よくわかる作曲の教科書


初心者向けの作曲法として「コード進行から曲を作る」という方法がありますが、この本はそれが中心となる作曲本です。
ただ、順番に読み進めると "STEP11" あたりから、やや難しい内容となるので "STEP10" あたりまで読んだら、実際にコード進行の作曲をやってみて、慣れてきたら本を読み返してみる…といったように一気に最後まで読むのではなく少しずつ進めていくのが良いと思います。





メロディはどうやって作るの?

第3章の「メロディはどうやって作るの?」はメロディ作りをするにあたって重要な情報が多い章なので、簡単に内容を抜粋しておきました。
STEP 見出し 概要
27 メロディとコードが合うというのはどういうこと? メロディはコードの構成音を使うのが基本。
ただ構成音だけではいけない
28 隣の音へ行くか、ジャンプするか 跳躍進行の使い方
29 メロディのリズムを考えよう 4分音符のグリッドからずらすことで
ノリの良いメロディになる
30 詰め込みすぎないように、空きすぎないように メロディのコツは隙間を開けること
31 歌い出しは隣の音を狙ってじらす作戦 倚音(いおん)でコードトーンをずらす
32 キャッチーなメロディとは キャッチーなメロディとは
メロディーに法則性(モチーフ)を
見つけられるかどうか
33 ヒットする曲ってどんな曲? ヒット曲のメロディは音数が少なく
順次進行であるなど
誰でも口ずさめるシンプルなメロディ
34 オブリガードを考えよう ブラスセクションによる
オブリガードの作例の紹介
35 ハモリってどうやって付けるの? ハモリの基本は3度下か6度下
36 1番いい所=1番高い所 一番高い音程の使い方。
臨時記号の使い方
37 音には進みたい方向がある ドミナントモーションと
ブルース進行について

より詳しい内容を以下にまとめました。

メロディとコードが今ひとつ噛み合ってないのですが、どうすればよいでしょうか?
コードの構成音を中心にメロディを組み立てます。特に始まりの1音はコードの構成音にすることで違和感が減ります。
ただし、構成音だけのメロディは伴奏のように聞こえるので適切に刺繍音や経過音を適切にはさみます。

メロディの跳躍進行がうまく作れません
コードの構成音同士で跳躍するようにします。非構成音を使いたい場合は、跳躍後の音に使用してすぐに構成音に戻るのがおすすめです。

また跳躍進行は頻繁に使わないようにします。
例えば、跳躍進行は2小節の間に1度だけというように限定的に使って、残りは同音連打か順次進行を使うようにします。

メロディのリズムのノリが悪いです
例えば4/4拍子であれば、4分音符のグリッドから8分音符にリズムをずらしてみるとノリが良くなり、現代的なリズムとなります。

ただグリッドに収まっていた方が覚えやすくキャッチーなメロディになりやすいので、メロディーの意図によって使い分けることが大切です。

メロディが窮屈に聞こえ、覚えにくいフレーズと言われます。なぜでしょうか
メロディとメロディの隙間が小さいと窮屈で覚えづらいフレーズとなりがちです。
緊張感のあるメロディを目的とするならそれでも良いですが、そうでない場合はフレーズの間に休符やロングトーンを入れて、メロディを休ませると良いでしょう。

印象的なメロディを作りたいです
方法は以下の3つが考えられます。
  1. 倚音を入れてしゃくらせる
  2. 最も高い音程のノートを限定的に使用する
  3. スケール外の音(ブルーノートなど)を入れる
歌い出しの一音を倚音(コードの非構成音)にしてしゃくり・チョーキングのような音にすると意外な印象を与えることができます。
また最も高い音程のノートをどこに配置するかをよく考えます。例えばメロディが一番盛り上がる一音だけに割り当てると印象的になります。
その他、スケール外の音(例えばブルーノート)を入れると意外な印象を与えることができます。

キャッチーなメロディを作れません
キャッチーなメロディには「シンプル」で「覚えやすい」という2つの特徴があります。
シンプルなメロディとは、2つの音階だけで作る、4分音符中心のリズムなど。覚えやすいメロディとは、同じモチーフを繰り返すものです。

ただすべてがシンプルであれば良いのではなく、シンプルなメロディであるもののコード進行を変えたりオブリガードを入れるなど、シンプルなメロディを聴かせるための工夫が必要です。

メロディをハモらせる方法がわかりません
基本は3度下でハモらせます。基本的にスケール構成音を使用して、うまくハモらない場合は4度下でもOKです。使い方が少し難しくなりますが、3度上や6度下でハモらせるのも良いです。

ハモりは常に使うのではなく、メロディを強調したい部分のみで使用する、掛け合いや輪唱を入れるなど変化をつけることが大切です。

参考資料

この記事を書くにあたって、以下の本の「第3章 メロディってどうやって作るの?」を参考にしました。
最終更新:2024年05月14日 06:00