プラグイン呼び出しテクニック

このページではプラグインを呼び出すときに便利なテクニックと、プラグインの整理方法について説明します。


プラグインの追加方法

プラグインをプロジェクトに追加する方法はいくつかあります。すべては網羅できませんが、よく使いそうな方法を紹介しておきます。
対象 カテゴリ 方法 説明
共通 新規追加
プラグインボタンを左クリック
Plugin pickerを表示して使いたいプラグインを選択します
F8キー
ブラウザのPluginsからドラッグ&ドロップ。
またはホイールクリックで
現在のチャンネルに上書きします
※詳細は"Plugin database"の項で説明します
チャンネル
ラック
新規追加
チャンネル追加ボタンを「右クリック」
Plugin pickerを表示して使いたいプラグインを選択します
チャンネル追加ボタンを左クリック
プラグイン一覧から選択します
複製 複製したいチャンネルを右クリックして
"Clone"を選択
指定したチャンネルと同じプリセットでプラグインを複製します。
右クリック > "C" キーでも複製できます
置き換え 置き換えたいチャンネルを右クリックして
"Replace" から選択する
指定のチャンネルを別のプラグインに置き換えます
コピー チャンネルラックの▶を左クリックして
"Save preset as" をドラッグ&ドロップする
Patcherにコピーしたいときに便利です
ミキサー
スロット
新規追加
ミキサースロットを「右クリック」
Plugin pickerを表示して使いたいプラグインを選択します
ミキサースロットの▶を左クリックして
"Select" から選択する
プラグイン一覧から選択します
置き換え ミキサースロットの▶を左クリックして
"Relace" から選択する
指定のスロットを別のプラグインに置き換えます
コピー ミキサースロットの▶を左クリックして
"Save preset as" をドラッグ&ドロップする
同じミキサートラックだけでなく、別のミキサートラックにコピーすることもできます
トラックごと
コピー
ミキサーの左上の▶から
"File > Save mix track state as" を
ドラッグ&ドロップする
トラックごと別のミキサートラックにコピーできます

"Plugin database"からプラグインを追加する
ブラウザには "PLUGINS" というタブがあり、ここにある項目をチャンネルラックやミキサースロットにドラッグ&ドロップしてプラグインを追加することもできます。

もし "PLUGINS" のタブがない場合は、右クリックして "Show hidden > PLUGINS" を選ぶと表示されるようになります。

外部(サードパーティ製)プラグインを追加する方法
純正プラグイン以外のサードパーティ製プラグインを有効化する方法は、以下のページに書いています。

使わない純正プラグインを整理する

不要なプラグインを一覧に表示させないようにする方法
FL Studioには大量のプラグインが付属しますが、それゆえまったく使わないプラグインも数多く表示されてしまって「目的のプラグインを見つけるのに時間がかかる」という問題があります。
例えば初期状態でチャンネルラック用のプラグインだけでも「50以上」表示されます。

ここに表示させないようにするには、"Plugin database" 内にあるそれぞれの *.fst ファイルを削除します。

ブラウザから "Plugin database" を右クリックして "Open" を選びます。

するとフォルダが開くので、消したいプラグインの *.fst ファイルを削除します。
例えばキックの音を作る BassDrum はあまり使われないプラグインなので消しても良いと思います。

注意点として、削除した *.fst を復元するには "Installed" フォルダに含まれる *.fst ファイルをコピーしますが、初期値が若干異なることもあるので、念のため削除前にバックアップ(どこかにコピーしておく)のが良いと思います。
カテゴリで分ける方法
"Plugin database > Generators" にフォルダを追加することで新しいカテゴリーを作れます。
例えば「ドラム」というフォルダを作ってここにプラグインを入れます。

すると以下のように日本語のカテゴリが作れます。ただ文字によっては微妙な表示となることもあります。

なお、初期状態で存在するフォルダ "Synth classic" などは消さない方が良いみたいで、消すのは *.fst のみにします。

ということで私の独断と偏見で以下のようなカテゴリ分けとなりました。
カテゴリ 説明
1軍シンセ 最もよく使う純正プラグイン
1軍外部 最もよく使う外部(サードパーティ製)プラグイン
2軍シンセ たまに使う純正プラグイン
2軍外部 たまに使う外部(サードパーティ製)プラグイン
特殊 FL Studio Mobile, Layer, Sampler, Slicexなど特殊なプラグイン
自動生成 AIでフレーズを自動生成するプラグイン
よく使うシンセは「1軍」「2軍」といった "数字始まり" の名前にすると、メニューの先頭に表示されます。
またフォルダ内に *.fst が1つもないとそのカテゴリは表示されなくなります。カテゴリの数が増えるほどメニューが長くなるので、カテゴリはあまり増やさない方が良いかもしれません。

それと単に一番上に表示したいだけであれば、フォルダに入れずに "Generators" フォルダ直下に入れると一番上に表示されます。


純正・外部プラグイン問わず、不要なプラグインは適時整理したほうがプラグイン選択のストレスが減って作曲を効率よく進められるようになるので、こういったカテゴリー分けはおすすめです。
ちなみにエフェクターを整理したらこのようになりました。
カテゴリ 説明
1.コンプ_EQ Fruity Compressor, Fruity Multiband Compressor, Fruity Parametric EQ 2,
Maximus, OTT, Soundgoodizer, Transient Processor
2.ディレイ Fruity Delay 2, Fruity Delay 3, Fruity Delay Bank, Multiband Delay
3.リバーブ Fruity Convolver, Fruity Reeverb 2, Luxeverb
4.フィルター Fruity Filter, Fruity Love Philter
5.コーラス Fruity Chorus, Hyper Chorus, Vintage Chorus
6.ディストーション Distructor, Fruity Blood Overdrive, Fruity Fast Dist, Fruity Soft Clipper
7.ステレオイメージャー Fruity Stereo Enhancer, Fruity Stereo Shaper, Spreader
よく使う 上記以外のよく使うエフェクター
使わない あまり使わないエフェクター
特殊 dB表示やFruity Send, Tuner, ZGameEditor Visualizerなど特殊なプラグイン
エフェクターの場合は、作業工程順でカテゴリごとに番号を振っていくとわかりやすくなる気がします。

何を削除すべきか問題
純正プラグインのどれを消すかは個人の用途次第ですが、おおよそ以下の方針で決めても良いかもしれません。
方針 削除対象となるプラグイン
All Plugins Editionを買う予定がない All Plugins Edition対象のプラグイン。
Harmor, Sawer, Sakura, Morphineなど
ドラムはFPCまたは
Samplerしか使わない
ドラム系プラグイン。
BassDrum, Drumaxx, Drumpad,
Fruity Kick, Fruity DrumSynth Liveなど
ハードシンセは使わない 外部ハードウェアを制御するプラグイン。
MIDI OUT, Fruity Voltage Controllerなど
Patcherはプリセットのみ使う Patcherで自作をしない場合、Patcher専用のプラグインは削除できます。
対象となるのはPatcherフォルダにあるVFX系のプラグインなど
レガシーなプラグインは使わない
(※1)
やや時代遅れ感のあるプラグインが対象。
BooBass, GMS, SoundFont Player, Fruity DX10, Plucked!,
DirectWave, Autogun, BeepMap, Fruity Slicer など
FL Studio Mobileは使わない FL Studio Mobile
補助ツールは使わない "Visual"フォルダには作曲に直接関係しない
補助ツールがあります。
Fruity Dance, Fruity Video Player,
Fruity NoteBook, Fruity Big Clock, ZGameEditor Visualizerなど
  • (※1)「レガシーなプラグインを削除対象にする」について、例えば "Slicex" よりも "Fruity Slicer" の方がシンプルで使いやすい…といった意見も見かけるので、個人の用途や好みにより左右されます
サブカテゴリを作る
削除するほどではないけれども、一覧に表示するほどではない場合にはサブカテゴリを作ってみるのも良いと思います。
方法は簡単で、カテゴリ用のフォルダの下にさらにフォルダを作ります。

するとこのようにサブカテゴリが作られます。
ショートカットキーで呼び出せるようにする
これは FL Studio全体の機能となりますが、ポップアップが表示されているときは「項目の先頭の文字」に対応するキーを入力するとその項目が選ばれます。
例えば、キーボードの "S" を押すと、"S" で始まるシンセが選ばれます。

項目が多いときに便利な機能です。

さらに、項目名の先頭の文字がメニューに「1つしかない」場合にはその項目で決定されます。例えば "Lキー" を押すと、プラグインは "Layer" しかないので、"Layer" が選ばれます。
  • 「+ボタン」でプラグインのポップアップメニューを表示して、"L"キーを押すと、"Layer"プラグインがインサートされます

この機能を使って例えば、"FLEX" の *.fst ファイルを "1_FLEX" などにすると、キーボードの "1" でプラグインが選べるようになります。


ただ、そのままリネームするだけだと、Plugin database に画像が表示されなくなってしまいます。

これを回避するには *.nfo ファイルをテキストエディタで開きます。
Bitmap=1_FLEX.png
ここで画像ファイルが指定されているので、画像ファイルのパスに変更すると表示されるようになります。

ただこの方法を使うと、チャンネル名の初期値にもその番号がついてしまう問題があります。

このあたりを許容できれば、この方法はかなり便利だと思います。

初期プリセットを変更する
.fst ファイルはプリセットを保存したものです。
そのためよく使うプリセットを設定しておくと、常にそのプリセットが初期値となります。

例えば Harmless で "X Olbaid > Bass > Bass Brazilian" を選択して、左上の▶から "Save prese as..." でプリセットを保存します。

そして保存したプリセットで "Plugin database" の *.fst を上書きします。

するとHarmlessを選んだときの初期プリセットを ”Bass Brazilian“ に変更できます。

プラグイン整理方法の動画
プラグインの整理方法について動画にしました。

その他

プラグインの初期設定復帰用データ
Installedフォルダにもありますが、念のため v21.2.3 時点での初期設定の *.fst ファイルを添付しておきます。
v21_2_3.zip

参考

最終更新:2024年06月11日 22:15