俺が帰宅途中。夜飯にうどんでも食べようと思いうどん屋に足を運ぶ。
うどん屋に入った時、店員が怪訝な表情を浮かべた表情を浮かべた。
なんだ? 俺の何処かに変なモンでもあったか? と、思うが店員が見ているのはどうやら俺の後ろらしい。
つられて俺は後ろに視線を移すと……其処には、汚れた幼女が一人。
うどん屋に入った時、店員が怪訝な表情を浮かべた表情を浮かべた。
なんだ? 俺の何処かに変なモンでもあったか? と、思うが店員が見ているのはどうやら俺の後ろらしい。
つられて俺は後ろに視線を移すと……其処には、汚れた幼女が一人。
「お二人様ですか?」
店員は、義務的に答える。
さて、俺は一人で入るはずだったのだが……この汚れた幼女はなんなのか?
店員への答えを言う前に、俺は幼女をジッと見た。
幼女は、俺の目を同じようにジッと見る。瞳に浮かぶのは怯えと恐れ。
しばらく考えた後で俺は、店員に答えた。
さて、俺は一人で入るはずだったのだが……この汚れた幼女はなんなのか?
店員への答えを言う前に、俺は幼女をジッと見た。
幼女は、俺の目を同じようにジッと見る。瞳に浮かぶのは怯えと恐れ。
しばらく考えた後で俺は、店員に答えた。
「二人だ」
「此方へどうぞ~」
「此方へどうぞ~」
とりあえず、その幼女も連れて店に入る。
汚い姿と言うのもあってカウンターから大分遠い席だ。
俺と幼女は対面する様に座った。と言うか座らせた。
汚い姿と言うのもあってカウンターから大分遠い席だ。
俺と幼女は対面する様に座った。と言うか座らせた。
「さて、お前はなんだ?」
「………名前無い。幼女」
「………名前無い。幼女」
さて、困った。名前が無いらしい幼女は、ただ、簡素に自分が幼女だと答えた。
194 名前: SS@黒百合 投稿日: 2008/07/30(水) 20:28:13.55 ID:ITj2mlM0
「なんで、俺の後ろについてきた?」
「………お腹すいてた。何か食べ物ほしかった。でも、私お金ない」
194 名前: SS@黒百合 投稿日: 2008/07/30(水) 20:28:13.55 ID:ITj2mlM0
「なんで、俺の後ろについてきた?」
「………お腹すいてた。何か食べ物ほしかった。でも、私お金ない」
……まぁ、此処まで入れてしまったのだ、嫌ならさっさと突っぱねればよかったはずなのだ。
しょうがないので、俺はため息を一つ付いた後で、店員に月見うどんを二つ注文する。
俺のは、刻み葱を増量と大盛りを頼んだ。
うどんが来るまで、しばらくの時間がある。丁度良いのでこの幼女と話をして暇つぶしをする事にした。
しょうがないので、俺はため息を一つ付いた後で、店員に月見うどんを二つ注文する。
俺のは、刻み葱を増量と大盛りを頼んだ。
うどんが来るまで、しばらくの時間がある。丁度良いのでこの幼女と話をして暇つぶしをする事にした。
「お前一人か?」
「……私は、捨てられてしまった。名前も住処も何も無い」
「ふぅん……お前みたいな幼女は他にもいるのか?」
「いない。少なくとも、私は見てない。出会ってない……一人」
「……私は、捨てられてしまった。名前も住処も何も無い」
「ふぅん……お前みたいな幼女は他にもいるのか?」
「いない。少なくとも、私は見てない。出会ってない……一人」
へぇ~ふぅ~ん。と、なんともいえない会話を繰り返す事数分。
二人分の月見うどんがやってくる。うどんを前に固まる幼女。
そんな幼女に、食べれ。と、割り箸を渡した後で、自分の葱増量大盛りのうどんを食べ始める俺。
二人分の月見うどんがやってくる。うどんを前に固まる幼女。
そんな幼女に、食べれ。と、割り箸を渡した後で、自分の葱増量大盛りのうどんを食べ始める俺。
食べ終わるとまだ幼女が、うどんを食べていた。
なんか、コレが最後のまともな食事と言う感じがするのは気のせいだろうか。
やっと食べ終わった幼女。口端に刻み葱が引っ付いてて笑ってしまった。
195 名前: SS@黒百合 投稿日: 2008/07/30(水) 20:28:35.87 ID:ITj2mlM0
「合計九百八十円になりま~す」
なんか、コレが最後のまともな食事と言う感じがするのは気のせいだろうか。
やっと食べ終わった幼女。口端に刻み葱が引っ付いてて笑ってしまった。
195 名前: SS@黒百合 投稿日: 2008/07/30(水) 20:28:35.87 ID:ITj2mlM0
「合計九百八十円になりま~す」
千円札を一枚だして、二十円のおつりをもらう。
うどん屋を出た俺と幼女。さて、俺は帰路に着くか。
うどん屋を出た俺と幼女。さて、俺は帰路に着くか。
「私は……お返しするモノが無い」
忘れてた。うん。一瞬で幼女の事忘れてて、驚いた。
お返しってもなぁ……
お返しってもなぁ……
「んじゃ、俺と一緒に来るか? お返しなんてその後で考えてくれ。俺はさっさと帰って寝たい」
「……いいの?」
「別に一人暮らしだから……おお、そうだ。部屋の掃除でもしてくれ」
「……わかった」
「……いいの?」
「別に一人暮らしだから……おお、そうだ。部屋の掃除でもしてくれ」
「……わかった」
あらま。嬉しそうに笑み浮かべちゃって……
「あーそうだ。なら名前無いとめんどくさいな」
「………」
「月見うどんでいいか? 名前」
「……わかった」
「んじゃ、帰るか月見うどん」
「………」
「月見うどんでいいか? 名前」
「……わかった」
「んじゃ、帰るか月見うどん」
291 名前: SS@黒百合 投稿日: 2008/09/01(月) 20:25:16.23 ID:fZIFr/I0
月見うどんと野良幼女 続きっぽいヤツ
月見うどんと野良幼女 続きっぽいヤツ
俺が、ソイツとであったのは、俺が月見うどんと出会ってからたった二日経過した時だった。
丁度、月見うどんが、お隣さんに御呼ばれしてしまった為。
晩御飯を、外食にしてしまおうと考えた。
丁度、月見うどんが、お隣さんに御呼ばれしてしまった為。
晩御飯を、外食にしてしまおうと考えた。
そう、一度ある事は二度ある。ん? なんか違うな。
店員も二度目なのに、もう慣れたのか、俺の了承をとる以前に「お二人さまですね~」
0円スマイルを浮かべて、さっさと席に通されてしまった。
店員も二度目なのに、もう慣れたのか、俺の了承をとる以前に「お二人さまですね~」
0円スマイルを浮かべて、さっさと席に通されてしまった。
無論、俺の向かいに座っているのは、見たこともない幼女。
「で? お前の名前は?」
「ありませんよ? あ、元々無いんです。製造ナンバーは、一応覚えてますけど」
「あっそ……で? 金が無い上に腹減ったからついつい付いてきてしまったという展開でいいんだな?」
「え? は、はい」
「ありませんよ? あ、元々無いんです。製造ナンバーは、一応覚えてますけど」
「あっそ……で? 金が無い上に腹減ったからついつい付いてきてしまったという展開でいいんだな?」
「え? は、はい」
ため息。
「店員さん。テンプラうどん! 二つ!」
「テンプラうどん二つはいりまぁ~す!!」
「テンプラうどん二つはいりまぁ~す!!」
とりあえず、注文は済んだ。此処まで連れてきてしまった責任……
いや、まて、連れてきてないぞ。寧ろ付いてきが正解だ……
……まぁ、注文しちまったから良いか。
292 名前: SS@黒百合 投稿日: 2008/09/01(月) 20:25:37.37 ID:fZIFr/I0
「名前欲しいか?」
「え? はい。でも、名前を頂けると言う事は」
「いいよ。もう一人も二人も変わらん」
いや、まて、連れてきてないぞ。寧ろ付いてきが正解だ……
……まぁ、注文しちまったから良いか。
292 名前: SS@黒百合 投稿日: 2008/09/01(月) 20:25:37.37 ID:fZIFr/I0
「名前欲しいか?」
「え? はい。でも、名前を頂けると言う事は」
「いいよ。もう一人も二人も変わらん」
半分投げやりな俺。そんな俺を見て困惑する幼女。
「お前の名前な。天麩羅うどんでいいだろ?」
「……え、えっと……はい」
「ちなみに、家に居る幼女の名前は月見うどんだ。
お前と一緒のシュチュエーションで、後は以下略だ」
「へ、へぇ……」
「……え、えっと……はい」
「ちなみに、家に居る幼女の名前は月見うどんだ。
お前と一緒のシュチュエーションで、後は以下略だ」
「へ、へぇ……」
あれ? もしかして、私以外の……
などと、ブツブツ呟いているが聞こえない。
テンプラうどんはよ来い。腹へった。
などと、ブツブツ呟いているが聞こえない。
テンプラうどんはよ来い。腹へった。
その後は、普通にテンプラうどんが運ばれて二人で食べて……
会計が980円だった事に、笑って天麩羅うどんつれて帰宅。
何故か、お隣さんに御呼ばれした月見うどんが、玄関の前で体育座りしてた。
どうしたんだ? と、聞くと……
293 名前: SS@黒百合 投稿日: 2008/09/01(月) 20:25:57.16 ID:fZIFr/I0
「フラン。電子レンジ爆発させた……避難してきた」
会計が980円だった事に、笑って天麩羅うどんつれて帰宅。
何故か、お隣さんに御呼ばれした月見うどんが、玄関の前で体育座りしてた。
どうしたんだ? と、聞くと……
293 名前: SS@黒百合 投稿日: 2008/09/01(月) 20:25:57.16 ID:fZIFr/I0
「フラン。電子レンジ爆発させた……避難してきた」
フラン。その名前で、お隣さんの幼女を思い出す。
月見うどんと雰囲気が少々似た幼女で、行動パターンがよく分からない。
耶蛇(やた)さんをいろんな脅威から守る幼女としても家電製品ブレイカーとしても有名だ。
前に俺が貸したデジカメを壊されたのは記憶に新しい。
月見うどんと雰囲気が少々似た幼女で、行動パターンがよく分からない。
耶蛇(やた)さんをいろんな脅威から守る幼女としても家電製品ブレイカーとしても有名だ。
前に俺が貸したデジカメを壊されたのは記憶に新しい。
「阿座霞は、シゼルと、避難」
阿座霞と言うのは、耶蛇さんの友人の女性。風変わりな幼男と何時も一緒に居る。
少々男勝りな勝気な女性。
少々男勝りな勝気な女性。
「ご飯……食べてない……」
「わかった。みなまで言うな……うどん買い置きあったから、月見うどんつくっちゃる」
「わかった。みなまで言うな……うどん買い置きあったから、月見うどんつくっちゃる」
そういいながら、俺は家の鍵を開けた。
「そうそう。月見うどん。新しい幼女だ。名前は天麩羅うどん」
ここで、やっと天麩羅うどんの紹介。
月見うどんは、天麩羅うどんを見て少々目を見開いた。
月見うどんは、天麩羅うどんを見て少々目を見開いた。
「Tpu-03?」
「やっぱり。貴方は、Mceu-04ですね?」
「やっぱり。貴方は、Mceu-04ですね?」
よく分からんナンバーっぽい言葉に俺は首を傾げたがさっさと家に入ったのだった。
503 名前: SS@黒百合 投稿日: 2008/09/15(月) 07:20:23.42 ID:TbudWgc0
月見うどんと野良幼女。(もう野良じゃないけどなー!
月見うどんと野良幼女。(もう野良じゃないけどなー!
月見うどんと天麩羅うどんは、己の主人が床に突っ伏しているのを見てため息を付いた。
疲れた。と、一言残して床に突っ伏した主人。
ご飯は、まだか。と、催促してみれば主人は、電話をとり何処かに電話を居れ。
また、突っ伏した。
疲れた。と、一言残して床に突っ伏した主人。
ご飯は、まだか。と、催促してみれば主人は、電話をとり何処かに電話を居れ。
また、突っ伏した。
「まさか、榊原さんが、癌だったなんてなぁ」
突っ伏しながらにそう呟く主人。
榊原とは、あの蜩と名の付いた幼女の主人だ。
前に、一度だけあったことのある男性と幼女は、もう二度と会う事は無い。
何せ、彼らは死んでしまった。
榊原とは、あの蜩と名の付いた幼女の主人だ。
前に、一度だけあったことのある男性と幼女は、もう二度と会う事は無い。
何せ、彼らは死んでしまった。
「なぁ。お前ら」
主は、床に突っ伏したままに言葉を言う。
「お前らは、アレだ。消えるんじゃねぇぞ」
何でそんな事を言ったのかは、不明。
消えるわけがないじゃない。と、天麩羅うどんは言う。
消失する要因が無い。と、月見うどんは言う。
そして、突っ伏したままの主人の背中に腰を下ろす二人。
504 名前: SS@黒百合 投稿日: 2008/09/15(月) 07:20:53.49 ID:TbudWgc0
「俺の上に乗るな。重いっ!」
消えるわけがないじゃない。と、天麩羅うどんは言う。
消失する要因が無い。と、月見うどんは言う。
そして、突っ伏したままの主人の背中に腰を下ろす二人。
504 名前: SS@黒百合 投稿日: 2008/09/15(月) 07:20:53.49 ID:TbudWgc0
「俺の上に乗るな。重いっ!」
と、言いながらも主人たる男は、そのまま動こうとしない。
しばらくの間そんな形で居る三人。
インターフォンがなり、男は立ち上がる。そうすればおのずと月見うどんと天麩羅うどんは、男の背から移動する事となった。
しばらくの間そんな形で居る三人。
インターフォンがなり、男は立ち上がる。そうすればおのずと月見うどんと天麩羅うどんは、男の背から移動する事となった。
「出前。早いな……」
そう呟きながら、サイフを持って男は玄関に向かい、玄関の扉を開いた。
扉を開いた先に居たのは、出前でもなんでもなく……
扉を開いた先に居たのは、出前でもなんでもなく……
「は?」
男がそう呟いた瞬間。男の腹部に鋭い痛みが走った。
その痛みにつられて視線を移せば……其処には、ふかぶかと刺さった……安物のナイフ。
ナイフを差したのは、青年。青年は、男が持っていた財布を奪い取ると脱兎のごとくその場から走り去った。
その痛みにつられて視線を移せば……其処には、ふかぶかと刺さった……安物のナイフ。
ナイフを差したのは、青年。青年は、男が持っていた財布を奪い取ると脱兎のごとくその場から走り去った。
「!? ご、ご主人!? ご主人っ!?」
「!??!?」
「月見うどんっ!! 救急車!!! 救急車呼んで!!」
「んっ!!!」
「!??!?」
「月見うどんっ!! 救急車!!! 救急車呼んで!!」
「んっ!!!」
結果的にいうなら、男はそのまま病院に搬送され入院する事になった。
傷事態は、そんな深刻なモノではなく。重要な内蔵に損傷はなく、ちょっとした手術をしたぐらいのモノだった。
傷事態は、そんな深刻なモノではなく。重要な内蔵に損傷はなく、ちょっとした手術をしたぐらいのモノだった。
505 名前: SS@黒百合 投稿日: 2008/09/15(月) 07:21:17.41 ID:TbudWgc0
「やぁ。各務君。災難だったね」
「まったくですよ。世の中物騒になりすぎて困りまくる」
「やぁ。各務君。災難だったね」
「まったくですよ。世の中物騒になりすぎて困りまくる」
入院した男……各務の見舞いに訪れた耶蛇の言葉に、各務はそう軽い言葉で返した。
「それにしても、すみません。月見うどんと天麩羅うどんの面倒を見てもらって」
迷惑かけてすみません。と、頭を下げるのに対し
「んにゃ。ミス・フランも楽しそうだしね。迷惑じゃないよ」
と、笑って返す耶蛇。
「それにしても、犯人さっさと捕まりましたね」
「そうだねぇ。なんでもズタボロの状態で、派出所の前に放置されてたらしいよ」
「ズタボロ……いい気味だ。と、言えばいいんでしょうかね?」
「いいんじゃない? 君、ナイフで刺されたんだし」
「ですよね~」
「そうだねぇ。なんでもズタボロの状態で、派出所の前に放置されてたらしいよ」
「ズタボロ……いい気味だ。と、言えばいいんでしょうかね?」
「いいんじゃない? 君、ナイフで刺されたんだし」
「ですよね~」
「月見うどん。敵対象は、のんきに道を歩いてます」
「……了解……排除する」
「殺すのはダメですよ………九割殺しにして、一生動けないように……潰せ」
「………イェ・サー」
「……了解……排除する」
「殺すのはダメですよ………九割殺しにして、一生動けないように……潰せ」
「………イェ・サー」