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ツアー【はじまったぞ】

ハワイオアフ島4泊6日ツアーだとか、アメリカ西海岸5泊7日ツアーだとか、一般の人にとってツアーと言えば観光旅行を思い浮かべる人が多い。しかしCHAGE&ASKAにとってツアーと言えば、もうこれはコンサートツアーしかないのである。
賢明なるファンのみなさんは、CHAGEが無類のツアー好きだということにお気づきだと思う。ツアー直前になるといろいろとツアー用品を買い込み、遠足を待つ気分で出発のときを待つ。一方ASKAは、移動が大嫌いという性質上、ツアーと聞くとうんざりしてしまうことが多い。みなさんがこの会報を手にする頃には、すでに'95年のツアーがスタートしている。今頃ASKAは新幹線の中で、あるいは飛行機の中で、ひとりブツブツとぶーたれているかもしれない。コンサートそのものは愛してやまないが、瞬間移動装置かなんかが開発されない限り、ASKAの"ツアーうんざり病"は解消されることはないだろう。

月月シリーズ【アンサーソング】

MULTI MAXのアルバム『Well, Well, Well』の代表曲ともなった『月が言い訳をしてる』。同タイトルの単行本(幻冬舎刊)まで出版し、一時期CHAGEと言えば「月」というイメージが定着していた。ちょうどその頃、ソロアルバム『NEVER END』のレコーディング中だったASKA。『月が近づけば少しはましだろう』という楽曲を制作中、ことあるごとにスタッフから「これは『月が言い訳をしてる』のアンサーソングですか?」と聞かれていた。本人はまったくそんなつもりもなく、当初はかなり真剣に違うことを訴えていたが、スタッフうけとともに面倒くささも手伝って、自ら『月に言い訳させてやれ』と呼ぶようになっていた。以来、身内ではASKAの『月が近づけば少しはましだろう』は別名『月に言い訳させてやれ』と呼ばれ続けている。

月影兵庫【ヒーロー】

CHAGE&ASKAが子供時代、テレビ時代劇と言えば『月影兵庫』だった。松方弘樹さん、目黒祐樹さんの父である故近衛十四郎さん扮する素浪人月影兵庫と、品川隆二さん扮する焼津の半次のコンビネーションは、ステージ上のCHAGEとASKA同様に絶妙だった。剣の達人のくせに猫が大嫌いな月影兵庫、お調子ものだけどクモが嫌いな焼津の半次など、個々のキャラクター作りも当時としては先鋭的。「向こうのお山にバカがいた」などのタイトルづけ、加えて芥川隆之さんのナレーションなど、真面目にボケる"まじボケ"の王道をいっていた。二人が呼び合うとき「月影の」「焼津の」と「の」をつける江戸弁を不思議に思いつつも、ときどき自分自身を「柴田の」「宮崎の」なんて言ってニンマリしてみたり。1週間のうち、いちばん好きなテレビは? と聞かれれば、すかさず『月影兵庫』と答えるくらい、柴田少年も宮崎少年も夢中になって見ていたものだ。ずいぶん前に近衛十四郎さんが他界されたときは、まるで親しい方が亡くなったときのように、深い悲しみにくれたふたりであった。ああ、『月影兵庫』カムバック。

漬物【目がない】

漬物と言葉にした瞬間、ふたりとも「あ~、いいねえ~」とダヨンダヨンになってしまう。きっとふたりの口の中はツバがいっぱいたまっているだろう。漬物は日本人の友である。CHAGEはきゅうりと白菜と大根、ASKAは白菜とスイカの皮がお好み。スイカの皮と聞いて、「?」となる人も多いと思うが、なんでも宮崎家は夏にスイカの皮を一夜漬けする習慣があったらしい。
ツアー先では豪勢な料理よりも、ついつい漬物に目がいってしまい、真先になくなるのはいつも漬物。ブラックアイズもスタッフもみんなみんな漬物が好きなのだ。
ところで漬物と言えば、こんなエピソードがある。昔々、大阪の空港でファンの方から白菜とたくあんの漬物をプレゼントされたCHAGE。漬物好きのCHAGEは大切に機内に持ち込んだ。羽田に到着し、エアポートバスで空港ロビーへ向かっている最中のことだった。CHAGEはなんと明石家さんまさんから声をかけられた。「おー! 同じ飛行機に乗ってたの? 気がつかなかったよー」「乗ってたんやー」なんて会話が交わされた。そしてさんまさんからひとこと。「しっかしあの飛行機えらいくさかったおまへん?」。CHAGEは絶句した。「もうー、くっそーてくっそーてたまらへんかったおまへん」。CHAGEの漬物が原因だということはすぐにわかった。根が正直なCHAGEは黙ってられずにそっと告白をした。しかしさんまさんの口に戸は立てられぬ。「なんやー! おまえの漬物かー! 買物帰りのババアみたいやなー! えろうくっさいぞーおまへん!」。大勢の乗客の前で大恥をかかされてしまったのである。以来、このときのことは"漬物事件"として長い間語られることになったのである。女性のみなさん、漬物を人に渡すときは、TPOを考えて渡すようにしましょう。

つっかけ【予告】

さあみなさん、夏がやってきます。今年もまたCHAGEさんのつっかけ姿が方々で見られる季節がやってきました。結婚披露パーティー、CHAGE&ASKA慰労パーティーなど、数々の華やかな席につっかけ姿で出席し、場違いなムードをさらしてくれた昨年。今年はいったいどんな「およびでない」を披露してくれることでしょう。7月、8月の"CHAGEつっかけ情報"は追ってお知らせしたいと思います。みなさんお楽しみに。

つっこみ【なんでやねん】

マッちゃんがボケてハマちゃんがつっこむというように、コンビ漫才の場合はボケとつっこみ役が必ず設定されている。でもこれは漫才に限ってのことである。なのにコンビというだけでCHAGEとASKAに「どちらがつっこみ役ですか?」なんて聞いてくる失礼なインタビュアーも、過去にはいた。しかし、ステージを重ねてくるにつれ、ボケ&つっこみの設定を確立することの重要さがわかり、現在ではそのときどきによってボケ&つっこみを交互に行なっている。もちろん、そのキャラクターのみを押し通すとミュージシャンとして誤解される恐れもある。本人達はボケ&つっこみが終わった後、「はっ」と我に返って、素早くミュージシャンに戻る訓練も怠っていない。

つば【十戒】

あれは『SAY YES』ツアーのときだった。ステージで夢中になっておしゃべりに興じていたCHAGEの口から、一筋のつばが。つばはライトの中でキラキラと光を放ち、客席最前列のお客さん目がけて飛んでいった。そのとき最前列客席は、まるで映画『十戒』の海のシーンのようにまっぷたつに割れ、何事が起こったのかと関係者をあわてさせるほど騒然となった。それを見てCHAGEは当然のようにショックを受けた。しかしASKAは相棒の落ち込みをよそに、別の疑問を抱いていた。コンサートの最前列を取るお客さんは、熱心なCHAGE&ASKAファンであるはずだ。熱意と愛情がなければ最前列はとれない。なのに愛すべきCHAGEのつばで、あのリアクションはいったい……。最前列の人々はCHAGE&ASKAファンとは限らないのだろうか……。ずいぶん前の話であるが、ASKAはこのことを思い出すと、つい考え込んでしまうのだった。

ツルツル【きれいになりたい】

肌を気にするのはなにも女性ばかりではない。世の中に顔を出す仕事をしているCHAGE、ASKAだって、一応肌に気を使ってはいる。CHAGEはもともと肌のキメが細かく、子供の頃から「肌がきれいですね」なんてことを言われていた。最近は流行にのって塩マッサージまではじめ、さらに肌はツルツル。疲れがたまると出現していた唯一のトラブル、鼻ニキビもできなくなり、快適な毎日を送っている。
ツルツル肌のCHAGEと違い、いまいち肌に自信がないのがASKA。高校の頃、ニキビを片っ端からつぶしていたために肌がデコボコになってしまった。ニキビをつぶすと肌がデコボコになるよと人から注意を受けていたにもかかわらず、自分だけはならないと都合よく思っていたのが失敗のもとであった。一時期よりはデコボコも治まり、だいぶきれいな肌を取り戻したものの、やはり若気の至りと後悔することしばしば。しかし、顔と違ってボディーは異常にツルツルのASKA。シルクのようなツルツルスベスベの肌触りが自慢である。が、なかなかボディーをさらす機会もない。相棒が肌を褒められている横で、つい「おれだって!」と洋服を脱ぎ捨てたい衝動にかられるのだった。

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最終更新:2025年06月23日 22:18