ただ今コンサートのリハーサル休憩中。
そして…
あたしはストレスが溜まっている。
ストレスが溜まるなんて滅多にないんだけど…理由は一つ。
ここんとこずっと愛理とイチャイチャしていないから。
ついこの間までBuono!のコンサートやイベントがあったから愛理は忙しくて…
℃-uteでの仕事やBuono!のコンサートに行ったりして会うこともあったけど、色々バタバタしていて二人の時間なんて全くなかった。
「はぁ~…。」
悶々としながら愛理の事を考えていたら、つい溜息が出てしまった。
ストレスっていうより多分、ただ単に寂しさが蓄積してるだけなんだろうな。
「みぃたんどうしたの~溜息なんかついちゃって」
不思議そうな顔をしながらなっきぃが尋ねてきた。
「な、なんでもないよ!あ、新しい呼吸法を考えてただけ!」
「なにそれ~!私にも教えて!」
うっ…適当に言っただけなのに食いつくなんてさすがなっきぃ…。
咄嗟に考えた意味のわからない呼吸をしながらなっきぃと笑っていても、頭の中は愛理でいっぱいになってしまう。
当の愛理は夏休みの宿題に集中していて、一度もこっちを見てくれない。
話しかけたいけど、愛理は一生懸命宿題を解いてるんだから邪魔しちゃいけないよね…。
でもこっち向いてくれないかなあ~なんてなっきぃと変な呼吸法をしてる合間に何度か愛理を見たけど、愛理と目が合うことはなかった。
しばらくなっきぃと戯れて疲れたあたしは気分を変えるためにトイレに行った。
トイレを済ませて手を洗っていると入口のドアが開いた。
「あ、愛理。」
私の思考を掻き乱す張本人が突然現れたからちょっとびっくりした。
「舞美ちゃん…久しぶりだね」
「うん、そだね。あ、勉強はかどってる?学生は宿題があるから大変だよね。なんならあたしが教えてあげよっか?でもあたしが教えたって愛理の方が…」
久しぶりに愛理と話せるのが嬉しくて、マシンガンのように一人で喋っていたら、突然愛理が私に抱き着いてきた。
「あ、愛理…?」
「…私、舞美ちゃんを抱きしめたくて堪らなかった。ずっと我慢してたんだよ。
」
「うん。あたしも愛理と中々二人っきりになれなくて寂しかった。」
久しぶりに愛理の体温や匂いを感じる。
抱きしめてるだけなのに、なんでこんな幸せな気分になるんだろう。
そう思っていたら、急に愛理はあたしから身を引いて不満げな顔でボソっと呟いた。
「嘘ばっかり…」
「え…嘘じゃないよ?」
「じゃあなんでさっき私のところに来てくれなかったの?なっきぃとばっかりイチャイチャして。」
あれ。
愛理は勉強に集中してるとばかり思ってたのに。
そんな事気にしてるなんて思ってもいなかったから驚いた。
「イチャイチャしてないよ!それに…愛理の傍に行かなかったのは勉強の邪魔したくなかったから…。」
すると愛理は顔を背けながら言った。
「…舞美ちゃんのそういうとこ好きだけど、たまに不安になる…舞美ちゃんはみんなから好かれてるし、隙が多いから…ちょっとでも離れたら、その間に誰かに取られちゃうんじゃないかっていつも怖いんだよ…。」
愛理もそんな事を考えたりするんだ…。
あたしばっかり愛理の事を好きなのかなって思ってた。
「愛理。」
顔を背けたままの愛理をあたしは力いっぱい抱きしめた。
「あたしだっていつも不安になるよ。自分ばっかり愛理を好きなんじゃないかって。
あたしは愛理だけしか見てないんだからね?」
すると愛理は私の背中に手を回しながら言った。
「じゃあ…キスして?」
「え゛っここで!?む、無理だよっ誰か来るかもしれないし…それに恥ずかしいよ…」
「ならいい。」
そう言うと愛理はちょっと泣きそうな顔をしてまた顔を背けてしまった。
この顔にめっぽう弱い私は愛理の言葉に従うしかなかった。
「…わかった、するからそんな顔しないで」
恥ずかしい気持ちを押し殺しながら愛理の唇に触れた。
久しぶりに触れた、でもいつもの感触になんだか安心する。
唇を離すと愛理の笑顔が待っていた。
「えへへ、ありがとう舞美ちゃん。大好きだよ。」
「私も大好きだよ。」
お互いはにかみながら笑いあっていたら…
バンッ!
「みぃたん!新しい呼吸法、私も思いついた!…………あ。」
勢いよくなっきぃがドアを開けて入ってきた。
「ごっ、ごめん邪魔しちゃって!私なんか気にせず続けて続けて!」
「いやいや!いいの!ち、ちょうどレッスン室に帰るとこだったから!ね、愛理!」
「うんっそうそう!」
……………………。
その後、奇妙な空気が流れたまま3人でレッスン室に戻ったのは言うまでもない。
おわり
最終更新:2010年11月01日 08:03