ゆっくりと舞美ちゃんの小指を口に入れた。
窓の外から僅かに届く雨音が、私に錯覚させる。
世界中には舞美ちゃんと私の二人だけで、邪魔するものも、後ろめたいことも、何一つない。
こうして寄り添って朝を迎える度、私はひどく、そうひどくおかしな気分になる。
瞬間を切り取っただけの写真を眺め、思いを繋いだフリをする電波に頼るしかない。
繰り返し繰り返し、まやかしのコミュニケーションで心の中の水槽に安堵の水を注ぐだけ。
逢えない日が続く、続いたぶん、逢えた日は、おかしな自分に支配される。
そんな自分を認めるたび、目蓋を閉じてしまうほどの快楽が体の隅々を愛撫しだす。
舞美ちゃんの指先から発する体温が私の口内でにじむ。
いきが苦しい。
呼吸の仕方がわからなくなるほど、おかしな自分に支配されてしまった。
私は雨の音が消えるまで、舞美ちゃんの指先を咥え続けた。
少し開けた窓から入る涼しい風を感じて目を覚ました。
ぼんやりした視界。ゆっくり焦点が合いだす前に、右手の違和感に気が付く。
驚いて目を開けると、愛理が私の指を食べていた!
なんとゆうことだろう。愛理は寝ぼけているのだろか。気持ちが良さそうに目をつむっている。
それにしても、愛理が寝ぼけて私の指を食べるほど、食いしん坊だったなんて!
buonoにc-ute。お仕事そのものも、ハードな日々に違いない。
それだけでも凄いのに、勉強も、意識的に自分から学ぼうと努力してる。
きっと疲れているんだ。今日だって、スケジュールの合間を見つけて何とか二人で過ごした。
休みたい自分を抑えてまで、私と過ごしたいと言ってくれる愛理のことが、本当に可愛い。
おなかが空いているのかな。こっそり早起きして、トーストでも焼いてみようかな。
愛理はコーヒー飲むんだっけ?イチゴジャムとマーガリンはあったし、卵もあったはず。
なんだか楽しいなー!愛理が目を覚ますと、そこにはホテルのような朝食!いいね。うん。
最終更新:2010年11月01日 07:28