240 名前: SS@ミク 投稿日: 2008/08/14(木) 16:20:28.68 ID:1h4WegAO
男「来ました」
女「呼びました」
男「呼ばれました」
女「元気だった?」
男「ええ?まあ、今日学校で会った程度に」
女「なるほど」
男「それで、用件は?」
女「用事が無いと呼んじゃだめかな」
男「いや、そんな」
女「強いて言えば、持て余してるの」
男「なんてことだ。身体を」
女「いや、この子を」
幼女「……」
男「なんてことだ」
男「来ました」
女「呼びました」
男「呼ばれました」
女「元気だった?」
男「ええ?まあ、今日学校で会った程度に」
女「なるほど」
男「それで、用件は?」
女「用事が無いと呼んじゃだめかな」
男「いや、そんな」
女「強いて言えば、持て余してるの」
男「なんてことだ。身体を」
女「いや、この子を」
幼女「……」
男「なんてことだ」
241 名前: SS@ミク 投稿日: 2008/08/14(木) 16:22:29.36 ID:1h4WegAO
男「この子どうしたの?」
幼「そこで知り合ったの」
女「話しかけたら、ついてきた」
男「君、家はどこ?」
幼「お家どこ?」
女「私はここ」
男「そうじゃなくて、お前さんに聞いてるの」
幼「聞かれてるよ?」
女「ああはい、なんでしょうか」
男「あーもうめんどくせーこの二人」
男「この子どうしたの?」
幼「そこで知り合ったの」
女「話しかけたら、ついてきた」
男「君、家はどこ?」
幼「お家どこ?」
女「私はここ」
男「そうじゃなくて、お前さんに聞いてるの」
幼「聞かれてるよ?」
女「ああはい、なんでしょうか」
男「あーもうめんどくせーこの二人」
242 名前: SS@ミク 投稿日: 2008/08/14(木) 16:24:41.13 ID:1h4WegAO
女「よしわかった。紛らわしいから、あの子をかなちゃんと呼ぼう」
男「…まあ、行動が早いのは良いことだと思うよ」
女「ありがとう」
男「名前の由来を聞いて良いかな」
女「え、だから『かな』なんだよ」
男「…俺の理解力が足りないんだろうけど」
女「本当に君はどうしようもないよね」
男「すみません」
幼女「この役立たずが」
男「仰せのとおりで」
女「洗ってない犬の臭いが…ごめんなさい少し遊び過ぎましたやめて痛い、痛いよぅ」
女「よしわかった。紛らわしいから、あの子をかなちゃんと呼ぼう」
男「…まあ、行動が早いのは良いことだと思うよ」
女「ありがとう」
男「名前の由来を聞いて良いかな」
女「え、だから『かな』なんだよ」
男「…俺の理解力が足りないんだろうけど」
女「本当に君はどうしようもないよね」
男「すみません」
幼女「この役立たずが」
男「仰せのとおりで」
女「洗ってない犬の臭いが…ごめんなさい少し遊び過ぎましたやめて痛い、痛いよぅ」
243 名前: SS@ミク 投稿日: 2008/08/14(木) 16:27:01.64 ID:1h4WegAO
女「気をとりなおして、いきましょう」
男「…名前の由来だったな」
女「だって、あの子は既に名前があるかもしれないでしょう?」
男「ああ、確かに」
女「だから、それまでの『仮名』なんだよ。かなちゃん。」
男「……」
女「……」
男「あぁ…なるほど」
女「ふふ」
男「今のはちょっと、お前を見直したよ」
女「そうでしょう。これは自信作」
男「てっきり『何も考えてないじょー』とでも言うかと」
女「なんだと!」
幼「おーい」
女「気をとりなおして、いきましょう」
男「…名前の由来だったな」
女「だって、あの子は既に名前があるかもしれないでしょう?」
男「ああ、確かに」
女「だから、それまでの『仮名』なんだよ。かなちゃん。」
男「……」
女「……」
男「あぁ…なるほど」
女「ふふ」
男「今のはちょっと、お前を見直したよ」
女「そうでしょう。これは自信作」
男「てっきり『何も考えてないじょー』とでも言うかと」
女「なんだと!」
幼「おーい」
244 名前: SS@ミク 投稿日: 2008/08/14(木) 16:28:20.48 ID:1h4WegAO
男「それはそうと、さっきからずっと抱っこしてるね」
女「うんなんか、かわいーなーって」
男「疲れない?」
女「いやむしろ、癒される。色々と」
男「色々と」
女「そう。君もやってみる?」
男「望むところだ。ほらおいでー」
幼「ほら、いっておいで」
女「え?わ、わーい」
男「いや君じゃなくて重い重い重い」
男「それはそうと、さっきからずっと抱っこしてるね」
女「うんなんか、かわいーなーって」
男「疲れない?」
女「いやむしろ、癒される。色々と」
男「色々と」
女「そう。君もやってみる?」
男「望むところだ。ほらおいでー」
幼「ほら、いっておいで」
女「え?わ、わーい」
男「いや君じゃなくて重い重い重い」
245 名前: SS@ミク 投稿日: 2008/08/14(木) 16:38:35.72 ID:1h4WegAO
男「時に、ここに980円あります」
女「うん」
男「他意はありません。ただ、980円です」
女「そうだね」
男「渡すつもりもありません。だって俺のだし」
女「まあ、そうだよね」
男「何者かの意志など知りません。これが俺流」
女「画一化へのアンチテーゼかな」
男「いや、それほどのことでもないけど」
女「そうか」
男「ただ一応登場はさせておくべきかなと思って」
女「なるほど」
男「あります、ここに、980円。」
女「そうだね」
男「はたして存在することで意味を持たぬものを、ここに『ある』と言い切れるのか」
女「…なんか分からないけど、私は今すごい辛いよ」
男「時に、ここに980円あります」
女「うん」
男「他意はありません。ただ、980円です」
女「そうだね」
男「渡すつもりもありません。だって俺のだし」
女「まあ、そうだよね」
男「何者かの意志など知りません。これが俺流」
女「画一化へのアンチテーゼかな」
男「いや、それほどのことでもないけど」
女「そうか」
男「ただ一応登場はさせておくべきかなと思って」
女「なるほど」
男「あります、ここに、980円。」
女「そうだね」
男「はたして存在することで意味を持たぬものを、ここに『ある』と言い切れるのか」
女「…なんか分からないけど、私は今すごい辛いよ」
246 名前: SS@ミク 投稿日: 2008/08/14(木) 16:40:32.58 ID:1h4WegAO
男「名前は?」
女「かなちゃん」
男「これからしばらくは?」
女「私とここで暮らす」
男「よしよし」
女「これ何の確認さ」
男「いや、もう俺の役目は終わりかなと」
女「ひょっとして、帰るつもり?」
男「ああ、もう暗くなってきたし」
女「面倒くさくなったから、逃げるんだ」
男「いやそういうわけじゃ」
女「私たちを置いてそのまま帰ろうなんて、そうは私が降ろさないよ」
男「お前忙しいな」
女「とにかく、もう少しここにいてよ」
男「お前がそう言うなら、別にいいけど」
女「せっかくだから、泊まっていけば」
男「いや、それは流石に遠慮する」
女「お願いだから」
男「おい落ち着け。クールにいこう、クールに。一体どういうわけだ?」
女「だって、ほら」
男「?…あいつ…」
女「私についてきたのも寂しかったんだよ、きっと」
男「……」
女「だから、ね…?」
男「…ああ、わかったよ」
男「名前は?」
女「かなちゃん」
男「これからしばらくは?」
女「私とここで暮らす」
男「よしよし」
女「これ何の確認さ」
男「いや、もう俺の役目は終わりかなと」
女「ひょっとして、帰るつもり?」
男「ああ、もう暗くなってきたし」
女「面倒くさくなったから、逃げるんだ」
男「いやそういうわけじゃ」
女「私たちを置いてそのまま帰ろうなんて、そうは私が降ろさないよ」
男「お前忙しいな」
女「とにかく、もう少しここにいてよ」
男「お前がそう言うなら、別にいいけど」
女「せっかくだから、泊まっていけば」
男「いや、それは流石に遠慮する」
女「お願いだから」
男「おい落ち着け。クールにいこう、クールに。一体どういうわけだ?」
女「だって、ほら」
男「?…あいつ…」
女「私についてきたのも寂しかったんだよ、きっと」
男「……」
女「だから、ね…?」
男「…ああ、わかったよ」
幼「…(にやにや)」
男「!」
男「!」
262 名前: SS@ミク 投稿日: 2008/08/23(土) 21:33:38.30 ID:ri15SkAO
男「大変なことに気付いてしまった」
男「大変なことに気付いてしまった」
女「なんだろう」
男「お前は女子高生だ」
女「そういう君は男子高生だね」
男「同級生が一つ屋根の下やん」
女「ああ、本当だ」
男「それなんてエロゲやん」
女「確かに」
男「兵どもが夢の跡やん」
女「それはよく分からない」
男「すっかり忘れていた」
女「そう改めて言われると、何だか恥ずかしいな」
男「どうしようなー」
女「どうしようねー」
263 名前: SS@ミク 投稿日: 2008/08/23(土) 21:35:31.37 ID:ri15SkAO
女「でも大丈夫、かなちゃんがいるから」
女「でも大丈夫、かなちゃんがいるから」
男「ああそうか」
幼「恐縮です」
女「それにほら、君と私じゃ…ね?」
男「ああ、確かに」
女「想像できないよね」
男「ロマンチックも何もないなー」
女「というか私は別に、君とは今の関係が良いからね」
男「そんなこと言っちゃうんだ」
女「言っちゃいますよ」
男「……」
女「…本当言うと、今のはかなり恥ずかしかった」
男「ですよねー」
264 名前: SS@ミク 投稿日: 2008/08/23(土) 22:08:16.56 ID:ri15SkAO
女「ところで、さっきから一つ気になってるんだけど」
女「ところで、さっきから一つ気になってるんだけど」
男「うん」
女「>>242で痛がってますけど、私」
男「確かに」
女「何されたんだろう、私」
男「別に教えても良いけど」
女「けど?」
男「聞いてから、やめとけば良かったーとか言わないこと」
女「…まさか、そういうことをされたわけ?本当に最低だな君は!」
男「最後まで聞けい、両肩を抱くな。別にそういう意味じゃない。けど」
女「けど?」
男「そんな些細なことが仇となって関係が気まずくなることって、あるよな」
女「え、ちょっと待って本当に不安になってきた」
幼「男女関係はいつも面倒ね」
男「いやまったく」
女「うわ何されたんだー私」
265 名前: SS@ミク 投稿日: 2008/08/23(土) 22:29:41.12 ID:ri15SkAO
女「ちょっと待って、本当に気になる」
女「ちょっと待って、本当に気になる」
男「俺は言っても構わないんだが」
女「いや、でもそのせいで君とギクシャクしちゃったら、寂しい」
男「あーその発言は普通に可愛いな」
女「でも目を背けるだけでは、解決にならない…」
男「まあ、そうかな」
女「よし、ばっちこい!」
男「…といっても別に、ただ髪の毛を引っ張っただけぶろッ!」
女「もう二度と口きくもんか!君なんか!」
266 名前: SS@ミク 投稿日: 2008/08/23(土) 23:01:24.33 ID:ri15SkAO
男「おーい、女さーん」
男「おーい、女さーん」
女「……」
男「悪かったよ、ふざけすぎた。反省してる」
女「……」
男「OK分かった、歩み寄ろう。望みは何だ?言ってみろ」
女「…ハーゲン二個。抹茶と、クッキー」
男「よしきた」
幼「プッチンプリン」
男「なんか釈然としないけど、よしきた」
幼「加えて、五分で帰ってこられなかったらもう一往復」
男「ちょっと待って。それが加わると、こっちはかなり」
女「採用」
男「いってきます!」
271 名前: SS@ミク 投稿日: 2008/08/27(水) 16:36:46.48 ID:sh3iWEAO
女「待ちですね」
女「待ちですね」
幼「ですね」
女「ところでこの近辺、思いのほかコンビニが少なくてね」
幼「…あ」
女「さすがに男くんでも、五分は無理だと思うな」
幼「あー…ごめんなさい」
女「はは。だから五分で無理でも、許してあげよう」
幼「はい」
女「まだかなー男くん」
幼「…ちょっと外見てこよう」
女「道わかる?」
幼「もちろん」
272 名前: SS@ミク 投稿日: 2008/08/27(水) 16:38:42.53 ID:sh3iWEAO
幼「…もちろん、分かるはずが無いと」
幼「…もちろん、分かるはずが無いと」
幼「…さて」
幼「どうしよう」
幼「知らない土地だし」
幼「下手に動けば迷子かな…」
幼「かといって今さら引き下がるわけにも」
幼「……」
幼「…とりあえず、迷子にならない程度に捜すか…」
幼「…めんどくさい」
273 名前: SS@ミク 投稿日: 2008/08/27(水) 16:42:42.22 ID:sh3iWEAO
幼「そもそも幼女を一人にするなんてのは」
幼「そもそも幼女を一人にするなんてのは」
幼「どう考えても迷子になるフラグ」
幼「保護者はそれを避けさせるべきなのに」
幼「無責任だよ、あの二人…」
幼「…ちくしょー」
幼「…見つけたら、一発叩こう」
274 名前: SS@ミク 投稿日: 2008/08/27(水) 16:49:02.97 ID:sh3iWEAO
~二分後~
~二分後~
幼「……」
幼「……」
幼「迷った」
幼「……」
幼「……」
幼「…くすん」
幼「……」
幼「…あ、ねこ」
幼「……」
幼「…にゃー」
275 名前: SS@ミク 投稿日: 2008/08/27(水) 16:54:29.47 ID:sh3iWEAO
幼「こっちおいでー」
幼「こっちおいでー」
猫「にゃーん」
幼「何もしないよ。怖がらなくていいにゃー」
猫「にゃーん」
幼「よしよしいい子だ。そしてふかふかだー」
猫「ごろごろ」
幼「はにゃーん、えへへ。お前も一人なのかにゃ?」
猫「いいえ妻と娘が」
幼「あ、そうでしたか…」
276 名前: SS@ミク 投稿日: 2008/08/27(水) 17:04:14.16 ID:sh3iWEAO
幼「良い毛並みですねー」さわさわ
猫「まじで?うれしい」
幼「ノミもいないようだし」
猫「飼い猫ですから」
幼「私も、似たようなものなのです」
猫「おやおや」
幼「あらあら」
猫「ところでさっき、にゃーとか言ってましたね」
幼「忘れてください!///」
男「何してんだ、君たち」
277 名前: SS@ミク 投稿日: 2008/08/27(水) 17:05:51.90 ID:sh3iWEAO
幼「あ…」
幼「あ…」
男「あーもしかして迎えに来てくれたのか」
猫「私は通りすがりのぬこです。あしからず」
男「こりゃどうも。悪いな、五分間に合わなんだわ。これ戦利品」
幼「プッチンプリンより…」
男「ん」
幼「…ガリガリくんが良かった」
男「そか。一緒に買いに行くか」
幼「うん」
猫「私はチーズかまを所望します」
男「しょーがないな、ほら行こう」
幼「…ん」
278 名前: SS@ミク 投稿日: 2008/08/27(水) 17:08:37.88 ID:sh3iWEAO
ガー
ガー
男「はいガリガリくん。今食う?」
幼「今食う」
男「そんで、お望みのチーズかまぼこだ」
猫「すみませんね、どうも」
男「いやいや、達者で暮らせよー」
猫「ええまあ。その点は、飼い猫ですから」
幼「……」
男「さあ、帰るか。女が待ってる」
幼「……」コクン
男「少し遅くなったからなー、怒ってないと良いけど」
幼「…あ、そだ」
男「どーした」
幼「ていっ」ポカ
男「いてっ!」
幼「とおっ」ポカ
男「いてっ!」
幼「やあっ」ポカ
男「痛いって!いきなり何をするのか、この幼女は」ぷにぷに
幼「やーん」
279 名前: SS@ミク 投稿日: 2008/08/27(水) 17:11:31.93 ID:sh3iWEAO
男「…というわけで、遅くなりました。」
男「…というわけで、遅くなりました。」
幼「ました」
女「さようでしたか」
男「ダッツも溶けかけてしましました」
幼「ました」
女「はは、もう良いよ。わざわざご苦労さま」
男「お前のそういうとこ、良いよな。大好きだ」
女「はは、ありがとう気持ち悪い出直せ」
男「…台無しだな」
女「本当にね」
男「兵どもが夢の跡だな」
女「それ最近覚えたの?」
幼「…くすくす」
女「あ、かなちゃんが笑った。はじめて見た」
男「本当だ、可愛いな」
女「このロリコンめ!」
男「お前本当は怒ってるだろ」
352 名前: SS@ミク 投稿日: 2008/09/10(水) 22:24:55.79 ID:apTZUUAO
幼「…くすくす」
男「そんで君はいつまで笑ってるんだ」
幼「ちがうよ、これ口で言ってるだけだよ。くすくす」
男「本当だ、分からなかった」
女「文面で見るもんだから」
幼「くすくす」
男「目が笑ってない」
幼「くすくす」
女「くすくす」
幼「くすくす」
男「やめろよ、なんかこえーよ」
353 名前: SS@ミク 投稿日: 2008/09/10(水) 22:29:37.45 ID:apTZUUAO
男「んー」
男「んー」
女「男君が、何やら真剣な顔でかなちゃんを見つめてます」
男「んー」
女「きっと幼児趣味に目覚めてしまったのでしょう。残念なことです」
男「いや、ちょっと」
女「ちょっと服を脱がせてみようかハァハァ、ですか」
幼「!」
男「うるさいよ。いや、こいつよく見たら結構汚れてるじゃないか」
女「あー、そうかな」
幼「『かな』」
男「風呂に入れた方が良いんじゃないか」
女「あ、なんだやはり服を脱がせるつもりじゃないか、このロリコンめ」
幼「!!」
男「どうしてそんなに俺をロリコンにしたがるんだよ」
354 名前: SS@ミク 投稿日: 2008/09/10(水) 22:46:44.41 ID:apTZUUAO
女「今入るのなら、沸かしてくるけど?」
男「あー、その方が良いか。ただ問題があるとすれば、お前もこんな時間に入ることになるってことだが」
女「ちょっ…え何、私も入るの?」
男「? そりゃそうだろう」
女「そんなことできるわけないでしょ、何言ってるのさ!」
男「はぁそっちこそ何言ってんだよ、お前がこいつを洗ってやるんだろうが」
女「へ? あ、ああ、そうだよね。あーびっくりした」
男「こっちの方がびっくりだよ。…というかお前、さっきは俺をそんな目で見れないとか」
女「うううるさーい!」
幼「先行ってるよー」
355 名前: SS@ミク 投稿日: 2008/09/10(水) 22:52:43.64 ID:apTZUUAO
~三十分後~
~三十分後~
女「…出ましたけど」
男「早かったな。あ、パジャマ?」
女「でないと、眠れないんだよ」
男「でも前、かけ違えてるよ」
女「ほんとだ」
男「ためらわずに直すんですね」
女「何か問題でも?」
男「いや別に。ただ今、少し見えた」
女「…そういうの、本人に言うなよー」
男「ごめん、気をつける」
女「…どこまで見た?」
男「どこまでって」
女「だからその…色とか」
男「ほほぅ」
女「あーもう、だから君は嫌いだ!」
男「顔赤らめて言われると、逆に萌えるわけだが」
女「あーもう!」
幼「(私、空気かな…)」
356 名前: SS@ミク 投稿日: 2008/09/10(水) 23:00:11.98 ID:apTZUUAO
男「おお悪い悪い。お前もきれいになったじゃないか」
幼「…///」
女「そうでしょー」
男「着せてるのはこれ、パーカー?」
女「私のだから、少し大きいけどね」
幼「ありがとう」
女「もちろん私は変態じゃないので、ちゃんとスパッツも貸してあげます」
男「それはそれで絶妙なチョイスだけども」
女「本当はまず最初に、短パンを貸しました」
男「ああそれでも良いんじゃないか?」
女「いやかなりぶかぶかで、だめでしたから…」
男「ああ」
女「へこんだ」
男「そうか」
女「泣く」
男「悪かったよ」
357 名前: SS@ミク 投稿日: 2008/09/10(水) 23:07:15.92 ID:apTZUUAO
男「えー…及ばずながら、一言言わせてもらうとだな」
男「……」
男「…お前は全然太くないと思うぞ。むしろ細いくらい」
男「……」
男「ここだけの話、お前に好感を持つ男子は少なくない。俺もその一人」
男「……」
男「…そろそろ、何か言ってくれよ」
女「正直引く」
男「張り倒すぞ」
幼「『俺もその一人』…」
358 名前: SS@ミク 投稿日: 2008/09/10(水) 23:08:23.15 ID:apTZUUAO
男「やー」ぷにぷにぷに
幼「やーん」イヤイヤイヤ
女「いじめちゃだめー!」
359 名前: SS@ミク 投稿日: 2008/09/10(水) 23:12:46.39 ID:apTZUUAO
男「んー?」
女「何やら男くんが、じっと私を見つめてくる」
男「……」
女「……」
幼「(…女、実は俺お前のことg)」
男「お前なんか、雰囲気変わってない?」
女「ん、もしかして眼鏡無いせいかな」
男「あーそうかも」
幼「……」
男「ん、どうかしたのかそんな顔して」
幼「つまんないなあ君たちは」
男「なんだいきなり失礼な」
360 名前: SS@ミク 投稿日: 2008/09/10(水) 23:19:43.28 ID:apTZUUAO
女「それより眼鏡ないとさ、やっぱり違和感ある?」
男「そんなにわからないよ」
女「学校でガリ勉女とか思われてないかなー」
男「それはない。と思う」
女「説得力の無い根拠なら叩くよ」
男「理不尽だな。お前のは、あまり強調されてないんだよ」
女「どーいうこと?」
男「なんつーか、素の顔見ても一瞬何が足りないのか分からない。
自然だから、あまり眼鏡に意識がいかない」
自然だから、あまり眼鏡に意識がいかない」
女「へぇ」
男「なにげに整った顔してるしな」
女「…ありがと」
男「そもそもお前、勉強できないし」
女「うるさいよ!」
男「結局叩くのかよ!」
361 名前: SS@ミク 投稿日: 2008/09/10(水) 23:23:16.94 ID:apTZUUAO
女「あれ、かなちゃんは」
男「さっきトイレに行っただろう。『つまんない』とか言って」
女「えーじゃあ何のための演技だよ今の」
男「奴ありきの見せ物かよ」
女「…恥ずかしいからごまかしてるんだよ。察しろよ」
男「お前かわええな」
女「本当に君はもう!」
629 名前: SS@ミク 投稿日: 2008/09/24(水) 22:27:38.57 ID:Z.5fIAAO
女「あの子がいないと、なんか膝の上が寂しいな」
男「あ、じゃあ俺でも乗せてみる?」
女「あはは、馬鹿。ばーか」
男「そろそろ俺も傷つくからな」
女「それはそうと、ちょっと大事な話があるんだけど」
男「馬鹿だから、わからんちーん」
女「お風呂場でのことなんだけどね」
男「詳しく聞こうか」
630 名前: SS@ミク 投稿日: 2008/09/24(水) 22:28:38.80 ID:Z.5fIAAO
女「さあおふろだー」
幼「おぉ…」ぺたぺた
女「いや、まず服を脱ごう」
幼「?」
女「ほら、万歳してごらん」
幼「こう?」
女「それすぽーん、すぽーん」
幼「すぽぽぽーん」
女「わしょーい」
幼「あははは」
631 名前: SS@ミク 投稿日: 2008/09/24(水) 22:29:50.67 ID:Z.5fIAAO
女「おやかなちゃん、なんだいその包帯は」
幼「これはその、黒龍」
女「ひぃ」
幼「うっ…また、封印が」
女「ひい、怖い!あーでもここ、おふろだから」
幼「なにかな(声色)」
女「包帯はとらないと」
幼「……」
女「お互い裸の付き合いで、ね?」
幼「…でも」
女「ん?」
幼「…これ取るとほら、逃げちゃうし。家も壊れちゃうし」
女「そっか。それは困るね」
幼「困る」
女「じゃあ特別に、許可しよう」
幼「うん」ホッ
632 名前: SS@ミク 投稿日: 2008/09/24(水) 22:31:48.44 ID:Z.5fIAAO
女「…ということがあったわけ」
男「まぁたしかに、どちらもそれなりに心配になる会話だ」
女「まじめな話だよ。それで、どう思う?」
男「つまり、見られたくないんだろう」
女「らしいね。それに、ちらっと見えたのよ。傷痕っぽいものが」
男「…腕って、どの辺り?」
女「肩の辺りかな」
男「自分でやるなら、手首だろう」
女「ということは、前の飼い主」
男「まあ、それが濃厚かな」
女「ひどい…」
男「とりあえず、今はまだスルーだ。お前は何も見なかった」
女「うん」
男「まあ、いざとなったら俺もいる。なんとかするよ」
女「……」
男「なんだよ、泣くなよー」
女「…別に泣いてらいよ」
男「そうか」
女「…くすん」
633 名前: SS@ミク 投稿日: 2008/09/24(水) 22:56:18.10 ID:Z.5fIAAO
女「…」
男「…」
女「…あー、だめだ!こんなの私らしくない」
男「別に、無理せんでも」
女「あそーれ!わっしょい!わっしょい!」
男「いや本当、無理するなよ」
女「ねえ、『俺は駄目人間です』って10回言ってよ」
男「何その精神的拷問」
女「なんだ、ノリの悪い人だなー」
男「…俺は駄目人間です」
女「やっぱ良いや、聞くに耐えない」
男「…」
女「…」
男「…おい、ピザって10回言えよ」
女「あーピザ食べたいなー」
男「やめとけよ太るぞ」
女「だまれピザ」
男「まだピザじゃねえよ!」
幼「ねえ私も混ざって良い?」
634 名前: SS@ミク 投稿日: 2008/09/24(水) 22:57:36.53 ID:Z.5fIAAO
女「ああ、おかえり!かなちゃん」がばっ
男「トイレから帰ってきただけだから、そいつ」
幼「…ぐるじぃ」
女「ずっとここにいて良いからね。ちゃんと愛されてるからね」
幼「え…」
男「…はいはい、錯乱はその辺でやめような」
女「あー」
男「それよりもう夕方だが、飯どうするんだ。親御さんは?」
女「今日は二人とも帰ってこない、言ってなかったっけ」
男「なんだと」
635 名前: SS@ミク 投稿日: 2008/09/24(水) 23:02:26.10 ID:Z.5fIAAO
男「して、夕食はいかがなさる」
女「私が作りなさるよ」
男「なんと、大丈夫でござるか」
女「大丈夫。料理するの、一年ぶりとかだけど」
男「え、大丈夫?」
女「何でそこは素で言うんだよ。大丈夫だから、君はかなちゃんを見ててよ」
男「お、なんか今の、夫婦みたいでしたね」
女「えー、そうかな?」
男「うんなんか今、ちょっと通じ合った感があった」
女「むー、あながち否定できないから質が悪い。それは良いから、ちゃんと見ててね」
男「まかせろ。…って、お前さん何をやっとるんだ」
幼「ちょっと、空気と同化してた」
男「楽しそうだな。…こうか?」
幼「全然だめ。もっと、こう」
男「なるほど。こうか?」
幼「そうそうそんな感じ」
女「何か知らないけど、面白いから写メに撮っておこう」
720 名前: SS@ミク 投稿日: 2008/10/01(水) 01:50:30.71 ID:8JhOecAO
男「待ちやね」
幼「待ちやね」
男「…」
幼「…」
男「なあ幼女よ、実はお前にいくつか聞きたいことが」
幼「どうぞどうぞ」
男「じゃあまず、一つつめ」
幼「お膝にのせて」
男「はい?」
幼「お膝に座って、お話する」
男「別に俺は良いけど、絵的にどうかな」
幼「女はずっと乗せててくれたのに」
男「いや、それに密着されたら話がしにくいだろう」
幼「見つめ合うと素直にお喋りできない」
男「サザンかお前は」
幼「だめー?」
男「まあ、確かにこんな正座で向き合ってんのも堅苦しいか」
幼「膝を貸せー」
男「はいはい」
721 名前: SS@ミク 投稿日: 2008/10/01(水) 01:53:52.43 ID:8JhOecAO
幼「…はー」
男「…どんな感じ?」
幼「まあまあかな」
男「ああ良かった」
幼「でもちょっとかたい」
男「まあ、そうだろうよ」
幼「女のが良い」
男「そんなん俺だってそうだ!」
幼「何の話?」
722 名前: SS@ミク 投稿日: 2008/10/01(水) 01:54:58.27 ID:8JhOecAO
男「なぁ」
幼「んー」
男「女のこと、どう思ってる?」
幼「んー、やらかい」
男「ほほう」
幼「あと、良い匂い」
男「なるほど」
幼「さっき抱きしめられた時は、やばかった」
男「お前ちょっとずるくない?」
幼「ふわふわで、気持ち良くて」
男「お前一日俺と代わらない?」
幼「すごく優しい匂いがするの」
男「あー…そうなんだよな。わかる」
幼「私あの人大好き」
男「そうなんだよな。わかる」
723 名前: SS@ミク 投稿日: 2008/10/01(水) 01:59:26.16 ID:8JhOecAO
男「女のことは良いから、お前のことだお前の」ぷにぷに
幼「なにが」いーやー
男「一体どこから来た?あと、飼い主は?」
幼「あーやっぱりそうきたか」
男「これからどうしてくつもりだ」
幼「できれば一緒にいたいけど、そうもいかないっぽい」
男「女はきっとお前にずっといてほしいと思ってるぞ」
幼「それは伝わってる、嫌になるくらい」
男「じゃあ、理由を聞いても良いかな」
幼「…」
男「ん?」
幼「頭をなでれー」
男「はいはい」
724 名前: SS@ミク 投稿日: 2008/10/01(水) 02:04:39.28 ID:8JhOecAO
男「ご加減はいかが?」なでなで
幼「んむぅ…」こてん
男「おいおい、寝るなよ」
幼「…」
男「おーい」
幼「人間は、優しいね」
男「む?」
幼「だからつい、仲良くなる」
男「人懐っこいやつめ」
幼「甘えたくなる」
男「だけどな、そういう人間ばかりでもないんだよ」
幼「よく知ってる」
男「む」
幼「だから、痛い目にも合った」
男「その…別に、詮索はしないからな」
幼「ありがとう。でも聞いてくれる?」
男「もちろんだ」
女「ご飯、できましたー」ガチャ
725 名前: SS@ミク 投稿日: 2008/10/01(水) 02:06:06.21 ID:8JhOecAO
男「お」
男「お」
幼「あ」
女「あれれ?ずいぶん仲良くなってるじゃん」
男「まーな」
女「うわ膝なんかに乗せちゃって、やらしー」
男「いやそれは、こいつから言い出して」
幼「うん。でも男の膝、女のと違ってかたいものが当たる」
男「誤解を招く言い方しないで」
女「うわっ…」
男「そんな目で見ないで。…いや待て、やっぱりもっと見て」
女「うわこいつやばい」
726 名前: SS@ミク 投稿日: 2008/10/01(水) 02:08:42.77 ID:8JhOecAO
女「そんなことは良いから。ご飯冷めちゃうよ」
男「いやしかし女さん、良く見るとやばいですね」
女「何?君の頭が?」
男「パジャマにエプロンはやばいっすよ。マニアック過ぎます」
女「やっぱり頭の方だった」
男「何気に髪とか結んじゃってるのが、またなんとも」
女「こうしないと、鍋に入りそうになるんだよ。豚汁じゃなくて、私汁になるよ」
男「え、むしろ望む所やん」
女「行こうか、かなちゃん」
幼「お腹へった」
![]() |
![]() |