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地獄兄弟

登録日：2010/02/15 Mon 00:18:49
更新日：2024/04/17 Wed 11:49:20
所要時間：約 5 分で読めます




「今、誰か俺を笑ったか？お前か！？」
「いいなぁ…あの犬、褒められてる…」

Change Kick-Hopper
Change Punch-Hopper


地獄兄弟とは、特撮テレビドラマ『仮面ライダーカブト』に登場する矢車想／仮面ライダーキックホッパーと影山瞬／仮面ライダーパンチホッパーの2人を指す言葉である。

劇中で明確に『地獄兄弟』と名乗ったことはないが、落ちぶれた2人がやたら「地獄」に執着し、血の繋がりはなくてもお互いを兄弟として見ている事から、視聴者からそう呼ばれるようになり、最終的には東映公式でもこの呼称が定着した。
また、『地獄兄弟』としての2人の初登場回のサブタイトルが「地獄の兄弟」だったことも理由の一つ*1。

一見シリアスな暗い感じだが、実際はかなりのネタキャラである(真面目な時もあるが)。

スレなどで「兄貴……」とか暗い感じで書き込まれている場合はだいたいこれと思っていい。


【概要】

仮面ライダーカブト撃破に執念を燃やす矢車(当時は仮面ライダーザビー)は、執念を燃やしすぎて自らが掲げる『パーフェクトハーモニー』の信念を無視、チームワークを放棄したためザビーゼクターに見捨てられてしまう。
ザビーの資格を失った後、しばらく反省して再登場時には下っぱとしてでも隊に復帰しようとするが元部下の影山からいらない子扱いされてやさぐれ、地獄へ堕ちてしまった。

そして元上司を蹴落とした影山もザビーゼクターを失うと隊の他メンバーからいらない子扱いされて捨てられてしまう。

何とか元の地位に返り咲こうとする影山だったが、結局うまくいかなかった。
そうして絶望に沈む影山に、先に絶望していた矢車が「俺の弟になれ」と手を伸ばした。

こうして地獄兄弟は結成された。


基本的にネガティブ思考でひたすら卑屈。日の光に対して嫌悪と憧れを持つ。
だいたい活躍しようとする……つまり光を浴びようとするとしっぺ返しを喰らうとしてヒーローっぽい活躍はしないが、たまに元ヒーローの血が騒ぐのか活躍しようとする。


【メンバー】

基本的に矢車と影山の2人だが、『カブト』本編でミサキーヌ岬祐月にフラれた神代剣／仮面ライダーサソードが一時期入っていた事がある。
剣「俺は…地獄においても頂点に立つ男だ」


また『ネット版 仮面ライダーディケイド オールライダー超スピンオフ』では専用バイクがないことに拗ねた海東大樹が危うく仲間入りする所だった。

光夏海「このままやさぐれたら、大樹さん……地獄兄弟の仲間入りです」
門矢士「それは鬱陶しいな……」

この発言の時点で「地獄兄弟」の名が半ば公式でも扱われるようになった。


最後に末の弟として、影が薄いが遊園地のヒーローショー限定ライダーの仮面ライダーチョップホッパーがいる。
ただ公式映像化されたキャラクターではないので、存在自体があまり有名ではない。

上記の通り本来の地獄兄弟は矢車と影山の2人なのだが、それぞれ以前のザビーであり、落ちぶれてからホッパーになったためか『キックホッパー＆パンチホッパー』の名前の方が地獄兄弟専用ライダーっぽくて印象が強い。


【扱い】

仮面ライダーシリーズでもトップクラスのネタキャラであり、ファンからとても愛されており、さらには優遇され具合も半端ない。
『仮面ライダーディケイド』でレジェンドライダーが頻繁に登場するようになってからは特にそうで、色んな所に出てくるのみならず、だいたい本人が演じてくれている。
ファンからも俳優からも愛されている事がうかがえる。


以下、優遇されっぷり。

◆『仮面ライダーディケイド』

第2話「クウガの世界」第3話「超絶」にて変身後の本人が登場。
ネガティブっぷりを発揮しつつ、仮面ライダーディケイドと仮面ライダークウガに戦いを挑んだ。
鳴滝がディケイドを倒すために呼んだのに最終的にディケイドを放置してクウガをリンチした。
「貴様ァ……いま相棒を笑ったな？」
召喚された廃寺だが、地獄堕ち後の矢車が初登場した寺と同じロケ地だったりする。

◆『仮面ライダー クライマックスヒーローズ』シリーズ

PS2からWiiに移植されたクライマックスヒーローズWに初参戦。
当時は現役のディケイドや仮面ライダーW、声優が担当のキバットバットⅢ世やモモタロス、ウラタロス、キンタロス、リュウタロス以外は別人ばかりが声を当てる中で唯一本人が声を担当しており、しかもモードセレクト時の音声まである。
「サバイバルモード……」
「クライマックスモード……」

◆S.H.Figuarts

カブト系ライダー……どころか平成ライダーで一番に商品化され、ファンを驚かせた(笑わせた)。
しかも劇中で登場したカップラーメン『兄貴塩』『弟味噌』も付属する。
初回生産分にはネガティブキャンペーンとして台詞入り特別アクションベースが付属した。
現在までで仮面ライダーのS.H.Figuartsに台詞入りベースが付属したのは、同じく屈指のネタキャラである名護さんこと仮面ライダーイクサ、他には映司グリード、恐竜グリードの3人のみである。

◆『仮面ライダーバトル ガンバライド』

第4弾でSPとして登場後、006弾にて遂にこの2人の参戦が決定した。
蓋を開けてみると、2人揃ってLR化、しかもベストパートナー(よりにもよって即攻上等の速属性かつ破壊力バツグンの攻撃ベスパ)中の人も(恐らく)本人と某ﾀﾞﾃﾞｨ同様かなりの厚遇となった。
攻撃ベスパのため、第3期システムでは残る1人に002弾SR落ちの仮面ライダーエターナルを噛ませると地獄を楽しむデッキが完成してしまう。
更に兄弟ラーメンまでもまさかのカード化(無論SP)。
これに合わせ、先んじて登場していたスペシャルカードにも専用音声が追加された。
さらに007弾以降のSR落ちでもベスパ保持。こちらではしぶとさに定評ある体力ベスパとなり、トドメに体力ベスパ故にディケイド激情態ともベスパ。
地獄と悪魔のコラボレーションというステキ仕様になった。

◆『仮面ライダージオウ』

EP37「2006：ネクスト・レベル」、EP38「2019：カブトにえらばれしもの」に登場。
ここで加賀美新が劇中ではっきりと「地獄兄弟」と発言した。
影山は既に死亡しており、ここで登場した影山は彼に擬態したワーム。
また、経緯は不明ながら矢車はアナザーカブトとなっている。
2人ともホッパーへの変身は引き続き可能。
ちなみに矢車は全くと言っていいほど外見が変わっていなかったが、影山は明らかに太っていた(詳細は個々の項目へ)。


「笑え……笑えよ」（「笑えよ」と言われても本当に笑うと怒るので注意。）
「汚してやる…太陽なんて！」

「ライダーキック！」
「ライダーパンチ！」

ドワォ！


【余談】


  • この2人が変身するキックホッパー／パンチホッパーだが、実は平成ライダーでは唯一のバッタモチーフのライダーである。
    主役ライダーでバッタモチーフなのは平成ライダーには一人もおらず（仮面ライダーオーズに辛うじてバッタの要素がある程度）、サブを含めてもこの2人のみ。
    仮面ライダーバールクスと仮面ライダーゾンジスは「バッタをモチーフとしたライダーをモチーフとしたライダー」なので厳密には当てはまらない（一応ネオライダーモチーフのゾンジスにはバッタの面影がそこそこある）。
    そのため、明確なバッタモチーフの主役ライダーは、2019年登場の仮面ライダーゼロワンを待つことになる。

+ 参考：他の平成ライダーのモチーフ


追記・編集はゴールのない暗闇の中を歩きながらお願いします。

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最終更新：2024年04月17日 11:49

*1 『カブト』のサブタイトルは新聞やテレビ雑誌などの番組表にのみ載っていたが、その割にサブタイを知っている人は多かった。