♭ ii
ディミニッシュ dim o [0, 3, 6] io i o
ディミニッシュ7th dim7 tri o7 [0, 3, 6, 9] io7 io 7

動画

基本的な使い方

基本的な使い方を動画にまとめました。

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最終更新:2025年02月15日 07:20