ナイキ【デビュー当時の流行りもの】
アディダスとCM契約でもしているのかと思うくらい、アディダスのウエアで固めているふたりだが、別に契約をしているわけでもなんでもない。ナベさんの知り合いが昔からアディダスにいて、新製品を紹介してもらっているうちに、そのデザインが気に入り、ツアーの度に提供してもらい、自分達でも買い出したというだけである。世のサッカーブームのおかげでアディダスも大流行したが、アディダスはふたりの中学時代からあって、当時は"3本線のジャージ"なんて、お金持ちの家の子しか着れない運動着として君臨していたものだ。アディダスの次はプーマ、次はナイキと、スポーツブランドの流行も変わってきた。ひととおり一巡して、またアディダスに戻ったという感じだろうか。CHAGEとASKAのデビュー当時は、ちょうどナイキが主流だった時代。ナイキのウエアやシューズでステージに立ったこともある。アディダスとともにナイキが流行っている現在。いつかまたそのうちナイキでふたりとも上から下まで固めることもあるだろう。ところで、唐突だがスポーツブランドの読み違いをしないように注意したい。NIKE(ナイキ)をニケ、adidas(アディダス)をアディオス、puma(プーマ)をピューマとは、絶対に読まないように。CHAGE&ASKA周辺でそう読んだ人がいるので。
ナイジェル・カーチス【ハンサムボーイ】
今回のステージ衣装をデザインしてくれたのが、イギリス人のデザイナー、ナイジェル・カーチス。ミック・ジャガー、ブライアン・フェリーなどの衣装を手がける有名なデザイナーなのだ。デザインを発注したとき、ナイジェルはまずCHAGEやASKAに会って、ふたりのキャラクターを知りたいと言った。日本語がわからないナイジェルに、ふたりのことがわかるだろうかと心配したが、そんなのは取り越し苦労だった。表情や話し方で、ふたりのキャラクターをうまく理解してくれた。とくにCHAGEの場合は早かった。ドアを開けて「ウィーッス」と入ってきた瞬間のCHAGEを見て、ナイジェルは深く納得。「なんでだろう?」とCHAGEはそのことが未だに腑に落ちないらしいが。
ないものねだり【子供と一緒】
ないものねだりとナイジェル・マンセルは全然似てない。そんなことはどうだっていい。子供のようにないものねだりが激しいのがCHAGE。欲しいと決めたら手に入るまで努力する。欲しかった物が売り切れですとか、ありませんなんてお店で言われた日にゃあ、東京中の店をくまなく捜し回ってしまう。欲しいと思ったらその日のうちに手に入れたいという、せっかちな性格も災いしているのかもしれない。一方ASKAはないものねだりはしないタイプ。何かが欲しいなと思っても、時間がたてば忘れてしまう。品切れとか売り切れの場合は、即座にあきらめる。
あれが欲しいー! と店の前で寝っ転がって足をジタバタさせて大騒ぎするCHAGEと、それを見て「なんでそんなに欲しいんだろう」と不思議に思うASKA……。ふたりの性格の違いから、そんな情景さえ想像してしまう。
仲間割れ【うるさいよ】
CHAGE&ASKAチームは業界きっての仲良しグループだと言われているが、ときどき「本当は仲がよくないのかも」と思わせるような派手なケンカもする。仲間割れの原因のほとんどが「売った、売られた」というもの。例を挙げるならば、ある人の味方をしておいて、もう一方の人の前ではある人をチクる、みたいな。チクることをこのチーム内では「売る」というのである。ほとんどが他愛ないことだし、別に仕事にも影響しないのだが、車の中だろうがラーメン屋だろうが、仲間割れのときはどこだろうとお構いなし。とくにCHAGEやASKAが怒っているときは、もともと声が大きいから、店中がこっちを見る、みたいな状況になる。そんなときはアーティストだってかっこをつけていられない。まあ、仲間っちゅーのは仲間割れしてこそ結束も固まるものだし、ストレス発散にもなるから、うるさくてもよしとしとこう。
泣きじゃくる【男の涙】
泣きじゃくるというと、子供がビービー泣いているビジュアルを浮かべると思うが、CHAGE&ASKAの周りには、大人のくせに、しかも男のくせにケンカをしてはその度に泣きじゃくるという奴がふたりいる。前項で紹介した他愛ないケンカではない。本気のケンカである。殴る殴られるというバイオレンスがあるわけじゃなく、単純に自分の意見が通らない悔しさでどっちかが泣きじゃくる。ふたりがケンカを始めると、CHAGEやASKAもすぐに駆けつけ、どっちが泣きじゃくるかをニヤニヤと見物するのがならわし。ツアー中の出し物として見ると、けっこうおもしろい。
なくす【負けた】
とにかく物をなくすことが多いASKA。子供の頃から紛失癖があり、こっちを注意しているとあっちをなくし、あっちを注意しているとこっちをなくすの連続。親にさんざん怒られ、さすがに落ち込んだ宮崎少年だったが、あるときテレビで『長嶋茂雄物語』を見て、長嶋茂雄さんの自分をはるかにしのぐなくし方を知り、「なーんだ長嶋さんもそうなのか」とホッとしたものだった。だからと言って甘んじることなく、なるべくなくさないように努力しているのだが、やっぱり今でもしょっちゅうなくし物をしている。物をなくすたびに「長嶋さんも」と思いながら、自分を励ましてたりして。
しかし昨年、香港でついに「これにはかなわない」というなくし物大賞を発見。香港でコンサートを行ったとき、現地のプロモーターがリアルキャストと交わした大切な契約書をなくしてしまっていたのだ。それを知ったASKAは「これに勝つものはなにもない」と呆然としながらも、感動を隠せなかった。
ナビゲーションシステム【気になる】
ふたりは車が好きである。ついでに愛車の中にいろいろなものを装備させるのも好き。最近では今話題のMD(ミニディスク)を装着した。CHAGEは面倒くささを取り除くために4連装式のMDを。ASKAは故障の少ない1装式のMDを装着。それぞれが車内で充実した音楽鑑賞を楽しんでいる。さて、何かを充実させると、次のことに興味を示すのがふたり。今はナビゲーションシステムに俄然興味を抱いている。ナビゲーションシステムが出始めの頃は、こんなのあてにならないと思っていたが、精度が高くなっている今、愛車につけるのも悪くないと思っている。カーMDはCHAGEが先だったが、はたしてナビゲーションシステムはどちらが先に手をつけるだろうか。今後、追って報告したいと思う。
なまり【怒るな】
地方にはそれぞれ方言というものがある。地方出身者が東京で暮らしていると、自然と方言も薄れ、標準語を話すようになる。しかし方言をなくすのはわりと簡単だが、なかなかなくせないのが訛りというやつである。訛り、つまり言葉のイントネーションは体の中に根づいてしまっている。だから、意識しても、話しているうちについ故郷のイントネーションが出てしまうのである。CHAGE&ASKA周辺で訛りが顕著なのが熊本県出身の村上啓介、福井県出身の黒田有紀など。CHAGEもASKAも顕著ではないけれど、ときどきおかしな訛りが出る。そういうとき、必ずおせっかいな東京出身者がふたりに指摘する。例えば「文法」という言葉。さて、みなさんはこれをどう発音しますか? CHAGEもASKAもこれを「ぶん⤴ぽう⤵」と発音する。ところが標準語でこれは「ぶん⤵ぽう⤵」なのである。
「ちょっと待てよ。だからなんだって言うんだよ。いったい誰がそれを標準語に決めたんだよ。なんで地方出身者が訛りを直して東京に合わせなくちゃいけないんだよ! 東京の奴が勝ち誇るんじゃねえ! わかったか!」(CHAGE)。おおこわ。
涙もろい【瞼が涙の重さに耐えられない】
意外と涙もろいのがCHAGE。ドラマや映画を見て、悲しい場面になるとすぐに目頭がジワーッ。とくに弱いのが動物もの。ときには声を上げて泣きたくなってしまう。
でも、未だかつて自分のステージで泣いたことはない。ステージ上で感動のあまり泣くアーティストがいるらしいが、CHAGEはデビューしてこのかた、そういう経験はゼロ。毎回感動しているのに、なぜ泣かないんだろうと、フッと不思議に思うのであった。きっと泣けないくらい一生懸命なんだよ。
最終更新:2025年06月23日 22:19