※オリジナルキャラ注意
冥が行方知れずとなって3か月。御剣は、ありとあらゆる手段(それこそ職権も)を使って冥の居所を突き止めた。
といっても彼女の仕事先の法律事務所ではあったが、情報が何もないよりはかなりの進展だった。
彼女の消息は、行方知れずになってから1か月ほどである程度つかめていた。
しかし問題は、彼女と直接話ができるかどうか、という点だった。
仕事先に直接電話をして、彼女にとりついでもらえるかどうか、それに彼女が自らの意思で姿を消したのであれば、自分からの電話を取るかどうか。
結局の所、彼女の仕事場に乗り込むしかないと判断した御剣は、かなり強引に休暇を取ることにした。
といっても日頃多忙な彼がそうそう休みを取れるわけがなく、2か月間の仕事の調整で連休を含めた4日間をようやくもぎ取る事が出来た。
アメリカに着き、早速例の法律事務所を探し始めた。
どうやらそこはダウンタウンの近くにあり、治安はあまり良いように思えなかった。
彼女に似合わない街の雰囲気に、御剣は眉間のしわを深くした。
事務所の扉をノックし、少しすると中から男性の声が「どちらさん?」と尋ねた。
「日本から来た御剣というものです」
と答えると、少し時間を置いて扉が開けられた。
中から、ぼさぼさの金髪の大男が現れ、にっこり笑うと御剣に言った。
「ようこそ。レイジ・ミツルギ」
先ほど自分は名字しか告げなかったのに、なぜこの男は知っている。
警戒心が顔に出たのだろう、金髪の大男は言った。
「ああ、あんまり警戒しないで。メイに会いにきたんだろう?彼女はまだ外出先から帰ってないけど、それまでここで待っててくれればいいよ」
とたたみかけられた。怪しい事この上ないが、メイに繋がる人物だ、彼女の現状をあらかじめ聞いておくのもよいだろう、と御剣は思い、事務所の中に入った
事務所の中に入ると、暖房が効いている。コートを脱いですすめられるままソファに座った。
大男がコーヒーを出し、ソファに座ると、御剣は彼に名刺を渡した。
「・・・あなたには必要ないと思いますが」
すると、彼も名刺を取り出し、御剣に渡した。
「ジェフリー・ハドソン・・・、弁護士・・・精神科医?」
「そう。僕一応精神科医の資格持っているんだ。で、時々カウンセリングもやっているんだよ。まあそっちは商売にしてないんだけど」
「そうですか・・・」
「で、メイに会いに来たんだよね。ごめんね、うちの子が心配かけて」
「うちの子」・・・、この男はメイとどういった関係なのだ。不審に思い、無意識に彼の顔を睨みつけてしまう。
「ははっ、君、表情に乏しいと見せかけて結構分りやすいね」
「・・・」
不愉快だ、この妙な馴れ馴れしさ、そして知らぬ間に主導権を握られている。
しかし今はどう考えてもこちらの方が立場が弱い、メイのことが無ければこちらももう少し強く出られるのだが。
「メイはこちらで何をしているのですか?」
「せっかちだね。急いては事を仕損じるってことわざ知ってる?」
「はぐらかさないで頂きたい」
「やれやれ、、、。メイは検事を辞めて、ここで弁護士をしている。これでいいかい?」
「なぜここに?」
検事を辞めて、弁護士になるにしても、優秀な彼女のことだ、引く手数多だろう。
もっと環境のよい事務所もあるだろうに、、、。
「こんなボロい事務所に彼女は似合わないって?失礼だなあ。彼女が検事を辞めたキッカケの一つが僕だったからさ。ほんのちょっとした、ね」
それを聞いて、またしても御剣はジェフリーを睨みつけた。
「あなたが検事を辞めるよう、彼女に吹き込んだ、という事だろうか」
「違うよ。検事を辞めたのはあくまで彼女の意思だ。これは彼女と何度か話をしたカウンセラーとしての僕の見解になるが、聞くかい?」
御剣はうなずいた。
「僕の趣味の範囲でメイやメイの父親、そして君のことも調べさせてもらった。
そして彼女の話から、彼女は今もなお強い罪悪感に苛まれている、と私は考えている」
「それは先生、狩魔氏のことが原因だろうか。」
「もちろんそれが大きいだろう。父のしたことが、兄とも慕う人物のトラウマになっているのだから」
「それについて私はメイを責めるつもりはない。むしろ今、いや今まで私の側にいてくれたのを感謝している」
「そうだろうね。でもこれは君の問題ではなく、メイの心の問題だ。そして罪悪感以外に深い喪失感がある」
喪失感、、、。自らのみを頼りにし、誇り高く、いつもまっすぐ自分を追って来る彼女がそんな感情を持つのか。
(スレでは未完)
最終更新:2012年12月07日 18:31