喜怒哀楽2 >

終わってしまったと思われたことでしょう。でも、好評につき、第二版としてまたまたお目見えすることになった喜怒哀楽。CHAGEとASKAの感情の起伏をたっぷりとお楽しみください。

【岡田】

C&Aのスタッフには珍しいくらいユニークなキャラクターが揃っていることは、賢明なるみなさまはおわかりのことと思う。中でも最近脚光を浴びているのがリアルキャストの岡田。本人はまともを装っているのだが、CHAGEの前にくると途端に化けの皮が剥がれ、たくさんのドジを繰り返してくれる。これは『NORU SORU』でも紹介されたが、首都高でナベさんを乗せて走っているとき、ガソリン切れで車がストップ。首都高を渋滞させたのは記憶に新しいところである。
なにかやってくれるたびに大喜びするCHAGEは、『NORU SORU』で岡田のコーナーまで作って、毎週岡田のドジ話の新ネタを披露している。「ばかだなあとか、信じらんないというようなことが多いけど、あいつのやることはおれを喜ばせてくれることばかり。缶コーヒーをくれなくても、アイスクリームをくれなくても、刺身コンニャクをくれなくても、あいつはおれのオアシスだな」(CHAGE)
喜びでいっぱいのCHAGEと岡田の関係は、今後もずっと続くであろう。

【プロデュース】

最近、リアルキャストに新しいアーティストが加わった。宇佐元恭一である。九州出身の宇佐元とC&Aは、昔からの音楽仲間であったがこのたび正式にリアルキャストに所属。ASKAの全面プロデュースにより、現在楽曲制作を行っている。
プロデュースといえば映画のサントラ、テレビドラマの音楽などを手掛けてきたASKAだが、詞、曲、アレンジに至るまでの一から十まで関わるのははじめてのこと。「自分の息吹をそそいだものが、自分以外の人によって歌われる。しかも満足いくものができ上がった。これに無情の喜びを感じる」(ASKA)
もともとASKAは宇佐元に対して、光るものをずっと感じていた。その光をどう刺激すれば彼の中からさらに出てくるのか、その光をどう表現すれば世の中に受け入れてもらえるのかを考えながらやってきた。そしてASKAは彼の光を引き出すべくために、常にともに行動をして制作にあたってきた。楽曲が三曲完成した今、ASKAは自信を込めて言う。
「もともとC&Aのサウンドを気に入っていた宇佐元が、僕とともに作り上げたのが今回のシングルです。聞いたみんなが"嫌い"と言ったら、自分のサウンドを否定されたような思いをもってしまう…。それほど入り込んで作りました。もしこの曲がヒットチャートにのったり、みんなに愛されるようなことになれば、何ヵ月か先の喜怒哀楽の【喜】で言えるかもしれません」(ASKA)
ちなみにこの楽曲の発売は、近々皆様にお知らせできると思います。
楽曲完成の喜びとともに、やがてヒットを喜びたいと願っているASKAであった。

【ジュラシック・パーク】

予定よりも早く仕事が終わると、無情の喜びを感じるのはCHAGE。特にレコーディングがスムーズにいくとめちゃくちゃ機嫌がよくなる。
あれは七月の十七日。朝までかかるといわれて覚悟を決めていたレコーディングが、なんと夜中の二時に終了。なんかこのまま帰るのももったいない。そういえば今日はあのスピルバーグ監督の大作『ジュラシック・パーク』の初日ではないか。
さっそくCHAGEはスタッフに言って、オールナイトの時間を調べさせた。なんと午前三時五分の回がある。グッドタイミング。もう一人のスタッフを呼び出し、三人で渋谷のシネタワーまで出向いたのであった。
さすが初日で映画館は混み合っていた。CHAGEは映画の友、ポップコーンとコーラを手に、人々と混じって列についた。CHAGEだということに気づいた人もいたが、誰も騒がない。それもうれしかった。映画はたいそうおもしろく、興奮の連続。怖いところでは隣のスタッフの鼻息が急激に荒くなって、少々うるさい思いもしたが、たっぷりと楽しむことができた。映画終了後、身振り手振りで映画のシーンを回想しながら夜明けの道玄坂を歩いた三人。
仕事が早く終わって、充実したひとときを過ごす。なんか、たまにはこういうのもいいよなーと、CHAGEは始終うれしそうな笑顔を浮かべていた。
余談になるが、この映画観賞会からすっかり仲間はずれになってしまったASKAの前では『ジュラシック・パーク』は禁句になっている。

【カブト虫】

カブト虫が大好きな宮崎少年。蝶よりカブト虫。セミよりカブト虫と、宮崎少年にとってカブト虫は昆虫の王様であった。でも、好きなのに飼うのはとってもヘタだった。カゴの中で飼っていても、すぐに死んでしまう。原因はいつもわからず、彼はそのまま大人になったのだった。
大人になってASKAとなった彼は、最近、偶然にもカブト虫のつがいを手に入れることができた。今度はけっこううまい飼い方をしているらしく、カブト虫は元気にカゴの中で育っていた。しかし、ひょんなことから雌が脱走。カブト虫一匹のことだが、ショックはスタッフにも見抜けた。
そして七月下旬、『Sons and Daughters~それより僕が伝えたいのは』のプロモーションビデオ撮影のために訪れたのは茨城。ASKAは撮影の合間に森の中、山の中に入り、雌のカブト虫を延々と探していた。でも、なぜか見つからない。「あいつなにやってんだよー」とその様子をあきれ顔で見ていたのは相棒のCHAGE。根っから合理人間であるCHAGEは、撮影見物にきていた子どもに尋ねる。「カブト虫ってどこにいる?」。子どもは無邪気な顔で答える。「うちにいっぱいいるよ」。雌一匹の代わりにC&Aのサインで交渉はすぐに成立。CHAGEは子どもから譲り受けた雌のカブト虫をASKAに差し出したのであった。
茨城でもらった雌のカブト虫は、もちろん今でも元気である。雄とともに仲よくASKAの家で飼われている。死なないように、環境を整えてあげているのがいいようだ。おがくずをカゴの中に入れ、近くで拾ってきた木も中に入れて。
「びっくりしたのが、カブト虫がこんなにも桃が好きだったのかということ。キュウリやスイカと一緒に入れておくと、桃だけがなくなっている。驚いたなあ」(ASKA)
飼うたびに死なせていたカブト虫…。大人になった今、カゴの中で動いているカブト虫を見るたびに、喜びでいっぱいになるASKAであった。

【電話】

仕事柄、スタッフからの電話が多いふたり。中野、岡田、福島と、電話をかけてくるスタッフも様々。
CHAGEはただ鳴った電話を取るだけというだけでは飽き足らず、最近妙な遊びをするようになった。かかってきた電話のベルを聞いて、心の中で誰からの電話であるかを当てるのだ。「ん、これは中野だ」。受話器を取る。「もしもし、中野でっす」。おーっし、当たった。当たれば嬉しさで思わずガッツポーズ。なんて地味で小さい遊びだと思われるかもしれないが、これはこれでCHAGEの喜びになっている。
一方、ASKAはなかなかつかまらないスタッフを電話でつかまえることができたとき、喜びを感じる。最近、スタッフは携帯電話を持ち歩いているが、ビルの中や地下にいると電波が届かず役に立たない。何度かチャレンジして、「もしもし、中野でっす」と声が聞こえてくると、喜びで用事を一瞬忘れてしまうのであった。

【CHAGE観察】

親父くさいと言われてきた競馬だが、ここ数年は若者にまでブームを巻き起こし、競馬の年齢層を広げている。もちろんブームにすぐのるCHAGEもしかりで、趣味の範囲で楽しんだりしている。でも、趣味の範囲のはずなのに、けっこう周りの人を巻き込む。勝てば関係のない人にまで愛想を振りまき、負ければスタッフが心配するほどシュンとしてしまう。
この様子を観察するのが楽しみとなっているのがASKA。特に負けたときの落ち込んだ様子に喜びを感じてしまう。だから、テレビ中継を食い入るように見ているCHAGEのそばで応援するフリをして、心の中ではいつだって「負ければいいな」と思っている。そして負けた瞬間、ASKAはいつも大笑い。
相棒の落ち込みに喜びを感じるASKA。相棒の喜んだ様子にますます落ち込んでしまうCHAGE。このときのCHAGEの心理は、喜怒哀楽の【哀】でご紹介したいと思う。
最終更新:2025年06月23日 22:11