【EDM】PsyTranceの作り方【DTM制作】

このページは MK / Shadw 氏による PsyTranceの作り方のチュートリアル動画【EDM】PsyTranceの作り方【DTM制作】の内容を個人的にまとめたものです。


関連情報のまとめ

カテゴリ リンク 補足
動画 【EDM】PsyTranceの作り方【DTM制作】
プロジェクトファイル (FLP) PIXIV FANBOX - 【EDM】PsyTranceの作り方 PIXIV FANBOXで有料販売(※1)
標準シンセ なし
外部シンセ Sylenth1
標準エフェクター Fruity Parametric EQ 2
Fruity Reeverb 2
外部エフェクター OTT
Disperser (Kiloheerts)
Valhalla VintageVerb
ENDLESS SMILE (DADA LIFE)
Invisible Limiter
動画内ではValhalla VintageVerbを
使用していたが、
プロジェクトファイルでは
Fruity Reeverb 2
置き換えられている
サンプル 不明 Cinematicサウンドを使っている
  • (※1) 300円で購入できて、PIXIV FANBOXで支援するとMK / Shadw氏の他のチュートリアルも動画のFLPもダウンロードできるようになります。動画だけでは理解できない場合、プロジェクトファイルを購入することをおすすめします
  • (※2) 主要なエフェクトの多くがFL標準プラグインで処理されています

プロジェクトファイル概要

パート グループ Pattern トラック 補足
Sub Bass synth Pattern 3 11
High Bass synth Pattern 3 13
Lead 1 Unsorted Pattern 4, 5 17
Pad Unsorted Pattern 6, 7 18
Low Bass synth Pattern 8 12
ピッチダウンする
Bass
synth Pattern 9 11 ピッチダウンのオートメーションは
"Sylenth1 #6 - PitchBend" (Groupは"Automation")
で行っている


Lead

エッジの効いたSaw波形にするため「Detuneは低め」に設定するとのこと。
LowPassを使用したCutOffで展開を作ります。

Sylenth1

まず Clear Init でプリセットを初期化しておきます。
OSCILLATOR A1
硬さを残すためにDETURE は低めにします。
パラメータ名
VOICES 8
DETUNE 0.8
RETRIG OFF

OSCILLATOR A2
Sine波で音に太さと丸みを与えます。
パラメータ名
WAVE Sine波
VOICES 8
DETUNE 0.9
RETRIG OFF

AMP ENV A
Sustain(S) を 0 にして、Decay(D)を 5.0、Release(R)を 3.5 で、Pluckのような音にします。

パラメータ名
D 5.0
S 0
R 3.5

FILTER
Lowpassフィルターを有効にして Cutoff で展開を作れるようにしているようです。
パラメータ名
FILTER A > FILTER TYPE Lowpass
FILTER CONTROL > CUTOFF 2.8

MOD ENV 1
エンベロープは "AMP ENV A" に近い値を指定して、Cutoffのかかり具合を調整します。
パラメータ名
D 4.0
S 0
R 3.6
ModEnv1 Dest1 Cutoff A and B
ModEnv1 Dest1Am 2.8

MOD ENV 2
"Pitch A and B" でアタック感を強くします。
パラメータ名
D 0.43
S 0
ModEnv2 Dest1 Pitch A and B
ModEnv2 Dest1Am 3.4

エフェクター > DISTORT
ディストーションで存在感のある音に仕上げます。ただ初期値だとかかりすぎているので、デフォルトよりも少し値を下げます。
パラメータ名
DISTORT チェックを入れる
AMOUNT 3.0
DRY/WET 64%


エフェクター > DELAY
ディレイは中音域あたり (200Hz〜1700Hz) を有効にします。Ping pong ディレイで空間を埋めていくとのことです。
パラメータ名
DELAY チェックを入れる
LOW CUT 200 Hz
HIGH CUT 1700 Hz
FEEDBACK 54%
WIDTH 100%
エフェクター > REVERB
デフォルトだと、アタック感が弱くなってしまうので、SIZEやDRY/WETを小さく調整します。
パラメータ名
REVERVE チェックを入れる
SIZE 6.4
DRY/WET 37%

Lead1(Sylenth1)のプリセット
目コピして作成したプリセットを添付しておきます。
LD_Saw1.fst

エフェクター

マルチバンドコンプ (OTT)
DEPTHを少し深めにかけて、それによって減った音量を増やしています。
パラメータ名
DEPTH 35%
OUT GAIN 6.0dB
Fruity Parametric EQ 2
80Hzあたりの不要な部分をローカットして、10kHzあたりを少しふくらませています。
トークン番号
80Hzからローカット (Highpass / Steep 8)
10kHz, +4.5dB

プリセット


Pad

PadはシンプルにSuperSawにします。 LowPassを使用したCutOffで展開を作ります。

Sylenth1

OSCILLATOR A1
デチューンで広がりのあるSawを作ります。リードよりもオクターブが "+1" されています。
パラメータ名
OCTAVE +1
VOICES 8
DETUNE 5.0
RETRIG オフ

OSCILLATOR A2
デチューンを効かせたSine波を重ねて音の存在感を出します。こちらはオクターブ変化なしです。
パラメータ名
WAVE Sine波
VOICES 8
DETUNE 5.0
RETRIG オフ

AMP ENV A
Padなので減衰はなしで。
パラメータ名
D 10.0
S 0.0
R 4.5

FILTER
カットオフで展開を作るためにLowpassを有効にします。
パラメータ名
FILTER A > FILTER TYPE Lowpass
FILTER CONTROL > CUTOFF 3.5
FILTER CONTROL > RESONANCE 5.0
RESONANCEをかけて中音域を膨らませます。

MOD ENV 1
Cutoff A and Bを設定して、値は変化させているものの Dest1Am が 1.0 で反映されていないので省略します。

エフェクター > PHASER
フェイザーは、フィルターを開けた状態でも変に聞こえない程度に少しだけ揺らぎを持たせるためにかけます。
パラメータ名
PHASER チェックを入れる
CENTER FREQ 0.7
SPREAD 5.9
DRY/WET 40%
CENTER FREQ の値を小さくすることで、ほんのりかかる調整となっています。

なお Phaser の Center Freq の説明は公式マニュアルによると以下の説明となっています。
Center Freq ノブは、周波数域における切れ目の中央位置を設定できます。
このノブを回すことは、切れ目となる周波数を移動させます。
このパラメーターは内部 LFO やモデュレーション・パネルで設定されるモデュレーション、
または、手動によって可変できます。これらを利用することにより、
フェイザーをマルチステージ・フィルター・エフェクトのように機能させることもできます。

エフェクター > CHORUS
コーラスで、フィルターを開けた状態の音のキレを良くします。
パラメータ名
CHORUS チェックを入れる
DRY/WET 46%
少しだけDRY/WETの値を下げています。

エフェクター > EQ
パラメータ名
EQ チェックを入れる
BASS 0dB
BASSFREQ 58Hz
低温の調整が入っているようですが違いが分からず…
公式マニュアルによるパラメータの説明は以下のとおりです。
  • BASS: 低温の音量を調整します
  • BASSFREQ: 補正すべき低音の周波数をセットします

エフェクター > DELAY
パラメータ名
DELAY チェックを入れる
DELAY L 1/8
DELAY R 1/4
LOW CUT 200 Hz
HIGH CUT 1700 Hz
FEEDBACK 54%
WIDTH 100%
DELAYは左右を1/8 と 1/4 にすることで気持ち良いピンポンディレイとなっています。
また 200 Hz〜1700 Hz にカットしてスッキリした音にしたぶん、WIDTHを広く取って「薄く広範囲」なディレイとなっています。

エフェクター > REVERB
リバーブでディレイの広がりを滑らかに整えます。
パラメータ名
REVERB チェックを入れる
SIZE 6.5
DRY/WET 37%

Pad(Sylenth1)のプリセット

エフェクター

Fruity Reeverb 2
リバーブはデフォルトから "WET" の値を 70% に増やしています。
(※動画だとこのタイミングで "ValharaVintageVerb" を使用していましたが、プロジェクトには含まれていませんでした)

それとミキサーの音量が "1.5" まで減らされています。

PADはかなり音量を下げるみたいですね。

Kick

Disperser (Kilohearts) を使うと、ピッチ高めのKickを作れます。(手持ちにないので動画の値を目コピ)
パラメータ名
AMOUNT 0.4
PINCH 0.35
FREQUENCY 692 Hz

なお、Patcherには "Disperser" を模倣したプリセットが存在しています ("X Xenofish > Disperser")

動画の音と比較しながらですが、このあたりが近いかもしれません…。
パラメータ名
Stages 3
Modulation 左上の左寄り
Frequency 9時あたり
あとアタック感を強くしたいなら Transient Processorを使うのが早そうです。

Bass > Sub Bass

200Hz以上をカットした Sine波のシンプルなBassを使います。

Sylenth1

OSCILLATOR A1
OCTAVEを "-2" しただけのシンプルなSawです。

"RETRIG" が OFF になっていますが、デチューンはしていないので、これは設定しなくても良さそうです。
AMP ENV A
SustainをDecay "4.5" にしてキレの良い音にしつつも、Releaseを "3.1" で少し余韻を残しています。
パラメータ名
D 4.5
S 0
R 3.1

MOD ENV1
"Pitch A" を適用して強いアタック感を表現しています。
パラメータ名
D 0.9
S 0
ModEnv1 Dest1 Pitch A
ModEnv1 Dest1Am 6.9

エフェクター > DISTORT
ディストーションをかけて荒々しさを増強しています。AMOUNTはデフォルト値よりも少し小さくなっています。
パラメータ名
DISTORT チェックを入れる
AMOUNT 4.1

Sub Bass (Sylenth1)のプリセット

エフェクター

Fruity Parametric EQ 2
トークン 周波数 カーブ
30 Hz High pass, Steep 8
260 Hz Low pass, Steep 8

Bass > High Bass

基本的にシンプルなSaw波。

Sylenth1

OSCILLATOR A1
パラメータ名
PITCH > OCTAVE -1
STEREO 0
OSCILLATOR A2
パラメータ名
PITCH > OCTAVE -2
WAVE Saw波
VOICES 3
VOLUME 5.3
STEREO 5.3
RETRIG オフ
AMP ENV A
パラメータ名
D 4.2
S 0
R 2.4

FILTER
パラメータ名
FILTER TYPE Lowpass
FILTER CONTROL > CUTOFF 3.5
FILTER CONTROL > RESONANCE 5.0

MOD ENV1
パラメータ名
D 2.8
S 0
R 2.4
ModEnv1 Dest1 Cutoff A
ModEnv1 Dest1Am 3.5

MIXER

MAIN VOL を "8.2" に上げておきます。

エフェクター > DISTORT
"DISTORT" にチェックを入れます。パラメータはデフォルトで。

エフェクター > EQ
"EQ"にチェックを入れて "TREBLEFREQ" の値を "9000 Hz" あたりにします。

プリセット(Sylenth1)

エフェクター

マルチバンドコンプ (OTT)
DEPTHを "33%" と少し深めにかけておきます。

リバーブ (ValhallaVintageVerb)
空間が狭めのReverbを少しかけると現代っぽいPsyTranceなBassになるとのこと。
ただプロジェクトファイルは Fruity Reeverb 2 で代用されている様子。
Fruity Parametric EQ 2

トークン①を以下のように設定
パラメータ名
Type High pass
Order Steep 8
BW 55%
Fruity Reeverb 2

空間小さめのリバーブのことでほぼデフォルト値です、さらにDECとWETが減らされています。
パラメータ名
DEC 0.1sec
WET 32%
プリセット
ミキサートラックのエフェクトのプリセットです。
HighBass_Effects.fst

ピッチダウンするBass

Sylenth1

OSCILLATOR A1
パラメータ名
PITCH > OCTAVE -2
FILTER A
パラメータ名
FILTER TYPE Low pass
CUTOFF 6.3
RESONANCE 4.9
MIXER
パラメータ名
MAIN VOL 4.0
エフェクター > DISTORT
パラメータ名
DISTORT チェックを入れる
AMOUNT 5.6
プリセット(Sylenth1)

ピッチベンドのオートメーションの作り方

正しくない方法
+ ...
ピッチダウンはどうやって実装しているのだろう…と調べたら以下のページにやり方が書いてありました。
まずプラグインの左上にある歯車をクリックすると、メニューが開きます。

ただこれらのメニューは使わずに、プラグインの右側に表示されたこの "PITCH" を右クリック。

"Create automation clip" を選びます。

この方法は標準プラグインのみでしたので、Sylenth1ではうまくいきません。
正しい方法
PitchBendのオートメーションを作るには、Sylenth1の下にあるキーボードの左隣のここを少しマウスで動かします。

そしてメニューから「ADD > Last Tweaked > Automation for last tweaked parameter」を選びます。

するとプレイリストの左側に "PitchBend" のオートメーションが作られるので、これをプレイリストにドラッグ&ドロップして配置します。

なおピッチ変化のかかり具合は Sylenth1 の左下にあるこの "BEND RANGE" で調整できます(大きくするほどピッチが大きく変化する)。

Rhythm & etc

Cinematicサウンド

Cinematicなパーカッション系を入れるとPsyTranceっぽさが増します。

Clap

本来Clapは入れないけれども、PsyTranceは入れても良いとのことです。

Flll

PsyTranceはエレクトロな要素も強いのでFillをどんどん入れて良いとのことです。

タグ:

psytrance sylenth1
最終更新:2023年11月25日 23:46