今日のお仕事は夕方から。
ちょっと早く着いたかも、と私は携帯の時計を見て思う。
きっとまだ誰も来ていないかもしれない。
そう思いながら私が楽屋の扉を開けると、中には制服姿の愛理が一人でちょこんと座っていた。
「愛理早いね」
「あ、舞美ちゃん」
私を見てふにゃっとしたあの笑みを浮かべながら駆け寄ってきてぎゅっと抱きついてくる。
包み込むように抱き返すと嬉しそうな声が漏れた。
学校の制服に身を包んでいる愛理も、やっぱり可愛いなぁ、とか言って。
「学校終わってそのまま来たら一番乗りしちゃった」
「お疲れさま」
すり寄るようにぎゅうっと抱きつく愛理が可愛くて仕方ない。
付き合い始めてから、彼女はずいぶんと甘えんぼさんになったと思う。
二人きりの時は必ずくっつきにくるしまるで赤ちゃんみたいに甘えてきたりすることもあって、それが可愛くて私はつい甘やかしてしまう。
今も、甘えんぼスイッチが入ったのかな。
普段よりふにゃふにゃした口調で「まいみたん」なんて私を呼んでくる。
こんな可愛い生き物、みんなには見せられないなぁ。
「なーに、あいちゃん」
「ちゅーして」
甘えんぼモードの愛理に制服姿で上目遣いでお願いされたら、逆らえるわけもなくて。
ちゅっと軽い触れるだけのキスをしてあげると「ね、もっとちゅー」とねだられる。
ここが楽屋じゃなかったらガーッとやってしまいたいけれど、ね。
抑えがきかなくなるといけないから再び触れるだけのキスを落とした。
「これからお仕事だし、また今度ね」
「んー」
「いいこだから、ね」
「…うん」
ちょっと扱いが大変だけど、その分、ううん、それ以上に愛しくてたまらない。
年々ふにゃふにゃしてきて舞ちゃんやなっきぃによく注意されてるけど、それでも仕事の時はちゃんとしてる。
歌ってる時なんて甘えんぼ愛理の面影もないくらいしっかりしてるし。
だからこそこうやって愛理が甘えてくれるのが嬉しくて仕方ないんだよね。
「舞美ちゃんだいすき」
ふにゃふにゃ笑っているこの甘えんぼさんを抱きしめながら、私も口元がにやけるのを止められなかった。
最終更新:2010年03月23日 23:20