Edison
Edison はオーディオデータの波形編集や録音を行うツールです。
Edison は "Producer Edition" 以降に含まれます。
概要
Edisonは波形を録音したり、波形を編集したいときに役立ちます。
リンク
基本的な使い方
Edisonを起動するショートカットキー
EdisonはFL Studioにおける波形編集の重要なツールのため、起動のショートカットキーが用意されています。
方法は
ミキサーを表示した状態で「CTRL+E」を押すと、現在選択しているミキサートラックに直接 Edison を立ち上げることができます。
初期化する
読み込んだ波形などを初期化したい場合は右上の▶メニューから「Default」を選ぶと初期化できます。
オーディオファイルを読み込む
オーディオファイルを読み込みたい場合は、そのままドラッグ&ドロップすると読み込めます。
録音を行う
●ボタンで録音を開始します。■ボタンで停止です。
なお、この方法は追加録音なので新規録音したい場合は「Default」を選んで初期化しておきましょう。
波形を出力する
右上の編集ツールアイコンから、このアイコンをドラッグすると波形(Samplerやオーディオクリップ)として出力できます。デスクトップにドラッグするとオーディオファイルとして保存することもできます。
応用
無音部分を取り除く
録音した際の無音部分を取り除く方法です。
"Trim side noise / gate noise" ボタンをクリックします。
すると無音部分が取り除かれます。
波形のピッチを解析する
例えばBigroomのKickを作るときに、KickとBass音のピッチを合わせたいことがあると思います。
その場合はKickを読み込んで、「わらび餅の串」のようなアイコンをクリック、「Detect pitch regions」を選びます。
すると検出したピッチ単位で regionマーカーが設定されます。
例えばアタック部分だけ欲しい場合には、最初の regionマーカーの文字(キー)の部分をダブルクリックして範囲選択すると、Samplerやオーディオクリップにアタック部分だけ貼り付けることができます。
今回の波形のアタック部分は「A3」なのでKickのテール部分を取り除いて、音程が「A」のベースと組み合わせると一体感のあるキック・ベース音となります。
オーディオデータをMIDIに変換する
オーディオデータをMIDIに変換するには、通常
Newtoneを使いますがEdisonでもできるようです。
- Edisonにオーディオデータを読み込ませる
- スパナアイコンをクリックして「Convert to score and dump to piano roll」を選択する
するとアクティブなチャンネルに MIDIデータが出力されます。
波形のピッチを変更する
Edisonから直接波形のピッチを変更することもできます。
ピッチを変更するには、この時計アイコンをクリック。
するとタイムストレッチ&ピッチシフトツールが表示されるので、Methodを "e3 mono"にして、Pitch coarseで半音ずつ調整します。
ただピッチがうまくあわないこともある (Pitch coarseで指定した値よりもピッチが大きく動くこともある) ので、その場合は fineでチューニングします。
Edisonでノイズ除去
Vocal Denoiser Toolでボーカルのノイズを除去する
ボーカル収録時のノイズを消すだけであれば、Vocal Denoiser Toolを使うと簡単にノイズ除去ができます。
Edisonにオーディオファイルを読み込ませて、スパナアイコンをクリック。
"Vocal denoise/isolator" を選びます。
Vocal denoiserが表示されるので、Mixの値を 100% にして "Accept" をクリックすると、ノイズが除去されます。
ノイズプロファイルを使用したノイズ除去
ノイズ除去を強めにかけたい場合はノイズプロファイルを使います。
この方法はボーカル素材に適用すると元の音がつぶれる可能性があります
まずはEdisonにノイズ除去したいオーディオファイルを読み込ませます。
次に何もない部分(ノイズのみの部分)を左クリックで選択します。
「ブラシのようなアイコン(Clean up tool)」を、左クリックではなく「
右クリック」します。するとノイズプロファイルが作られます。
ノイズ除去は選択した部分のみに適用されてしまうので、
ダブルクリックして選択を解除します。
「ブラシのようなアイコン(Clean up tool)」を「
左クリック」します。
するとノイズ除去ツールが起動します。
"Preview" ボタンでプレビューして問題ないなら「Accept」ボタンで確定します。必要に応じて Amount や Threshold の値を変更します。
その後はファイル保存して終了です。
このボタンをドラッグするとファイル書き出しが簡単にできます。
AI Declipperでクリッピングした音を復元する
録音時に音の信号が機材のピークを超える(dBが大きすぎる)と「クリッピング」が発生して、音割れが発生します。
"AI Declipper" はクリッピングした音を限りなく原音に近づける機能です。
まずはdBが大きすぎて、明らかにクリッピングしているデータを作ってみました。
波形を読み込ませた状態で、Edisonのブラシアイコンをクリックします。
Clean up ツールが立ち上がるので、うっすらと見える "Declipper" をクリック。
初回(もしくは学習データが更新された場合)、AIを動かすための学習データをダウンロードするダイアログが表示されるので、OKを押してダウンロードします。
ダウンロードが終わったら「Declipper」をクリックして点灯させます。
オーディオデータが「ボーカルのみ」の場合は「Vocal」を選び、それ以外 (ボーカルがMIX済みなど) の場合は「General」を選びます。
Thresholdは、マニュアルによると「クリッピングが起きているすぐ下のレベルを選ぶ」のが理想的とのことです。
"Accept" が押せないことがあるので、その場合は "Acquire noise profile" をクリックしていったん閉じます。
ブラシアイコンをクリックして、"Denoise" をOFFにします。そうしたら "Accept" をクリック。
するとクリッピング前の音に復元できました。
参考
EDISON | Audio Editing Introduction
最終更新:2024年06月29日 10:44