EDMで超大事!ビルドアップの作り方【DTM制作】




1. ビルドアップ自作の重要性

サンプルパックにはかなりクオリティーの高いビルドアップが収録されているが、作り込まれているため癖が強くて、自身の楽曲ではそのまま使えないものも少なくない。
既存のものを探すよりも、自分で細かく作り込んだほうが楽曲に馴染むことが多いので、できれば自作がおすすめ。

2. ビルドアップとは

ビルドアップとは、Dropへの「高揚感」と「期待感」を演出するとても重要なもの。
ただしビルドアップを作り込みすぎて Drop よりも盛り上がらないように注意が必要。

3. Lead のビルドアップ処理

ベーシックな方法は「Filter」を使用してLow pass で音をこもらせ、徐々にカットオフを開いていくパターンが多い。
注意点として、すべてにFilterをかけると勢いが失われてしまうので、アルペジオにはかけない、バッキングにはかける、などバランス良くFilterをかける対象を決めることが大切。

4. Low bass のビルドアップ処理

Bassはビルドアップでは抜いても良い。
ただ低域が足りない場合はBassを足すが、ビルドアップの盛り上がりに合わせてオートメーションでしっかりローカットする。
Bassをそのまま残してしまうと、Dropのインパクトが薄れてしまうのでカットしたほうが良い。

5. SnareRoll のビルドアップ処理

シンプルなのが、小節ごとのロール数を増やし、ピッチを徐々に上げていく方法。
エフェクトは Reverb と Delay を使って空間を埋める(Dryのままだと Snareだけ音が浮いてしまう)。

6. Uplifter FX のビルドアップ処理

クリアなNoise系 FX
Serum の Noise (BrightWhite) でノイズ音を作り、PITCH をオートメーションで上げていくのが簡単。
BitCrashやPhaser, Flanger, OTT, Reverb で音をなじませる。
Synth FX
Synth FX はサンプルパックだと癖が強いので自作がおすすめ。
Sylenth1であれば以下のパラメータにする
パラメータ名 補足
Decay 5.0
Sustain 0.0
Release 4.0
波形 Saw
VOICES 5
MOD ENV 1 > Decay 1.0
MOD ENV 1 > Sustain 0.0
MOD ENV 1 > Dst Am 1.5
MOD ENV 1 > Dst Pitch A この指定によりピッチが上がる
MOD ENV 2 > Decay 4.2 この指定により上がったピッチが下がる
MOD ENV 2 > Sustain 0.0
MOD ENV 2 > Dst Am 1.4
MOD ENV 2 > Dst Pitch A
LFO 1 Rate 1/16T
LFO 1 Gain 2.4
LFO 1 Dst Am 0.8 音に不安定感を出すため
LFO 1 Dst Pitch A

リードのタイミングに合わせて鳴らし、徐々にピッチを上げていく。

7. エフェクト処理

フィルター処理
Lead系などの上ものは、1つのBusにまとめてエフェクトをかけると良い。
良くあるのが、EQとオートメーションで低域をカットするハイパスでのフィルター処理。

ボリューム処理
ボリュームオートメーションで、音量を「ほんの」少しだけ下げていくことで、Dropのインパクトが増すようになる。

リバーブ処理
Reverbで少しずつ音像を濁らせて広げることで、抑揚感や高揚感が得られる。

モノラル処理
楽曲次第だが、徐々にモノラルにして Dropで音を広げるのも有効。
最終更新:2023年12月10日 08:35