PsytrranceのFMリードの作り方
このページでは
Harmorを使って Psytrance向けのFMリードを作る方法についてまとめます。
FMリードの作り方
プリセットの読み込み
Harmorを起動して、"Presets" から "Template > Plucked" を読み込みます。
Pluckの設定
Pluck decay lengthを100% (最大) にします。
ピッチの設定
ピッチの freq を 1.0000/3にします。これは周波数を1/3 (=0.3333) にする設定です。
また pitch を +700 centsにします。
これは周波数を 1/3 すると 5度下 (半音7つぶん) となるため、pitch を +700 cents して元の音程に戻しています。
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pitchを+700する理由の詳細 |
pitchを+700する理由としてはTunerでピッチを調べるとわかりやすいです。
例えば、pitchを 0 centsに戻して (freqは1/3の状態)、Tunerプラグインで確認すると、ノートで演奏した「C4」は、Harmorでは「F3」となり「5度下」の音程となります。
ただ厳密には、2の階乗以外の周整数倍周波数と、平均律の音程は一致しないので 2cents ほどズレがあります(正確には 1.955 cents)
そこでptichを +700 cents することで、MIDIノートの音程と実際の音のピッチが一致するようになります。
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波形をランダムにする
右側の波形を右クリックして、Randomize でランダムにします。
ハリのある音にならない場合は何回か繰り返します。
Filter設定
- Filter 1 > shape:「Classic high pass」
- Filter 1 > resonance type:「Classic」
- Filter 1 > resonance / noise amount: 「50%」
この設定により "FREQ" の値を激しく動かすことで「シュビビビ」という音が作れます。
"FREQ" を右クリックして、"Create automation clip" でオートメーションを作成します。
作成したプリセット
MIDIフレーズの作成
MIDIフレーズは以下のようにしました。
演奏データを添付しておきます。
LD_C_001.fsc
今回作成したフレーズは32分音符刻みですが、これは磁石アイコンから 1/2 stepにして入力しました。
オートメーションの作成
オートメーションは自由に上下に動かして良いですが1つのアイデアとして激しく動かす方法を紹介します。
例えば以下のように制御点を動かして右上に上がるようにします。
次に終端の制御点を右クリックして、Waveを選びます。
すると Triangle の 上下のカーブが作られます。
この真ん中の丸の部分をマウスで掴んで「下方向」にドラッグします。
すると以下のように激しい上下移動を作ることができます。
どこまで細かくするのかは好みによりますが、以下のようにかなり細かく動かすと、Psytranceで使われるようなグニュグニュした音になると思います。
オートメーションを手付けするときのポイント
オートメーションを手付けするときのポイントをまとめてみました。
- アクセントとなる部分では、ゆっくり動かす
- TriangleとSineを使い分けて音のニュアンスを変える
また値の高低差に緩急をつける方法もあります。
揺れの高低差に違いを持たせることで、音の変化を作っていきます。
LFOでオートメーションを書く
制御点を1つずつ書いて細かく調整しても良いですが、LFOでオートメーションを書く方法もあります。(手書きのオートメーションと組み合わせで使うこともできます)
オートメーションクリックの左上あたりをダブルクリックして、Automation editorを表示て LFO を ON にします。
そして SPDを 100%、AMTを 100% にするとギザギザのLFOが作られます。
さらにSPDを右クリックして「Create automation clip」を選択。
SPDのオートメーションは以下のように書いてみました。
すると以下のようにLFOのSPDを変化させることができます。
作成したプロジェクトファイル
参考
最終更新:2025年03月22日 12:24