551 名前: SS@黒百合 投稿日: 2008/09/18(木) 23:29:27.66 ID:qB0TyqA0
朝と夜のアネモネ
ディアーサと呼ばれる人々に仇なす存在が平然と存在する世界。
世界の名前は、もう忘れて久しく。神々が、違う世界に移り早数千億年。
悪魔と呼ばれる存在が、既に滅んだ世界。
ザァ・ログネイア<古代文明>の遺跡が多々存在するその世界で。
何時から居て、何処にいるかまったくわからない幼女と言う存在が、
一つの物語を生み出す。
世界の名前は、もう忘れて久しく。神々が、違う世界に移り早数千億年。
悪魔と呼ばれる存在が、既に滅んだ世界。
ザァ・ログネイア<古代文明>の遺跡が多々存在するその世界で。
何時から居て、何処にいるかまったくわからない幼女と言う存在が、
一つの物語を生み出す。
552 名前: SS@黒百合 投稿日: 2008/09/18(木) 23:30:05.76 ID:qB0TyqA0
大陸の中央に存在する巨大な街を一人の女と一匹の銀狼が、歩いていた。
女は、腰に一本の剣を差し、動きやすいライトアーマーを着こなし、
その歩き方から幾ばくかの戦いをこなして来た兵<つわもの>だとわかる。
そして、その女の隣を歩くのは、普通の狼よりも二回りは大きな狼。
どういう組み合わせなのか、通りすがる人々は巨大な銀狼に奇異の目をやる。
女は、腰に一本の剣を差し、動きやすいライトアーマーを着こなし、
その歩き方から幾ばくかの戦いをこなして来た兵<つわもの>だとわかる。
そして、その女の隣を歩くのは、普通の狼よりも二回りは大きな狼。
どういう組み合わせなのか、通りすがる人々は巨大な銀狼に奇異の目をやる。
女は、どう見てもビーストテイマーではなく、剣士。
なのに、どうしてこんなにも巨大な狼を従えているのか……皆目検討が付かないといった様子。
そんな人々の目など気にせず女と狼は歩き、露天商が集まる通りへと歩みを進める。
目だけで、露天商が売り出している品物を一瞥しながら進む女。
ふと、干し肉が目に入りそういえば、干し肉の貯蓄が少なくなってきていたな……と、
女は、その露天商の前でとまり、干し肉を購入。
なのに、どうしてこんなにも巨大な狼を従えているのか……皆目検討が付かないといった様子。
そんな人々の目など気にせず女と狼は歩き、露天商が集まる通りへと歩みを進める。
目だけで、露天商が売り出している品物を一瞥しながら進む女。
ふと、干し肉が目に入りそういえば、干し肉の貯蓄が少なくなってきていたな……と、
女は、その露天商の前でとまり、干し肉を購入。
「980ゴールドになりやす!」
言われたとおりに、980ゴールド支払い干し肉の束を受け取りそれを道具袋にほうりこむ。
干し肉自体安価であるので、980ゴールド分の量はそれなりのモノなのだが……
道具袋が膨らんだ様子は無い。
そして、再び女と狼は歩き出す。露天商通りをまた一瞥しながら通るのだが、めぼしい物無く。
そのまま通りを通り過ぎのだった。
干し肉自体安価であるので、980ゴールド分の量はそれなりのモノなのだが……
道具袋が膨らんだ様子は無い。
そして、再び女と狼は歩き出す。露天商通りをまた一瞥しながら通るのだが、めぼしい物無く。
そのまま通りを通り過ぎのだった。
露天商通りを通った後は、武具屋や薬屋などに立ち寄り、使えそうな防具や保持数が少なくなった薬の調達を行う。
それらが終わり、女と狼は街のギルドへと足を運ぶ。
ギルドで何らかの仕事を手に入れた後で、宿屋に行き眠る予定だったのだが……
ふと、狼が狭い路地に何かを見つけたのか、女の傍から離れてゆく。
それに気づき、慌てた様子も無くその後ろを歩く女。
それらが終わり、女と狼は街のギルドへと足を運ぶ。
ギルドで何らかの仕事を手に入れた後で、宿屋に行き眠る予定だったのだが……
ふと、狼が狭い路地に何かを見つけたのか、女の傍から離れてゆく。
それに気づき、慌てた様子も無くその後ろを歩く女。
狭い路地に居たのは、一人の少女。
少女の身なりは、酷く汚れており近づいてきた自分よりも巨大な狼におびえた表情を見せた。
少女の身なりは、酷く汚れており近づいてきた自分よりも巨大な狼におびえた表情を見せた。
553 名前: SS@黒百合 投稿日: 2008/09/18(木) 23:30:25.52 ID:qB0TyqA0
「貴方様。どうしたのです? 差し在らんと珍しくないですわ」
酷く汚れた少女を見やりながらにそう狼に告げる。
しかし、狼は何を思ったのか、逃げ出そうとした少女の服……とは到底いえない襤褸切れ……の襟首を噛み持ち上げる。
しかし、狼は何を思ったのか、逃げ出そうとした少女の服……とは到底いえない襤褸切れ……の襟首を噛み持ち上げる。
「? 貴方様。一体?」
首をかしげる女を他所に、狼はそのまま少女を己の背に乗せる。
少女は、驚きの表情を浮かべるだけだったが、狼が歩き始めるとギュッと狼の毛を掴んだ。
そんな狼の行動に、やはり首をかしげる女だったが……
狼が、小さく鳴くとため息を一つ付く。
少女は、驚きの表情を浮かべるだけだったが、狼が歩き始めるとギュッと狼の毛を掴んだ。
そんな狼の行動に、やはり首をかしげる女だったが……
狼が、小さく鳴くとため息を一つ付く。
「わかったですよ。ギルドは明日行きましょうですね」
宿屋に到着してまず行った事は、狼が連れてきた少女を綺麗にする事だった。
宿屋の女中に風呂を頼み、直ぐに少女を連れて行く女。
その間狼は、宿泊する部屋で一眠りと、部屋の真ん中で丸くなり眠り始めた。
半時もした頃、女が慌てて少女を抱きかかえて部屋の中に駆け込んできた。
宿屋の女中に風呂を頼み、直ぐに少女を連れて行く女。
その間狼は、宿泊する部屋で一眠りと、部屋の真ん中で丸くなり眠り始めた。
半時もした頃、女が慌てて少女を抱きかかえて部屋の中に駆け込んできた。
「貴方様! この子は!」
『オンッ!!』
『オンッ!!』
女が、言葉を最後まで言う前に狼は、一鳴きし女を静める。
「……呪韻あるですよ。この子」
とりあえず、少女に綺麗な服を着せ……と、行っても女の服のため結構な余りが存在するが……
554 名前: SS@黒百合 投稿日: 2008/09/18(木) 23:30:58.25 ID:qB0TyqA0
554 名前: SS@黒百合 投稿日: 2008/09/18(木) 23:30:58.25 ID:qB0TyqA0
「この子、なんですか? 呪韻があると言う事は、ディアーサ? でも、こんなディアーサ見た事ないですし」
女の問いに、狼は窓から見える空を一瞥するだけ。
それに、女は小さく頷いた。
それに、女は小さく頷いた。
太陽が沈み、夜が来る。
空は暗闇。星々が輝き。月が昇る。
部屋に居たはずの女の姿は無い。
変わりに一人の男が、部屋のベットに腰掛けていた。
空は暗闇。星々が輝き。月が昇る。
部屋に居たはずの女の姿は無い。
変わりに一人の男が、部屋のベットに腰掛けていた。
先ほど居た銀狼の代わりといわんばかりに、金の雌獅子が部屋の中央を陣取っている。
なにがどうなって、男が部屋に居て金の雌獅子が居るのかを見ていた少女は、驚いた表情を浮かべていた。
そんな少女の頭を一度撫でた後で、男は口を開く。
なにがどうなって、男が部屋に居て金の雌獅子が居るのかを見ていた少女は、驚いた表情を浮かべていた。
そんな少女の頭を一度撫でた後で、男は口を開く。
「この子は、ディアーサ。しかし、ディアーサで在らんと……」
その言葉は、金の雌獅子に聞かせる様に紡がれていた。
「ザァ・ログネイアが、栄えていた頃から存在するディアーサ。
人々の思いの塊。人々の願いの塊。それが、千変万化するディアーサ。
それが、この子幼女と呼ばれる存在。我らが、この子に出会ったのは偶然にして必然。
それに、我らは子が欲しいが、子を成せぬ」
人々の思いの塊。人々の願いの塊。それが、千変万化するディアーサ。
それが、この子幼女と呼ばれる存在。我らが、この子に出会ったのは偶然にして必然。
それに、我らは子が欲しいが、子を成せぬ」
男は、ベットから立ち上がり少女……もとい、幼女の前で膝を突き幼女の肩に手を置いた。
「貴は、我らと共に行くか? 貴は、まだ無色。我らと共にありて我らの色になるか?」
幼女は、男の顔をしばらく見た後で、小さく頷いた。
「ならば、貴に名前を与えよう。貴の名は……」
名をポツリと呟くように幼女に聞かせる。
その名を聞いて、幼女は、此処に連れてこられて初めて言葉を発した。
その名を聞いて、幼女は、此処に連れてこられて初めて言葉を発した。
「アネモネ・ライトダスト」
と。
555 名前: SS@黒百合 [sage] 投稿日: 2008/09/18(木) 23:33:47.75 ID:qB0TyqA0
補足説明とネタバレ
銀狼=男。名前は、アネモネ・ナイトダスト。夜の屑。
金の雌獅子=女。名前は、朝のアネモネ・モーニングダスト。朝の屑。
ディアーサ=魔物。
呪韻=ディアーサに共通して存在する韻。まぁ、体の何処にあるかはばらばら。
この世界の幼女。幻のディアーサ。でも、私の定義そのまま。
ザァ・ログネイア=古代文明。ぶっちゃけると滅んだ現代科学技術文明(2250年ぐらいの
金の雌獅子=女。名前は、朝のアネモネ・モーニングダスト。朝の屑。
ディアーサ=魔物。
呪韻=ディアーサに共通して存在する韻。まぁ、体の何処にあるかはばらばら。
この世界の幼女。幻のディアーサ。でも、私の定義そのまま。
ザァ・ログネイア=古代文明。ぶっちゃけると滅んだ現代科学技術文明(2250年ぐらいの
きっと、多分、続く。