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ムードメーカー【明朗快活的】

どこの世界も同じだと思うが、団体生活を強いられると、とかくストレスがたまりがちになる。そんなとき必要なのが、場をパッと明るくしてくれるムードメーカーの存在である。C&Aチームの場合もしかりで、団体行動をする場合、自然とその人選にムードメーカーが入っている。最近では、ツアー中のムードメーカーがベースの恵美氏だった。あの屈託のない笑顔と、ポロッと言うギャグのひとことが、どんなにみんなを明るい気持ちにさせたことであろう。MULTI MAXのツアーでも、オンステージでは巧みなプレイを、オフステージでは大きな笑いを期待したい。

ムーンライトブルース【思い出】

『ムーンライトブルース』は、名曲として古くから多くの人に愛されている楽曲である。みなさんの心の中に様々な思い出があるとは思うが、実はCHAGEにもこの楽曲に関しては忘れられない思い出がある。あれは『ムーンライトブルース』をリリースして間もない頃だった。ツアーである地方を訪れたとき、ステージを終え、CHAGEはバンドのメンバーとともに小さなスナックに行った。そこにいたのは茶髪、細眉、網サン(網サンダル)の見るからにヤンキーちっくな女性だった。彼女はカウンターに座り、CHAGE達を気にも止めずにひとりでしみじみと飲んでいた。そして何を思いついたのか、彼女は突然マイクを持ち、「私、この歌好きなのよね」とひとりごちた後、『ムーンライトブルース』を歌いはじめた。
悦に入って歌う彼女を見ていたCHAGEは、彼女の身に何があったのか、すぐに察しがついた。しかし、声をかけたら最後。何か恐ろしい展開になってしまいそうな気がして、彼らは早々にその場から退散した。CHAGEは『ムーンライトブルース』を聴くと、今でもあのときのスナックの情景が浮かんでくるのだった。
この手の話はASKAにもある。やはり『ムーンライトブルース』をリリースした直後のことだった。六本木で仲間と飲んでいたとき、当時アイドルだったある女性シンガーから「私、この歌すごく好きなの」とウルウルした目でリクエストされた。歌えばきっと泣かれる。泣かれたら場がしらける。そう思ったASKAは断固として歌うことを拒否した。
『ムーンライトブルース』は名曲だけど、何かに巻き込まれそうな、一種の恐ろしさを秘めた楽曲と言えるのかもしれない。

無縁【なんじゃそりゃ】

身近なスタッフがよく口にするけど、それがいったいどんなものなのか想像もできないものがCHAGEやASKAにはたくさんある。例えば『伝票整理』。これがどういうふうな手順でどう行なわれているのか、彼らには知る由もない。またよく耳にするけど、どんな意味をもつ書類なのか、未だに理解できないのが『稟議書』。スタッフが制作する稟議書があってこその活動であったとしても、その字すら想像できない。これらの事務系用語は、CHAGEやASKAにとっては間違いなく無縁なものなのであった。
余談だが、わからないながらも、CHAGEはスタッフの見よう見まねで稟議書を制作したことがある。パソコンを紛失し、音楽活動に支障をきたすと考えたCHAGEは、稟議書を制作してパソコン代を会社に請求してみたのだ。しかし、書類上の不備で稟議書はそのまま突っ返された。詞がボツったときよりもショックだったらしいが、会社っていうのはそういうもんさ。

昔の人【嫌いな言葉】

常に"今"を走っているCHAGEとASKAは、デビュー当時から「"昔の人"になりたくない」と言い続けてきた。同じような言葉で"懐かしい人"っていうのもある。これも絶対に許せない言葉だ。どんなに年齢を重ねても、彼らが現在のような姿勢で音楽活動をしている限り、決してそうは言われないことだろう。

ムチムチ【丸みを帯びた体】

男性が好む女性のタイプは様々だが、ある程度ふっくらしている女性のほうが魅力的だと思っているのがASKA。
しかしCHAGEは、ムチムチが嫌いである。よく人からそう言われるからである。
「CHAGEさん、ムチムチしてますねって言われるのがいちばん傷つくんだよ。太ってるって思ったら、はっきりとそう言え!」
誰に怒っているのか知らないが、CHAGEは今、レコーディング太りの"ムチムチCHAGE"を返上するためにダイエットを決行中である。ツアーのときは、見違えるほどスリムになったCHAGEがお目見えすることだろう。

村上啓介【リアリティーなんよ】

MULTI MAX始動とともにクローズアップされる人である。生粋のミュージシャンでありギタリストである彼は、最近ますますその世界を究めつつある。とにかくギターを持たせると、彼の脳は音譜以外を一切受け付けなくなる。MTVアンプラグドライブのリハーサル中などは、大事な録音があるというのに、勝手にチューニングをはじめて、アレンジャーのジェスを怒らせた。また、ASKAとともにギターを買いに行ったときなどは、ASKAを待たせ、店中のギターを1本残らずチューニングしてしまったというエピソードもある。音楽の神様がついているのだろうか、それとも音楽の悪魔がついているのだろうか。どちらにしても、常にリアルな音楽を追求している彼は、CHAGEやASKAが尊敬してやまないミュージシャンでもある。MULTI MAXのステージでは、ギターを持って輝く彼の姿を、存分に鑑賞できることだろう。

村田マネージャー【昔つむじと呼ばれていたらしい】

C&Aのマネージャーになって2年の彼である。様々な経験を経て、マネージャーとして大きく成長した彼は、現在、MULTI MAXのレコーディング制作及びステージ制作を一手にまかされ、マネージャーの枠を大きく越えた業務をこなしている。本誌『ローディー日記』から読み取れる、まさきちに対する横暴な態度から、ファンの人の間では怖いマネージャーとして定着してしまっているが、本当の彼はアーティスト思いで現場スタッフ思いの、心やさしい男。実際、彼のやさしさに救われているスタッフは多い。今後も中野プロデューサーを仰ぎながら、弱気を助け強気をくじく、任侠の世界を追求してもらいたいもんである。でも、だからといってチンピラ系ファッションがいいとは言ってないからね。

無理矢理【ぐいぐい】

すべてが1本の流れに沿って行なわれているように思えるC&Aの活動だが、実はその流れを無理矢理作っているようなところがあるのも事実である。突然の発想や思いつきであっても、強引にそれまでの流れに組み込み、あたかも最初から決められていたかのように見せる。これはスタッフの手腕によるところが大きいが、なんにせよ「大きい声で言ったが勝ち」。発想と大声に関しちゃ誰にも引けを取らないナベさんを筆頭に、これからも全員で大声を出しながら、スムースな活動を展開していくはずだ。ああうるさそう。

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百科 1996年
最終更新:2025年06月23日 22:24