東京【思えば遠くへきたもんだ】
CHAGEとASKAが上京(こんな言葉もう誰も使わないよな)してから早16年。東京での生活が、故郷で過ごした年数にだんだん近づいてきている今日この頃である。
ASKAの場合、4年間は北海道の千歳に住んでいたこともあり、福岡での年数は正味17年。あと1年で、在京年数が故郷で生活した年数と同じになってしまう。
しかし、年数だけで"すっかり東京人"しているつもりのASKAも、裏を返せば東京のことはあまり詳しくない。JR山の手線の駅名は4つくらいしか言えないし、東京23区だって「練馬区の隣は何区?」なんて質問をされちゃったら、もう全然わかんない。
逆に在京年数にふさわしく、東京の知識が豊富なのがCHAGE。とくに東京の道路はあらゆるところを把握しちゃって、"歌う裏道マップ"の異名を誇っている。自分のほうがASKAよりも東京に詳しいことを自慢したいのかどうかわからないが、忘年会の席上、CHAGEが必ず出すのが『山の手線ゲーム』。「東京23区を全部言え!」とか「山の手線の駅名を言え!」なんて出題して、ASKAをたじろがせる。最初の頃はCHAGEの出題にうろたえていたASKAだが、今ではおもむろに腹を立ててみせたりして、ゲームの中止を画策するのであった。
童謡【♪ゆうやーけこやけえのー】
小学校の音楽の授業で必ず歌わされていた童謡。音楽の教科書の隅に文部省認定唱歌なんて記されてた日にゃあ「こんな歌、かったるくて歌えるかよー。黛ジュンの歌でも歌わせろー」とぶーたれていたもんである。でも大人になって改めて童謡を口づさんでみるとメロディーの美しさ、歌詞の高い文学性に、CHAGEもASKAも驚かされることしばしば。
懐かしい風景に出会ったとき、ふっと口をついて出るのは黛ジュンの歌ではなく、やはり童謡なのである。子供の頃に歌った童謡はみんなの心の中にしっかりと根づいているということだ。
さて、数ある童謡の中でASKAがもっとも気に入っているのが、昔野外コンサートで強引に歌ってしまった『赤とんぼ』。CHAGE、バンドの躊躇をものともせずに披露したア・カペラ『赤とんぼ』は、会場のみんなの心の中に、どういう形で残っているのだろう。
ドオーモ原宿【VOW的】
原宿駅前にある薬局『ドオーモ原宿』を知っているかい? CHAGEは『ドオーモ原宿』の前を車で通るたびに、「どぉーもー、どぉーもー」と長嶋監督のマネをしてしまう。車の中に誰もいない場合は、わざわざ携帯電話を通してスタッフに笑ってもらっている。「携帯電話を使ってまでやるか?」「そんなに長嶋監督が大事か?」と自問自答しながらも、『ドオーモ原宿』の前を通ると、ついつい長嶋になって「どぉーもー、どぉーもー」。
薬局『ドオーモ原宿』のネーミングの由来を知っている方は、ぜひ教えてください。そうすれば、このどうしようもないCHAGEの長嶋ギャグもおさまるような気がします。
時計【唯一の】
ASKAが質問されて困るのは「趣味はなんですか?」。CHAGEの場合はカメラだゴルフだ温泉だ酒だ(これってカメラがなかったら、ただのじじいじゃないですか)と、その趣味は多岐に渡っている。反してASKAは無趣味に近く、趣味が仕事になってしまった人にありがちな人生をたどっている。
でも、たったひとつ、胸を張れるものがある。それは時計集め。中学の頃から腕時計が好きで、値段やブランドに関係なく、いいと思えるものをせっせせっせと買い集めてきた。海外に行ったときなどは、免税店に立ち寄って時計コーナーをワクワクと眺めてみたり。好みはシンプルでフォルムが美しいもの。たくさんの時計を前に、服やその日の気分に合わせてチョイスするのもまた楽しい。きっと時計集めは、ASKAの一生の趣味になることだろう。ああめでたしめでたし。
ドジャース【星 一徹の如し】
過去、世界の桧舞台で輝かしい瞬間を見せてくれた日本人選手は多々いたが、ドジャースに入団した野茂の大活躍はまた別格なような気がしてならないCHAGEとASKA。野茂は日本人に、ワールドワイドという言葉の本当の意味を教えてくれたのである。
「野茂が謝って"のーもすいません"。野茂のマネして"ノモマネ"。野茂がビールを飲んで"♪のもお~"」
なんて野茂ネタでダジャレを言っているCHAGEだが、実はCHAGEと野茂は意外な接触をしている。あれは去年の夏。ひさしぶりにプライベートで帰郷したCHAGEは、なんと飛行機の中で野茂と隣り合わせになったのだ。
「のーも」(どうも)なんていう野茂の挨拶からはじまり、フライト中の約2時間、CHAGEと野茂はずっとしゃべりっぱなしだったという。
「えっ? 何をしゃべったかって? 野球の極意に決まってんだろ。これ、スポーツ新聞に知られるとたいへんだから、あんまり大きな声じゃ言えないけどな。おれの生きざま三部作の完結編"ちんとんしゃん"のリズムとおれのすり抜け作戦をベースにした"と見せかけて投球"(以下の項参照)を伝授してやったんだ。あいつ、目をギラギラさせて聞いてたよ。あれっ? うそじゃないって、本当だってば」(CHAGE)
CHAGEが野茂に伝授した裏の投球法。大リーガー達をバッタバッタとなぎ倒すあのフォークボールの影には、CHAGEと野茂の熱い男の契りがあったのだった。……なんて誰も信じないと思う。
と見せかけて作戦【生きざま】
ミヨコ「7月号のC&A百科【出っ歯】で、スタッフYが文句言ってきたんだよ。"あの三人のひとりはまぎれもなく僕ですね。でも、僕は出っ歯じゃない!"って」
C「まったく、Yはまだ自分のことわかってないよな。出っ歯と言ったら、まずはあいつだろーが」
とそのとき、物陰から青白い顔をして眉間に青筋を立て白目の中をコンビーフみたいに血走らせたYが登場。
ミヨコ「ギャーッ!」(恐怖で飛び上がる)
Y「……僕は出っ歯じゃない……」
C「当たり前だろ。あれはおまえのことじゃないんだ。ミヨコが勝手に書いただけだ。おれは関係ないぞ」
──以上、これすべて本当の話。
こっちの味方だと見せかけて、スルッとあっちのほうへつく。名づけてこれ、CHAGEの"と見せかけて作戦"。ここで挙げるまでもなく過去の会報の端々にCHAGEのこの作戦は散りばめられている。CHAGEはこうやって、みんなを裏切って生き続けていくのです。みんなも十分注意するように。
ドラマ【今度は古手川さんが主演です】
ドラマと言えば主題歌というように、ここ数年、ドラマと音楽業界は切っても切れない間柄になっている。御存知のとおり、CHAGE&ASKAも過去、4曲の楽曲がドラマの主題歌に。『SAY YES』、『YAH YAH YAH』、そして『めぐり逢い』、さてここで問題です。あと1曲はなんでしょう? 降参ですか? はい、ではお答えしましょう。実はうんと昔、『恋人はワイン色』がテレビ朝日系のドラマ『あぶない雑居カップル』の主題歌だったのである。
で、今秋もまた、NHKドラマの主題歌としてCHAGE&ASKAの楽曲がテレビから流れることになった(ニュースコラム参照)。ぜひ注目してほしいと思う。
どんでん返し【またあ~?】
レコーディング、コンサートリハーサルからはじまって、ポスター、アルバムジャケットに至るまで、とにかくどんでん返しは日常茶飯事なのがCHAGE&ASKAの現場。最終的にOKのゴーサインが出ても、絶対にこれで終わりになるはずはないなんて、スタッフは常に怯えて仕事をしている。
最近では、アルバム『Code Name.1 Brother Sun』の曲順変更というどんでん返しがあったばかり。工場のプレス機械を止めてまで待ったをかけたアーティストは、後にも先にも彼らだけだろう。
CHAGEやASKAが考えて考え抜いた挙げ句の変更だから、スタッフもどんでん返しの洗礼を甘んじて受けてはいる。が、最近「ひょっとして、物事をおもしろくさせるために、わざとそう仕向けているんじゃないか」なんて疑う人もチラホラ。そんなスタッフの懸念どおり、ふたりの結束力を高めるこのどんでん返しの魅力に、ふたりしてとりつかれているのも確かなのである。
最終更新:2025年06月23日 22:19