鯛【宝さがし】
サバ、さんま、イワシ、アジ……。魚にはいろいろあれど、形も違えば味も違う。
魚が大好きなCHAGEは、季節の魚を旬のうちにいただくのを楽しみにしている。そんなCHAGEでも、唯一嫌いなものがある。鯛である。高価なものだから、ありがたがって食べねばいけないのは重々承知。しかし、あのそっけないほどの淡白な味はCHAGEの舌を満足させない。結婚式の引出物に入っている鯛を見るたびに「猫も食わないのに」と思ってしまう。鯛よりもサバを選んでしまうCHAGEの、ここがハイソになれないところなのであった。
一方、父親の故郷が海の近くであったASKAは、幼児の頃、魚ならなんでも食べた。なかでもよく食べたのが鯛。だからASKAはハイソ、と言うものでもなく、またおいしいとか味が好きとかの次元でもない。ASKAには別の目的があったのだ。それは骨である。身をどんどんほじっていくと、クワのような不思議な形をした骨が出てくる。これを見つけたいがために、とくに熱心に鯛を食べていた。今でも鯛を食べるときは、つい身をほじりながらクワの形をした骨を探し、見つかると「これだ」とひとりニンマリしてしまうASKAであった。
タオル【アドバイス】
CHAGE&ASKAデビュー前、一世を風靡していたのがツイストであった。ボーカルの世良公則さんを筆頭に、首からタオルをぶら下げロックンロールする様は、当時の若者の心を打った。後にそのタオルファッションは矢沢永吉さんから受け継がれたものだということを知るが、それでもタオルは世良ルックとまで呼ばれ、首からタオルをぶら下げて歩く若者が目立ったものだ。
そのての流行には敏感なCHAGEとASKA。世良さんを真似て大学へもタオル、音楽部の活動でもタオルと、片時もタオルを離さず、彼らはタオルを首に巻いたままデビューすることになった。
やがてCHAGE&ASKA=タオルというイメージができ上がり、現在でもファンの方のプレゼントでもっとも多いのがタオルになっている。CHAGEやASKAの家にはファンの方からいただいたタオルが山のようにあり、デビューしてから自分でタオルを買ったことがないほどである。
ツアー先でいただく場合などは、とくにタオルのありがたさを思うふたり。リハーサル及びステージ後などは、汗びしょびしょでタオルがいくらあっても足りない。また、朝、夜と1日に最低でも2回シャワーを浴びるふたりは、ホテルに備え付けのタオルでは間に合わないこともある。タオルは彼らのツアーライフに合った、重宝なプレゼントといえるだろう。
ただ、だからと言って、プレゼントを強要しているわけではありません。今までいただいたものだけでも十分。どうかお気をつかうことのないようお願い致します。
タクシー乱闘事件【例】
空港へ、駅へ、会場へ、ホテルへと、タクシーはツアー中の欠かせない乗り物になっている。時間を効率的に使うために、今でこそスタッフが手配してくれたタクシーに乗ればいいだけの状態になっているが、昔はよく道路に出てタクシー待ちをしたものだ。
あれは14年ほど前の雨の日のことだった。ナベさん、CHAGE、ASKAは空港へ向かうため、朝早くにタクシー待ちをしていた。雨のせいもあって、タクシーはなかなかこない。飛行機の時間を気にしながら、やっとつかまえた1台。ホッとしてドライバーに行き先を告げた途端「なんだ、方向が逆じゃねえか。向こうから乗れよ」のひとこと。カチンときたASKA、今では考えられないことだがドライバーに怒鳴りまくった。しかしここはアーティストに怒鳴らせちゃいけないと思ったナベさんが、ASKAを静止して思い切り怒鳴りまくった。しかしドライバーは動じず、車を発進させようとしない。あきらめて降りたものの、このままですませたくないナベさん、ASKAは車を揺すったり押したりの実力行使に出た。
そんな情景を黙って見ていたCHAGEだが、事の終り際、タクシーが発進と同時に後ろのバンパーを足でコンッ。気持ちを萎えさせるCHAGEのこの振る舞いに、ASKA、ナベさんが腰くだけになったのは言うまでもない。
このときの出来事はタクシー乱闘事件として後々まで語られることになるが、タクシーそのものではなく、強者の陰に隠れてチョコチョコと手を出す気の弱い男の子のようなCHAGEを語るときに、例として用いられることが多い。
たこやき【衝動】
たこやきが大好きなASKAである。子どもの頃は、3個10円のたこやきを15個食べることを日課にしていたほどだった。現在でもたこやき熱はとどまることを知らず、小腹がすいた事務所の女子社員が買ってくるたこやきを、ひとりで全部たいらげてしまう。たこやき屋さんを見つければ、無理矢理車を止めて買いに走る。たこやきを前にすると、理性を失うASKAだった。
ところでCHAGEもたこやきは好きらしい。
楽しみ【話題にしちゃいけない】
「コンサート、楽しみです」。これはツアー前のインタビューなどでふたりが口にするセリフである。しかし、実際はコンサートの前のヘビーなリハーサルを思えば「楽しみ」なんてことを口にする余裕もなく、心からそう言えるのは、ツアーがスタートしてからのことなのだ。
じゃあ仕事を離れた楽しみは。これが悲しいかな、「なんにもない」のである。どこかへ遊びに行こうと計画を立てても、仕事のしわ寄せを考えて消極的になってしまう。誰かと会おうと思っても、時間が読めずに約束できない。結局は仕事仕事で毎日を過ごしていくしかないのである。
そんななかでも、なんとか楽しみを見つけようとするのがCHAGE。
「今、僕にとっての楽しみは、レコーディングの合間にコンピュータゲームの『TOWER(タワー)』をすることです。自分がビルのオーナーになって、エレベーターを作ったりレストランを作ったりするシミュレーションゲームです。なんとかグレード3まではいったんですが、次の段階に行けません。誰かグレード4の行き方を教えてください」
目を輝かせて「楽しい楽しい」というCHAGE。ちなみにディレクター、エンジニアもこのゲームにはまっていて、スタジオでの挨拶は「どこまでいった?」になっている。でも、こんなことくらいで楽しみをごまかしてほしくないような気もする。ファンのみなさんがCHAGE&ASKAのアルバムやコンサートを楽しみにしているように、ふたりにも素敵な楽しみをもってもらえたらと願う。
だよね【スマート】
最近、『DA・YO・NE』なんていうラップの歌がはやったばかりだが、CHAGEはもうずっと前から「だよね」を通じて東京弁のかっこよさを思っている。
東京弁の「だよね」を関西弁にすると「そやね」。静岡は「そうずら」、東北では「だべな」、九州では「そげんたいね」。考えれば考えるほど、東京弁はスマートでかっこいいもんだと思ってしまう。
団地【青春】
日本の高度成長期のさなかに登場したのが団地。建物は鉄筋コンクリート、ドアは鉄製、部屋は個室型、台所にはシステムキッチンが導入されるなど、すべてにおいて洋式化された団地は、アパートや古い一軒家に住む人々の羨望の的でもあった。人々の憧れの象徴として、『団地妻真昼の悶え』『団地妻とセールスマン』なんていう映画のタイトルにもひんぱんに使われたものだ。
CHAGEは小学校6年生のときから10年間を団地で過ごした。団地はCHAGEの青春なのである。団地の入口にある自転車置場を遊び場にしたり、階段で遊んだり。活発なCHAGEは団地内ではとても有名で、同じ棟に住む団地妻から、しょっちゅうお菓子なんかをもらったりしていた。
今でも団地と聞くと、胸がキュンとしてしまうCHAGEであった。
単なるジョーク【都合のいい言い訳】
CHAGEやASKAのジョーク好きは有名だが、あまりにもブラックなことを言って、周囲をシーンとさせてしまうこともしばしば。そんなときは「単なるジョークだよ」とその場を濁して空気を変えていたが、最近では誰も空気を変えることにつき合ってくれなくなっている。そういうみんなを、CHAGEはバカだと言って怒るのであった。
最終更新:2025年06月23日 22:18