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戦争パロ設定妄想


大陸に進行した御剣との通信が途絶えたことにより、軍は御剣を戦死したものとして関係者に通達した。
すでに父・豪を亡くし、御剣だけが心の支えとなっていた冥にそれは大きなショックを与えた。
これをきっかけに、冥は精神崩壊、記憶も何もかも失い白痴になる。
狩魔家は没落、冥は娼館に売られてしまう。
戦後、実は生きていた御剣が帰国。
冥が白痴で、しかも娼婦となっていることを知り、御剣は私財を投げうり、借金を重ね、冥を身請けする。
しかし、白痴の純粋さとその美貌から冥は娼館で一番の高級娼婦だった為、その後の二人の生活は貧しいものとなった。
自分を忘れ子供のような冥に戸惑いながら、それでも穏やかで慎ましく暮らしていた。
そんな中、とある晩、
「レイジは、メイのことすき?」
夕食の最中、突然の質問に御剣は戸惑った。
「いきなり何を…。いいから、食事を続けなさい。」
「レイジはメイのこときらい?」
悲しそうな顔で冥は自分の持つ箸の先を見つめている。
「冥、一体どうしたんだ?」
「だって!レイジはなにもいってくれないし、してこないもん!
いままでのおとこのひとたちはメイのことぎゅっとしてちゅっとして
『すき、すき』って『あいしてる』っていっつもかわいがってくれたもん!!」

二人で生活するようになっても、御剣は冥に触れていなかった。
幼げな冥に欲をぶつけるのは不健全な気がしたし、娼館とは違う生活をおくらせたかったからだ。
そのような御剣の思いは露知らず、冥自身の口から娼婦時代の他の男との肉体関係について話され、御剣はカッとなる。
「やめないか!」
突然出された大声に、冥は驚き、泣きながら部屋を飛び出す。
しかし、狭い平屋の中で捕まえるのは簡単だった。
「大きな声を出してすまなかった。」
「いや。・・・もういやだ。おみせにかえりたい・・・。さびしいよ」
「そんな・・・!」
冥の言葉に愕然とする御剣。
そして、抱かれることが愛情と刷り込まれている冥を哀れに思った。
御剣は冥を強く抱きよせる。
「私は冥のことを・・・愛している。」
「ほんとう?・・・だったら、レイジ・・・。」
涙で潤んだ目でねだられ、体が熱くなる。
―――冥がそう言うなら、それで分かってくれるなら、
御剣はこれまで堪えてきたものを一気に冥にぶつけた。

それ以来、冥が甘えてくる夜は体を重ねるようになり、
以前より睦まじく暮らしていたところ、ふとしたことで冥が記憶を取り戻す。
尊大な狩魔の令嬢だった自分と数多の男に体を開いてきた娼婦の自分。
両方の記憶に戸惑う冥は御剣に告げることもできず、接し方もぎこちなくなる。

数日おきには冥がすりよってきていたのに、一月ほど甘えてこないことに違和感を覚えながらも、
溜まった欲の解放のため御剣は初めて冥を誘う。
「そっちにいってもいいだろうか?」
言いながら、御剣は冥の布団に潜り込んでくる。
冥は流れのまま抱かれるが、記憶を取り戻して以来初めての情交に羞恥を覚える。
事後、御剣は冥を胸に抱きしめながら、疑惑を口にする。
「私が嫌になったか。」
これまでになく堪える素振り、日常的なぎこちなさ。
間違いなく何か原因あってのことだと思った。
「あなたこそ・・・私のこと、どう思っているのかしら?」
不自然さを気づかれていたことを悟り、冥は御剣の腕から逃れ背を向けながら問い返す。
「前にも言ったが・・・愛している。」
照れくさそうに言った御剣に冥は質問をさらに返す。

「白痴で娼婦の私を?・・・それとも、高飛車だった狩魔の令嬢の私を?」
「記憶が戻っていたのか!?何故、教えてくれなかった。」
「あなたが、白痴の私を好いているのなら言うべきではないと思ったのよ。
でも、記憶が戻った以上、やっぱりこれまで通りの子供みたいな振る舞いはできない。
‥‥全部覚えているの。私は汚れた女よ。もうあなたのお荷物にはならない。
また私をお店に売りなさい。身請けした時のような大金は戻ってこないけど、
今の暮らしより楽になるはずだわ。」
「冥!」

冥を強く抱く御剣。
「君は汚れてなんかいない。いつの時も何よりも美しく気高く清らかだ」
抵抗する代わりにキッと睨む冥。
「娼婦を清いと讃える気?私は数知れない男と交わったのよ」
「君の側から離れた私の罪だ。君は共にいたいと言ってくれたのに…君を守るために戦うなどという馬鹿げた幻想にかられた私のせいなのだ」
「レイジのせいなんかじゃない!私が…生きて帰るって言葉を、信じられなかったから…私が弱かったから…」
「君の体に触れた男達に、私がどれ程嫉妬したと思う?今でも八つ裂きにしてやりたい程だ。だが嫉妬の炎に耐える事が私に与えられた罰なのだよ」
「でも……私は」
「冥、愛している。
白痴の娼婦を愛したんじゃない。高飛車な令嬢を愛した訳でもない。
ただ、君を愛している」
互いに光る雫を掬い合う。
二つの影が重なり、一つとなった。
最終更新:2010年02月02日 01:50