舞美ちゃんから電話がかかってきたのは朝ごはんの途中のことだった。
とりあえず口の中のものを急いでお茶で流し込んで電話に出た。
「あいりぃ…ごめん…」
「へ?ど、どうしたの?」
「今日行けなくなっちゃった…」
何事かと思って詳しく聞いたら、どうやら今朝突然熱が出たらしい。
トイレ行くのも一苦労なくらい熱でフラフラなんだとか。
何回も何回も今日の予定のことを謝ってくれる舞美ちゃん。
今日は久しぶりのデートで確かにすごく楽しみにしてた。
ここのところオフが重ならなかったから余計に。
でも舞美ちゃんの体調のほうがもっと大事。
「もう謝らなくて大丈夫だから。ね?」
「でもぉ、愛理すっごい楽しみにしてて…」
「熱が出たのは舞美ちゃんのせいじゃないし、また今度行けばいいから。ね?」
「うー…」
「とにかく今日は舞美ちゃんのお見舞いに予定変更。ちょっとしたら行くから」
まだ申し訳なさそうにうーうー言ってる声を聞きながら電話を切った。
舞美ちゃんちに着いてピンポンを押したらお母さんが出迎えてくれた。
今日の予定ごめんなさいね、なんて本人プラスお母さんまで申し訳なさそうに謝ってくれた。
いえいえそんな、と恐縮しつつ舞美ちゃんの部屋へ向かう。
「舞美ちゃーん?」
「ぁいりぃ~…」
普段とは全然違う元気のない声が出迎えてくれた。
ベッドの上で舞美ちゃんがぐったりした顔でこっちに手を振ってる。
「ごめん。ほんとごめん」
「いいからいいから。それよりちゃんと熱測った?」
「ん。38度5分あったぁ」
熱のせいなのかな?
心なしか舌足らずで子供っぽくなってる気がする。
ちょっと苦しそうな舞美ちゃんには申し訳ないけどかわいいって思った。
舞美ちゃんはどうやらのどが渇いたらしくお水飲みたいとお願いされた。
ベッドサイドに置いてあるペットボトルを取って舞美ちゃんの体を起こそうとする。
「や、むり、起きれない…。飲ませてぇ…」
飲ませる?それって…。
寝てる人間にそのままペットボトルを傾けて飲ませるのは危険だし。
ベッドが濡れちゃうのも困るしね。
一番確実なのは口移し…?
頭で作戦を立ててたら舞美ちゃんにはやくーなんて催促された。
えぇい、口移しでいいや!
水を少し口に含んでゆっくり顔を近づける。
どうやって飲まされるかわかったのか、舞美ちゃんは薄く口を開けながら目を閉じた。
苦しくないようにゆっくりと水を流し込む。
ゴクンて飲み込む音をきっかけに唇を離す。
まだ足りないのか、もっとって催促をされた。
要望に従って何回も水を飲ませてあげる。
熱で潤んだ瞳、赤くなった顔、熱い体温。
熱で体調悪いってわかってるのにそんな舞美ちゃんの姿にそそられる自分がいる。
何回も口移しをしたせいか妙な気持ちになってしまった。
ゆっくり寝かせてあげて体調よくなってほしい。でもシたい。
こんなこと考えてる私に気がつかずに舞美ちゃんは笑顔でありがとうって言ってくれる。
でもその笑顔も誘われてるようにしか思えなくて。
「ねえ舞美ちゃん。ちょっと汗かこうか」
「もうかいてるよ?」
「もっとだよ。もっとかいたらきっと熱下がるよ」
そう言いながらパジャマのボタンを外していく。
さすがにこれには抵抗する舞美ちゃん。
「ちょっと愛理、だ、め…」
「だいじょうぶだいじょうぶ」
「だいじょうぶじゃない。汗でべとべとしてるし…」
「ちょっとだけだから。いいでしょ?」
ボタンを全部外し終わって舞美ちゃんを見る。
言っても聞いてくれないと思ったのかもう抵抗はなかった。
ごめんね舞美ちゃん、普段より優しくするから許してね。
最終更新:2010年03月23日 23:44