真名アルトリア・ペンドラゴン。正体はずばり アーサー王である。
王を決める際の選定の剣を抜いた15歳の時点で老化が止まっている。
そこから卑王ヴォーディガーンを倒して王城キャメロットを得るまでに10年、
そこからさらにカムランの丘の最後の戦いまで10年経っており、実年齢は35歳程度。
どう見ても「男」には見えない外見で、作中でも主人公が一目で心を惹かれたり、 凛が一目見ただけで女としての負けを認めたり、
可愛い物好きの キャスターが(自分が着ても似合わないので)ドレスなどの格好をセイバーに着せて喜んでたりと、
正に美少女な外見をしている(そのため ランサーからはガキ扱いで守備範囲外だったりする)のだが、
生前において公の場では「アーサー・ペンドラゴン」という名の男性として振舞っており、
「まるで少女のように美形な完璧な王」としてゴリ押ししたとの事。
痴女の格好なのに男装を主張している後輩と比べれば十分まともとも言える…のだろうか?
色々と誤魔化すために一時的に 魔術で男になったりもしたらしい。そのため 処女だが非童貞である。
しかし流石に幾人かの騎士には気付かれていたようで、円卓の騎士はアーサー王燃え派とアルトリアたん萌え派に別れているという話があるとかないとか。
アーサー王燃え派の代表格としては ランスロットが挙げられる。王としての体裁を取り繕うために女同士の結婚をした結果、
王妃(眼鏡っ娘だったらしい。時代背景がどうとか言わない事)が不幸になったため、それを彼が見かねた事が反逆の一因となっている。
…その一方で、アーサー王に対する敬意は全く衰えなかった事が後々話をややこしくするのだが、詳しく説明すると重大なネタバレの上、長くなるので割愛。
そこ、眼鏡っ娘萌えと男装美少女萌えの相克に耐えかねただけじゃ、とか言わない。
ぶっちゃけファンや派生作品(花札など)での扱いはシリーズ随一のダメ人間である
+
|
かなりムチャな設定に思えるが |
実は、シナリオ担当が若かりし頃に執筆した原典『Fate』ではセイバーは元々は男性キャラとして設定されていた。
原画担当の意向により原作版『Fate』をエロゲ化する過程で、当然ながら主人公を男にする必要に迫られたTYPE-MOON開発陣は…
シナリオ担当「あんな黒歴史の塊こんな年でやりたくない。それにセイバー男だし18禁には向かないぞ」
原画担当「アーサー王女の子にしちゃえばいいじゃん!」
シナリオ担当「この男、俺のセイバーを女にしたぞ!」
的な、シナリオ担当が 殺気を覚えたと言う、ほのぼのとした話し合いの末に女性に決まったとの事。
旧セイバーの正体や宝具やブラック化して敵対などの要素は現セイバーに、ブラック化した時のデザインは 我様に、
一部キャラ付けなどは アーチャーなどに、マスターで主人公の女の子の一部は 遠坂凛に引き継がれたとか何とか。
後にこの設定を基に『Fate/Prototype』として短編映像化もされた。声優は櫻井孝宏氏。
CV櫻井・金髪・剣士など 某主人公との共通点は多いが、
あちらがクールで一匹狼な性格なのに対して、アーサーは直情的で正義感が強いステレオタイプなヒーローといった正反対な性格をしている。
…あと、『Fate/EXTRA』にて登場する英霊ガウェインがこの旧セイバーに瓜二つである(表情が優しい感じだが)。
プロデューサー曰くこれは意図でなく偶然との事。
が、アーサー王の甥で影武者も務めたガウェイン卿が旧セイバー似というのは、ある種の 原典再現になったとも言える。
|
前述した通り、英霊とは「生前の功績が認められた」人物がなるものなのだが、彼女だけは「いずれ英霊となるもの」であり厳密には生きている。
そのため霊体化が出来なかったり、召喚の記憶を引き継いだりしている。
本来生きていた時間で死ぬ直前に願った事柄を叶えるため、聖杯を手に入れる事を代償に死後の自分を「 霊長の守護者」とすると世界と契約、
聖杯を手に入れるべく、生前のある一点の時間軸から聖杯が手に入るチャンスの度に「英霊」として呼び出されている。
本編の第五次聖杯戦争以外にも、十年前の第四次聖杯戦争にもセイバーとして参加している。
当初聖杯には、国の外敵から救う事は出来たものの、内乱が起きて壊滅状態になってしまったブリテンを今度こそ自分の手で救うために、
「過去のやり直し」を求めていたが、第四次聖杯戦争という名のセイバーいじめ(公式通称)の中で、自分の王としての在り方に疑問を持つようになり、
その過程で求めるものが「王の選定のやり直し」へと変わり、自分より優れた者が王に就き、ブリテンを救ってくれる事を望むようになった。
「セイバー」はサーヴァント中最も優秀とされるクラスなのだが、
原作ではマスターである衛宮士郎が未熟であるため、本来の力を発揮出来ず負けてしまう事が多々ある。
しかもとあるルートでは 洗脳されて敵に回り、その優秀っぷりを見事なまでに見せ付けてくるから始末に負えない。
主人公のパートナーであるにも関わらず、 全ルートで主人公を殺害するバッドエンドがあるという体たらくである。
ちなみに、他に全ルートで主人公を殺害するキャラは ライダーだけ。言うまでもなく敵として。
油断だの慢心だのについては 彼女に輪をかけて凄い人がいるので目立たないが、彼女とて他人を笑えた義理ではない。
でもそんな所も可愛いと思う人もいる。ガウェイン曰く「聖剣を ぶっぱするだけの簡単なお仕事」だとか。
まあ、 どこぞの日用品係が出会ったアーサー王や
(アッシュの話を聞かず即座に怪物の巣穴に落として処刑、生還したアッシュに喧嘩を売って剣を折られる)、
『モンティパイソン・アンド・ホーリーグレイル』のアーサー王を鑑みるに
(勢いあまって歴史研究家を惨殺、予算不足で馬が出てこない、ツバメとココナッツについて議論する、
スタッフロール直前に警察に逮捕されるなど)、猪武者扱いは万国共通のようだ。
まあ、原典である伝承からして「私が負けるなんて ありえない!勝つまで決闘だ!」
とか言って大事な宝剣を折ったりしてるし。
基本的にはなんで剣はこいつを選んだんだろうと思えるようなロクデナシである。
まぁペンドラゴンの血筋が重要なのだろう
また、『タイガーころしあむアッパー』では、IFの世界の「アイリスフィール(士郎の養父、衛宮切嗣の妻。彼については後述)」が登場する。
彼女は本編と違い聖杯戦争から逃走する事で平和な未来を掴むのだが、逃走をする際に決め手になったのは、
「セイバーが聖杯戦争で簡単に負けてしまったから」だそうである。
バーサーカーがいきなり兜を脱ぎ、彼の素顔を見たセイバーが驚いている隙に倒されてしまったとの事。
ファンディスクでは、基本的に主人公宅で 食っちゃ寝で家事手伝いは出来ず、たまに外出するが基本的に買い食いや遊びであり、
他のサーヴァントが働いてたり家事に勤しんでいたり超お金持ちだったり(しかも屋内型プール施設のオーナー)非実体化して生活費を浮かしていたりする中、
一人だけ自分の食い扶持を稼いでいない支出をするだけの存在になってしまい、 ニート王という有り難くない称号を得る羽目に。
出番の殆ど無い真アサシンですら間桐家の家事手伝いや老人介護をしてるってのに…
本来サーヴァントは霊体化が可能で、現界に必要な魔力さえマスターから供給されているなら衣食住は全く必要無い。
金のかかる嗜好品に執着しなければお金もまずかからない。この落差がニート扱いの原因なのだろう。
尤も、セイバーは生前の状態で召喚されているため霊体化が出来ず、士郎が十分に供給出来ない魔力を補うために食事が必要ではあるのだが。
それにしても食いすぎだし、食い扶持を稼いでないのはフォロー出来ないけど
とはいってもそこは作中の顔となるメインヒロインと言うべきか、公式人気投票では二回とも一位に君臨するなど人気は上々。
『 HELLSING』の単行本において セイバー争奪戦が描かれた事もあった。
同会社の製作の『月姫』のアルクェイド(出番がヒロイン中一番少ないが人気投票4連覇)と併せ、
シナリオ担当は 「そんなに金髪美人がいいのか」と語っている。
登場英霊の絵画や彫刻をモデルにしたアニメ『Fate/zero』の一期EDにおける、彼女の絵の元ネタは、
彼女(というか原点であるアーサー王)の最後の戦いを描いたアーサー・ラッカム画「カムランの戦い」。
+
|
ステータス |
- マスター 士郎/キャスター
筋力 B |
魔力 B |
耐久 C |
幸運 B |
敏捷 C |
宝具 C |
- 魔力供給が出来ないため、本来の能力よりパワーダウンしている。
- 「約束された勝利の剣」を使用出来る回数が限られているため、「宝具」のステータスも「風王結界」のものになっている。
- キャスターがマスターになれば全力を振るえるはずなのだが、正史では最後まで令呪に抵抗するので割愛されているのだろう。
- マスター 凛
筋力 A |
魔力 A |
耐久 B |
幸運 A+ |
敏捷 B |
宝具 A++ |
- 凛と契約する事で本来の力を取り戻した状態。セイバーのクラスに相応しい高水準の能力を誇る。
- 一見完璧に見えるが凛(というかシナリオ上の都合)のせいかエクスカリバーの燃費が悪くなっている。その分威力も上がっているかは不明。
- マスター 桜(黒セイバー)
筋力 A |
魔力 A++ |
耐久 A |
幸運 C |
敏捷 D |
宝具 A++ |
- 黒化する事で性質が変化した状態。
- 耐久の上昇、敏捷が低下、騎乗スキルの喪失など、護衛に特化していると言えよう。
- しかし、攻撃成功が死に直結しやすい聖杯戦争において耐久Aはあまり意味が…。しかも一部スキルは低下してしまう。
- 運の低下は恐らくマスター補正。ライダーも同じだったしね。
- マスター 切嗣(第四次)
筋力 B |
魔力 A |
耐久 A |
幸運 D |
敏捷 A |
宝具 A++ |
- 切嗣はマスターとしての適性はノーマルなのだが、どういうわけか筋力は劣るものの、耐久と敏捷は凛セイバーより上で一長一短。
- またこちらでは騎乗スキルもAに上昇している。
- 魔力供給自体は切嗣のマスター適性では足りておらず、しかも切嗣の生き方に引きずられて幸運はDに下がっている。
- Grand Order 主人公
筋力 B |
魔力 A |
耐久 B |
幸運 A+ |
敏捷 B |
宝具 A++ |
|
+
|
所有している宝具 |
- 風王結界(インビジブル・エア)
- セイバーが受けている風の精霊の加護。
- 通常時は自身の剣に風をまとわせて不可視にしている。こうする事で相手に間合いを計らせないようにする幻惑効果がある。
- …と言いたい所だが、対峙する相手も伊達に英霊ではないので
- 剣を数合交えただけで間合いを完璧に計られたり、一時的に結界が破られて剣を敵に見せてしまったり、
- 見えない刀身を白羽取りされたり…あんまりメリットは無い。
- 相手がシリーズ最高の剣技の持ち主だったり、魔力を無効化する宝具だったり、生前の知り合いで間合いを知ってたり相手が悪いだけではあるが。
- また自身の素性を隠す(それほどまでに彼女の剣は有名なのである。
余所者が何で初見で分かるかは置いといて)のにも役立つ。
- また、この加護は攻撃にも用いる事が可能。
- 風を衝撃波に変換して相手に叩き付ける技が存在し、HFで真アサシンに用いた(が、風避けの加護で無効化された)。
- 『Fate/Zero』で「風王鉄槌(ストライク・エア)」という名前が付き、格ゲーの『unlimted codes』でも登場している。
- 約束された勝利の剣(エクスカリバー)
- アーサー王の代名詞にして、世界の神話、伝承の中でもトップクラスの知名度を誇る愛剣。
- その
中二病全開な特殊なルビ振りが作品の枠を超えて有名になっているが、これは本作固有のものなのでTPOを弁えて使うように。
- 切れ味はもちろんトップクラスなのだが、真名開放と共に剣を振る事で魔力を収束・加速させ、斬撃と共に“光”の断層を放つ事が出来る。
- この真名開放はモーションが大振りで魔力消費量も激しいが、その威力は「対城宝具」と称されるほどに凄まじい。
- ちなみに、エクスカリバーの姉妹剣に太陽の如き光を放つガウェイン卿の「転輪する勝利の剣(ガラティーン)」、
- 対をなす剣にランスロット卿の「無毀なる湖光(アロンダイト)」がある他、詳細は不明だが、
- 後の作品でアーチャーの投影した劣化模造品と思われる「永久に遙か黄金の剣(エクスカリバー・イマージュ)」が存在する。
- ファンからは「こんな武器を持っていた連中が一緒に戦う戦場はどんな事になっていたのか」とよくネタにされる。
- 尤も、超音速のTSUBAMEや「火事で死んだら軟弱呼ばわり」される事を考えると、普通の攻撃では雑兵も死なない世界なのだろう。
- 実の所、ブリテンでは作物も人間も神代の神秘なしでは生きられないにも関わらず、神秘が失われようとしている過酷な状況で、
- ビームをぶっ放せば土地があっという間にダメになるので、ほとんど使わなかったという
- (でもエイリアンに似た感じの姿の巨人というBANZOKUどころの話じゃない異民族とか居たらしい)。
- アーサー王が生きている限りはブリテンに手出ししないとローマに約束させたローマ遠征では、そんな制約も無いのでぶっ放したと思われる。
- なお、ローマ遠征後、反乱を起こしたモードレッド軍との戦いによって、
- 実際にブリテンの土地はブリテン在来種の作物を育てられない回復不可能な状態にまで枯れ果ててしまった。
- 全て遠き理想郷(アヴァロン)
- 癒しの力を秘めたエクスカリバーの鞘。
- その能力は鞘を魔法的に人体に埋め込んだ後、魔力を注ぎ込む事で発揮されるのだが、
- 特にセイバーが現界している時には絶大な治癒能力を発揮するようになり、
- 例え心臓が潰されるといった致命傷を受けても瞬時に全快するというチートぶり。
- ただし、セイバーのマスターではない人間に埋め込んでもそこまで大きな効果は発揮せず、
- 切嗣や士郎も本来の持ち主ではないため痛覚は遮断出来ない。
- また、真名開放と共に自身正面に展開する事により、
- 「所有者を一時的に妖精郷に置く事で、あらゆる攻撃・干渉からシャットアウトする」事が可能。
- その防御性能はエクスカリバーの出力を上回る乖離剣エアの「天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)」すらも完全に防ぎきる。
- 剣の方の攻撃性能は原典から『Fate』へ輸入するにあたり大いに誇張されたデタラメなものである一方で、
- こちらは原作時点で鞘を持ったその辺の騎士に致命傷をザクザク食らわせてもまるで効かず、
鞘を手放した瞬間受けた傷が全て開き死に至るという描写があり、
- その性能は説明によると、
- 「鞘を身に着けている間はすべてのダメージを保留にし、受けた傷自体も急速回復する」といった感じで、
- 原典の方も負けず劣らずのチートウェポンである。
- 鞘自体には固有名詞こそ無いものの、エクスカリバー本体よりも鞘の方が価値が高いとまで宮廷魔術師マーリンが明言している。
- しかし、セイバーは諸事情によりこの鞘を所持していない。何故かは本編ネタバレのため言及は避ける。
セイバーとして召喚された都合からか、名槍 ロンゴミアントは装備していない。
その後、『Grand Order』で ランサークラスとして召喚された時にはロンゴミニアドを持って来ていたが、逆に聖剣を持っていなかった。
このアルトリアは王として台頭した後、聖剣ではなく聖槍を主武装としブリテンを統治したアーサー王のIF。要は 平行世界の同一人物である。
また、神霊に近い存在でもあり、セイバーの時よりも冷静さがある。
あと、「アンティオキアの聖なる手榴弾」も持っていない…らしい。
???「憧れてたのに……裏切られちゃった」
(SPAM(豚の缶詰)好きなのは バイキング(ゲルマン人)であってブリテン人ではないですよ、お嬢さん)
まぁ、聖なる手榴弾は前述の『モンティパイソン』と言う コメディ作品のネタでなので(バイキングのSPAM好き設定も同じ)、
それ以外のアーサー王が持っている訳ないし、もし持っていたら その時点でコメディ確定である。
それにしても、会話内容からするとセイバーも『モンティパイソン』を知っているみたいだが、あんな扱いを受けて如何思ったのだろうか?
|
ちなみに、前述の「生前あまり美味しい食事にありつけなかった」という設定とセイバーがアーサー王=イギリス人という事から、
メシマズで有名なイギリス料理を思い浮かべる人が多いかもしれないが、
今日知られるイギリス料理が始ま ってしまったのは 19世紀の産業革命からという説が有力である。
尤も、アーサー王の時代もローマ帝国の崩壊と、アルテラ(アッティラ)率いるフン族の大暴れに端を発する民族大移動の大混乱などにより、
食を含めたあらゆる文化が一気に衰退した時期でもあるため、今のイギリス料理とはまた別にメシマズだったりするのだが。
|