くさタイプ(ポケモン)

「くさタイプ(ポケモン)」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

くさタイプ(ポケモン) - (2021/05/27 (木) 19:25:42) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2010/03/29(月) 00:06:37
更新日:2024/04/08 Mon 23:44:15
所要時間:約 12 分で読めます





おれ達にツタのように絡むとロクなことにならないぜ!


ポケットモンスターシリーズに登場するタイプの一つ。

その名の通り草木等の植物のような姿をしたポケモン達の事。もちろん体色は緑や紺色が多い。

代表的なくさタイプのポケモンはフシギバナラフレシアウツボット等。

植物だけあり様々な場所に生息しており使用トレーナーは多い。
御三家常連のタイプなのもあり割とポピュラーなタイプである。


【くさタイプの特徴】



複合タイプ以外全ての組み合わせが存在するが、割合的にはどくタイプと一緒になるポケモンが多い。
初代のくさタイプは大半がどく複合だったほどである。

能力値は全体的に特攻に優れ、逆に素早さは控え目なポケモンが多い。植物だから根付くイメージがあるのだろう。

タイプ相性は最も不安定で、抜群が取れるタイプはメジャーな地面とまあまあ。
抵抗を持つタイプは草・水・電気・地面とメジャー所なのがありがたい。

しかし攻撃が半減されるタイプは
草・炎・飛行・毒・ドラゴンと最多の7つ。

弱点のタイプは、炎・飛行・虫・・毒とかなり多めの5つ。


と、とにかく酷い。

攻撃すればメジャーなドラゴンタイプや鋼、数が多い飛行に半減され、
防御に回ればドラゴン対策に使われる氷や鋼対策の炎技やフェアリー対策の毒技で『ついでに』狩られてしまう……

特にみずタイプのポケモンの殆どが「れいとうビーム」を覚えてしまうのが非常に痛い。
本来有利なはずの相手から手痛い反撃を食らいやすいのは非常に痛く、特に後出しから受けるのは危険が伴う。
これが手伝って初代から現世代に至るまで「くさタイプ」自体が強属性として見られたことは恐らくないと思われる。

攻撃面はサブウェポンで補えばなんとかなりそうだが、残念ながらくさタイプは全体的に攻撃技が乏しい者が多い。
植物との繋がりが強そうなじめんタイプの技ですら、覚えるのは御三家数匹やキマワリ等極一部に限られている。

要するに「メインウェポンが半減されやすい」「サブウェポンも少ない」「弱点を突かれやすい」の三重苦。
それ故にでんきタイプ並にめざパ頼りのポケモンが多く、仮想敵に応じて炎、岩、地、氷あたりから選択することになるだろう。特に岩なら毒以外の全ての弱点タイプに対抗できるため、鋼に有効打のあるポケモンならかなり採用されやすい。

総じて攻撃も防御も苦手とするポケモンやタイプが多く、残念ながらタイプとして見た場合非常に厳しいと言わざるを得ない。
仮にも御三家タイプなのに酷い扱いである。

しかしその分強力な催眠技「ねむりごな」や強力な定数ダメージ吸収技「やどりぎのタネ」等の他のタイプには無い強力な変化技を覚える事が出来る。
これらの技による強力なコンボこそくさタイプの生命線と言えるだろう(時々これらを覚えないくさタイプもいるが…)。

またメインウェポンとしては半減の多さからサブを複数持たせても止められることも多い。
しかし、サブウェポンとしては水/地面に唯一弱点を(それも4倍で)突けるという需要はあり、「めざめるパワー」でくさタイプが選ばれることもある。
第五世代でもウォッシュロトムにも刺さる等(「くさむすび」は重さの関係で刺さっても倒せないため人気が下がったが)サブとしては優秀な部類だった。
もっとも、第六世代以降は同じく水・地面両方に強い「フリーズドライ」という便利な氷技が登場した。
しかし、複合タイプで等倍に抑えられた場合だと威力によっては草技の方がダメージが多くなるため、住み分けは十分できている。

またタイプ相性こそ不遇だが複合タイプ次第では逆に強力になるパターンも多い。
フェアリータイプが登場する前は、ドラゴン対策として採用率の高い氷技を等倍に抑えられる複合タイプ(水・・氷)を持っていると、水相手にかなり有利なので高い評価を得られやすかった。
この場合は草の長所であるメジャーな水電気地面半減が極限まで活きる。
しかし逆に酷くなってしまうパターンあったりする。虫や飛行と混ざると悲惨な事に…
岩との相性補完は意外にも優秀であり、お互いに多弱点でありながら双方に抜群で通るタイプがない。

くさ単タイプだとジャローダや「しんかのきせき」持ちモンジャラゴリランダーのようによっぽどスペックが高いか一芸を持っていないと厳しいのが実情。

特性「ようりょくそ」や普段は溜め技で使いにくいが晴れ状態で溜めが無くなる「ソーラービーム」「ソーラーブレード」等の「にほんばれ」状態と相性が良い点が多いのも特徴。
ほのおタイプと共に晴れパの主力になれる。ただし晴れ状態により弱点の炎が更に痛くなってしまう点に注意。高速からの変化技を絡めてうまく戦おう。

攻撃技に関しては「メガドレイン」等の吸収技が多い一方で、
初代の殆ど急所に当たる「はっぱカッター」やそのままでは扱いづらい「ソーラービーム」を除いて威力が微妙な物も多かった。

しかし第四世代以降は「リーフストーム」や「パワーウィップ」等の高威力技の登場や「ギガドレイン」や「リーフブレード」等の威力が底上げ等、
他のタイプと比べてもかなり恵まれるようになった。もっとも、元々半減も多いので妥当な所であろう。

なお、火を吐くほのおタイプや水を操るみずタイプと違って草から連想できるものが多いためか、初期技のバリエーションが種族ごとに異なるという特徴がある。
葉っぱを操るポケモンはこのは、樹木のポケモンや枝を操るポケモンはえだづき、相手から栄養を吸い取るポケモンはすいとる、ムチで攻撃するポケモンはつるのムチといった感じ。
厳密に系統分けされているわけではないが、例えば葉っぱを操るポケモンは葉っぱ系の技を中心に覚える傾向がある。
ソーラービームやエナジーボールのようなエネルギー攻撃は、くさタイプなら基本的に系統を問わず覚えられる。



【くさタイプの歴史】



初代(赤・緑)

当時草に強いタイプは殆どが不遇だったものの、最メジャー技「ふぶき」に弱かったのが運の尽き。
加えて当時不遇などくタイプ複合ばかりな為使用者はかなり少なく全体的に見れば不遇…

だが最強タイプであったエスパー複合のナッシーは別格。
それ以外では当時ほぼ確定急所だった「はっぱカッター」を使用できるフシギバナウツボットが恵まれた存在。
というかそれ以外の攻撃技が「メガドレイン」「ソーラービーム」「はなびらのまい」とどれも悲惨。
フシギバナに関しては当時何故か「どくどく」のダメージ増加が「やどりぎのタネ」にも適用されたのも強みであった。
97~99年の公式大会で実績を残したくさポケモンはこの3匹程度。


・第2世代(金・銀)

恐らくくさタイプが最も輝いていた時代。

キレイハナワタッコキマワリ等が参戦。
当時は役割・耐久重視の時代だったが、それすら超火力で破壊するガラガラが猛威を奮うも、
そのガラガラを地面半減といったタイプ相性で止められるナッシーやメガニウム等が注目されていた。
また当時猛威を奮っていた耐久ポケ達を「やどりぎのタネ」で牽制出来たりと大活躍。
また幻のポケモンセレビィも登場。
技の面では火力が悲惨だった「メガドレイン」の強化版「ギガドレイン」や、「ソーラービーム」の補助となる「にほんばれ」が登場。
「はっぱカッター」こそ弱体化したものの、タイプ全体として見ると攻撃面での性能も少しずつ向上していった。


・第3世代(ルビー・サファイア)

かくとう複合のキノガッサあく複合のダーテングノクタス雨パに使えるみずタイプ複合のルンパッパ、いわタイプ複合のユレイドル等、
面白いタイプを併せて持ったポケモンが登場。
特にルンパッパは当時のメタゲームにおいてかなり優秀なタイプ相性を持ち、晴れにも雨にも強い点から2004年の大会では最メジャークラスの活躍を見せつける。

この世代まではジュカインの「リーフブレード」以外に「めざめるパワー(草)」の上位互換が存在しないため、メインウェポンとしてめざ草を採用することもあった。


・第4世代(ダイヤモンド・パール)

それまで「くさタイプの技は一律特殊技」等タイプごとに物理・特殊が設定されていたのに対し、この世代から技毎に物理・特殊が設定されるようになった。
同時に特殊では「リーフストーム」「エナジーボール」「くさむすび」、物理では「ウッドハンマー」「パワーウィップ」「タネばくだん」と高火力技が大量に増加。
更に高い攻撃力を持つドダイトスロズレイド、「御大」こと霰パの大将『ユキノオー』、
更に「触手お化け」ことモジャンボ等高い能力を持ったポケモンが大量に追加された。

しかし同時にドラゴンや鋼強化により流行った氷や炎等のメタゲームに挟まれる形となり、
『ついでに』狩られる事も多くなっ為結局微妙…ドダイトスとか4倍ですぜ。

ただしユキノオーは後にメジャーなポケモンに強い耐性を持つ事が判明し一躍メジャー化した。
余談だが2010年の伝説ばっかの大会にチェリム率いるくさタイプ4匹で勝ち進んだ猛者もいるとか。すげえ…


・第5世代(ブラック・ホワイト)

隠れ特性が凶悪な草御三家のジャローダを始め、悪戯心により変化技のプロフェッショナルと化したもふもふっ子エルフーン
チート積みがすさまじいマイペース舞姫ドレディア、鋼複合により脅威の耐性を誇るの鋼鉄円盤生物ナットレイ
ダブルのトリパとの相性がおかしい竿師モロバレル等、優秀なポケモン達が追加。
他にも初の準伝説のビリジオンも登場、こちらも砂&雨キラーで活躍とさりげなくイッシュの草は豊作である。


しかし強力なほのおタイプやむしタイプも増えたのも事実。特にウルガモスヒヒダルマなんて草にとっては悪魔同然である……
しかしみんな大好きウォッシュロトムに対して一方的に強いタイプなのは評価できる。


・第6世代(X・Y)

初代から無効であった「やどりぎのタネ」に加え、粉や胞子の技と特性「ほうし」もタイプ特性で無効化するという強化を得る。
御三家ブリガロンフクジの切り札ゴーゴートゴースト複合のパンプジンオーロットが新規参戦。
またフシギバナユキノオーメガシンカを習得した。

またこの世代からフィールド技が登場し、その内の1つ「グラスフィールド」は草技の威力を1.5倍に強化する。
さらに「じしん」「じならし」「マグニチュード」という3つの地面技の威力を半減するため、くさタイプにとっては元々の相性もあってダメージは1/4になる。
また地面にいる(ひこうタイプと「ふゆう」「ふうせん」持ち、「でんじふゆう」使用者を除く)ポケモンは毎ターンHPが1/16回復する。

しかし、先制で飛行技を放つ天敵・ファイアローが登場。
更にフェアリータイプの新規追加によってどく・はがねタイプの需要が伸びたため逆風にさらされることになった。


・第7世代(サン・ムーン)

御三家ジュナイパー先制技封じで有名な女王アマージョ、ぬしポケモンでは強力なラランテス、物理に強いキノコポケモンマシェード、船の錨ポケモンでゴースト複合のダダリンが追加された。
伝説系にカプ・ブルルカミツルギが追加。いずれも強烈な個性を有している。
リージョンフォームには、首が長くなりすぎて話題を呼んだアローラナッシーが追加。

ファイアローの弱体化により多少は選出しやすくなった。
とは言え現環境はフェアリー天下の時代。これに合わせてはがねタイプが大増殖している為攻めに関しては結構つらい。
まあくさタイプの強みは多彩な変化技である為、優秀な複合も多い事もありそこまで困っていない様子。

USMではマシェードの専用技だった「ちからをすいとる」がラフレシアワタッコに与えられ、物理受け性能が大きく向上。
また「イカサマ」やこんらん対策で攻撃個体値の低い伝説のポケモン厳選するためにも使える。

・第8世代(剣盾)

おなじみ御三家ゴリランダー、綿モコワタシラガ、竜複合のアップリュー/タルップルが追加。
更に伝説枠でバドレックス、幻枠でザルードが途中参加。

環境的には「ダイジェット」の跋扈もあってくさタイプは肩身が狭い…
と思いきや、この環境でありながら隠れ特性「グラスメイカー」を携えたゴリランダーが殴り込みをかける。
技の柔軟性と異常火力の先制技、キョダイマックスという武器が噛み合い、なんと草単でありながら採用率最上位を誇っている。一部では「単くさタイプの限界に挑戦するポケモン」とまで言われることも。
また、ダブルバトルでも待望の特殊地面技とキョダイマックスを手に入れたフシギバナが躍進。
他のポケモンに関しても痒いところに手が届く調整がそれぞれ為されており、意外と全く戦力にならないポケモンはほぼいなくなっていたりする。

シリーズ6ではゴリランダー・フシギバナ・エルフーンの3匹が禁止ポケモンにぶち込まれた
準伝説ポケモンが解禁された後も、ゴリランダーは未だ譲らぬトップメタを邁進している。
不遇タイプと蔑まれたくさタイプだが、第8世代は間違いなく本気を出してきたと言っても過言ではない。
その境遇、むしとかくとうタイプにも分けてやれよ


所属するポケモンの数と比較して状況を選ばず活躍できるポケモン(所謂厨ポケ)は少なく、タイプ相性や能力から相手を選ぶポケモンが多い。
その為読み、戦略面でのケア、パーティーのバランス、さらには育成段階からの戦術や能力の吟味など単純なバトル以外での要素がものを言う。
(無論これらはくさタイプに限ったことではないが)
しかし上手く戦術や状況が噛み合えば豊富な変化技により相手を翻弄することも、高い火力を相手に叩き込むことも、それらを両立させることも可能。
工夫の余地のある非常に面白いタイプである。

まぁうだうだ書いたが要するに不遇さは戦術や戦略、育成や読み、そして何より愛でカバーしようってこった。

因みにダブルバトルだと天候パに組み込みやすい&強かったり、優秀なサポート性能がさらに際立つ為かエスパータイプに並び強タイプの一角だったりする。
上記の全国大会の活躍も納得である。

余談だが苦手タイプの弱点をつけるほのおタイプやでんきタイプのサブウェポンとして草技は採用されやすい。
特にでんきタイプの「めざめるパワー」厳選においては氷に次ぐ需要を持つ。最近は炎も多い?ああたぶんそれナットレイのせいだわ。

きのみによってタイプが変わる物理技「しぜんのめぐみ」を覚えるポケモンが多いのも特徴。
ただし、めざパに比べて扱いが難しいため、実戦で使用するのはリーフィアトロピウス等、一部に限られる。
有用な実としては、
ゴス(効果無し・90)、ズア(HP1/4以下で特防1段階上昇・100)、リュガ(HP1/4以下で防御1段階上昇・100)、
カイス(効果無し・100)、オッカ(炎半減・80)、クラボ(まひ回復・80)、ビアー(毒半減・80)、
サン(HP1/4以下で急所ランク+2・飛行100)、バコウ(飛行半減・飛行80)、アッキ(物理技を受けると防御が1段階アップ・フェアリー100)等。

また第七世代ではゴス(効果無し・90)・カイス(効果無し・100)・リュガ(HP1/4以下で防御1段階上昇・100)は手に入らない。
それぞれヨロギ(岩半減・80)・ブリー(効果無し・90)・ヤチェ(氷半減・80)で代用することになるだろう。



因みにウソッキーはくさタイプじゃない。でも「ウッドハンマー」はできる。
また、リリーラやユレイドルはくさタイプだが、植物ではなく「動物」である。そのせいかユレイドルは第7世代まで「やどりぎのタネ」を覚えなかった。


【くさタイプの主な使い手】



・一般トレーナー

アロマなおねえさん
ポケモンレンジャー

・ジムリーダー


・キャプテン


四天王での使用者はいない。


追記修正はしんりょくを発動させてからお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/