629 名前: SS@怪物 [sage] 投稿日: 2008/03/30(日) 09:09:00.21 ID:blmwIQAO
犬幼女
犬幼女
クロは山頂までたどり着いた
その瞬間、広大な広場が視界に飛び込む
広場の真ん中ではたくさんの子供たちが走り回っている
その周りでは大人たちが花見を楽しんでいる
広場の周りは何十本もの満開の桜が子供たちを取り囲み、地面は綺麗に整備された芝生になっている
いつも裸足のクロにはこの芝生の感触が非常に心地よかった
その瞬間、広大な広場が視界に飛び込む
広場の真ん中ではたくさんの子供たちが走り回っている
その周りでは大人たちが花見を楽しんでいる
広場の周りは何十本もの満開の桜が子供たちを取り囲み、地面は綺麗に整備された芝生になっている
いつも裸足のクロにはこの芝生の感触が非常に心地よかった
クロ「わぅん♪」
クロは広場を縦横無尽に走り回った
クロ「~~~♪♪♪」
肌に当たる風が気持ちいい
クロは広場をぐるぐると周回する
お花見をしている人たちの前をクロは次々と横切る
クロは広場をぐるぐると周回する
お花見をしている人たちの前をクロは次々と横切る
クロ「~~♪…………!………?」
走り回るクロの目に、遠くでキラリと光るものが見えた
クロはそれに近付いてみる
クロはそれに近付いてみる
怪男「シロ。………………俺と結婚してくれ」
白「……………はい!」
白「……………はい!」
どうやら光って見えたのは指輪だったようだ
一人の男性が幼女に指輪をプレゼントしている
一人の男性が幼女に指輪をプレゼントしている
クロ「………ふぇ~……………」
クロは男と幼女のすぐ目の前まで近付き、指輪を凝視している
………ダイヤに限らず、このような輝く物を見るのはクロは初めてだった
指輪を持った男は自分のすぐ横にいる幼女にようやく気付いた
………ダイヤに限らず、このような輝く物を見るのはクロは初めてだった
指輪を持った男は自分のすぐ横にいる幼女にようやく気付いた
怪男「ちょ………何だお前………」
クロ「にゃう!」
怪男「あっ!?」
クロ「にゃう!」
怪男「あっ!?」
クロはいきなり男の持っていた指輪を取り上げる!
怪男「か……返せお前ーーー!!」
クロ「がぅ~~~♪♪」
クロ「がぅ~~~♪♪」
クロは男の指輪を握りしめたまま逃げ出した………!
630 名前: SS@怪物 [sage] 投稿日: 2008/03/30(日) 09:10:19.25 ID:blmwIQAO
犬幼女
630 名前: SS@怪物 [sage] 投稿日: 2008/03/30(日) 09:10:19.25 ID:blmwIQAO
犬幼女
白「た……大変なことになりました………」
怪男「あんの野郎……!取っ捕まえてしばいてやる!」
白「か……可哀相ですよ男さん………」
怪男「ちょっと待ってろ、すぐに捕まてくるから!」
怪男「あんの野郎……!取っ捕まえてしばいてやる!」
白「か……可哀相ですよ男さん………」
怪男「ちょっと待ってろ、すぐに捕まてくるから!」
クロ「がーーぅーーー」
怪男「あ……あいつ………速ぇぇ!!」
クロは広場を逃げ回る
………逃げ回ると言ってもクロには罪の意識など無いので、男とは鬼ごっこをしているような感覚でしかない
だからそこに油断が生じたわけで…………
………逃げ回ると言ってもクロには罪の意識など無いので、男とは鬼ごっこをしているような感覚でしかない
だからそこに油断が生じたわけで…………
クロ「がうッ!!?」
突然クロは足を引っかけられ、芝生の上に転げ回った
同時に、握りしめていた指輪も落とす
同時に、握りしめていた指輪も落とす
クロ「……………??」
クロには一瞬、自分に何が起こったのか分からなかった
目の前に落ちていた指輪を誰かが拾いあげ、男に返した
目の前に落ちていた指輪を誰かが拾いあげ、男に返した
男「すまん、ありがとうな」
X3「いや、いいって」
X3「いや、いいって」
うつぶせに倒れたクロが顔を上げるとそこには幼女がいた
黒髪で短髪。男の子に見えなくもないその幼女
クロの第一印象は「怖そう」だった
黒髪で短髪。男の子に見えなくもないその幼女
クロの第一印象は「怖そう」だった
X3「ちょっとこいつ説教してくる」
そのままクロは幼女に引っ張られ、林の中へ消えてゆくのだった…………
632 名前: SS@怪物 [sage] 投稿日: 2008/03/30(日) 09:52:14.61 ID:blmwIQAO
犬幼女
犬幼女
X3「おっ前なあ!何考えてんだよ!」
林の奥から怒声が響く
X3「幼女ならあれがどういう状況か分かるだろ!」
クロ「……………ぅー」
クロ「……………ぅー」
クロは何を言われているのかさっぱり分からなかったが、自分が指輪を取ったことで叱られているというのは分かっていた
X3「お前、飼い主は?そいつにもガツンと言ってやる!」
クロ「………むー…………」
X3「おい、なんか言えよ!」
クロ「………………」
X3「なんか……言えよ………。周りから見たらあたしがいじめてるみたいじゃないか…………」
クロ「………むー…………」
X3「おい、なんか言えよ!」
クロ「………………」
X3「なんか……言えよ………。周りから見たらあたしがいじめてるみたいじゃないか…………」
急に小声になってしまう幼女
クロ「あぅー…………」
X3「………なぁ、もしかしてお前喋れなかったりとかする?」
クロ「………あー。パクパク」
X3「………なぁ、もしかしてお前喋れなかったりとかする?」
クロ「………あー。パクパク」
クロは口を開けて自分の意思を伝える
X3「そ、そうか。まあ、幼女もいろんなのがいるしな………。とりあえずあの二人に謝ってきな。頭下げるだけでいいから」
クロ「……………?」
X3「まさか言葉も分からんのか!?あたしが今まで言ってきたのは何だったんだよぉぉ!」
クロ「…………ナデナデ」
クロ「……………?」
X3「まさか言葉も分からんのか!?あたしが今まで言ってきたのは何だったんだよぉぉ!」
クロ「…………ナデナデ」
頭を抱えて落ち込む幼女をクロは撫でる
X3「い、いやお前のせいで落ち込んでるの!」
クロ「んー?」
X3「ほら、あたしもついていってやるから謝りに行こう」
クロ「むー………」
クロ「んー?」
X3「ほら、あたしもついていってやるから謝りに行こう」
クロ「むー………」
クロは手を引っ張られ、再び広場に戻っていった
633 名前: SS@怪物 [sage] 投稿日: 2008/03/30(日) 09:53:25.34 ID:blmwIQAO
犬幼女
633 名前: SS@怪物 [sage] 投稿日: 2008/03/30(日) 09:53:25.34 ID:blmwIQAO
犬幼女
X3「………男」
怪男「お、お前か。っと………。………………」
怪男「お、お前か。っと………。………………」
男は幼女の隣に立つクロを見ると険しい顔をする
クロ「あ………ぁぅぅ…………」
男の険しい顔があまりにも怖いので、クロはついおどおどしてしまう
クロ「ぁー………ぅー…………」
あたりをきょろきょろしながら落ち着かないクロを見て、幼女は小さく耳打ちした
X3「(さっき言った通りに言えばいいんだ。ごめんなさい、だよ。ごめんなさい)」
クロ「………ん………ん…………」
怪男「………………」
クロ「………ん………ん…………」
怪男「………………」
男がずっとこちらを睨んでくるのでクロは思わず泣き出しそうになる
白「…………そわそわ」
クロ「ぅぅ~………」
X3「(大丈夫、怒った顔してるけどあいつは優しい奴だから。ほら、ごめんなさい)」
クロ「あぅ………ご………ごめんなさい…………」
クロ「ぅぅ~………」
X3「(大丈夫、怒った顔してるけどあいつは優しい奴だから。ほら、ごめんなさい)」
クロ「あぅ………ご………ごめんなさい…………」
涙声になりながらクロは言葉を発した
………さらに幼女は頭も下げるように促す
………さらに幼女は頭も下げるように促す
X3「(こうやって頭を下げながら謝るんだ。ほら、やってみろ。ごめんなさい)」
クロ「ご………ごめんなさい。ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
クロ「ご………ごめんなさい。ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
クロは頭を下げながらごめんなさいを連呼した
怪男「も………もういいよ。………俺ももうそんなに怒ってないしさ。悪気はなかったんだろ?」
X3「ほら、もういいってよ。頭上げて大丈夫だよ」
クロ「……………グスン」
X3「……あ~あ。男が怖い顔するから幼女泣いちゃったあ。サイテー」
怪男「お、俺が悪いのか!?」
白「男さんのさっきの顔………怖かったです」
X3「まぁ、こいつも反省してるし、男が言った通り悪気はなかったんだ。これで仲直りな!」
白「男さん、仲直りのしるしに一緒にお弁当を食べませんか?」
X3「お、それはいいアイデアだ!ちょうど今から飯食うところだったしな!………男がシロにプロポーズするから先延ばしになったけど」
怪男「うるせい!ま、俺はいいけど………」
X3「ほら、もういいってよ。頭上げて大丈夫だよ」
クロ「……………グスン」
X3「……あ~あ。男が怖い顔するから幼女泣いちゃったあ。サイテー」
怪男「お、俺が悪いのか!?」
白「男さんのさっきの顔………怖かったです」
X3「まぁ、こいつも反省してるし、男が言った通り悪気はなかったんだ。これで仲直りな!」
白「男さん、仲直りのしるしに一緒にお弁当を食べませんか?」
X3「お、それはいいアイデアだ!ちょうど今から飯食うところだったしな!………男がシロにプロポーズするから先延ばしになったけど」
怪男「うるせい!ま、俺はいいけど………」
こうしてクロは男たちと一緒に弁当を食べさせてもらうことになった
634 名前: SS@怪物 [sage] 投稿日: 2008/03/30(日) 09:54:44.02 ID:blmwIQAO
犬幼女
634 名前: SS@怪物 [sage] 投稿日: 2008/03/30(日) 09:54:44.02 ID:blmwIQAO
犬幼女
X3「あんた食べすぎーー!!」
クロ「もぐもぐもぐもぐ」
白「あ、あはは………このペースじゃあすぐに弁当無くなっちゃいますね」
怪男「ちょっと待て!………俺が取っておいたタコさんウインナーは?リンゴのうさぎさんはどこだ!?」
クロ「もぐもぐもぐもぐ」
怪男「あーーー!!てめぇぇぇーーーー!!!」
「「あはははははは………」」
クロ「もぐもぐもぐもぐ」
白「あ、あはは………このペースじゃあすぐに弁当無くなっちゃいますね」
怪男「ちょっと待て!………俺が取っておいたタコさんウインナーは?リンゴのうさぎさんはどこだ!?」
クロ「もぐもぐもぐもぐ」
怪男「あーーー!!てめぇぇぇーーーー!!!」
「「あはははははは………」」
やがて昼食も終わり………
X3「ふぅ………食った食った」
怪男「俺は全然食えてないけどな!」
白「そんなにムスッとしなくてもいいじゃないですか。楽しかったんですし」
クロ「………けぷっ」
怪男「俺は全然食えてないけどな!」
白「そんなにムスッとしなくてもいいじゃないですか。楽しかったんですし」
クロ「………けぷっ」
食事が終わってからのクロの目線は、白髪の幼女が薬指に付けている先ほどの指輪にくぎづけだ
よほど気に入ったらしく、指輪に興味津々のクロに男は説明を始めた
よほど気に入ったらしく、指輪に興味津々のクロに男は説明を始めた
怪男「これは結婚指輪っていってな。好きな人にあげるものなんだ」
X3「まぁあんたは貰う方なんだけどな」
クロ「……………」
怪男「俺はこいつが好きだからあげたんだ。お前もいつか好きな人から貰えるさ」
クロ「…………好き?」
X3「まぁあんたは貰う方なんだけどな」
クロ「……………」
怪男「俺はこいつが好きだからあげたんだ。お前もいつか好きな人から貰えるさ」
クロ「…………好き?」
さっきから連呼されている「好き」という単語にようやくクロは反応を示した
635 名前: SS@怪物 [sage] 投稿日: 2008/03/30(日) 09:55:38.90 ID:blmwIQAO
犬幼女
635 名前: SS@怪物 [sage] 投稿日: 2008/03/30(日) 09:55:38.90 ID:blmwIQAO
犬幼女
怪男「あぁ、好きだ。俺は、こいつが、好き」
そう言って男は幼女に指輪をあげるジェスチャーをする
怪男「お前も、誰かから、貰える」
今度はクロに指輪をあげるジェスチャーをした
X3「ちなみに、あたしは、こいつが、嫌い」
怪男「痛っ!何で抓るんだよ!」
X3「シロとあたしの魅力は同等だろ。むしろあたしの方が上………。なんでこっちを選んだのかね…………見る目が無い男は嫌い」
男「馬鹿かお前は。シロとお前なんて月とスッポン。アリとキリギリス。ヘンゼルとグレーテルだ」
X3「訳分からん、くたばれ」
白「くすくすくす………」
怪男「痛っ!何で抓るんだよ!」
X3「シロとあたしの魅力は同等だろ。むしろあたしの方が上………。なんでこっちを選んだのかね…………見る目が無い男は嫌い」
男「馬鹿かお前は。シロとお前なんて月とスッポン。アリとキリギリス。ヘンゼルとグレーテルだ」
X3「訳分からん、くたばれ」
白「くすくすくす………」
クロ「………好き」
怪男達「「ん?」」
クロ「好き!」
怪男「え、いや…………あの?」
クロ「好き!」
X3「………もしかして………好きって言えば指輪が貰えると勘違いしちゃったんじゃ………」
怪男「…………マジ?」
クロ「好き!」
怪男「うわわわっ抱き着いてくるな!」
白「男さん…………」
怪男「あわわわシロ、そんな目で見るな!X3、こいつを離してくれ!!」
X3「食後の運動ってことで遊んでくるわ。んじゃ」
怪男「ぅおーーーーい!!」
クロ「好きぃ~~~……………」
636 名前: SS@怪物 [sage] 投稿日: 2008/03/30(日) 09:57:23.66 ID:blmwIQAO
犬幼女
クロ「好き!」
怪男「え、いや…………あの?」
クロ「好き!」
X3「………もしかして………好きって言えば指輪が貰えると勘違いしちゃったんじゃ………」
怪男「…………マジ?」
クロ「好き!」
怪男「うわわわっ抱き着いてくるな!」
白「男さん…………」
怪男「あわわわシロ、そんな目で見るな!X3、こいつを離してくれ!!」
X3「食後の運動ってことで遊んでくるわ。んじゃ」
怪男「ぅおーーーーい!!」
クロ「好きぃ~~~……………」
636 名前: SS@怪物 [sage] 投稿日: 2008/03/30(日) 09:57:23.66 ID:blmwIQAO
犬幼女
男「ハァ…ハァ……やっと山頂か………」
友「ぐええぇぇ~~」
男「吐くな」
友「ぐええぇぇ~~」
男「吐くな」
男たちの目の前ではクロが走り回って遊んでいた
男「お、クロがいた!お~いクローーー!」
クロも男が呼んでいるのに気付き、近寄ってくる
クロ「………がぅ~♪」
ピョン、と男に抱き着いたクロはペロペロと男の顔をなめ回す
男「あ~~クロ君。ちょっと降りてくれるかね。私今疲れてるんですが」
クロ「………好き」
男友「「!!!?」」
クロ「………好き」
男友「「!!!?」」
男と友は仰天する
男「お……お前どこでそんな言葉を………!?」
クロ「好きっ!」
友「うわぁぁぁ~~~とうとうクロが男に自分の意思を表明したぁぁぁぁぁぁ」
怪男「あ、その幼女のご主人ですか?」
クロ「好きっ!」
友「うわぁぁぁ~~~とうとうクロが男に自分の意思を表明したぁぁぁぁぁぁ」
怪男「あ、その幼女のご主人ですか?」
先ほどの三人がやって来た
男「そうですけど………」
X3「へぇ~こいつがご主人様かぁ~。ま、男よりはマシだな」
怪男「あ~その、一緒に飯を食わせてやったんですがね、ご迷惑だったでしょうか」
男「いえそんな。弁当とか用意してなかったので助かりました。そこの幼女とも遊んでくれていたみたいですし………ありがとうございます」
友「君かわいいねぇ~。ちょっとお兄さんと遊ばない?」
白「え?あ、あの………」
男「あぁすみません。この馬鹿は生まれてくる時に母親のお腹の中に理性というものを置き忘れてきたみたいなんで。近づかない方がいいです。あとエサも与えないでください」
友「えっ?俺の扱い酷くね?」
怪男「あはははは…………」
白「男さん。そろそろ」
怪男「あぁ。………あ、すみませんそろそろ俺たち帰りますね」
男「あ、はい。今日はクロをどうもありがとうございました」
637 名前: SS@怪物 [sage] 投稿日: 2008/03/30(日) 10:01:25.57 ID:blmwIQAO
犬幼女
X3「へぇ~こいつがご主人様かぁ~。ま、男よりはマシだな」
怪男「あ~その、一緒に飯を食わせてやったんですがね、ご迷惑だったでしょうか」
男「いえそんな。弁当とか用意してなかったので助かりました。そこの幼女とも遊んでくれていたみたいですし………ありがとうございます」
友「君かわいいねぇ~。ちょっとお兄さんと遊ばない?」
白「え?あ、あの………」
男「あぁすみません。この馬鹿は生まれてくる時に母親のお腹の中に理性というものを置き忘れてきたみたいなんで。近づかない方がいいです。あとエサも与えないでください」
友「えっ?俺の扱い酷くね?」
怪男「あはははは…………」
白「男さん。そろそろ」
怪男「あぁ。………あ、すみませんそろそろ俺たち帰りますね」
男「あ、はい。今日はクロをどうもありがとうございました」
637 名前: SS@怪物 [sage] 投稿日: 2008/03/30(日) 10:01:25.57 ID:blmwIQAO
犬幼女
X3「へぇ~君クロっていうんだ」
クロ「んぅ」
白「クロさんでしたか。私はシロって言います。名前似ていますね………」
クロ「ん………」
X3「シロな。こいつシロ。私はX3。まぁ私の名前は長いから覚えられないかもな」
クロ「んぅ」
白「クロさんでしたか。私はシロって言います。名前似ていますね………」
クロ「ん………」
X3「シロな。こいつシロ。私はX3。まぁ私の名前は長いから覚えられないかもな」
幼女は幼女と、大人は大人同士で話をしている
怪男「あなた達はこの辺にお住まいで?」
男「いや、ちょっとドライブがてら寄っただけです」
怪男「そうですか。俺たちの家は………ほら、そこから街が見下ろせるでしょう。あの辺…………あった、あの赤い屋根の家が俺たちの家です」
男「へぇ~。立派な家に住んでますね」
怪男「時間が空いていればいつでも寄ってください。今日は楽しかったですし、歓迎しますよ」
男「はぁ……考えておきます」
男「いや、ちょっとドライブがてら寄っただけです」
怪男「そうですか。俺たちの家は………ほら、そこから街が見下ろせるでしょう。あの辺…………あった、あの赤い屋根の家が俺たちの家です」
男「へぇ~。立派な家に住んでますね」
怪男「時間が空いていればいつでも寄ってください。今日は楽しかったですし、歓迎しますよ」
男「はぁ……考えておきます」
怪男「じゃあ、行くぞシロ」
白「はぁい」
X3「お、おいあたしは!?」
白「はぁい」
X3「お、おいあたしは!?」
クロ「がぅ~~………」
クロは心底寂しそうだ
白「これでお別れですねクロさん。また会える日を楽しみにしています」
X3「楽しかったぜ今日は。次に会う時はお前より速く走れるようになってやるからな!」
X3「楽しかったぜ今日は。次に会う時はお前より速く走れるようになってやるからな!」
二人の幼女はクロと握手を交わした
白「じゃあ………またね、クロさん」
去っていく彼女たちの姿をクロは見えなくなるまで見つめていた
638 名前: SS@怪物 [sage] 投稿日: 2008/03/30(日) 10:02:55.29 ID:blmwIQAO
犬幼女
犬幼女
友「さて………まだ時間はあるぜ?」
男「俺らはまだ遊んでないからな。よしクロ、鬼ごっこだ!」
クロ「がぅ!」
男「………と思ったけど俺は疲れてもう動けん」
友「俺もだ…………」
男「てか俺はお前に肩貸して登ったから疲れてるんだからな!?」
友「はいはい。じゃあお花見をしますか」
クロ「…………ん~?」
男「ごめんなクロ。こいつのせいで俺らは一緒に遊べそうにないや。そこで花見することにしたよ」
友「げえええぇぇ~~」
男「だから吐くなっつの。せっかくの景色がお前のゲロで台なしだ」
男「俺らはまだ遊んでないからな。よしクロ、鬼ごっこだ!」
クロ「がぅ!」
男「………と思ったけど俺は疲れてもう動けん」
友「俺もだ…………」
男「てか俺はお前に肩貸して登ったから疲れてるんだからな!?」
友「はいはい。じゃあお花見をしますか」
クロ「…………ん~?」
男「ごめんなクロ。こいつのせいで俺らは一緒に遊べそうにないや。そこで花見することにしたよ」
友「げえええぇぇ~~」
男「だから吐くなっつの。せっかくの景色がお前のゲロで台なしだ」
その後男たちはしばらくくつろいだあと下山した
下山中………
男「そういやクロが言葉喋れるようになったのもあの人が教えたからかな」
友「と言っても好きだけみたいだけどな」
男「さっきから耳元で好き好き囁くんだよ………」
クロ「好き………好き………」
友「男、ちょっとクロ貸してくれ」
友「と言っても好きだけみたいだけどな」
男「さっきから耳元で好き好き囁くんだよ………」
クロ「好き………好き………」
友「男、ちょっとクロ貸してくれ」
男はクロを友に渡す
クロ「好き………好き………」
友「………こいつ、俺にも言ってるぞ」
男「もしかして誰でもいいんじゃないのか?」
友「なんだ残念………(でも男だけが好きなわけじゃないみたいで安心したww)」
友「………こいつ、俺にも言ってるぞ」
男「もしかして誰でもいいんじゃないのか?」
友「なんだ残念………(でも男だけが好きなわけじゃないみたいで安心したww)」
907 名前: SS@怪物 [sage] 投稿日: 2008/04/07(月) 00:35:37.94 ID:DQrZhYAO
犬幼女
犬幼女
今日の男たちは昼食をドライブスルーで済ませた
友「なあ、最近俺らジャンクフードばかり食ってね?コンビニとかファミレスはもう飽きたぜ………」
男「じゃあ自炊してくれよ」
友「ん、おk」
男「やっぱヤメだ。お前に任すと何が起こるか分からん」
友「なんだよぅ酷いなぁ」
クロ「………スピー………スピー………」
男「こいつは食ったらすぐ寝やがって………」
男「じゃあ自炊してくれよ」
友「ん、おk」
男「やっぱヤメだ。お前に任すと何が起こるか分からん」
友「なんだよぅ酷いなぁ」
クロ「………スピー………スピー………」
男「こいつは食ったらすぐ寝やがって………」
今日はいつもより肌寒く、灰色の雲が空を覆っていた
天気予報では夕方から局地的に大雨になるらしい
天気予報では夕方から局地的に大雨になるらしい
友「雨降ってくる前にさっさと買い物済ましちゃおうぜ。この先の繁華街でいいんだろ?」
男「ああ」
男「ああ」
男たちは非常食や衣類などの日常品を買うため繁華街まで来ていた
ふと、友が前から疑問に思っていたことを口にした
ふと、友が前から疑問に思っていたことを口にした
友「なぁ、俺らこれからどうすんだ?ずっとこんな生活続けんの?」
男「俺がこれまで適当に車を走らせてたとでも思ったのけ?」
男「俺がこれまで適当に車を走らせてたとでも思ったのけ?」
友は男がどこに行こうとしているのか現在地から推測し、脳内のデータベースから思い当たる項目を探してみる
友「………あ、こっちの方に来るんならもしかして……………」
友が脳内で検索した結果、HITしたのは1件のみ
男の幼なじみの女の家だった
男の幼なじみの女の家だった
男「あいつにこれからの生活を保障してもらえる」
友「え、マジで?」
友「え、マジで?」
女は某大型幼女メーカーの社長令嬢だ
実家は巨大なお屋敷と数十人のお手伝いさんがおり、今まで何一つ不自由ない生活を送ってきた
実家は巨大なお屋敷と数十人のお手伝いさんがおり、今まで何一つ不自由ない生活を送ってきた
男「女からさぁ、頼まれたんだよ」
友「?………何を?」
友「?………何を?」
だが、不自由ない暮らしだからといって本人が幸せかどうかは別の話
男「こんな窮屈な家にはもういたくないから連れだしてほしいって」
友「………………」
908 名前: SS@怪物 [sage] 投稿日: 2008/04/07(月) 00:38:04.69 ID:DQrZhYAO
犬幼女
友「………………」
908 名前: SS@怪物 [sage] 投稿日: 2008/04/07(月) 00:38:04.69 ID:DQrZhYAO
犬幼女
男「もし連れだしてくれたならある物と引き換えにあなたたちの今後の生活は保障するって」
友「俺らが貧乏学生だと知ってて言ったのか!?」
男「それが3週間前の話」
友「…………へ?」
友「俺らが貧乏学生だと知ってて言ったのか!?」
男「それが3週間前の話」
友「…………へ?」
3週間前………?
友は3週間前の記憶を掘り起こす
友は3週間前の記憶を掘り起こす
男「俺らが幼女ショップを襲撃した次の日」
友「あぁ、なるほど。俺らのことは世間にはもうバレバレと………………ってそりゃマズくないか!?」
男「?……何で?」
友「だって俺らが幼女ショップ襲撃した犯人だってみんな知ってるってことじゃ」
男「そりゃ似顔絵が出てたからな。でも別に世間じゃそう騒がれてないよ」
友「へ?そうなのか?」
男「誰も殺さなかったし、この程度の強盗じゃ警察の捜査なんてすぐ終わっちゃうさ」
友「じゃあここまで逃げたならほぼ安心てこと?」
男「まぁ油断はできないけどな。女は馬鹿だからその辺をよく分からんまま俺らをゆすってるんだろ」
友「せこい奴だ」
男「悪い奴ではないけどな。でもまぁ女が金を出してくれるってんなら断る理由もないっしょ」
友「で、ある物とは?」
男「俺らが襲撃した幼女ショップな、女の親父さんのライバルメーカーだったんだよ」
友「うんうん」
男「そこではある新薬を開発してるらしくてな。それがどういう風に作られてるのか調べたいから見せてほしいらしいんだ」
友「あぁ、なるほど。俺らのことは世間にはもうバレバレと………………ってそりゃマズくないか!?」
男「?……何で?」
友「だって俺らが幼女ショップ襲撃した犯人だってみんな知ってるってことじゃ」
男「そりゃ似顔絵が出てたからな。でも別に世間じゃそう騒がれてないよ」
友「へ?そうなのか?」
男「誰も殺さなかったし、この程度の強盗じゃ警察の捜査なんてすぐ終わっちゃうさ」
友「じゃあここまで逃げたならほぼ安心てこと?」
男「まぁ油断はできないけどな。女は馬鹿だからその辺をよく分からんまま俺らをゆすってるんだろ」
友「せこい奴だ」
男「悪い奴ではないけどな。でもまぁ女が金を出してくれるってんなら断る理由もないっしょ」
友「で、ある物とは?」
男「俺らが襲撃した幼女ショップな、女の親父さんのライバルメーカーだったんだよ」
友「うんうん」
男「そこではある新薬を開発してるらしくてな。それがどういう風に作られてるのか調べたいから見せてほしいらしいんだ」
友はその頼みは女ではなく女の親父さんからの頼みだと直感する
男「その新薬の話はずっと前に女から聞いてたんだ。だから金盗むときに一緒にあったものがそれだとすぐわかった」
そう言うと男はバッグの中から小さなカプセルがたくさん入った子瓶を取り出す
友「それが新薬?」
男「うん」
友「飲んだら体が小さくなるとか………」
男「バーローwwwwww」
クロ「…………んう~………くぁ~~~あ」
男「うん」
友「飲んだら体が小さくなるとか………」
男「バーローwwwwww」
クロ「…………んう~………くぁ~~~あ」
後ろの席にいたクロが大きなあくびをしながら目を覚ました
男は急いでその子瓶を上着のポケットにしまう
909 名前: SS@怪物 [sage] 投稿日: 2008/04/07(月) 00:40:03.46 ID:DQrZhYAO
犬幼女
男は急いでその子瓶を上着のポケットにしまう
909 名前: SS@怪物 [sage] 投稿日: 2008/04/07(月) 00:40:03.46 ID:DQrZhYAO
犬幼女
クロ「………?」
クロはきょとんとした目で男を見る
男「クロには関係ない話だ。………そろそろ繁華街着くぞ。クロも来るか?」
男はクロのあごを撫でてはぐらかす
クロ「///」
友「男、俺にもやってくれ」
男「あはは。氏ねよ」
友「男、俺にもやってくれ」
男「あはは。氏ねよ」
男たちは繁華街に着いた
今日は休日なので人が多く賑わっている
今日は休日なので人が多く賑わっている
男「人ごみうぜぇ………」
友「見ろ、ゴミが人のようだ」
男「逆」
クロ「うー………むぅー………」
友「見ろ、ゴミが人のようだ」
男「逆」
クロ「うー………むぅー………」
トイレの時もそうだったが、クロは空気が悪かったり嫌な臭いのする場所を極端に嫌う
今のクロは非常に落ち着かない様子で男にぴったりとくっついていた
今のクロは非常に落ち着かない様子で男にぴったりとくっついていた
男「クロが嫌な顔するところ久しぶりに見たなー」
友「嫌なら車戻ってていいんだぞ?」
クロ「ぅー」
友「嫌なら車戻ってていいんだぞ?」
クロ「ぅー」
クロはいつまでも男から離れようとしないので一緒に連れていくことにした
男「しゃーねーなー。はぐれないように………はい、手」
男はクロと手を繋いで繁華街で買い物を初めた
910 名前: SS@怪物 [sage] 投稿日: 2008/04/07(月) 00:41:01.43 ID:DQrZhYAO
犬幼女
910 名前: SS@怪物 [sage] 投稿日: 2008/04/07(月) 00:41:01.43 ID:DQrZhYAO
犬幼女
男たちは非常食や服などを買った
クロは男たちの買い物に興味はなく随時退屈そうにしていたが、宝石店を見ると目を輝かせて男を引っ張った
そして「好き」と言いながら宝石やネックレスを指さすのだ
だが、さすがにそんなものを買う余裕のない男たちはすぐにその場から立ち去る
クロは男たちの買い物に興味はなく随時退屈そうにしていたが、宝石店を見ると目を輝かせて男を引っ張った
そして「好き」と言いながら宝石やネックレスを指さすのだ
だが、さすがにそんなものを買う余裕のない男たちはすぐにその場から立ち去る
クロ「むぅ……………」
男「そんながっかりすんな。女に会えば宝石ぐらい貰えるだろうよ。あいつ金持ちだから」
友「(色気より食い気のクロには似合わない気がするけどなぁ)」
男「そんながっかりすんな。女に会えば宝石ぐらい貰えるだろうよ。あいつ金持ちだから」
友「(色気より食い気のクロには似合わない気がするけどなぁ)」
そして男たちは2時間ほど買い物を楽しみ、時刻は4時前になろうとしていた
男「そろそろ帰るかぁ。雨も降ってきそうだし」
友「うむ。ところで何故俺が全部の荷物を持ってるんでござんしょ?」
男「俺はクロと手を繋いでるから荷物を持てないんだよ。な、クr………」
友「うむ。ところで何故俺が全部の荷物を持ってるんでござんしょ?」
男「俺はクロと手を繋いでるから荷物を持てないんだよ。な、クr………」
男は自分の右手を見た。何もない
今度は左手を見る。何もない
周囲を見回したが………先程まで手を握っていた幼女がどこにも居ない
今度は左手を見る。何もない
周囲を見回したが………先程まで手を握っていた幼女がどこにも居ない
男「お、おい。ク………クロがいないんだが…………!」
男は狼狽しながら言った
911 名前: SS@怪物 [sage] 投稿日: 2008/04/07(月) 00:41:31.52 ID:DQrZhYAO
犬幼女
911 名前: SS@怪物 [sage] 投稿日: 2008/04/07(月) 00:41:31.52 ID:DQrZhYAO
犬幼女
友「え、ちょwwマジ!?」
男たちはクロは先に車に戻っているかもしれないと考え、駐車場まで戻ってきた
だが、そこにもクロの姿はない
だが、そこにもクロの姿はない
友「いついなくなったんだ!?」
男「30分ぐらい前まではいた。………多分、どこかの人ごみの中ではぐれたんだと思う」
友「迷子か………。あいつは鼻がいいから向こうから俺らを嗅ぎ付けらんないかな」
男「あれだけの人ごみの中じゃあなかなか匂いは分からんと思うぜ」
友「でも車の位置ぐらいは記憶してるんじゃないか?」
男「………………」
男「30分ぐらい前まではいた。………多分、どこかの人ごみの中ではぐれたんだと思う」
友「迷子か………。あいつは鼻がいいから向こうから俺らを嗅ぎ付けらんないかな」
男「あれだけの人ごみの中じゃあなかなか匂いは分からんと思うぜ」
友「でも車の位置ぐらいは記憶してるんじゃないか?」
男「………………」
男は車に戻る前からずっと、クロが消えたある一つの可能性を考えていた
あまり考えたくはなかったのだが、その可能性はどうしても頭の中から追いやることができなかった
あまり考えたくはなかったのだが、その可能性はどうしても頭の中から追いやることができなかった
男「クロ………さらわれたかもしれない…………」
友「ふあ!?」
友「ふあ!?」
友は素っ頓狂な声を出して驚く
楽天的な友にはそういうことは考えつかなかったらしい
楽天的な友にはそういうことは考えつかなかったらしい
友「なんでそう言えるのさ!?」
男「いや、なんとなく…………。ほら、少し前まで幼女狩りとかいうのが流行ったろ?」
友「お、おいそれって………クロが殺されるかもしれないってことか!?」
男「………早く見つけよう」
男「いや、なんとなく…………。ほら、少し前まで幼女狩りとかいうのが流行ったろ?」
友「お、おいそれって………クロが殺されるかもしれないってことか!?」
男「………早く見つけよう」
男たちが商店街へ戻ろうとしたその時
「…………ーーー!」
男「………ん?」
「……ーーーー!」
男「友、なんか聞こえない?」
友「え?」
「がぅーーーーーー!」
男「………ん?」
「……ーーーー!」
男「友、なんか聞こえない?」
友「え?」
「がぅーーーーーー!」
男は声のする方を向く
そこでは、遥か遠くでクロが何者かに抱えられて人気のない小路へ消えていくのが見えた
そこでは、遥か遠くでクロが何者かに抱えられて人気のない小路へ消えていくのが見えた
男「いた!クロだ!!」
友「えっ!?どこ!?」
友「えっ!?どこ!?」
友の問いには答えず、男はクロが引き込まれた小路へ走りだす
男「(遠くからでよく見えなかったけど……間違いない!)」
912 名前: SS@怪物 [sage] 投稿日: 2008/04/07(月) 00:42:38.96 ID:DQrZhYAO
犬幼女
912 名前: SS@怪物 [sage] 投稿日: 2008/04/07(月) 00:42:38.96 ID:DQrZhYAO
犬幼女
男がその小路へ入ると、奥の方で黒いスーツに身を包んだ男がこちらを向いて立っていた
クロはその男にヘッドロックをかけられ、苦しそうにもがいている
クロはその男にヘッドロックをかけられ、苦しそうにもがいている
男「クロ!!」
クロ「がむーーー!んぐぅーーーー!!」
黒男「動くな!それ以上近づいたらこいつの首をへし折るぞ!」
クロ「ぅぐっ………!」
男「くっ………」
クロ「がむーーー!んぐぅーーーー!!」
黒男「動くな!それ以上近づいたらこいつの首をへし折るぞ!」
クロ「ぅぐっ………!」
男「くっ………」
男と目の前の相手との距離は5mほど離れている
………人通りの少ないこの道では助けも期待できない
男は、ここは黙って相手に従うのが賢明と考え、その場に立ち止まった
………人通りの少ないこの道では助けも期待できない
男は、ここは黙って相手に従うのが賢明と考え、その場に立ち止まった
友「男!」
少し遅れて友も路地裏にやってきた
友「あ、クロ!てめぇ離しやが……」
黒服の男につかみ掛かろうとする友を、男は手で静止させた
友もすぐに今の状況を把握して立ち止まる
友もすぐに今の状況を把握して立ち止まる
しばらくの沈黙の後、黒服の男が静寂を破った
黒男「…………男と友で間違いないな」
細い目つきのその男は、篭ったような低い声で言う
友「………なんで俺たちの名前知ってんの?どっかでお会いしましたっけ?」
黒男「テレビで公開されたお前たちの似顔絵で顔は把握している」
男「あぁあれか。あんな似顔絵を一般人が記憶してるとは思わなかった。…………もしかして一般人じゃないとか?」
黒男「テレビで公開されたお前たちの似顔絵で顔は把握している」
男「あぁあれか。あんな似顔絵を一般人が記憶してるとは思わなかった。…………もしかして一般人じゃないとか?」
黒服の男は答えなかった
913 名前: SS@怪物 [sage] 投稿日: 2008/04/07(月) 00:43:30.67 ID:DQrZhYAO
犬幼女
913 名前: SS@怪物 [sage] 投稿日: 2008/04/07(月) 00:43:30.67 ID:DQrZhYAO
犬幼女
男「あんたが何者なのかはだいたい想像がつく。……で、何が望みなんです?」
黒男「…………お前が幼女ショップから盗んだ薬を渡してもらおう。それでこの幼女は解放する」
男「薬を?………ははーん」
友「?どうしたんだ男?」
男「薬はここにあるよ。その前に一つ確認したいんだが………あんたは女の親父さんのライバル会社からの回し者で間違いないな?」
友「えっ!?」
黒男「……………」
男「極秘で開発していたこの薬を奪われたから取り戻しに来たんだろう?」
黒男「………そうだ」
男「でもこの薬を渡したとして。………この薬がどんな効果なのか知ってる俺たちはどうにかしなくていいのか?」
友「???」
黒男「その薬の効果を公表したところで。………実物、証拠を押さえられなければ世間は信用しないさ」
男「………まぁ確かに。だから女の親父さんの会社は何も言えないのか」
黒男「お前たちを始末しないのは、もちろん面倒事にしたくないというのもある。だが………どうしても渡さないというのなら力づくで奪わせてもらうぞ」
友「あ?やれるもんならやって…」
男「(しっ!友!)」
黒男「…………お前が幼女ショップから盗んだ薬を渡してもらおう。それでこの幼女は解放する」
男「薬を?………ははーん」
友「?どうしたんだ男?」
男「薬はここにあるよ。その前に一つ確認したいんだが………あんたは女の親父さんのライバル会社からの回し者で間違いないな?」
友「えっ!?」
黒男「……………」
男「極秘で開発していたこの薬を奪われたから取り戻しに来たんだろう?」
黒男「………そうだ」
男「でもこの薬を渡したとして。………この薬がどんな効果なのか知ってる俺たちはどうにかしなくていいのか?」
友「???」
黒男「その薬の効果を公表したところで。………実物、証拠を押さえられなければ世間は信用しないさ」
男「………まぁ確かに。だから女の親父さんの会社は何も言えないのか」
黒男「お前たちを始末しないのは、もちろん面倒事にしたくないというのもある。だが………どうしても渡さないというのなら力づくで奪わせてもらうぞ」
友「あ?やれるもんならやって…」
男「(しっ!友!)」
男は友に耳打ちする
友「(なんだよ……向こうは一人なんだから…………)」
男「(こういう時は必ず複数で動くもんなんだよ。俺たちをここで見つけたのは偶然だろうけど………すぐに襲ってきたということはそれなりの準備が出来てたってことだ)」
友「(えっじゃあ………)」
男「(もう後ろは塞がれてるぞ。このままじゃ挟み打ちにされる)」
男「(こういう時は必ず複数で動くもんなんだよ。俺たちをここで見つけたのは偶然だろうけど………すぐに襲ってきたということはそれなりの準備が出来てたってことだ)」
友「(えっじゃあ………)」
男「(もう後ろは塞がれてるぞ。このままじゃ挟み打ちにされる)」
男たちは後ろを振り向くことはしなかったが、感覚を研ぎ澄ますと確かに路地裏に何人かの人の気配を感じた
友「(この状況まずくね?どうすんだよ………)」
男「………………………」
914 名前: SS@怪物 [sage] 投稿日: 2008/04/07(月) 00:44:17.25 ID:DQrZhYAO
犬幼女
男「………………………」
914 名前: SS@怪物 [sage] 投稿日: 2008/04/07(月) 00:44:17.25 ID:DQrZhYAO
犬幼女
男は薬をゆっくりと差し出した
黒男「それを足元に置いて後ろに下がれ」
だが男は薬を渡す前にどうしても確認したいことがあった
男「女の話は半信半疑だからな………。友も知らないみたいだし、この際関係者のお前にはっきり聞いておきたい」
黒男「?」
友「?」
男「この薬の効果についてだ」
黒男「それを私が言う義務はあるのか?」
男「俺はだいたい知ってるからあんたは黙って俺の話を聞いてくれればいい」
黒男「………」
黒男「?」
友「?」
男「この薬の効果についてだ」
黒男「それを私が言う義務はあるのか?」
男「俺はだいたい知ってるからあんたは黙って俺の話を聞いてくれればいい」
黒男「………」
そう言うと男は薬について自分が知っていることを語り出した
男「友、よく聞いてろよ。この薬はな」
友「うん」
男「……幼女の身体に突然変異を起こす薬」
友「………突然変異?」
男「あぁ。なんかまだ実験段階で危険性が高いから公には発表されてないんだ」
友「突然変異って具体的にどんな?」
男「女が言うには………といってもこれも女の親父さんの話だろうけどよ。………実験でその薬を与えた幼女たちは、巨大化したり羽が生えたり手足が増えたりしたそうだ」
友「ちょ、その幼女たち可哀相じゃね?」
男「幼女は犬猫、モルモットと同じ扱いだからな。今でこそ幼女の人権みたいなのが認められてきたけど」
友「そんなアブない薬、何に使うのよ」
黒男「…………」
男「さあな。それは俺の知るところじゃないさ」
友「うん」
男「……幼女の身体に突然変異を起こす薬」
友「………突然変異?」
男「あぁ。なんかまだ実験段階で危険性が高いから公には発表されてないんだ」
友「突然変異って具体的にどんな?」
男「女が言うには………といってもこれも女の親父さんの話だろうけどよ。………実験でその薬を与えた幼女たちは、巨大化したり羽が生えたり手足が増えたりしたそうだ」
友「ちょ、その幼女たち可哀相じゃね?」
男「幼女は犬猫、モルモットと同じ扱いだからな。今でこそ幼女の人権みたいなのが認められてきたけど」
友「そんなアブない薬、何に使うのよ」
黒男「…………」
男「さあな。それは俺の知るところじゃないさ」
男は話をしている最中、ちらちらと黒服の男を伺った
どうやら、彼の反応で真偽を確かめているようだ
915 名前: SS@怪物 [sage] 投稿日: 2008/04/07(月) 00:44:46.64 ID:DQrZhYAO
犬幼女
どうやら、彼の反応で真偽を確かめているようだ
915 名前: SS@怪物 [sage] 投稿日: 2008/04/07(月) 00:44:46.64 ID:DQrZhYAO
犬幼女
男「なんか1年ほど前にどっかの研究所からこんな感じの薬がいろいろ見つかったらしい」
友「恐いなー」
男「そこは当時幼女狩りで話題になってた猟奇殺人犯どものアジトになってたそうだ」
黒男「……………」
男「昔はいろんな幼女がそこにいたらしいからその時開発された薬なんだろうな。で、その研究所は女の親父さんのライバル会社に買い取られたんだ」
友「なるへそ。女の親父さんはその薬が何なのか知る術が無いと」
男「ライバル会社側としてもその薬の改良に全力を注いでいて、どこにも情報を流したくないんだろう」
友「なるほど。だいたい読めてきたわ」
黒男「………………」
男「(こいつ、平静を装ってはいるが………やっぱり薬の効果は本当のことのようだ)」
黒男「………話は終わりか?」
男「(この薬は女に渡すはずだったが………いや、実際は女から親父さんに渡すつもりなんだろう)」
友「おい男」
男「(まぁ俺らにはこいつらの会社の経営戦略なんて関係ないし、どっちに味方する必要もないか………)」
黒男「はやくその薬を置け!」
友「恐いなー」
男「そこは当時幼女狩りで話題になってた猟奇殺人犯どものアジトになってたそうだ」
黒男「……………」
男「昔はいろんな幼女がそこにいたらしいからその時開発された薬なんだろうな。で、その研究所は女の親父さんのライバル会社に買い取られたんだ」
友「なるへそ。女の親父さんはその薬が何なのか知る術が無いと」
男「ライバル会社側としてもその薬の改良に全力を注いでいて、どこにも情報を流したくないんだろう」
友「なるほど。だいたい読めてきたわ」
黒男「………………」
男「(こいつ、平静を装ってはいるが………やっぱり薬の効果は本当のことのようだ)」
黒男「………話は終わりか?」
男「(この薬は女に渡すはずだったが………いや、実際は女から親父さんに渡すつもりなんだろう)」
友「おい男」
男「(まぁ俺らにはこいつらの会社の経営戦略なんて関係ないし、どっちに味方する必要もないか………)」
黒男「はやくその薬を置け!」
男は手に持っていた薬を足元に置く
男「(でも女に渡さないと金貰えないんだっけ………。あぁどうしようやっぱり渡さない方がいいのか!?)」
黒男「早くその場から下がれ!」
友「男!クロがどうなってもいいのか!?」
男「え、クロ………!?」
黒男「早くその場から下がれ!」
友「男!クロがどうなってもいいのか!?」
男「え、クロ………!?」
男ははっとしてクロを見る
さっきからやけに静かだと思っていた
なんでクロは騒がないんだ、と。男は今になってそれに気付く
さっきからやけに静かだと思っていた
なんでクロは騒がないんだ、と。男は今になってそれに気付く
友「あ………」
クロは首を落としてぐったりとしていた
黒服の男に首を締められ続けたためだ
………窒息してしまったのか!?
黒服の男に首を締められ続けたためだ
………窒息してしまったのか!?
男「お、おいクロ!!」
クロは返事をしない
916 名前: SS@怪物 [sage] 投稿日: 2008/04/07(月) 00:47:45.83 ID:DQrZhYAO
犬幼女
916 名前: SS@怪物 [sage] 投稿日: 2008/04/07(月) 00:47:45.83 ID:DQrZhYAO
犬幼女
黒服の男もクロがこうなることは予想外だったのか、動揺を隠せないでいる
友「おい………てめえ…………!」
男と友は怒りが爆発寸前だ
もしクロが死んでいたりでもしたら…………
黒服の男は身の危険を感じ、急いでクロの脈をはかった
もしクロが死んでいたりでもしたら…………
黒服の男は身の危険を感じ、急いでクロの脈をはかった
黒男「……………だ、大丈夫だ。意識を失っているだけだ…………」
男「本当か!?早くクロを離しやがれ!!」
黒男「………お前があと3歩下がったら、薬を引き換えにこの幼女を解放する」
男「本当か!?早くクロを離しやがれ!!」
黒男「………お前があと3歩下がったら、薬を引き換えにこの幼女を解放する」
まだ男たちと黒服の男との距離が近いようだ
僅かな差で何をされるか分からない
慎重なのはいいことだが………男たちはかえって苛立ちを募らせるばかりだった
僅かな差で何をされるか分からない
慎重なのはいいことだが………男たちはかえって苛立ちを募らせるばかりだった
1歩、2歩………
下がってる間もずっと、この男に逃げられるのではないか………そればかりを考えていた
下がってる間もずっと、この男に逃げられるのではないか………そればかりを考えていた
だが黒服の男が逃げることはなく、薬と引き換えにクロをその場に寝転がせた
男「クロ!!」
男たちはすぐにクロに駆け寄る
まだクロから離れていないので、黒服の男はさぞや驚いたことだろう
まだクロから離れていないので、黒服の男はさぞや驚いたことだろう
黒男「………っ!」
黒服の男は慌てて路地裏の奥へ駆けていった
男はクロを抱き上げる
男「おい、クロ!大丈夫か!?」
クロ「………………ん…………」
友「お、目を開いたぞ!」
男「よ………よかった……………本当に…………!」
クロ「んぅ……………」
クロ「………………ん…………」
友「お、目を開いたぞ!」
男「よ………よかった……………本当に…………!」
クロ「んぅ……………」
クロはゆっくりと身体を起こす
男「クロ、俺がわかるか?」
クロ「………ぅ……………お…………と………こ………………」
男「……え!?」
友「クロ、男の名前が分かるのか!?」
クロ「……………おとこ」
男「………まじかよ」
917 名前: SS@怪物 [sage] 投稿日: 2008/04/07(月) 00:51:13.37 ID:DQrZhYAO
犬幼女
クロ「………ぅ……………お…………と………こ………………」
男「……え!?」
友「クロ、男の名前が分かるのか!?」
クロ「……………おとこ」
男「………まじかよ」
917 名前: SS@怪物 [sage] 投稿日: 2008/04/07(月) 00:51:13.37 ID:DQrZhYAO
犬幼女
クロは言葉を学習しないまま育ったが………決して頭が悪いわけではない
放っておいても勝手に学習するし成長もする
幼女が成長しないのは身体だけだ
放っておいても勝手に学習するし成長もする
幼女が成長しないのは身体だけだ
友「じゃあクロ、俺の名前は?」
クロ「………………?」
男「さ、クロ。車へ行こうな~。自分で立てる?」
友「……フン、いいさ。どうせ俺なんて…………orz」
男「まぁ主人の名前ぐらい動物でも覚えられるからな!」
友「あ?誰が主人だコラ。クロのマスターは俺だろう」
男「お前最初に俺にクロの世話しろっていったの忘れたのかよww」
友「結局誰がご主人様なのかはクロに決めてもらうことだ!」
男「へぇ、いいぞ。じゃあクロ、お前のご主人様はどっちだ?」
クロ「…………おとこ」
友「ほら!俺を指さして言った!」
男「どっちだよwwややこしいなwwww」
クロ「…………がぅ」
男「あ、腹減ったのか?」
友「え、そんなこと分かるの?」
クロ「がぅ♪」
クロ「………………?」
男「さ、クロ。車へ行こうな~。自分で立てる?」
友「……フン、いいさ。どうせ俺なんて…………orz」
男「まぁ主人の名前ぐらい動物でも覚えられるからな!」
友「あ?誰が主人だコラ。クロのマスターは俺だろう」
男「お前最初に俺にクロの世話しろっていったの忘れたのかよww」
友「結局誰がご主人様なのかはクロに決めてもらうことだ!」
男「へぇ、いいぞ。じゃあクロ、お前のご主人様はどっちだ?」
クロ「…………おとこ」
友「ほら!俺を指さして言った!」
男「どっちだよwwややこしいなwwww」
クロ「…………がぅ」
男「あ、腹減ったのか?」
友「え、そんなこと分かるの?」
クロ「がぅ♪」
クロは男の肩に乗る
男「クロの気持ちも分かんないようじゃあ友もまだまだだなww」
友「くそっ………俺と男の違いは何なんだ……………」
男「顔」
友「言うな………」
男「心」
友「それはない………」
男「格」
友「よし、ちょっとこっち来いや」
友「くそっ………俺と男の違いは何なんだ……………」
男「顔」
友「言うな………」
男「心」
友「それはない………」
男「格」
友「よし、ちょっとこっち来いや」
その後、リアルに男と喧嘩した友はボディガードのクロに完敗するのであった
友「つ……つえぇ………。クロ………お前がNo.1だ……………ガクッ」
男「ボクシング経験者の友をなぎ倒すとは………クロ恐るべし」
クロ「がぅっ!」
男「ボクシング経験者の友をなぎ倒すとは………クロ恐るべし」
クロ「がぅっ!」
そんなやり取りを終え、雨も降ってきた頃に彼らは再び車を発進させた
目指すは女の大豪邸
ここからあと2日ほどで着く予定だ
ここからあと2日ほどで着く予定だ