アットウィキロゴ
  • エロなし
  • 2009年ハロウィン
  • 若干パラレル軽くヅカネタ


「レイジ、今年のハロウィンの衣装が出来たわよ」

メイはハロウィンをとても楽しみにしていて、毎年立派な衣装をオーダーしている。
大抵は私と揃えて作ってあり、その凝りようは半端じゃない。

二年前はバンパイヤと生け贄の花嫁で、
当日はメイを抱きかかえて街中を歩かされ翌日は筋肉痛に襲われた。
メイはウエディングドレスを着て始終ご機嫌だった。

去年は映画にもなった児童小説の魔法使いの学校の制服を着せられ、
私はやれ髪を切れ眼鏡をかけろ額にアザを描けと散々注文をつけられた。
この時は猫と梟までどこからか用意してきて、訪ねる家々で賞賛されメイは鼻高々だった。

…17歳にもなればいい加減お菓子を貰うのは卒業したいが、それもこれもメイを楽しませる為だ。
ハロウィンとはいえアメリカは物騒だ。
10歳のメイを一人で歩かせる訳にもいかない。


当日は勿論の事、メイは準備中も本当に嬉しそうで、
この時ばかりは子どもであることをとても楽しんでいる。


「今年は何の仮装だ?」
「これよ。くらえっ!」
私には赤い丈の長いジャケットに、黒のベスト。ボタンが白いシャツのカフスとお揃いになっている。
それに丈の長い黒いコートにアタッシュケース。
赤いスラックスは私には長いように思えるが、その分革靴の踵を高くしてあるようだ。

「私用の一式に君のネックレスが入っているぞ」
「それはタイブローチよ。ほら、これ見て」
提出された写真は、クラバットの上にチェーンの付いた装飾品をしていた。こうやってつけるのか。
髪は切らなくてすみそうだが、全部着るのは暑そうだ。そしてきっと歩きにくい。

「これは一体なんなんだい?」
「日本で人気のミュージカルなんですって」
「……知らないな」
アメリカ住まいとはいえ日本人の私が知らないのでは、街中の人が知らないんじゃないだろうか。
「いーの!問題は知名度じゃなくて、役柄よ」

メイはショートブロンドのカツラをかぶってご機嫌だ。

「エッジワースもフランジスカも検事なんだから!それも、天才検事よ」

成程。メイが仮装したがる訳だ。

「DVDも日本から取り寄せたから、早速歌とダンスの練習よ」
「……踊るのか」
「そうよ、今年はパフォーマンスコンテストに出場するわよ!
レイジがいるから大人の部に出られるわ!」

今年の凝りようも相当なものらしい。
その分メイは心底楽しそうで、とても異議を唱えられそうになかった。
最終更新:2010年02月02日 00:46