マスクオフ

登録日:2019/09/13 Fri 01:15:28
更新日:2025/02/23 Sun 19:45:14
所要時間:約 5 分で読めます





マスクオフとは特撮・アニメ作品で、ヒーロー・ヒロインのマスク(ヘルメット)と取った状態の事を言う。

演出でのマスクを破損させた状態についてはこちら→マスク割れ


概要

特撮作品では変身前の役者=変身後のヒーローという前提があるとはいえ、実際は変身後の状態ではスタントマン・スーツアクターが演技を行っており、そういう意味では前者と後者は分かれているともいえる。
一方で、一部のシーンでは実際に役者が変身後のスーツを着用、顔だけを出しボディスーツを着用した状態で撮影をするケースもある。これによって「変身前のヒーロー」と「変身後のヒーロー」が重なり、印象に大きく影響を与えている。
また、そういったシーンは日本では数少なく、メイキングなどで明かされることも多い。

主な登場ケース

変身シーン

スーパー戦隊シリーズでは、当初は「科学戦隊ダイナマン」「超新星フラッシュマン」しか映らなかったものの、合成技術の発展により「星獣戦隊ギンガマン」以降はほぼ全作品の変身シーンにてマスクオフ状態を見る事が出来る。
と言っても胴体からスーツが着用されて行き、最後にマスクが装着される方式なので、厳密には「マスクオン」と言ったほうが正確か。
また、バンクシーンでなくでも特殊な状況での変身ではそのためだけに変身シーンが作られるという事も。
近年では、出演俳優のSNSや番組公式ブログ等でマスクオフ状態のオフショットが掲載されることも多い。

ピンチ・変身解除

敵の圧倒的な攻撃や作戦により変身を解除されるケースでは、「激走戦隊カーレンジャー」(全員マスクオフ後に変身解除)や「電磁戦隊メガレンジャー」でのメガブラック(マスク割れ→マスクオフ→変身解除)、魔法戦隊マジレンジャー(マスクだけ変身解除)といったこともある。

戦闘後の一息

戦いが終わり一息つくためにマスクを自ら外して顔を見せるケース。
メタルヒーローシリーズでは主に「レスキューポリスシリーズ」三部作、「ブルースワット」で見られ、スーパー戦隊シリーズにおいてもマスクオフが多い作品である「炎神戦隊ゴーオンジャー」や「特命戦隊ゴーバスターズ」でもこういったことも多く、「戦いの合間にマスクを脱いでやり取り→再び戦いが始まり再装着して戦闘」ということもある。

最終決戦

ラスボス・黒幕との最終決戦では集大成とばかりに本人による変身シーンから本人がスーツを着用しアクションするという事も多く、その過程でマスクオフすることもある。また、決着後は全てに終止符を打ち、マスクオフして黄昏るという事もある。

イベント

後楽園ゆうえんちや東京ドームシティで行われる「ファイナルイベント」では本人がスーツを着てショーに出演・挨拶を行うケースもあった。

各作品ごとのマスクオフ

※初版執筆者も随時加筆しますが、知識にも限界があるので適宜加筆してくださると幸いです。

スーパー戦隊シリーズ




仮面ライダーシリーズ

元々「改造人間」という設定であり、平成ライダーシリーズに入ってこれがオミットされてからも肉体変化で変身するライダーは多いため、スーパー戦隊シリーズと比べるとマスクオフはレア。
一方、やはりファンムックや番組公式SNS、公式ブログなどではメイキングやオフショットとして本人スーツの写真が掲載されていることもある。

仮面ライダー
本郷猛/仮面ライダー1号の初期の変身バンクは「サイクロン号が変形」→「本郷の首から下が変身しマスクオフ状態に」→「最後に顔が変わって変身完了」というもの。
本編でも、旧1号編においては何度かマスクオフの場面があった。
また、OP映像のラストでは、お馴染みの「仮面ライダー、本郷猛/一文字隼人は改造人間である」のナレーションをバックに、マスクオフ状態で手術台に拘束された本郷/一文字が改造手術に抵抗してもがく映像が挿入されており、初代『仮面ライダー』を代表する場面のひとつとして知られている。

仮面ライダーX
神敬介/仮面ライダーXはまず首から下が変身したのち、マスクの「レッドアイザー」と口部のエネルギー発生装置「パーフェクター」を順番にセタップ(装着)することで変身するため、1号と同じく必然的に変身バンクで毎回マスクオフを披露する。
番組後半でマーキュリー回路によるパワーアップを遂げてからは変身システムが変更され、マスクオフ演出もなくなったが、視聴者からはセタップの方が支持される傾向にある。
映画『平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊』ではこうした声に応えてセタップによる新規変身シーンが用意され、当然神敬介によるマスクオフも盛り込まれた。

仮面ライダーアギト
仮面ライダーG3/G3-Xはパワードスーツを手作業で着る形式のため、変身解除の代わりにマスクオフが多用された。
3大ライダー超決戦ビデオ「アギトvsG3-Xvsギルス いま選ばれる最強ライダー」』における同時変身シーンでは、氷川が予めマスクオフ状態で登場し、他の2人に合わせて「G3-X、装着!」の掛け声と共にヘルメットをかぶっている。
仮面ライダーアギト スペシャル 新たなる変身』の仮面ライダーG3-MILDや『劇場版 仮面ライダーアギト PROJECT G4』の仮面ライダーG4、G3-Xと正式採用を争った擬似ライダーのV1システムも同じくマスクオフを披露している。

仮面ライダー響鬼
仮面ライダー響鬼をはじめとした音撃戦士達は肉体変化タイプのライダーだが、変身すると服が吹っ飛んでしまうため、戦いが終わった後は顔だけ変身解除して一息つくのが定番。
劇中ではトドロキ/仮面ライダー轟鬼がうっかり全身一気に変身解除して山のど真ん中で素っ裸になってしまい、ザンキ/仮面ライダー斬鬼に「顔だけ解除出来るようになっとけ」と注意される場面もある。

仮面ライダーW
映画『仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010』では、最終決戦後に別の世界仮面ライダースカルが首から上だけの変身を解いた状態で左翔太郎達の前に登場。
師匠である鳴海荘吉から「半熟のお前に帽子はまだ早い」「俺に認められるまでは被るな」と言われ続け、死に際に「(帽子の)似合う男になれ」と言われた翔太郎が、別次元とはいえ、おやっさんから「誰だか知らんが、いい顔してるな。帽子が様になるのは一人前の証拠だ」と告げられるシーンは、『W』屈指の名シーンである。

仮面ライダーOOO
マスクオフそのものはないが、仮面ライダーバースはマスクの内側の変身者の顔と、その眼前に表示されたホログラムディスプレイがアップデート映る形での面透けが定番。
これにより「肉体変化のオーズ」に対する「パワードスーツのバース」という違いがより効果的に演出された。
後に『仮面ライダービルド』でも同様の演出が用いられている。

◇仮面ライダー鎧武
各アーマードライダーの初変身シーンでは、頭に被ったアームズの内側が映り、マスクオフ状態になった顔がアップで映ってから変身が完了するのが定番。
映画『仮面ライダー×仮面ライダー ドライブ&鎧武 MOVIE大戦フルスロットル』では、鎧武パートの「進撃のラストステージ」にて、黄金の果実を取り込んで強化されたメガヘクスにより変身解除された呉島貴虎が、弟の光実からメロンエナジーロックシードを得て再変身。「世界を蝕む悪意には、二度と屈しない!!」とマスクオフの状態のまま強い決意でメガヘクスを見据えるシーンに、役者の熱演が光る。

仮面ライダーエグゼイド
ポッピーピポパポ/仮野明日那/仮面ライダーポッピーの変身バンクにマスクオフ演出が盛り込まれている。

仮面ライダー THE FIRST仮面ライダー THE NEXT
本作の改造人間はレザースーツに昆虫・動物のマスクを装着することで戦闘態勢に入る。
従って、マスクそのものは装備品の一つに過ぎないことから、非戦闘時はほとんど常にマスクオフの状態となっている。
どこに収納されているかは謎

シン・仮面ライダー
本作において変身するのは「防護服とマスクの下にあるオーグメントの身体」であり、本作もまた、先述の『FIRST』&『NEXT』と同様マスクそのものは装備品の一つに過ぎず、非戦闘時はほとんど常にマスクオフの状態。
(例外はハチオーグ戦後、防護服をクリーニングしていると思われる時の本郷くらいか)


パワーレンジャーシリーズ

パワーレンジャーシリーズ』では日本以上に「戦闘服」としてのイメージが強いことからかマスクオフ状態になることも多く、「司令官の話をヘルメットを外して聞く」「変身してのトレーニング終了後にヘルメットを外して休憩する」「戦闘を終えてヘルメットを外して喜ぶ」といった事も多い。
ただ、これも作品によっては差はあり、『パワーレンジャー・タイムフォース』や『パワーレンジャー・ワイルドフォース』、『パワーレンジャー・ミスティックフォース』などマスクオフがあまり使われなかったケースもある。
また、アメリカで隔年開催されている「Power Morphicon」(歴代出演者達が揃い交流を楽しむ公式ファンイベント)では新作発表会も行われており、そこではいきなり本人スーツで登場しお披露目をするという中々贅沢な演出がなされている。


メタルヒーローシリーズ

当初はほとんどなかったが、『世界忍者戦ジライヤ』では変身後の姿も常にバイザーオフという変則的な形に。
強化形態「第2装着」では「ジライサーチャー」というバイザーを装着するようになったが、その後も第1装着の出番は多く、最終決戦の締めもこちらで飾った。
特警ウインスペクター』『特救指令ソルブレイン』『特捜エクシードラフト』のレスキューポリス3部作では変身バンクに取り入れられ、本編においても毎回の恒例行事に。
特に『ウインスペクター』はマスクのロックを解除して脱ぐバンクシーンも中々凝っており、「プハァッ!」と頭を振って汗を払う姿が非常に印象的なことから、「メタルヒーローのマスクオフといえばウインスペクター」というファンも多い。
少し変わったケースとして、『特捜ロボ ジャンパーソン』に登場したビルゴルディはジャンパーソンと違い人間の姿から変身するためマスクオフも可能であり、主人公が終始変身後の姿でのみ登場し、その偽物は変身能力持ちかつマスクオフも頻繁に披露という型破りな形式が採用された。
その後、『ブルースワット』は戦闘服を手作業で着込んでいる設定だったため、マスクオフとバイザーオフの両方が恒例行事となる贅沢仕様だったが、その後は『重甲ビーファイター』でレッドル(2代目)/鷹取舞が、『ビーファイターカブト』で鳥羽甲平/ビーファイターカブトと鮎川蘭/ビーファイターテントウが1度ずつ(しかも後者は幻影とはいえ敵に殺害され首がもげるというトラウマシーン)見せたくらいであった。

超星神シリーズ

超星神グランセイザー」「幻星神ジャスティライザー」「超星艦隊セイザーX」三作共に変身バンクではアンダースーツからマスクオフ→マスクオンの流れが見られた。
「グランセイザー」第50話「天馬、死す!」では主人公・セイザータリアス/弓藤天馬が撃墜されたシーンで11人のグランセイザーのマスクオフがイメージで描写され、最終回「復活の日」では黒幕であるベルゼウスを拘束したライバルキャラ・インパクター・ロギアをタリアス/天馬が見送る際に両者がマスクオフ。
「ジャスティライザー」最終回「明日に架ける夢」では巨大ジャスティライザー・シロガネインナースペース内で主役キャラ三名がマスクオフ。
エンディング画像ではデモンナイトのマスクオフカットが見られた。
「セイザーX」最終回「友情は時空を越えて…」では、ネオデスカルを倒したセイザーXの三人がマスクオフしている。

その他

◇神話戦士ギガゼウス
シフトを組んで交代制で変身する「ゼウス隊」の活躍を描いた深夜放送の特撮ドラマ。
変身解除の際は腕を顔の前で構えて左右に動かすことでマスクオフ状態になるのがお約束で、大ダメージを受けて変身が解けるパターン以外での全身変身解除シーンはない。
変身解除の際は顔に電流が走るらしく、シリアスな場面だろうと顔がビリビリと痙攣して変顔になる姿が映る

◇ハルサーエイカー
かの『琉神マブヤー』のにも参加した岸本司が手がけた沖縄のローカルヒーロー。
主人公アイをはじめとした超人「エイカー」のダメージ演出として頻繁にマスクオフが取り入れられている。
また、『ハルサーエイカー2』最終回でアイの妹ハルが変身した際は「能力が未熟なせいで完全な変身が出来なかった」という体でマスクオフ状態になっている。
なお、同作にはエイカーの他に「ノーグ」という2人の変身ヒーローも登場するが、こちらのマスクオフはなかった。

ドゲンジャーズ
基本的にそのシーズンの主人公*2を除くヒーロー達は(変身ヒーローという設定であっても)常に変身したままの状態で登場するが、キタキュウマンはシリーズ中で何度かマスクオフするシーンがある。そして自称「イケメン」なのがあながち嘘でない事も分かる。
また、エルブレイブもマスクを外すシーンがあるが、マスク(※メットの方)の下にマスク(※プロレスで使う方)をしているので素顔は映らない。リアル覆面レスラーでもあるのでこの辺りは致し方なし。

◇「恋は世界征服のあとで」
月刊少年マガジンで連載されていたラブコメディである今作だが、先述のスーパー戦隊シリーズのパロディネタがちりばめられている。本編でも頻繁にマスクオフする場面が多く、特に氷結戦隊ジェラート5のリーダー・レッドジェラート/相川不動が悪の秘密結社ゲッコーの幹部である死神王女/禍原デス美と秘密の交際をする際には互いがマスク/フードを外している。
アニメ版では名乗りのシーンが追加されるだけでなく、最終回でも本家戦隊最終回よろしくジェラート5のメンバーがマスクオフで名乗りを披露した。



追記修正はマスクオフしてからお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 特撮
  • アニメ
  • マスク
  • ヘルメット
  • マスクオフ
  • スーパー戦隊シリーズ
  • 仮面ライダー
  • メットオフ
  • メタルヒーローシリーズ
  • 超星神シリーズ
最終更新:2025年02月23日 19:45

*1 このためかGoogle等の検索エンジンで「キングオージャー マスクオフ」とかググっても関係無い画像や過去作の戦隊のマスクオフの画像しかヒットせず、pixivに於いても他の戦隊シリーズと比べてマスクオフのファンアートがかなり少ない。

*2 初代主人公の田中次郎/ルーキーは毎回変身前も映るが、それ以外の主人公は自分の主役シーズン以外は基本的に変身後の姿のままで登場する。