Sampler

Sampler(チャンネルサンプラー)は、パーカッションやワンショットサウンドを扱うときに役立つInstrumentsです。オーディオファイル(.wav / .mp3 / .ogg など) をチャンネルラック、またはプレイリストにすることで立ち上げることもできます。




概要

Samplerはサンプルデータを読み込んだときに自動で読み込まれるプラグインです。
オーディオクリップとの一番大きな違いとして、音量のデフォルト「78%」であることです(オーディオクリップの音量は100%です)。

リンク


基本的な使い方

再生開始位置をオフセットしたい

頭の部分がいらない場合は、Playback > START OFFSET から再生開始位置を動かすことができます。

エフェクト (Precomputed effects) を設定したい

Samplerのここをクリックすると様々なエフェクトを設定できます。
項目 説明
BOOST 音量を増幅する。“CLIP” にチェックを入れるとディストーションがかかる
EQ 左に回すと周波数カット。右に回すと周波数ブースト
RM MIX サイン波のリングモジュレーションを適用する
RM FREQ リングモジュレーションのサイン波の周波数を指定する
CUT ローパス・フィルターのカットオフ周波数を設定する
RES ローパス・フィルターののレゾナンスを設定する
REVERB ルームリバーブを適用する。
- A: 狭い部屋
- B: 広い部屋
STEREO DELAY 疑似ステレオ効果を付与する
POGO ピッチベンドを下降するような効果
- 左に回す: アタックを強調
- 右に回す: ゆっくり下降

Precomputed effectsの逆引き
やりたいこと 手順 説明
ピークに達していない音を大きくしたい
NormalizeをONにします
Reverseシンバルを作りたい
ReverseをONにします
キックやベースを太くしたい
Boostの値を大きくします
キックの音を歪ませたい
clipにチェックを入れてBoostの値を大きくします
サンプルの音を別のものにしたい
POGOノブを回すと音が変化します


テンポを合わせる (タイムストレッチを有効にする)

サンプル素材によっては、BPMを手動で合わせる必要があります。

テンポを合わせたい波形の左上までマウスカーソルを持っていくと、カーソルが「手の形」になります。

この状態で左クリックするとメニューが表示されるので「Fit to tempo」を選びます。

FL Studioが推測してくれた BPM が正しければそれを選びます。もし間違っている場合は「Type in (BPM)」で直接数値入力する必要があります。

テンポが合えば、このようにきれいにグリッドにおさまります。

タイムストレッチを有効にする(その2)

あらかじめサンプル素材とプロジェクトのBPMを同じにしておきます。

その状態でサンプル素材をダブルクリックして Sampler を開きます。

Samplerの "Time stretching > Mode" から「Strech」「Strech Pro」のどちらかを選ぶとタイムストレッチが有効となります。("Pro"だとボーカルの声帯を変化させるFORMANTオプションが使用可能となります)

Samplerからボーカルのフォルマントを変更する

まずは Samplerにボーカル素材を読み込むか、Playlistにボーカル素材を配置して Samplerを開き「Stretch Pro」に設定します。(※BPMを変更する場合は、事前にボーカル素材のBPMにプロジェクトのBPMを合わせておく必要があります)

すると “FORMANT” という項目が表示されるので、ここからフォルマントを変更できます。

タイムストレッチ済みの波形のピッチを変更する

タイムストレッチするとノートの音程ではピッチが変更できないので、Samplerの「Time streching > PITCH」から変更します。

ここを右に回すとピッチが上がり、左に回すとピッチが下がります。ただ、この値はオートメーションで変えられないようです。

2024.6.28 追記: Stretch Proにするとピッチ変更可能
Time stretch modeを "Stretch Pro" にすると "PITCH" ノブなどからピッチ変更可能です。

さらにスパナアイコンからルート音を切り替える方法を使うと、音程にあったピッチに変更しやすくておすすめです。

Envelopeセクション

オープンハイハットの長さをノートの長さで調整できるようにする

Envelopeセクションから Envelopeを有効にして、"SUS"以外のパラメータを 0 にします("REL" は少し残す)。

そうすると、ノートの長さでハイハットのニュアンスを制御できるようになります。

Houseミュージックを作るときなどに便利です。

Tips

過去に読み込んだサンプルに戻したい

例えば楽曲に合うKickやSnareを探すためいくつか試した後に「前のサンプルが良かったけど、どこにあったっけ…?」となるケースは多いと思います。または間違えて不要なサンプルを読み込んでしまうなど。

そういう場合は Samplerのフォルダアイコンを右クリックすると、読み込んだ履歴が見れるのでここから元に戻すことができます。

サンプルがある場所を知りたい

Samplerの「フォルダの下に線のあるアイコン」をクリックすると、サンプルがある場所をブラウザで見ることができます。
最終更新:2024年06月28日 08:32