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ベッドの上で私が上になるのは新鮮、というか初めてのことだった。
いつもは私がされてばかりだったからどうにもする側は勝手がわからない。
たどたどしい手つきで愛理に触れると鼻にかかった甘い声が聞こえてくる。
普段ならガーッと触れるはずなのにこういう時はどうすればいいのかな。
とりあえず経験上、あまり強くすると気持ちいいを通り越して痛い。
だから弱く優しくしてたのに。

「ちがっ…もっと強くぅ……」

まるで甘えるような、媚びるような目つきで訴えられた。
もう…誘うのが上手だよね。

愛理の胸にやわやわと触れている私の手に自分の手を重ね、少し強引に力を入れて揉み始める。
その間も上目遣いは忘れずに。

時々思う。
愛理はいつからこんなに大人になったんだろう。

生意気と言われた昔に比べて性格は丸くなり、小さかった身長もどんどん伸びた。
写真集を出す度に身体つきも女らしくなっていた。
歌もさらに上手くなった。
見える部分だけ挙げてもこんなに成長している愛理。

どんどん魅力的になっていく愛理を見る度嬉しい反面怖かった。

ずっと私の愛理でいてほしい。
ずっと私だけの……


醜い独占欲で思考がいっぱいになりそうなのを精一杯振り払い、現実に向き直る。
そう、今は私の愛理なんだ。
余計なことを考えずにこの関係に溺れていればいい。

「愛理…」
「っん…まぃ…みちゃん……」
「愛理」

確かめるように何度か名前を呼ぶと、愛理は手を動かすのを止めて柔らかく微笑んだ。

「強くして、いいから……舞美ちゃんに…気持ちよくしてもらいたいから…」

そんなこと言われたら優しくなんてできないよ?なんて思う。

私の理性を断ち切るのなんて愛理にはお手の物みたいで、私がする側でもされる側でも結局主導権は愛理が握っている。
惚れた弱みなのかな。
それに気づいていながらも私は愛理から主導権を奪うことができない。
愛理に全て見透かされ、愛理の手の上で踊る。そのことに不満はなかった。

だけどせめてこういう時だけは私の思惑通りになってほしい。
なりふり構わず乱れる愛理が見たい。
私は愛撫を再開した。今度は要求通り強く。

「…んんっ…」
「こんな感じ?」
「…ぅん…舞美ちゃん…じょうず…」

まだまだ余裕はあるみたいだけれど、いつもより舌足らずな愛理。
可愛い。
私にしている時のどこか楽しげな顔も可愛いけれど、されている時の顔を見るのは初めてで妙に興奮する。

「…っ…あ…!やぁっ、そこ…」
「ここ気持ちよくない?」
「…ふぁ…ひっぱんないでよぉ…!」
「愛理はよくやるよ、こんな風に」

愛理の身体は柔らかくて白くて華奢で、胸なんかは大きくないけれど、なぜだかいやらしかった。

ピンとたちあがった胸の先端を親指と人差し指で挟んで引っ張るように摘む。
時折指を動かして先端をこりこりと刺激すると愛理の身体がぴくっと跳ねた。

「はあっ…、…や…」

目を潤ませて私を見上げてくる愛理。
その視線にぞくぞくする。

「気持ちいいんだよね」

指を動かしたままキス出来るほどの距離まで顔を近づけると、愛理がふっと笑った。
シーツを握っていた両手を私の頬に添え唇を重ねてくる。

「ん……」

いつもならここで舌が侵入してきて完全に愛理のペースにされるんだけど、今日は違う。
ただ短いキスを数回するだけ。
愛理の長い髪を手櫛でとかすように撫でると気持ち良さそうに声が漏れた。

「ね、舞美ちゃん、もっときもちよくして…」

囁くような小さい声が聞こえた。
それがあまりに色っぽくて「…うん」なんて一言を掠れた声で返すのが精一杯な私。

愛理の鎖骨を指でなぞる。
陶器みたいに滑らかな触り心地、綺麗に浮き出た鎖骨はとても魅力的だと思う。
吸い付いて痕をつけ、私の愛理だって証拠を残したい。
だけどそれは出来ないしお互いにしない約束だった。
特に最近ライブでも露出の多い衣装を着ることの多い愛理は、痕なんてきっとすぐにばれちゃう。
これ以上皆を、ファンの人を悲しませることは出来ないから、絶対に痕はつけない。
それに何より私達の関係がそんな形で終わることだけは避けたかった。

身体をずらして愛理の胸の先端をそっと口に含む。
ゆっくり舐めるように念入りに舌を這わせたり、時折吸い付いたり噛んだりしてみせる。
愛理の口からは荒い息と甘い声が漏れた。
もっと聞きたくてもう片方にも同じように刺激を与えると、さっきより大きく愛理の身体が反応して声も大きくなった。

「はぁんっ…!あぁ……ん…」

どうやら右の方が気持ちいいみたい。
少し強めにそこに歯を当てて刺激すると面白いくらいに身体がびくびくして背中を反らして感じる愛理。
他の人としたことがないからわからないけど、もしかすると愛理は感じやすい方なのかもしれない。

「可愛い…愛理」
「…かわいくない…」
「ううん。可愛いよ?」

本当だよ。
私は愛理のことが、可愛くて仕方ないんだよ?
愛理が可愛くて苦しくなるくらいに。

…そう伝えれたらいいのにどうにも今は頭が回らなくて、上手く伝えられない。
私がどれだけ愛理が可愛いか。
どれだけ愛理を好きか、愛してるか。
言葉で上手く伝えられたらどんなにいいだろう。
思うように話せない自分がすごく歯痒かった。

愛理の胸や肋骨、おへそやお腹に唇を這わせる。
少しでも私の気持ちが伝わればいいと念入りにキスを落としていく。
恥ずかしそうに身をよじる愛理を制して、太ももに手を這わせると心なしか愛理の身体が強張った。

「触っていい?」

ここまでくればもう触る場所は一目瞭然。
いつしか私は愛理のそこを触りたくて仕方がなくなっていた。
まだ他人に触れられたことがないであろう愛理の秘密の場所に早く触れたかった。

小さく深呼吸した後に、意を決したように「…いいよ」と言う声が聞こえる。
あんなに積極的に誘ってきたのにいざ触られるとなると消極的になる愛理に思わず笑ってしまいそうになるけど我慢。
ここで笑ったら拗ねられちゃうかもしれないから。

何も身につけていないそこに恐る恐る指を這わせる。
初めて触る愛理のそこはとても熱かった。
溢れ出る液体が指を濡らして、すっと撫でるとすかさず愛理から甘い声が漏れた。

「…舞美ちゃん…もうちょっと、上のほう……」

いつも色白の頬を赤らめ吐息混じりにそう言われて逆らえるはずもない。
愛理に言われるがままに少し上にある突起に指を這わせる。

「ひ、ぁんっ!」

ぷくっと膨らんだそれに液体を塗り付けるように何度も撫でる。
何度も何度も。たまに軽く指で押し潰すようにすると愛理の腰がびくびくっと跳ねた。

「愛理はよくこうするよね」

人差し指でそれをぐりぐりと回すように刺激する。
いつも私が愛理にされていることを試すと、断続的に喘ぐ声が聞こえてきた。

「あっ…ん……はぁ…あぁっ…」

話し声より高くて歌声よりも甘い。
聞いているだけで頭がくらくらしそうなほど心地好い。

もっと聞きたい。

その一心で、それを弄る指はそのままに中指を愛理の中へとゆっくり挿し込む。

「ふぁ……や、ぁ…」
「愛理可愛い」

シーツをぎゅっと握ってぶんぶんと頭を振る愛理が愛おしくて仕方ない。
痛くないようにゆっくりと指を動かして愛理の中を探る。
指、いれたことないのかな。
そう思えるくらい中は狭くて熱くて指が溶けそうなくらいだった。

「やぁ…舞、美ちゃ…舞美ちゃんっ…」
「愛理、好き」
「…んっ…舞美ちゃん」
「好きだよ、愛理」

一生懸命私を呼ぶ声に応えるように片腕で愛理の身体を抱きしめてやる。
腕の中の愛理は私の指の動きに反応して小さく震えている。
もうそろそろ辛いのかもしれない。
私は突起を弄る指の動きを速めつつ、挿し込んだ指で強めに中を擦った。
拙い私の愛撫に反応する愛理がこれ以上ないほど愛しい。

そう時間がかからずに愛理は身体を大きく震えさせ、一層高い声をあげて達したようだった。
指を引き抜いて両腕で抱きしめると力の入らない腕が背中に回ってくる。

「私もすき…舞美ちゃん…」


眠そうな、でも柔らかい微笑みを浮かべる愛理。

どんなに愛し合っていても、色んな面で普通のカップルとは違う。
私達にはゴールなんてない。
いつまでも続くわけじゃないこの関係を断ち切ることをしないのは間違ってるのかもしれない。

だけど
たとえ私達の関係が周囲に認められるものじゃないとしても、私は愛理を手放せない。
手放したくない。

愛理が苦しいときや悲しいとき、そばで守るのは私がいい。
楽しいときや嬉しいとき、よかったねって頭を撫でてあげるのは私がいい。
愛理の甘えもワガママも、私だけに向けていてほしい。

幼い頃からずっと見てきたんだから、たとえこの先幸せになれない関係だとしても、構わない。

愛理が私を必要としなくなるまででいい。
私より愛する人が現れたら、いっぱい泣くけど…でもちゃんと諦めるから。

だからその時までは、愛理のそばにいられますように。


腕の中の可愛い寝顔に、私はできるだけ優しいキスをした。
最終更新:2010年02月20日 20:28