オージーボール【どこへ行った】
オージーボールとは、オーストラリアのフットボールのことである。
ルールはフットボールと変わりないのだが、大男が体をぶつけ合う様は格闘技に近い迫力があり、オーストラリアの国技として現地では熱狂的な人気があった。
そしてあれは7年前。オージーボールを日本でも流行らせようという動きがあり、選手をオーストラリアから呼んで試合を行ったり、テレビでプロモーションをかけたりして、一時期盛り上がりを見せていた。テーマ曲を歌うのは我らがCHAGE&ASKA。ふたりはオーストラリアから招待を受け、現地で試合を観戦したり、人気チームの選手たちと食事をしたりして、オージーボールのプロモーションにひと役買っていたのだった。
でも、スポーツを流行らせるというのはそんなにたやすいものではなく、結局一時期話題になっただけで、後はパッタリ。今では「そんなものもあったよな」と思い出す程度である。
しかし、オージーボールは不発に終わったけれど、テーマ曲として作られた『ロマンシング・ヤード』はヒットしたし、今ではコンサートで欠かせない1曲となっているから、C&Aにとっては悪くない思い出となっている。
オーストラリア【恰好のロケ地】
オーストラリアはいいロケ地である。3年前と昨年の2度、C&Aは撮影でオーストラリアに出向いているが、毎回イメージに合ったロケ地に出会い、いい映像、スチールを押さえることができている。
「いい絵を撮りたかったらオーストラリア」。この言葉は撮影隊及びC&Aの合言葉にもなっているが、「プライベートでは絶対に行きたくない場所」ときっぱりとつけ加えることも忘れないふたり。「いいけど行きたくない」という矛盾した思いを湧き上がらせるオーストラリアは、C&Aにとって不思議な国のひとつなのである。
おいちゃん、おばちゃん【なごむなぁ】
おいちゃん、おばちゃんと言われてピンとくる人は、わりと年齢のいっている人か邦画をよく見ている人たちである。
言わずと知れた映画『フーテンの寅さん』シリーズ。葛飾柴又を舞台に、下町特有の人情味あふれる邦画の傑作である。渥美清演じる寅ちゃんのキャラクターは広く親しまれ、寅さんを見るたびにCHAGEをダブらせるのは今やASKAばかりではなくなっている。
寅さん以外の出演者のキャラクターもこの映画のポイントであるが、なかでもASKAが特に愛するのは寅ちゃんの叔父、叔母である「おいちゃん、おばちゃん」。旅先で困った人がいると、つい「葛飾柴又に気のいいおいちゃんとおばちゃんがいるから、訪ねて行きな」と言ってしまいたくなる。
おいちゃん、おばちゃん。なんてノスタルジックでなおかつ心温まる言葉なんだろう。
ちなみにCHAGEは寅さん関係の話題は極度に避けたがるので、この項に関してのCHAGEのコメントは取れなかった。
大沢さん【愛すべき不調和男】
コンサートの音作りに欠かせないスタッフ、大沢さん。彼はC&Aにとってふたりめのエンジニアである。
彼はリズムを全面的に押し出したロックスタイルのサウンドが得意で、C&Aのステージの音が大きく変わったと言われるのは、彼の仕事によるところが大きい。
ルックス的にいって繊細そうだが、バッグを喫茶店に忘れてずっと気がつかないなどのおっちょこちょいな一面もある。またゴルフが得意で、ゴルフ部のコンペでの優勝回数も多いが、同時に恒例奴隷制度の奴隷にもなって、優勝者なのにみんなのビールをついで回ったりもする。
このように人間的に今いち調和がとれていないのだが、音の調和はすごいから誰も彼に文句は言わない。
お菓子【ついつい手がのびて】
日頃滅多にお菓子を口にしないCHAGEとASKA。ツアー中もお菓子のいただきものはすごいのだが、結局あまり食べることなく、事務所の女子社員におすそ分けして喜んでもらっている。
でも、これがレコーディング中ともなると話は別。スタジオで考え事をしていると口寂しさから、ついつい手はお菓子に伸びて、とめどもなくバリバリボリボリペロペロ。レコーディング中はお菓子のクズが散乱して、まるで子どもがいるような状態になっている。
観察している限りでは、昼間はしょっぱい系、夜は甘いもの系と大きく分かれる。と言って、別にお菓子の差し入れを催促しているわけではないので、どうか気をつかうことのないようにお願いします。
オッチー井川【トランポ】
フルネームを井川滋という。彼はステージ機材を運ぶトランポスタッフ。大男で顔は怖く、すれ違う人はみな彼と目を合わすことはない。でも、実際は気はやさしくてナイーブで、今だにマクドナルドで注文できないというシャイな面もある。ゴルフがうまく、CHAGE憧れの「スコア100切り」なんてとっくの昔にクリアしている。
オッチーとはCHAGEが名付けた彼のニックネーム。その風貌が落武者に似ていることから名付けられ、今ではASKAまでもが彼を「オッチー」と呼んでいる。
大人【ファジーな言葉】
大人ってずるいと思っていたら、自分もずるい大人になっていた。なんてことはよく聞く話だが、CHAGEもASKAも決してずるい大人にはなっていない。子どもの頃の素直さを残したまま、スクスクと大人になったクチである。
ところで、いったいいつから大人は大人と言われるようになるのだろうか。
「大人のラインってなんだろう。セックスすると大人なの? キスしたら大人なの? 給料もらったら? 20歳を過ぎたら? 大人って、いつなるの?」
CHAGEはまるで昔の落合恵子みたいなことを言っているが、セックスしたってキスしたって給料もらったって20歳になったって、子どもは子どもであることも知っている。
「大人って、なんてファジーな言葉なんだろう…」
一生夢見てろ。
おもちゃ【なぜだっ】
ファンの方のプレゼントは、食べ物、衣類、雑貨など様々。いくらプレゼント慣れしているふたりでも、やはりプレゼントを開けるときの喜びは同じで、「これなんだろうな」とか言って包装紙を楽しそうに開けている姿は本当にかわいい。
さて、プレゼントを開け、品物を並べてみてわかることがある。それはCHAGEとASKAのプレゼント内容のあきらかなる違いである。ASKAは本、衣類など、わりと実用的なものが多いのだが、CHAGEの場合は圧倒的に多いのがおもちゃ。
「これを使ってどうしろっていうわけ?」
「おれってこういうイメージなの?」
CHAGEはおもちゃを手にしていつもブツブツ言っているのだが、ASKAはなんとなくプレゼントを贈ってくれるファンのみんなの気持ちがわかる。
ASKAもCHAGEを見ていて、ときどきなにかおもちゃを見ているような気になってくるからである。
蛇足だがCHAGEは「たまには大人のおもちゃを贈れ」と言っている。だからと言って、決して気を使うことのないように。ファンの方がCHAGEのために「大人のおもちゃ屋」に出入りしている姿を想像したくないので。
オリコン【音楽業界誌】
オリコン、それはオリジナルコンフィデンスのこと。業界向けに発行されている週刊誌で、週間のレコード売上げを順位づけして掲載している血も涙もない統計雑誌である。
左ページは1位から50位まで、右ページは51位から100位まで載っていて、新人アーティストは、まずはオリコンの左ページに自分の楽曲が初登場で掲載されることを目標とする。
C&Aも例外なく新人の頃は左ページを目標にしたもので、ラッキーなことに右ページに初登場曲が掲載されたことは未だかつてない。
現在では出す曲のほとんどが初登場1位を記録していて、C&Aは毎回事務所に「おりこう、おりこう(オリコン、オリコン)」(byCHAGE)と褒められている。
ただ、CHAGEはオリコンを見て一喜一憂、早見優(byCHAGE)する自分が悲しくもなったりして、それよりなによりラジオリクエストで1位をとるほうが嬉しいと思ったりもしている。
最終更新:2025年06月23日 22:14