140 名前: SS@黒百合 投稿日: 2008/07/10(木) 01:20:48.05 ID:QeRFBk20
昔々、あるところに一人の幼女がいました。
幼女には、名前がありませんでした。
正確には、その幼女にはたくさんの名前がありました。ありすぎました。
一例を挙げるなら、ネリーやらレナスにオウカ、クラン、ピケル……
挙げたら挙げるだけの名前を無数にもつ幼女は、真の意味で名前がありませんでした。
一例に挙げた名前も、本当の名前じゃありません。
名前のない幼女は、旅をしています。ずっと旅をしています。
何時から、旅をしているのか。旅の終わりは何なのか。それはもう覚えていません。
ただ、旅をする途中途中、お世話になった人や人じゃない者から、幼女は名前をもらいます。
結果的にそれが、無数の名前を持つ事につながったのです。
昔々、あるところに一人の幼女がいました。
幼女には、名前がありませんでした。
正確には、その幼女にはたくさんの名前がありました。ありすぎました。
一例を挙げるなら、ネリーやらレナスにオウカ、クラン、ピケル……
挙げたら挙げるだけの名前を無数にもつ幼女は、真の意味で名前がありませんでした。
一例に挙げた名前も、本当の名前じゃありません。
名前のない幼女は、旅をしています。ずっと旅をしています。
何時から、旅をしているのか。旅の終わりは何なのか。それはもう覚えていません。
ただ、旅をする途中途中、お世話になった人や人じゃない者から、幼女は名前をもらいます。
結果的にそれが、無数の名前を持つ事につながったのです。
でも、結局幼女の名前は無いままで、旅を続けます。
地球という狭い星を、延々と旅し続けています。旅の目的も旅の終わりもわかりません。
でも、幼女はいつか、多分。終わりが来るんだろうと思いながら旅をします。
極寒の大陸を徒歩で横断し、灼熱の砂漠を徒歩で横断し、海を横断し、ジャングルを横断し、世界を横断する。
幼女は、旅を続けます。何時から旅を始めたのか覚えていません。
だから、何で旅を始めたのか分かりません。でも、旅をして見つけないといけないと思ってます。
でも、その見つけるものが分かりません。だから、今も旅をしています。
何度も同じ場所を横断しつづけた幼女は、もう地球という星で行かなかった場所は無いと言う状態になってしまいました。
それでも、やっぱり幼女は旅をし続けます。
長い年月が経過したのか定かではないです。でも、地球と言う星をそういう状態になるまで旅したという事実は、
可也の年月の経過を想像させるでしょう。
141 名前: SS@黒百合 投稿日: 2008/07/10(木) 01:21:10.73 ID:QeRFBk20
その幼女は、遥か東方の国。幼女たちの祖が生まれた国を旅していました。
もちろん、何度も旅した場所です。多少地理が変わっていようとも、何度か旅をしたという経験がある幼女は、淡々と旅を続けます。
途中、幼女は、一人の倒れている人間と出会いました。
その人間は、倒れています。ギュッと拳を作りナニカを握っていました。
それにしても、その人間はやたらとボロボロです。喧嘩でもしたかのようにボロボロでした。
その人間は、傍らに幼女が立っている事に気づかないのか、呻く様にナニカをつぶやいています。
その呟く声の内容を聞いた、幼女は、ナニカ、今までに無いモノを感じました。
そして、幼女は、人間の顔を己に向けさせ、長い間呼吸と食事以外に使わなかった小さな口から言葉が漏れます。
地球という狭い星を、延々と旅し続けています。旅の目的も旅の終わりもわかりません。
でも、幼女はいつか、多分。終わりが来るんだろうと思いながら旅をします。
極寒の大陸を徒歩で横断し、灼熱の砂漠を徒歩で横断し、海を横断し、ジャングルを横断し、世界を横断する。
幼女は、旅を続けます。何時から旅を始めたのか覚えていません。
だから、何で旅を始めたのか分かりません。でも、旅をして見つけないといけないと思ってます。
でも、その見つけるものが分かりません。だから、今も旅をしています。
何度も同じ場所を横断しつづけた幼女は、もう地球という星で行かなかった場所は無いと言う状態になってしまいました。
それでも、やっぱり幼女は旅をし続けます。
長い年月が経過したのか定かではないです。でも、地球と言う星をそういう状態になるまで旅したという事実は、
可也の年月の経過を想像させるでしょう。
141 名前: SS@黒百合 投稿日: 2008/07/10(木) 01:21:10.73 ID:QeRFBk20
その幼女は、遥か東方の国。幼女たちの祖が生まれた国を旅していました。
もちろん、何度も旅した場所です。多少地理が変わっていようとも、何度か旅をしたという経験がある幼女は、淡々と旅を続けます。
途中、幼女は、一人の倒れている人間と出会いました。
その人間は、倒れています。ギュッと拳を作りナニカを握っていました。
それにしても、その人間はやたらとボロボロです。喧嘩でもしたかのようにボロボロでした。
その人間は、傍らに幼女が立っている事に気づかないのか、呻く様にナニカをつぶやいています。
その呟く声の内容を聞いた、幼女は、ナニカ、今までに無いモノを感じました。
そして、幼女は、人間の顔を己に向けさせ、長い間呼吸と食事以外に使わなかった小さな口から言葉が漏れます。
『九百八十円。税込みで私ヲ買え』
142 名前: SS@黒百合 投稿日: 2008/07/10(木) 01:23:53.02 ID:QeRFBk20
「と、言うわけで、私たち幼女は、九百八十円税込みで買われると言う事に、運命を感じています。
たとえ、高級な幼女達が、中古だの欠陥商品だのと蔑んでも、九百八十円税込みで買われる事は大変嬉しい事です。
まぁ蔑む幼女らの大半は、九百八十円税込みで購入される幼女への嫉妬なんですけどね」
142 名前: SS@黒百合 投稿日: 2008/07/10(木) 01:23:53.02 ID:QeRFBk20
「と、言うわけで、私たち幼女は、九百八十円税込みで買われると言う事に、運命を感じています。
たとえ、高級な幼女達が、中古だの欠陥商品だのと蔑んでも、九百八十円税込みで買われる事は大変嬉しい事です。
まぁ蔑む幼女らの大半は、九百八十円税込みで購入される幼女への嫉妬なんですけどね」
そう得意げに言う幼女を見て、いろいろと突っ込みたいが、なんか得意げに話す幼女を見ているとまぁいいや。と思った。
『なんじゃ。■■■■。帰ってきておったか』
二階から降りてきた、片目を瞑ったままの幼女が、僕にそう言った後で、今しがた購入してきた幼女を見た。
『やれやれ。大事にせよ? ■■■■』
そう告げた後で、幼女は外へと出て行ってしまった。もう死んじまった爺さんからもらった古びれた外套を羽織って。
「ご主人さま。今の方は?」
僕の爺さんの幼女。でも、爺さんが若い頃からいたらしいから、結構な年齢だおともうけどなぁ……
「………旅する名も無い方?」
何それ。それより。幼女って何食べるの?
「人間と同じもの食べれます! でも、私ピーマン嫌いです!」
じゃ、ピーマンたっぷりのチンジャオロースね。
「うわぁあーん!!」
143 名前: SS@黒百合 投稿日: 2008/07/10(木) 01:24:18.94 ID:QeRFBk20
143 名前: SS@黒百合 投稿日: 2008/07/10(木) 01:24:18.94 ID:QeRFBk20
『ただいま』
「おかえり。孫たちは元気だった?」
『相変わらず元気じゃ。おぬしが死んだ後でもな』
「そりゃぁ、よかった」
『私としては、よくない。この力も大概使えんもんじゃな……』
「んーでも、いいじゃない。時間を渡れるんだから。いつでも僕に合いに来れば良いさ」
『ふっ……それもそうよな』
「そうさ。さてと……、今日は『 』の嫌いなピーマンの肉詰めでも食べようか」
『おぬしは、私の嫌がる事を率先してやる癖をどうにかせい』
「いやだよ~ん」
「おかえり。孫たちは元気だった?」
『相変わらず元気じゃ。おぬしが死んだ後でもな』
「そりゃぁ、よかった」
『私としては、よくない。この力も大概使えんもんじゃな……』
「んーでも、いいじゃない。時間を渡れるんだから。いつでも僕に合いに来れば良いさ」
『ふっ……それもそうよな』
「そうさ。さてと……、今日は『 』の嫌いなピーマンの肉詰めでも食べようか」
『おぬしは、私の嫌がる事を率先してやる癖をどうにかせい』
「いやだよ~ん」