Fruity Multiband Compressor
Fruity Multiband Compressorは、ButterWorth IIRまたはLinearPhase FIRフィルターを使用して、信号を3つのバンドに分離して処理する3バンドステレオコンプレッサーです。リミッター機能も含まれています。関連するプラグインは
Maximusです。
- 使用時期
- マスタートラックで「全体的な帯域を整える」ための最終的なミックスをする場合は、Fruity Multiband Compressorを使用してください。
- ただし、例えばKickやBassといった「帯域ごとの調整が不要」な個々のサウンドを圧縮する場合は、Fruity CompressorまたはFruity Limiterの方が調整しやすくておすすめです。
概要
Fruity Multiband Compressorの主な特徴は以下のとおりです。
特徴 |
説明 |
マルチバンド処理 |
周波数帯域ごとに異なるコンプを適用できます。 これにより、ミックスの特定の周波数範囲に対して最適な圧縮を行えます |
3つのバンド |
低域、中域、高域の3つのバンドがあります。 各バンドの閾値、Ratio、Attack、Relaseなどを個別に調整できます |
ステレオリンク |
ステレオリンクオプションを使用すると、左右のチャンネルの処理が連動します。 これにより、ステレオイメージを保持しながらコンプレッションを適用できます |
スペクトル表示 |
スペクトル表示があり、各バンドの周波数応答を視覚的に確認できます |
リンク
Tips
圧縮が行われている割合を調べる方法
「C」の赤いゲージは "Compress (圧縮)" の割合を表します。この赤ゲージが上がるほど、大きな圧縮が行われていることがわかります。
例えば上記画像では "MID" が 50% ほどの大きな圧縮をしていることがわかります(マウスカーソルを移動させるとヒントバーに割合が表示されます)。
なお実際の音の圧縮率が70%を超えると黄色いゲージに変化します。
ディエッサーとして使う方法
HIGH BANDを以下のように設定します。
また、デフォルト設定の場合は LOW と MID が圧縮されるので、"THRES" を 0dB にしておきます。
カテゴリ |
パラメータ |
値 |
理由 |
LOW BAND |
THRES |
0dB |
コンプの影響を受けないようにするため |
MID BAND |
THRES |
0dB |
HIGH BAND |
THRES |
0dB |
RATIO |
5.0:1〜6.0:1 |
ボーカルのRatioは通常 4.0:1〜8.0:1 |
Attack |
3.0ms |
バラードでは 2.0〜3.0ms。ロックでは3.0〜4.0ms |
Release |
90ms |
迫力を出したい場合は60〜80ms。 バラードは90〜100ms |
そうしたら、ボーカルを再生しながら「THRES」の値をコンプが動くまで減らして歯擦音を圧縮します。動いたかどうかは "C" の赤いゲージが増えたかどうかで判断できます。
ボーカルMixの場合は THRES の値は通常「-18〜-25dB」の間となりますので、あまり下げすぎないように注意します。
歯擦音は 通常「4k〜10kHz」あたりで発生するので、HIGH BANDの幅を調整した方が良い場合もあります(デフォルトは 8kHz以上)
最終更新:2024年07月18日 07:23